薔薇 害虫 駆除

大切に育てているバラに虫が付いてしまい、どう駆除すれば良いかお困りではありませんか。

葉が食べられたり、蕾がダメになったりすると本当にがっかりしますよね。

この記事を読めば、バラを襲う代表的な害虫の種類と見分け方から、初心者でも実践できる薬剤を使った駆除方法、そして農薬に頼らない木酢液や手で取り除くといった優しい対策まで、具体的な手順がすべて分かります。

実は、バラの害虫対策で最も重要なのは、発生後の駆除よりも「予防」です。

日々の観察と、風通しを良くする剪定など適切な栽培管理を行うことが、結果的に被害を最小限に抑える一番の近道になります。

この記事で紹介する予防と対策を実践し、あなたの大切なバラを害虫や病気から守り、毎年美しい花を楽しみましょう。

まず確認 バラを襲う代表的な害虫一覧

大切に育てているバラの様子がなんだかおかしい…そう感じたら、まずは害虫の発生を疑いましょう。

バラにはさまざまな種類の害虫が付きやすく、それぞれ特徴や被害の出方が異なります。

被害を最小限に抑えるためには、敵の正体をいち早く突き止めることが重要です。

ここでは、特にバラに発生しやすい代表的な害虫とその見分け方、被害の症状について詳しく解説します。

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【最重要】アブラムシ

バラ栽培で最も遭遇しやすい害虫の代表格がアブラムシです。

体長2〜4mmほどの小さな虫で、緑色や黒褐色、赤色など種類によって体色はさまざま。

春から秋にかけて、特に暖かく風通しの悪い環境で爆発的に繁殖します。

主にバラの新芽や蕾、若葉の裏にびっしりと群生し、植物の養分を吸汁します。

アブラムシに養分を吸われると、バラの生育が著しく悪くなるだけでなく、排泄物である「甘露(かんろ)」が原因で葉や茎がベタベタになり、黒いカビが発生する「すす病」を誘発することもあります。

また、ウイルス病を媒介する厄介な存在でもあります。

>>【即効】大量のアブラムシ駆除に!業者をオススメする理由と知らないと損する退治法と予防策

葉を食べる ハバチ・チュウレンジハバチ

ハバチの仲間は、成虫ではなく幼虫がバラに被害を与えます。

イモムシやシャクトリムシのような見た目の幼虫が、バラの葉を旺盛に食害します。

特に有名なのがチュウレンジハバチです。

その幼虫は集団で発生し、葉の縁から一斉に食べ進め、気づいたときには葉脈だけを残して葉がレース状にされてしまうことも。

また、チュウレンジハバチの成虫は、オレンジ色の胴体を持ち、春から初夏にかけてバラの若い茎に産卵します。

産卵された茎は、縦に裂けたような黒い傷跡が残り、その部分から先が枯れてしまう原因にもなります。

クモの巣のような糸を張る ハダニ

ハダニは体長0.5mm程度と非常に小さく、肉眼での確認が難しい害虫です。

名前に「ダニ」と付く通り、昆虫ではなくクモの仲間に分類されます。

高温で乾燥した環境を好み、特に梅雨明けから夏にかけて被害が拡大しやすくなります。

主に葉の裏に寄生して養分を吸うため、被害を受けた葉は、表面に針で突いたような白いカスリ状の小斑点が現れます。

被害が進行すると葉全体が白っぽくなり、光合成ができなくなって枯れ落ちてしまいます。

多発すると、葉や茎の間にクモの巣のような細かい糸を張り巡らせるのが特徴です。水に弱いため、葉裏への葉水が予防に繋がります。

白い虫が飛ぶ コナジラミ

コナジラミは、体長1〜2mmほどの白い小さな虫で、羽を持っています。

バラの株を揺らすと、白い粉のような虫が一斉に飛び立つのが特徴です。

主に葉の裏に寄生し、アブラムシと同様に吸汁して株を弱らせます。

コナジラミの排泄物もすす病の原因となり、葉が黒く汚れて美観を損ねるだけでなく、光合成を妨げます。

繁殖力が非常に高く、世代交代が早いため、薬剤に対する抵抗性を持ちやすいという厄介な性質があります。

花や新芽をダメにする スリップス(アザミウマ)

スリップスは、アザミウマとも呼ばれる体長1〜2mmほどの細長い虫です。

非常に動きが素早く、花の蕾や開いた花弁の間、新芽の隙間といった狭い場所に潜んでいるため、見つけるのが困難です。

主に開花期に被害が目立ち、花弁の汁を吸うことで、花にシミのような斑点ができたり、花びらの縁が茶色く変色したりします。

蕾の段階で被害を受けると、花が奇形になったり、きれいに開かずに終わってしまったりすることも。

新芽が加害されると、葉が縮れて正常に展開できなくなります。

>>【決定版】アザミウマの駆除方法まとめ|農薬を使わない自然な対策から予防まで網羅

幹に穴を開ける カミキリムシ(テッポウムシ)

カミキリムシの被害は、成虫ではなく幼虫によって引き起こされます。

ゴマダラカミキリなどの成虫がバラの株元の幹に産卵し、孵化した幼虫(通称:テッポウムシ)が幹の内部に侵入して内部を食い荒らします。

被害のサインは、株元の地面におがくずのような木くず(フン)が落ちていることです。

幼虫は1〜2年かけて幹の内部を食べ進み、水の通り道である道管を破壊します。

これにより、ある日突然、株全体が元気をなくし、葉がしおれて枯れてしまうという致命的な被害につながります。

早期発見が非常に重要です。

>>カミキリムシ駆除【業者完全ガイド】費用・時期・依頼の流れを徹底解説

初心者でもできるバラの害虫駆除 2つの方法

大切に育てているバラに害虫を見つけると、とてもショックですよね。

しかし、慌てる必要はありません。

害虫駆除の方法は、大きく分けて「薬剤を使う方法」と「薬剤を使わない方法」の2つがあります。

どちらの方法にもメリット・デメリットがあり、ご自身の栽培環境や考え方に合わせて選ぶことが大切です。

ここでは、初心者の方でもすぐに実践できる具体的な駆除方法を詳しく解説します。

薬剤(殺虫剤)を使った駆除方法

薬剤(殺虫剤)は、発生してしまった害虫を迅速かつ効率的に駆除したい場合に最も効果的な方法です。

特に、害虫が大量発生してしまった際には、薬剤の力を借りるのが現実的でしょう。

正しく使えば、大切なバラを害虫の被害から力強く守ってくれます。

薬剤の種類と選び方

バラ用の殺虫剤には様々な種類があり、どれを選べば良いか迷うかもしれません。

主に「剤形」と「成分の効き方」で分類できます。それぞれの特徴を理解し、状況に合わせて選びましょう。

まず、剤形には大きく分けて3つのタイプがあります。

  • スプレータイプ:購入後すぐに使える手軽さが魅力です。害虫を見つけたときにピンポイントで散布でき、初心者の方に最もおすすめです。「ベニカXネクストスプレー」のように、病気の予防も同時にできるタイプもあります。
  • 希釈タイプ:液体や粉末状の薬剤を水で薄めて使うタイプです。噴霧器が必要になりますが、コストパフォーマンスに優れており、たくさんのバラを育てている方に向いています。
  • 粒剤タイプ:株元に撒くだけで効果が持続するタイプです。「オルトランDX粒剤」などが有名で、土に混ぜ込むことで、根から薬剤の成分が吸収され、植物全体に行き渡ります(浸透移行性)。害虫の発生を予防する効果が高く、手間がかからないのが利点です。

次に、成分の効き方にも種類があります。

「接触剤」は薬剤が直接かかった害虫を駆除するもので即効性があり、「浸透移行性剤」は植物が成分を吸収し、その植物を食べた害虫を駆除するもので効果が長持ちします。

アブラムシやハダニには接触剤、植物の内部に潜むカミキリムシの幼虫(テッポウムシ)や食害するハバチの幼虫には浸透移行性剤が効果的です。

パッケージに対応する害虫が記載されているので、必ず確認してから購入しましょう。

>>プロが選ぶ害虫別のオススメ撃退(駆除)グッズ!置くだけ・スプレー徹底比較

効果的な薬剤の散布方法と注意点

薬剤の効果を最大限に引き出し、薬害などのリスクを避けるためには、正しい方法で散布することが不可欠です。

以下のポイントを守りましょう。

  • 散布のタイミング:風のない穏やかな日の早朝、または夕方に行いましょう。日中の高温時に散布すると、薬剤がすぐに乾燥して効果が薄れたり、葉が焼ける「薬害」の原因になったりします。また、雨が降る直前も薬剤が流れてしまうため避けてください。
  • 散布場所:害虫は葉の裏や新芽、花の付け根など、見えにくい場所に潜んでいることが多いです。葉の表だけでなく、特に葉の裏側を中心に、株全体にまんべんなく薬剤がかかるように丁寧に散布しましょう。
  • 展着剤の活用:薬剤を散布しても、バラの葉は水を弾きやすい性質があるため、薬剤が流れ落ちてしまうことがあります。そこで「展着剤」を希釈タイプの薬剤に混ぜて使うと、薬剤が葉にしっかりと付着し、効果を高めることができます。
  • 安全への配慮:薬剤を使用する際は、マスク、ゴーグル、長袖の服、ゴム手袋を着用し、薬剤を吸い込んだり皮膚に付着したりしないように注意してください。散布は風上から行い、ペットや子供が近づかないように配慮することも重要です。
  • ローテーション散布:同じ系統の薬剤を繰り返し使用していると、害虫がその薬剤に対する抵抗力を持ってしまうことがあります。これを避けるため、作用の異なる複数の種類の薬剤を交互に使用する「ローテーション散布」を心がけると、長期的に安定した効果が期待できます。

薬剤を使わない バラに優しい害虫駆除

「できるだけ農薬は使いたくない」「小さな子供やペットがいるので心配」という方には、薬剤を使わない自然に優しい駆除方法がおすすめです。

薬剤に比べて即効性は劣りますが、根気よく続けることで効果を発揮し、環境への負荷も少ないのが魅力です。

手やブラシで取り除く物理的な駆除

最も原始的ですが、確実な方法です。

害虫の数が少ない初期段階であれば、この方法が最も手軽で効果的です。

アブラムシやハバチの幼虫など、目に見える害虫を見つけたら、すぐに取り除きましょう。

  • 粘着テープ:ガムテープやセロハンテープの粘着面を使って、アブラムシなどをペタペタと貼り付けて取り除きます。葉を傷つけないように優しく行いましょう。
  • ブラシや筆:使い古した歯ブラシや柔らかい筆で、葉の裏などに付いたハダニやアブラムシをこすり落とします。
  • 水流で洗い流す:ホースのシャワーで勢いよく水をかけて、アブラムシやハダニを洗い流す方法も有効です。ただし、強い水圧で新芽や花を傷めないように注意が必要です。

これらの物理的な駆除は、毎日の観察で見つけ次第すぐに対処することが成功の鍵です。

木酢液など自然由来のもので対策

自然由来の成分を利用して、害虫を遠ざけたり、活動を弱らせたりする方法もあります。

殺虫効果は弱いものの、害虫が嫌う環境を作る「忌避効果」が期待できます。

  • 木酢液・竹酢液:木炭や竹炭を作る際に出る煙を冷却して液体にしたもので、独特の燻製のような香りがします。これを規定の倍率に水で薄めて散布すると、その香りを嫌って害虫が寄り付きにくくなります。土壌の有用な微生物を増やす効果も期待できます。
  • ニームオイル:「ニーム」というインド原産の樹木の種子から抽出されるオイルです。害虫の食欲を減退させたり、脱皮を妨げたりする効果があるとされています。水で薄めて散布して使用します。
  • 牛乳スプレー:牛乳を水で薄めてアブラムシに吹きかけると、乾いた牛乳の膜がアブラムシの気門を塞いで窒息させる効果があります。ただし、散布後に放置すると腐敗して悪臭の原因になるため、乾いた後に水で洗い流す作業が必要です。

これらの方法は、化学合成農薬ではないため安心して使いやすいですが、効果は穏やかです。

害虫が発生する前から予防的に、定期的に散布を続けることが大切です。

使用する際は、規定の濃度を守り、まずは一部の葉で試してから全体に使うと安心です。

天敵の益虫を利用する方法

自然の生態系を利用して、害虫を捕食してくれる「益虫(えきちゅう)」に活躍してもらう方法です。

庭に益虫が住み着く環境を整えることで、害虫の異常発生を抑えることができます。

  • テントウムシ:成虫も幼虫も、バラの大敵であるアブラムシを大量に食べてくれる、最も有名な益虫です。
  • ヒラタアブ:成虫は花から花へと飛び回りますが、その幼虫はアブラムシを捕食します。
  • カマキリ:肉食性で、大小さまざまな昆虫を捕食してくれる頼もしいハンターです。

これらの益虫を庭に呼び込むためには、殺虫剤の使用を控えることが第一です。

薬剤は害虫だけでなく、こうした益虫にも影響を与えてしまいます。

また、様々な種類の花やハーブを植えて、多様性のある環境を作ることも、益虫が暮らしやすい庭づくりにつながります。

大切なのは予防 バラを害虫から守る育て方のコツ

バラの害虫対策において、発生してしまった害虫を駆除することと同じくらい、あるいはそれ以上に大切なのが「予防」です。

害虫が発生しにくい環境を日頃から整えておくことで、薬剤散布の手間を減らし、バラ本来の美しさを健やかに保つことができます。

ここでは、初心者の方でも今日から実践できる、バラを害虫から守る育て方の4つのコツをご紹介します。

大切なバラを丈夫に育て、病害虫の悩みから解放されましょう。

日々の観察が最大の予防策

害虫対策の基本は「早期発見・早期対応」です。

毎日少しの時間でもバラの様子をチェックする習慣をつけることが、被害を最小限に食い止める最も効果的な方法と言えます。

水やりのついでに、以下のポイントを重点的に観察してみましょう。

まず確認したいのが「葉の裏」です。アブラムシやハダニといった小さな害虫は、雨風を避けられる葉の裏に集まっていることが多くあります。

葉を一枚めくって、黒や緑の小さな粒、あるいはクモの巣のような細い糸がないか確認してください。

次に「新芽や蕾」です。

柔らかく栄養が豊富な部分は、アブラムシやスリップス(アザミウマ)の大好物です。

新芽が縮れていたり、蕾がうまく開かなかったりする場合は、害虫の仕業かもしれません。

また、葉の色や形に異常がないか、不自然な穴や白い筋がついていないかもチェックしましょう。

これらはハバチの幼虫などによる食害のサインです。

最後に「株元や幹」も見逃せません。幹に穴が空いていたり、おがくずのようなもの(フラス)が落ちていたりしたら、カミキリムシ(テッポウムシ)が侵入している危険なサインです。

数匹の害虫を見つけた段階であれば、手や古い歯ブラシなどで取り除くだけで十分な対策になります。

日々の観察こそが、バラを守る第一歩です。

風通しと日当たりを良くする剪定

バラの株が蒸れてしまうと、病気や害虫が発生しやすくなります。

特に、うどんこ病や黒星病といったカビが原因の病気は、湿気が多い環境を好みます。

また、葉が密集している場所はハダニなどの害虫にとって格好の隠れ家となってしまいます。

そこで重要になるのが、適切な「剪定」によって風通しと日当たりを確保することです。

剪定と聞くと難しく感じるかもしれませんが、害虫予防の観点ではポイントはシンプルです。

まず、株の内側に向かって伸びている「内向きの枝(内向枝)」や、他の枝と交差している「交差枝」を根元から切り落としましょう。

これだけで株の中心部まで風と光が通り抜けるようになります。

枝同士がこすれ合ってできる傷は、病原菌の侵入口にもなるため、交差枝の剪定は病気予防にも繋がります。

また、茶色く枯れてしまった枝や、明らかに弱々しい細い枝は、病害虫の温床になりやすいため、見つけ次第取り除いてください。

適切な剪定は、株全体の光合成を促し、バラを健康に育てることにも繋がります。

結果として、病害虫に負けない強い株を作ることができるのです。

適切な水やりと肥料で健康な株に

人間と同じように、バラも健康であれば病気や害虫に対する抵抗力が高まります。

その健康を支える基本が「水やり」と「肥料」です。

まず水やりですが、基本は「土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと」与えます。

水のやりすぎは根腐れを引き起こし、株を弱らせる原因になります。

逆に水切れは株を乾燥させ、特にハダニが発生しやすくなるため注意が必要です。

水を与える際は、葉や花に直接かけず、株元に静かに注ぎましょう。

葉が濡れたままだと、病気の原因菌が繁殖しやすくなります。

肥料に関しては、「与えすぎ」、特に窒素(N)成分の過剰に注意が必要です。

窒素は葉や茎を成長させるために必要な栄養素ですが、多すぎると枝葉が軟弱に茂りすぎてしまい、アブラムシなどの害虫を呼び寄せる原因となります。

リン酸(P)やカリウム(K)もバランス良く含んだ、バラ専用の肥料を規定量与えるのがおすすめです。

丈夫な株を育てることは、害虫にとって魅力のない環境を作ることでもあります。適切な管理で、バラの免疫力を高めてあげましょう。

コンパニオンプランツを一緒に植える

バラの近くに特定の植物を植えることで、害虫を遠ざけたり、天敵を呼び寄せたりする効果が期待できます。

こうした植物を「コンパニオンプランツ(共栄作物)」と呼びます。

農薬の使用を減らし、庭の景観を豊かにしてくれる一石二鳥の方法です。

バラのコンパニオンプランツとして最も有名なのが「マリーゴールド」です。

その独特の香りにはアブラムシなどを遠ざける効果があるといわれ、根に寄生するネコブセンチュウを抑制する効果も知られています。

また、ニンニクやチャイブ、ニラといったネギ類(ユリ科)の植物もおすすめです。

これらが放つ強い香りは、アブラムシの忌避や、黒星病の予防に役立つとされています。

他にも、アブラムシ除けとして「ラベンダー」や「カモミール」、ハダニ除けに「コリアンダー(パクチー)」などを植えるのも良いでしょう。

ただし、ミント類は非常に繁殖力が強いため、地植えにすると庭中にはびこってしまう可能性があります。

鉢植えのままバラの株元に置くなどの工夫をすると安心です。

これらの植物を組み合わせることで、多様な生物が集まる小さな生態系が生まれ、特定の害虫が大量発生するのを防ぐ効果が期待できます。

害虫が原因?バラがかかりやすい病気と対策

バラのトラブルは害虫による直接的な食害だけではありません。

実は、害虫が原因で引き起こされる病気も多く、株を深刻な状態に陥らせることがあります。

例えば、アブラムシやカイガラムシの排泄物(甘露)を栄養源として「すす病」という黒いカビが発生したり、ウイルス病を媒介したりすることがあります。

また、害虫による被害で株が弱ると、病原菌への抵抗力が低下し、普段ならかからないような病気に感染しやすくなります。

害虫駆除は、こうした二次的な病気を防ぐためにも非常に重要です。

ここでは、バラがかかりやすい代表的な病気とその対策について解説します。

うどんこ病

うどんこ病は、バラの病気の中でも特に発生頻度が高く、多くのガーデナーを悩ませる病気の一つです。

葉や新芽、つぼみなどに白い粉(うどん粉)をまぶしたようなカビが生えるのが特徴です。

放置すると、光合成が妨げられて生育が悪くなり、葉が縮れたり、花が奇形になったりします。

最悪の場合、株全体が衰弱してしまいます。

この病気は、気温が17〜25℃くらいで、湿度が低い乾燥した環境を好むため、特に春と秋に発生しやすくなります。

日当たりや風通しが悪い場所で多発する傾向があります。

また、肥料の与えすぎ、特に窒素分が多いと葉が軟弱になり、病原菌が侵入しやすくなるため注意が必要です。

対策としては、まず予防が肝心です。

剪定によって株内部の風通しを良くし、葉にまんべんなく日光が当たるようにしましょう。

病気が発生してしまった場合は、初期段階であれば症状が出ている葉を取り除き、被害の拡大を防ぎます。症状が広範囲に及ぶ場合は、専用の殺菌剤を使用するのが効果的です。

代表的な薬剤には「サプロール乳剤」や「ベンレート水和剤」、あるいは自然由来の成分でできた「カリグリーン」などがあります。

薬剤を使用する際は、同じものを使い続けると耐性菌が出現する可能性があるため、複数の異なる系統の薬剤を交互に散布する「ローテーション散布」を心がけましょう。

黒星病(黒点病)

黒星病(こくせいびょう)は、黒点病(こくてんびょう)とも呼ばれ、うどんこ病と並んでバラの二大疾病とされるカビが原因の病気です。

葉に黒い円形の斑点ができ、その周囲が黄色く変色し、やがて葉全体が黄化して落葉します。

主に下の葉から発生し始め、徐々に上へと広がっていきます。

放置するとほとんどの葉が落ちてしまい、株が丸裸になって光合成ができなくなり、著しく衰弱してしまいます。

黒星病の病原菌は、雨や水やりの際の泥はねによって土から葉に付着することで感染します。

そのため、雨の多い梅雨の時期や、秋の長雨の時期に特に発生しやすくなります。

一度発生すると、落ち葉の中でも病原菌が生き続けるため、翌年の発生源となる厄介な病気です。

最も効果的な対策は、感染経路である泥はねを防ぐことです。

株元をバークチップやワラ、腐葉土などで覆う「マルチング」を行うことで、雨水が直接土に当たるのを防ぎ、病原菌の飛散を大幅に抑制できます。

また、風通しを良くして葉が濡れている時間を短くすることも予防につながります。

病気に感染してしまった葉を見つけたら、すぐに摘み取って処分してください。

地面に落ちた葉もこまめに拾い集め、菌の温床にしないことが重要です。

薬剤を使用する場合は、発生前から定期的に散布する予防散布が基本となります。詳しくは住友化学園芸の病害虫ナビなども参考に、ご自身のバラに合った薬剤を選びましょう。

代表的な薬剤として「ダコニール1000」や「トップジンM水和剤」などがあり、これらもうどんこ病と同様にローテーション散布が推奨されます。

まとめ

美しいバラを育てる上で、害虫対策は避けて通れない重要な作業です。

この記事では、アブラムシやチュウレンジハバチといった代表的な害虫の見分け方から、初心者でも実践できる具体的な駆除方法までを解説しました。

害虫を発見した際は、状況に応じて殺虫剤などの薬剤を使う方法と、手で取り除いたり木酢液を活用したりする薬剤に頼らない方法を使い分けることが効果的です。

しかし、害虫対策において最も重要な結論は「駆除」よりも「予防」にあります。

なぜなら、日々の観察を欠かさず、剪定によって日当たりと風通しを確保し、適切な水やりと施肥でバラそのものを健康に育てることが、結果的に害虫や病気への抵抗力を高める最善の策となるからです。

健康な株は、害虫の被害を受けにくく、被害にあっても回復が早まります。

本記事でご紹介した予防法を日々のガーデニングに取り入れ、万が一害虫が発生した際には適切な駆除を行うことで、大切なバラを一年中守ることができます。

さっそく今日からバラの様子をチェックして、美しい花を長く楽しむための一歩を踏み出しましょう。