
羽アリを見かけた、柱や床下に不安がある…でも「シロアリ対策は業者に頼むしかない」と思っていませんか?
結論から言うと、被害の状況や目的によっては、市販の対策グッズを使ったDIYで十分な効果が期待できます。
この記事では、ご自身でシロアリ対策を始めたい方のために、殺虫スプレー、ベイト剤(毒餌剤)、木部処理剤、土壌処理剤といったグッズの種類ごとの効果と正しい使い方を徹底解説。
さらに、「予防」と「駆除」の目的別や、床下・庭・室内といった場所別の最適な選び方から、プロが実践する効果的な組み合わせ、ホームセンターで買えるおすすめ商品まで網羅的にご紹介します。
この記事を最後まで読めば、あなたの家の状況に本当に必要なシロアリ対策グッズが明確になり、もう何を買うべきか迷うことはありません。
目次
シロアリ対策はグッズでDIY可能か プロと自分でやる場合の違い
「もしかして、家にシロアリがいるかも…?」そう感じたとき、まず頭に浮かぶのが市販の対策グッズを使ったDIYでの対処ではないでしょうか。
ホームセンターやインターネット通販では、スプレータイプから設置型の毒餌剤まで、多種多様なシロアリ対策グッズが手軽に購入できます。
結論から言うと、発生初期の限定的な被害や、被害を受ける前の「予防」であれば、市販グッズを使ったDIYでもある程度の効果は期待できます。
しかし、すでに被害が進行している場合や、根本的な解決を目指すのであれば、DIYには限界があるのも事実です。
シロアリ対策を自分で行う場合と、専門業者(プロ)に依頼する場合では、費用、効果、安全性など、さまざまな面で大きな違いがあります。
ここでは、それぞれのメリット・デメリットを詳しく比較し、どちらの方法があなたの状況に適しているのかを判断する材料を提供します。
DIY(自分で行う)シロアリ対策のメリット・デメリット
市販のグッズを使って自分で行うシロアリ対策は、手軽さとコスト面で大きな魅力があります。
メリット
- 費用を大幅に抑えられる
最大のメリットは費用です。プロに依頼すると数十万円かかることもありますが、DIYであれば数千円から数万円程度のグッズ購入費で済みます。庭の杭やウッドデッキの柱など、気になる箇所だけをピンポイントで対策したい場合に特に有効です。 - 思い立ったらすぐに実行できる
業者を探して見積もりを取り、スケジュールを調整するといった手間がかかりません。ホームセンターなどでグッズを購入すれば、その日のうちに対策を始めることができます。
デメリット
- 効果が限定的で、駆除しきれないリスクがある
シロアリの被害は、目に見える場所以外の床下や壁の内部など、広範囲に及んでいることがほとんどです。市販のグッズでは薬剤の届く範囲が限られており、巣の中心部にいる女王アリまで駆除するのは極めて困難です。表面的な対処に留まり、根本的な解決に至らないケースが多く見られます。 - 安全性の確保が自己責任になる
薬剤の散布には専門的な知識が必要です。特に床下のような閉鎖空間での作業は、酸欠や薬剤の吸い込みによる健康被害のリスクが伴います。服装や換気など、十分な安全対策を自分で行わなければなりません。また、小さなお子様やペットがいるご家庭では、薬剤の選定や使用場所に細心の注意が求められます。 - 手間と時間がかかる
床下に潜って薬剤を散布したり、ベイト剤(毒餌剤)を定期的に点検・交換したりと、想像以上に手間と時間がかかります。正しい知識 없이作業を行うと、十分な効果が得られないまま労力だけを費やすことにもなりかねません。
プロ(専門業者)に依頼するメリット・デメリット
費用はかかりますが、プロに依頼することで得られる安心感と確実性は大きなメリットです。
メリット
- 根本的な駆除と高い予防効果が期待できる
プロはシロアリの生態や建築構造に関する専門知識を持っています。床下などに潜り、被害状況や侵入経路を正確に調査した上で、シロアリの種類や建物の構造に合わせた最適な工法と薬剤を選定します。専用の機材を用いて、一般では手の届かない場所まで徹底的に処理するため、巣ごと根絶する高い駆除効果が期待できます。 - 安全性が高く、保証も付く
使用する薬剤は安全性が確認されたものですが、施工は公益社団法人日本しろあり対策協会などが定める仕様書や安全管理基準に則って行われます。また、多くの業者では施工後5年程度の長期保証を付けており、保証期間内にシロアリが再発した場合は無償で再施工してくれるため、長期的な安心感を得られます。 - 手間が一切かからない
調査から見積もり、施工、アフターフォローまで、すべてを専門業者に任せることができます。自分で大変な作業をする必要は一切ありません。
デメリット
- 費用が高額になる
DIYに比べて費用は高くなります。一般的な木造住宅の場合、駆除と予防を合わせて15万円~30万円程度が相場とされています。ただし、これは建物の広さや被害状況によって大きく変動します。 - 信頼できる業者を選ぶ必要がある
残念ながら、中には高額な請求をしたり、手抜き工事をしたりする悪質な業者も存在します。複数の業者から見積もりを取り、実績や保証内容、担当者の対応などを比較検討して、信頼できる業者を慎重に選ぶ必要があります。
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【目的別】シロアリ対策グッズの種類と効果
シロアリ対策グッズと一言でいっても、その種類は多岐にわたります。
今すぐ目の前のシロアリを退治したいのか、将来の被害を防ぎたいのか、その目的によって選ぶべきグッズは全く異なります。
ここでは、代表的なシロアリ対策グッズを5つの種類に分け、それぞれの効果や特徴を詳しく解説します。
ご自身の状況に最適なグッズを見つけるための第一歩として、ぜひ参考にしてください。
今いるシロアリを直接駆除する殺虫スプレー
室内や庭でシロアリや羽アリの姿を発見した際に、最も手軽に使えるのが殺虫スプレー(エアゾール剤)です。
シロアリに直接噴射することで、配合されている殺虫成分(ピレスロイド系など)が速やかに作用し、その場で駆除することができます。
多くの製品には細いノズルが付属しており、壁の亀裂や木材の穴といった狭い隙間の奥に潜むシロアリにも薬剤を届けやすいのが特徴です。
ただし、殺虫スプレーの効果は薬剤がかかった個体に限定されます。
建物の奥深くにある巣全体や、そこにいる大多数のシロアリを根絶する力はありません。
あくまで緊急時の応急処置や、目に見える範囲のシロアリを退治するためのグッズと理解しておきましょう。
巣ごと根絶を狙うベイト剤(毒餌剤)
シロアリの巣を根本から破壊したい場合に有効なのが、ベイト剤(毒餌剤)です。
これは、シロアリが好む木材の主成分(セルロース)などを餌として、脱皮を阻害する成分など、ゆっくりと効果が現れる薬剤を混ぜ込んだものです。
ベイト剤の最大の特長は、シロアリの「餌を巣に運び、仲間に分け与える」という習性を利用する点にあります。
餌を食べた働きアリが巣に薬剤を持ち帰り、女王アリや兵隊アリ、幼虫に分け与えることで、時間をかけて巣全体を根絶に導きます。
即効性はありませんが、建物を傷つけることなく巣をまるごと駆除できる可能性を秘めた対策方法です。
地面に埋設するステーションタイプや、蟻道(ぎどう)に直接設置するタイプなどがあります。
木材への被害を防ぐ木部処理剤
木部処理剤は、建物の土台や柱といった木材をシロアリの食害から守るための薬剤です。
主な目的は「予防」ですが、すでに被害が発生している木材に使用して内部のシロアリを「駆除」する効果を持つ製品もあります。
液体状の薬剤を刷毛で塗ったり、スプレーで噴霧したりして木材の表面に薬剤層を形成します。
これにより、シロアリが木材を食べるのを防いだり、かじったシロアリを駆除したりします。被害が進行している場合は、ドリルで木材に穴を開け、内部に薬剤を注入することもあります。
多くの木部処理剤には、木材の腐朽を防ぐ防腐効果や、カビの発生を抑える防カビ効果も付与されており、木材そのものの耐久性を高める役割も果たします。
地面からの侵入をブロックする土壌処理剤
日本の住宅に被害をもたらすシロアリの多くは、地中を通って建物に侵入します。その侵入経路を遮断するために使われるのが土壌処理剤です。
建物の基礎の周囲や床下の地面に薬剤を散布し、薬剤のバリアを形成することで、シロアリが建物に近づくのを防ぎます。
土壌処理はシロアリ予防の基本であり、非常に重要な対策です。
土壌処理剤には、水で薄めてジョウロや噴霧器で散布する「乳剤」タイプと、そのまま地面に撒く「粒剤」タイプがあります。
乳剤は効果が高く持続性も期待できますが、散布には手間がかかります。
一方、粒剤は手軽に扱えるのがメリットですが、効果の持続期間は乳剤に比べて短い傾向があります。
新築やリフォームで使われる防蟻シート
防蟻シートは、薬剤を練り込んだり塗布したりした樹脂製のシートで、主に建物の基礎コンクリートの下や床下に敷き込んで使用します。
このシートを敷くことで、シロアリが地中から建物へ侵入するのを物理的に防ぎます。
さらに、シートに含まれる薬剤成分に触れたシロアリを駆除する効果も持ち合わせています。
一度施工すれば長期間にわたって効果が持続するのが大きなメリットです。
ただし、その性質上、建物の建築中や大規模なリフォームの際に施工するのが一般的であり、すでに建っている住宅にDIYで後から設置するのは非常に困難です。
主に専門業者が使用するプロ向けの建材と位置づけられています。
状況に合わせたシロアリ対策グッズの選び方
市販のシロアリ対策グッズは種類が豊富で、「どれを選べば良いかわからない」と悩む方も多いでしょう。
しかし、シロアリ対策は状況に合わないグッズを使っても十分な効果は得られません。
大切なのは「目的」「場所」「シロアリの種類」という3つの視点から、ご自身の状況に最適なグッズを見極めることです。
ここでは、効果的なシロアリ対策を実現するためのグッズの選び方を詳しく解説します。
「予防」か「駆除」か目的で選ぶ
シロアリ対策の目的が、発生を防ぐ「予防」なのか、すでに見つけたシロアリを退治する「駆除」なのかによって、選ぶべきグッズは大きく異なります。
シロアリの発生を防ぐ「予防」が目的の場合
まだシロアリの被害はないものの、将来に備えたい、または一度駆除した後の再発を防ぎたいという場合は、シロアリが住み着きにくい環境を作るグッズが有効です。
おすすめは、地面に設置して巣ごと根絶を狙う「ベイト剤(毒餌剤)」や、木材に薬剤を塗布・注入してシロアリの食害を防ぐ「木部処理剤」、床下の土壌に散布して侵入経路を断つ「土壌処理剤」です。
これらのグッズは、シロアリが近寄れないバリアを形成したり、侵入してきたシロアリを巣ごと駆除したりすることで、長期的な予防効果を発揮します。
今いるシロアリを退治する「駆除」が目的の場合
すでに羽アリが飛んでいる、柱や壁に蟻道(ぎどう)がある、木材がスカスカになっているなど、シロアリの存在を確認した場合は、迅速な駆除が必要です。
目の前にいるシロアリを直接退治するには「殺虫スプレー」が即効性があり便利です。
ただし、スプレーで駆除できるのは見えている個体のみで、巣の中にいる大多数のシロアリには効果がありません。
巣ごと根絶を目指すためには、働きアリに毒餌を運ばせる「ベイト剤」の設置や、被害箇所に直接薬剤を処理する「木部処理剤」の注入が不可欠です。
状況に応じてこれらのグッズを組み合わせることが、確実な駆除につながります。
対策したい場所で選ぶ(床下・庭・室内)
シロアリ対策を行う場所によっても、適したグッズは変わります。
被害が疑われる場所や、予防したい場所に合わせて選びましょう。
床下での対策
湿気が多く暗い床下は、シロアリにとって最も快適な環境であり、被害の中心地となりやすい場所です。
床下での対策には、地面からの侵入を防ぐ「土壌処理剤」と、建物の土台や大引といった木部を保護する「木部処理剤」の組み合わせが基本となります。
広範囲に薬剤を散布する必要があるため、噴霧器やスプレータイプの製品が適しています。
また、定期的な点検も兼ねて「ベイト剤」を設置しておくのも効果的です。
庭・屋外での対策
庭にあるウッドデッキ、杭、切り株、ガーデニングで使う木製の柵などは、シロアリの餌食になりやすい箇所です。
屋外では、雨風に強く、長期間効果が持続するグッズを選びましょう。
土の中に埋めて使う「ベイト剤」は、庭に潜むシロアリの巣を発見し、駆除するのに最適です。
ウッドデッキなどには、防腐・防カビ効果も兼ね備えた「木部処理剤」を定期的に塗布することで、被害を未然に防げます。
室内(壁・柱・畳など)での対策
室内でシロアリや被害を発見した場合、すでに被害が進行している可能性が高い深刻な状況です。
壁の中や柱、畳の下などでシロアリを見つけたら、まずはノズル付きの「殺虫スプレー」で直接駆除します。
その後、被害が確認された木部にドリルで小さな穴を開け、「木部処理剤」を注入することで、内部に潜むシロアリを駆除し、木材の強度低下を防ぎます。
ただし、室内での被害はDIYでの完全な駆除が非常に困難なため、早急に専門業者へ相談することを強く推奨します。
シロアリの種類で見極める選び方
日本で住宅に被害をもたらす主なシロアリは「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」です。
種類によって生態が異なるため、特徴に合わせた対策が求められます。
ヤマトシロアリの場合
北海道北部を除く日本全土に生息し、最も一般的なシロアリです。
湿った木材を好み、水を運ぶ能力がないため、浴室やキッチン、北側の床下など湿気の多い場所で被害が集中する傾向があります。
特定の巣は作らず、加害している木材が巣を兼ねます。被害が局所的なことが多いため、被害箇所への「木部処理剤」の注入や「殺虫スプレー」での対処が比較的有効です。
ただし、複数のコロニー(集団)が存在する場合もあるため、油断は禁物です。
イエシロアリの場合
千葉県以西の温暖な沿岸部に生息し、非常に攻撃的で被害の進行が速いのが特徴です。
水を運ぶ能力があるため、建物の乾燥した木材まで加害し、家全体に被害が及ぶことも少なくありません。
地中や壁の中に数万~百万匹規模の巨大な巣(本巣)を作るため、巣ごと根絶しなければ被害は止まりません。
このため、巣の根絶に最も効果的な「ベイト工法(ベイト剤を使用する駆除方法)」が推奨されます。
イエシロアリの被害が疑われる場合は、DIYでの対策は極めて困難なため、速やかに専門業者に調査と駆除を依頼してください。
シロアリの種類を正確に特定するのは専門家でなければ難しいのが実情です。
もし羽アリを見つけたら、数匹をテープなどで捕獲しておき、業者に相談する際に見せるとスムーズな診断につながります。
【種類別】シロアリ対策グッズの正しい使い方と注意点
シロアリ対策グッズは、その種類によって効果や使用方法が大きく異なります。
せっかく購入したグッズも、使い方を間違えれば効果が半減するどころか、かえって被害を拡大させてしまう危険性も。
ここでは、代表的なシロアリ対策グッズの種類別に、プロが実践する効果的な使い方と、安全に使用するための注意点を詳しく解説します。
殺虫スプレーの効果的な噴射方法
殺虫スプレーは、目の前に現れたシロアリや羽アリを直接退治するのに便利なアイテムです。
しかし、使い方には少しコツが必要です。
最も効果的なのは、付属の細いノズルを使って、シロアリの被害が出ている木材の穴や亀裂、蟻道(ぎどう)の内部に直接薬剤を注入する方法です。
木材の表面にいるシロアリだけでなく、内部に潜む個体にも薬剤を届けることを意識し、数秒間しっかりと噴射しましょう。
室内で羽アリが大量発生した場合は、飛んでいる羽アリに直接噴射して駆除することも可能です。
ただし、重要な注意点があります。
それは、シロアリが作った土のトンネルである「蟻道」をむやみに壊してスプレーをかけないことです。
驚いたシロアリが別の場所に逃げ、被害が家の見えない場所へ拡散してしまうリスクがあります。
殺虫スプレーはあくまで、発見したシロアリへの応急処置や、被害箇所へのピンポイントな注入に留めましょう。
使用時は火気を避け、必ず窓を開けるなどして十分に換気を行ってください。人やペット、食品にかからないよう配慮することも忘れないでください。
ベイト剤を設置すべき場所と交換の目安
ベイト剤(毒餌剤)は、働きアリに毒餌を巣まで運ばせることで、女王アリや他のシロアリを含めた巣全体の根絶を狙うグッズです。
効果を最大限に引き出すには、設置場所の選定が鍵となります。
設置すべき場所は、シロアリの活動が確認されている場所の近くです。
例えば、建物の基礎周りで見つかった蟻道の近くや、食害された木材の周辺が最適です。その他、シロアリが好みやすい「暗くて湿った場所」も狙い目です。
具体的には、庭の切り株やウッドデッキの下、玄関のたたき、浴室やキッチンの床下点検口から見える範囲などが挙げられます。
製品の指示に従い、建物の周囲に2〜3m間隔で複数設置するのが一般的です。
設置後は、1〜2ヶ月に1回など定期的に点検し、中の毒餌が食べられていたら速やかに新しいものと交換します。
たとえ食べられていなくても、薬剤の効果が薄れるため、製品に記載された有効期限が来たら交換が必要です。
ベイト剤は効果が現れるまでに数ヶ月かかる場合があるため、根気強く続けることが大切です。
お子様やペットが誤って触れないよう、設置場所には十分注意しましょう。
木部処理剤と土壌処理剤の散布方法
木部処理剤と土壌処理剤は、主にシロアリの被害を防ぐ「予防」を目的として使用します。
これらは薬剤を直接扱うため、特に安全対策を徹底する必要があります。
木部処理剤は、床下の土台や大引(おおびき)といった木材に直接塗布または噴霧します。
刷毛(ハケ)で塗る場合は、木材の表面だけでなく、木材同士の接合部やひび割れにも薬剤が染み込むよう、丁寧に塗り重ねます。
噴霧器を使うと広範囲を効率よく処理できます。
いずれの場合も、床下のような狭く閉鎖された空間で作業するため、防護服、保護メガネ、防毒マスク、ゴム手袋は必ず着用してください。
土壌処理剤は、建物の基礎の周りに薬剤のバリア層を作ることで、地中からのシロアリの侵入を防ぎます。
建物の基礎に沿って幅20cm程度を目安に、ジョウロや噴霧器で土壌の表面がしっかりと濡れるまで均一に散布します。
コンクリートの割れ目や配管の隙間は侵入経路になりやすいため、特に念入りに処理しましょう。
薬剤が井戸や池、河川に流れ込まないよう、周囲の環境にも配慮が必要です。
DIYでの処理は、プロの施工に比べて薬剤の持続期間が短い傾向があるため、定期的な再処理を計画しておきましょう。
プロが実践する最強のシロアリ対策グッズの組み合わせ
シロアリ対策グッズは単体で使うよりも、複数の種類を組み合わせることで、その効果を飛躍的に高めることができます。
これは、シロアリの侵入経路や生態が複雑であるため、一つの対策だけではカバーしきれない範囲が生まれてしまうからです。
プロの専門業者が行う施工も、実は複数の薬剤や工法を組み合わせた総合的な対策が基本です。
ここでは、DIYで実践可能な範囲で、プロの考え方に基づいた最強のグッズの組み合わせをご紹介します。
予防効果を最大化する組み合わせ
シロアリの被害を未然に防ぐ「予防」を目的とする場合、建物を面で守るという発想が重要になります。
シロアリが家に到達するまでの経路を徹底的にブロックする組み合わせが効果的です。
プロが行う予防施工の考え方に近い、最も信頼性の高い組み合わせは以下の通りです。
基本の組み合わせ:土壌処理剤 + 木部処理剤
これはシロアリ予防の王道ともいえる組み合わせです。
まず、建物の基礎周りの土壌に「土壌処理剤」を散布し、薬剤のバリア(防蟻層)を形成します。
これにより、地面の中からシロアリが建物に侵入する主要な経路を遮断します。
次に、床下の木材(土台、大引など)に「木部処理剤」を塗布または噴霧します。
これは、万が一シロアリが侵入したとしても、木材を食べるのを防ぎ、駆除するための最終防衛ラインです。
この「地面からの侵入ブロック」と「木材自体の保護」という二段構えで、長期的な予防効果が期待できます。
応用編:基本の組み合わせ + ベイト剤(モニタリング用)
さらに万全を期すなら、上記の基本の組み合わせに加えて、建物の外周に「ベイト剤」をモニタリングステーションとして設置することをおすすめします。
この場合のベイト剤は、毒餌が入っていない、シロアリが好む木材(監視用の木片)が入ったものを設置します。
これを定期的に(2〜3ヶ月に1回程度)点検することで、薬剤のバリアを越えようとするシロアリの活動をいち早く察知できます。
シロアリの活動が見られた時点で、毒餌の入ったベイト剤に切り替えることで、被害が発生する前に巣ごと駆除することが可能になります。
予防と早期発見・早期駆除を両立させる、非常に効果的な組み合わせです。
シロアリ発見時の駆除と再発防止の組み合わせ
すでに室内や庭でシロアリ(または羽アリ)を発見してしまった場合は、迅速な初期対応と、巣の根絶、そして再発防止という3つのステップを組み合わせた対策が必要です。
焦って目に見えるシロアリだけを駆除しても、巣本体が残っている限り被害は進行し続けます。
ステップ1:初期対応(直接駆除)- 殺虫スプレー
まず、発見したシロアリの行列や、壁などから出てきた羽アリに対しては、「殺虫スプレー(シロアリ専用エアゾール)」を使用して直接駆除します。
これはあくまで応急処置であり、被害の拡大を一時的に食い止めるためのものです。
ただし、むやみに蟻道(ぎどう)を壊したり、広範囲にスプレーを撒きすぎたりすると、シロアリが警戒して別の場所に移動し、被害箇所を特定しにくくなる可能性があるため注意が必要です。
あくまで目に見える範囲のシロアリに限定して使用しましょう。
ステップ2:巣の根絶 - ベイト剤(毒餌剤)
初期対応と並行して、巣ごと根絶するための「ベイト剤(毒餌剤)」を設置します。
シロアリを発見した場所の近くや、建物の基礎周り、庭の湿った木材の周辺など、シロアリが活動していそうな場所に複数設置するのがポイントです。
ベイト剤は、働きアリが毒餌を巣に持ち帰り、女王アリや他のシロアリに分け与えることで、巣全体を時間をかけて根絶させる効果があります。
即効性はありませんが、根本的な解決には不可欠な対策です。
ステップ3:再発防止と被害拡大の阻止 - 木部処理剤・土壌処理剤
ベイト剤による駆除を進めつつ、まだ被害を受けていない木材や、侵入経路となりうる場所へ「木部処理剤」や「土壌処理剤」で予防処理を施します。
これにより、巣からあぶれたシロアリが新たな場所に被害を広げるのを防ぎ、駆除後の再発防止にも繋がります。
特に、浴室やキッチンの床下など、湿気が多くシロアリが好む環境は重点的に処理しておくと安心です。
この「直接駆除」「巣の根絶」「予防処理」の3点セットが、シロアリ発見時にプロが実践する考え方に最も近い、効果的な組み合わせと言えるでしょう。
ホームセンターで買えるおすすめのシロアリ対策グッズ4選
シロアリ対策をDIYで行う際、どの商品を選べば良いか迷う方も多いでしょう。
ここでは、全国のホームセンターやオンラインストアで比較的手に入りやすく、効果にも定評のあるおすすめのシロアリ対策グッズを5つ厳選してご紹介します。
それぞれの特徴を理解し、ご自宅の状況に合った最適なアイテムを見つけてください。
アース製薬 シロアリの巣撃滅
ベイト剤(毒餌剤)で巣ごと駆除を狙うなら、アース製薬の「シロアリの巣撃滅」がおすすめです。
この製品の最大の特徴は、有効成分「ビストリフルロン」がシロアリの脱皮を阻害し、巣全体をゆっくりと、しかし確実に根絶に導く点にあります。
働きアリが餌(ベイト剤)を巣に持ち帰ることで、直接薬剤に触れていない女王アリや兵隊アリ、幼虫にも効果が連鎖します。
設置も簡単で、シロアリの被害箇所や蟻道(ぎどう)、建物の基礎周りなどに置くだけです。
即効性はありませんが、コロニーの根絶を目指す場合に非常に有効な選択肢となります。
吉田製油所 白アリスーパー21
予防を重視し、木材をシロアリの食害から守りたい場合には、プロの業者も使用する吉田製油所の「白アリスーパー21」が強力な味方になります。
これは油性の木部処理剤で、木材への浸透性が非常に高く、長期間にわたって防蟻・防腐効果を持続させます。
特に湿気の多い床下の土台や大引といった構造上重要な木部に使用することで、シロアリの侵入と腐朽菌の発生を同時に防ぎます。
オレンジ色の着色タイプは塗り残しを防ぎやすく、DIYでも確実に施工できるのがメリットです。
油性特有の臭いがあるため、作業中は十分な換気と保護具の着用が必須となります。
イカリ消毒 シロアリハンター
庭や建物の外周部からのシロアリ侵入を予防・駆除したい場合に手軽で効果的なのが、イカリ消毒の「シロアリハンター」です。
これもベイト剤の一種で、地面に埋めて使用するタイプです。
シロアリが好む松材を誘引用木材として使用しており、シロアリを発見すると内部の有効成分を含んだ餌を食べさせ、巣ごと駆除します。
被害がまだ出ていない段階での予防策として、家の周りに複数設置しておくのがおすすめです。
定期的に中身をチェックし、シロアリが食べていたら新しいものと交換することで、継続的な監視と対策が可能になります。
フマキラー シロアリジェットプロ
目の前にいるシロアリや羽アリを今すぐ駆除したい、という緊急時に頼りになるのがフマキラーの「シロアリジェットプロ」です。
これはプロ仕様の強力なジェット噴射が特徴の殺虫スプレーで、床下や壁の隙間など、狭くて手が届きにくい場所にも薬剤を到達させることができます。
殺虫成分に加えて木材防腐成分も配合されており、駆除と同時に被害箇所の腐朽予防も行えます。
また、残効性のある成分が、シロアリの再侵入を一定期間防ぎます。
ただし、これはあくまで対症療法であり、巣全体の駆除は難しいため、ベイト剤や木部処理剤と組み合わせて使用するのが最も効果的です。
逆さまでも噴射できるため、床下での作業にも便利です。
自分でシロアリ対策グッズを使う限界と専門業者に頼むべきサイン
ホームセンターなどで手軽に購入できるシロアリ対策グッズは、特定の場所にいるシロアリを駆除したり、限定的な範囲を予防したりするのに非常に役立ちます。
しかし、市販のグッズだけで家全体をシロアリの脅威から完全に守り切ることは、残念ながら困難です。
ここでは、DIYでの対策における限界と、被害を深刻化させないために専門業者へ相談すべき具体的なサインについて詳しく解説します。
DIYでシロアリ対策を行うことの限界
自分で対策を行う場合、いくつかの越えられない壁が存在します。
これらを理解しておくことが、適切な判断につながります。
被害の全体像を正確に把握できない
シロアリ被害の最も恐ろしい点は、その多くが目に見えない場所で進行することです。
床下や壁の内部、基礎コンクリートのわずかな亀裂の奥など、普段目にすることがない場所で巣は拡大していきます。
DIYで確認できるのは、浴室のタイル目地や玄関の框(かまち)など、表面に出てきた被害や蟻道(ぎどう)に限られます。
専門業者は床下に潜り、ファイバースコープなどの専用機材や長年の経験を駆使して被害の範囲と侵入経路を特定しますが、一般の方がそこまで調査するのは現実的ではありません。
見えているシロアリは氷山の一角であり、その奥に潜む本体を見逃してしまう可能性が非常に高いのです。
薬剤の専門性と効果の持続性
市販されているシロアリ対策グッズは、誰でも安全に使えるように成分や濃度が調整されています。
そのため、プロが使用する専門的な薬剤と比較すると、効果の強さや持続期間(残効性)において劣る場合があります。
また、シロアリ駆除は「どこに」「何を」「どれくらいの量」散布・設置するかが極めて重要です。
専門業者は建物の構造や被害状況、シロアリの種類に合わせて最適な薬剤と工法を選択しますが、DIYではその判断が難しく、薬剤の効果を100%引き出せないケースが少なくありません。
安全面でのリスク
床下は狭く暗いだけでなく、釘や配管、ガラス片などが散乱していることもあり、怪我のリスクが伴います。
また、慣れない体勢での長時間の作業は身体への負担も大きいです。
薬剤散布時には、適切な防護服やマスク、ゴーグルを着用しないと、薬剤を吸い込んだり皮膚に付着したりして健康を害する危険性もあります。
安全を確保しながら効果的な作業を行うには、専門的な知識と装備が不可欠です。
無理なDIYは、思わぬ事故につながる恐れがあることを忘れてはいけません。
こんなサインを見つけたら専門業者へ!依頼を検討すべきタイミング
以下のようなサインが見られた場合は、DIYでの対処は困難です。
手遅れになる前に、速やかに専門業者に相談・点検を依頼しましょう。
床がきしむ、沈むなど建物の被害が明らかな場合
歩くと床がフカフカする、特定の場所がきしむ、ドアやふすまの建付けが悪くなった、といった症状は、床下の柱や土台がシロアリによって食害されている可能性があります。
これは被害がかなり進行している危険なサインです。柱を叩くと空洞音がする場合も同様です。
このような状況では、駆除だけでなく、建物の強度診断や修繕・補強が必要になるケースも多いため、迷わずプロに相談してください。
複数の場所でシロアリや羽アリを発見した
春から初夏(4月~7月頃)にかけて、お風呂場や玄関、庭など、家の複数の場所で羽アリを大量に発見した場合、近くに成熟した大きな巣が存在する可能性が極めて高いです。
1匹や2匹であれば偶然迷い込んだ可能性もありますが、「大量発生」は危険信号です。
活動範囲が広範囲に及んでいる証拠であり、市販の殺虫スプレーで目の前の羽アリを駆除しても根本的な解決にはなりません。
自分で対策しても被害が止まらない
市販のベイト剤(毒餌剤)を設置したり、木部処理剤を散布したりしたにもかかわらず、蟻道が新しく作られたり、シロアリの姿をまだ見かけたりする場合は、対策がうまくいっていない証拠です。
薬剤が巣の中心部まで届いていない、薬剤が効かない種類のシロアリである、あるいは見逃している侵入経路が他にある、といった原因が考えられます。
これ以上の被害拡大を防ぐためにも、プロの視点での再調査が必要です。
ヤマトシロアリ以外のシロアリの可能性がある
日本で家屋に被害を与える主なシロアリは「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」です。
特にイエシロアリは非常に攻撃的で、巣の規模も大きく、建物の広範囲に水を運んで湿らせながら加害するため、被害の進行が速いのが特徴です。
また、最近では外来種である「アメリカカンザイシロアリ」の被害も報告されています。
これらのシロアリは種類によって生態や効果的な駆除方法が異なります。
見つけたシロアリの種類が自分で判断できない場合は、自己流で対策を進めるのは危険です。
シロアリの種類については、公益社団法人日本しろあり対策協会のウェブサイトなども参考にしつつ、最終的な判断と対策は専門業者に委ねるのが最も確実です。
>>プロが選ぶシロアリ駆除業者おすすめランキング!失敗しない業者の選び方も徹底解説
まとめ
本記事では、市販されているシロアリ対策グッズの種類別の効果や正しい使い方、プロが実践する組み合わせまで網羅的に解説しました。
殺虫スプレーやベイト剤、木部処理剤などを適切に選んで使用すれば、ご自身でのシロアリ予防や初期段階での駆除は十分に可能です。
シロアリ対策で最も重要な結論は、「目的」と「場所」に合わせて最適なグッズを正しく使うことです。
例えば、予防効果を最大化するなら「土壌処理剤」と「木部処理剤」の組み合わせが有効であり、シロアリを発見した場合は「ベイト剤」で巣ごと根絶を狙いつつ、見かけた個体を「殺虫スプレー」で直接駆除するという使い分けが効果的です。
しかし、DIYでの対策には限界があることも理解しておく必要があります。
床下全体に被害が広がっている、被害箇所が特定できない、シロアリの数が多すぎる、といった場合は、市販のグッズだけでは根本的な解決が困難です。
これらは建物の強度に深刻な影響を及ぼす危険信号であり、迷わずシロアリ駆除の専門業者に相談すべきサインと言えます。
まずはご自宅の状況を冷静に確認し、この記事で紹介したグッズを参考にできる範囲での対策から始めてみてください。
そして、少しでも不安を感じたり、ご自身での作業が難しいと感じたりした場合は、手遅れになる前にプロの無料診断などを活用することをおすすめします。