害獣駆除 徹底ガイド

害獣や害鳥による騒音、糞尿被害、家屋損壊にお困りではありませんか?この記事を読めば、ネズミ、アライグマ、ハト、カラスなど、害獣・害鳥の種類に応じた具体的な駆除方法や予防策、自分でできる対策グッズ、信頼できる専門業者の選び方まで全て分かります。

被害を放置せず早期に適切な対処を行うことが、安全で快適な生活を取り戻すための最も確実な道です。

害獣・害鳥による被害とは?放置するリスクと早期駆除の重要性

森で鹿を駆除した男性

私たちの生活空間に忍び込み、様々な問題を引き起こす害獣・害鳥。

その存在に気づきながらも、「いつかはいなくなるだろう」「自分には関係ない」と放置してしまうと、取り返しのつかない深刻な事態に発展するケースが少なくありません。

この章では、害獣・害鳥がもたらす具体的な被害、放置することの危険性、そしてなぜ早期の駆除が重要なのかを詳しく解説します。

快適で安全な生活を取り戻すための第一歩として、まずは現状の理解を深めましょう。

害獣・害鳥が引き起こす具体的な被害事例

害獣や害鳥による被害は、私たちの生活の様々な側面に及びます。

建物の損傷から健康被害、精神的なストレスまで、その影響は決して軽視できません。

ここでは代表的な被害事例を具体的に見ていきましょう。

家屋への被害(屋根裏・天井裏・壁など)

家屋は害獣にとって格好の隠れ家や巣となり、知らず知らずのうちに深刻なダメージを受けていることがあります。

  • 屋根裏や天井裏への侵入と汚損:ネズミ、ハクビシン、アライグマ、イタチなどが屋根裏や天井裏に侵入し、断熱材を巣材として利用したり、糞尿で汚したりします。これにより断熱効果が著しく低下し、冷暖房効率が悪くなるだけでなく、悪臭の原因にもなります。
  • 建材の破損:柱や壁、床板などをかじる、爪で引っ掻くなどして傷つけます。特にネズミは硬いものをかじる習性があるため、電気配線やガス管をかじり、漏電による火災やガス漏れといった重大な事故を引き起こす危険性があります。
  • 雨漏りの原因:屋根瓦の隙間を広げたり、防水シートを破ったりすることで、雨漏りの原因となることがあります。
  • 巣作りによる建物の劣化:鳥類が軒下やベランダ、太陽光パネルの下などに巣を作ると、糞や巣材が雨樋を詰まらせたり、外壁を汚したりします。

健康被害(糞尿による悪臭・感染症・アレルギー)

害獣・害鳥の糞尿や、それらに寄生するダニ・ノミは、様々な健康被害を引き起こす可能性があります。

  • 悪臭による不快感とストレス:糞尿が発する強烈な悪臭は、生活空間の快適性を著しく損ない、精神的なストレスの原因となります。
  • 感染症のリスク:害獣・害鳥は様々な病原菌やウイルスを保有している可能性があります。これらの糞尿に触れたり、乾燥した糞の粒子を吸い込んだりすることで感染症にかかるリスクがあります。代表的なものには、サルモネラ症、E型肝炎、レプトスピラ症、トキソプラズマ症、クリプトコッカス症、鳥インフルエンザ(限定的)などがあります。特に小さなお子様や高齢者、免疫力の低下している方は注意が必要です。
  • アレルギー症状の誘発・悪化:糞尿や死骸、羽毛、獣の体毛などに含まれるアレルゲンや、それらに発生するダニ・ノミによって、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状が誘発されたり、悪化したりすることがあります。
  • 寄生虫による被害:ノミやダニ、シラミなどが人やペットに寄生し、痒みや皮膚炎を引き起こすことがあります。

以下は、代表的な害獣・害鳥と関連する可能性のある健康被害の例です。

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害獣・害鳥の種類 関連する可能性のある主な健康被害 主な感染・被害経路
ネズミ(クマネズミ、ドブネズミなど) サルモネラ症、レプトスピラ症、E型肝炎、鼠咬症、ツツガムシ病 糞尿との接触、咬傷、媒介するダニ・ノミ
ハト、カラスなど鳥類 クリプトコッカス症、オウム病、鳥インフルエンザ(人への感染は稀)、ヒストプラズマ症、アレルギー 乾燥した糞の吸入、羽毛、巣に発生するダニ
アライグマ アライグマ回虫症、レプトスピラ症、狂犬病(日本では清浄化) 糞との接触、咬傷
ハクビシン SFTS(重症熱性血小板減少症候群)ウイルス(マダニ媒介)、皮膚炎(疥癬など) 糞尿、媒介するダニ・ノミ
コウモリ ヒストプラズマ症(糞の吸入)、狂犬病(海外では報告あり、日本では稀)、ニパウイルス感染症(国内での報告は稀) 糞(グアノ)の吸入、咬傷(稀)

(注:上記は可能性のある健康被害であり、全ての個体が病原体を保有しているわけではありません。心配な場合は専門機関にご相談ください。)

騒音被害(鳴き声・足音)

特に夜行性の害獣が屋根裏や壁の中を活動すると、その物音は安眠を妨げ、大きなストレスとなります。

  • 夜間の活動音:ネズミがカリカリと物をかじる音、アライグマやハクビシンがドタドタと走り回る音、イタチが天井裏を駆け回る音などは、特に静かな夜間には大きく響き、睡眠不足や不眠症の原因となります。
  • 鳴き声:繁殖期の動物の鳴き声や、カラスやムクドリなどの鳥の集団による鳴き声は、日中・夜間を問わず騒音となり、日常生活に支障をきたすことがあります。
  • 精神的ストレス:継続的な騒音は、集中力の低下、イライラ感、不安感などを引き起こし、精神的な健康を損なう可能性があります。

農作物や庭木への被害

農業を営む方だけでなく、家庭菜園やガーデニングを楽しむ一般家庭にとっても、害獣・害鳥による食害は深刻な問題です。

  • 農作物の食害:イノシシ、シカ、サル、アライグマ、ハクビシン、カラス、ヒヨドリなどが、畑の野菜や果物、水稲などを食い荒らし、収穫量の減少や品質低下といった経済的損失をもたらします。
  • 庭木や花壇の被害:庭木の新芽や果実を食べられたり、モグラやネズミが植物の根を傷つけたり、タヌキやアナグマが花壇を掘り返したりすることがあります。
  • 糞尿による汚染:農作物や庭に糞尿をされることで、衛生的な問題や悪臭が発生します。

害獣・害鳥駆除を放置する危険性

「そのうちいなくなるだろう」と害獣・害鳥の被害を放置すると、事態はますます悪化し、より深刻な問題へと発展する可能性が高まります。

放置することで具体的にどのような危険性があるのかを理解しておくことが重要です。

  • 繁殖による個体数の増加:害獣・害鳥は繁殖力が非常に高いものが多く、放置すればあっという間に数が増えてしまいます。例えば、ネズミは年に数回出産し、一度に多数の子を産みます。個体数が増えれば、当然被害も拡大します。
  • 被害範囲の拡大:最初は屋根裏の一部だった被害が、壁の中、床下へと広がり、家全体に及ぶことがあります。また、近隣の家屋にも被害が拡大し、地域全体の問題となることもあります。
  • 建物の構造的ダメージの進行:柱や梁への継続的な損傷、断熱材の完全な喪失、糞尿による木材の腐食などが進み、最悪の場合、建物の資産価値を大きく損ねる可能性があります。修繕費用も高額になる傾向があります。
  • 健康被害の慢性化・重篤化:アレルギー症状が悪化したり、感染症のリスクに常に晒されたりすることで、健康状態が慢性的に悪化する可能性があります。特に免疫力の低い方にとっては深刻な問題です。
  • 駆除の難易度と費用の増大:被害が進行し、害獣の数が増え、巣が大きくなるほど、駆除作業は難しくなり、時間も費用もより多くかかるようになります。
  • 精神的ストレスの蓄積:いつ解決するとも知れない不安や不快感、睡眠不足などが長期間続くことで、精神的な負担は計り知れないものになります。

このように、害獣・害鳥の被害を放置することは、経済的、健康的、精神的な負担を増大させるだけであり、何のメリットもありません。

なぜ早期の害獣駆除が必要なのか

害獣・害鳥の被害に気づいたら、一日も早く専門家へ相談し、適切な対策を講じることが極めて重要です。

早期駆除には、以下のような多くのメリットがあります。

  • 被害の最小化:被害が初期の段階であれば、家屋へのダメージや健康への影響を最小限に食い止めることができます。大規模な修繕や治療が必要になる前に対応することで、経済的な負担も軽減できます。
  • 駆除作業の容易さと費用の抑制:害獣の数が少なく、巣が小さい段階であれば、駆除作業も比較的簡単かつ短期間で完了することが多く、それに伴い駆除費用も抑えられる傾向にあります。
  • 再発防止策の徹底:侵入経路が特定しやすく、被害箇所も限定的であるため、効果的な再発防止策を早期に施すことが可能です。これにより、将来的な再侵入のリスクを大幅に減らすことができます。
  • 迅速な生活環境の改善:悪臭や騒音、健康不安といった不快な状況からいち早く解放され、安心して暮らせる快適な生活環境を早期に取り戻すことができます。
  • 精神的負担の軽減:「もしかしたら害獣がいるかもしれない」という不安を抱え続けることは大きなストレスです。早期に問題を解決することで、精神的な平穏を早く取り戻すことができます。

害獣・害鳥の気配を感じたら、「まだ大丈夫だろう」と安易に考えず、まずは被害状況を確認し、専門家のアドバイスを受けることが、問題解決への最も確実で迅速な道筋となります。

早期発見・早期対処が、あなたとご家族の健康、そして大切な住まいを守ることに繋がるのです。

駆除ザウルス駆除ザウルス

【種類別】代表的な害獣・害鳥とその駆除・対策方法

様々な害獣のイメージ

日本国内で被害が報告されている代表的な害獣・害鳥の種類は多岐にわたります。

ここでは、それぞれの生態や特徴、具体的な被害事例、そして法律に基づいた適切な駆除・対策方法について詳しく解説します。

ご自身の状況と照らし合わせ、最適な対策を見つけるための一助となれば幸いです。

哺乳類による害獣被害と駆除

家屋への侵入や農作物被害など、哺乳類による害獣被害は深刻な問題を引き起こすことがあります。

種類ごとの特徴を理解し、適切な対応をとることが重要です。

ネズミの駆除と対策(クマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミ)

ネズミ イメージ

ネズミは私たちの生活空間に最も侵入しやすい害獣の一つです。

主にクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミの3種類が問題となり、それぞれ特徴や好む場所が異なります。

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種類 主な特徴 主な生息場所 主な被害 対策のポイント
クマネズミ 体長15~25cm。警戒心が強く、運動能力が高い(特に垂直移動)。寒さに弱い。 建物の高所(天井裏、壁の中、屋根裏)、配管や電線を伝って移動。 電線やガス管をかじる(火災・ガス漏れリスク)、食料品や家財の汚損、騒音(走り回る音)、糞尿による衛生被害。 高所の侵入口封鎖(数cmの隙間でも侵入)、粘着シート、超音波忌避器(効果は限定的)、毒餌(警戒心が強いため工夫が必要)。
ドブネズミ 体長20~30cm。大型で気性が荒い。泳ぎが得意で、湿った場所を好む。寒さに比較的強い。 床下、下水道、ゴミ捨て場周辺、水回り。 食料品被害(特に肉や魚を好む)、配管かじり、病原菌(サルモネラ菌、レプトスピラ症など)の媒介 排水溝や床下の侵入口封鎖、殺鼠剤(食いつきやすいものを選ぶ)、捕獲カゴ、ゴミの管理徹底。
ハツカネズミ 体長5~10cm。小型で好奇心旺盛。乾燥に強く、狭い隙間を好む。 倉庫、物置、家具の隙間、段ボールの中など。 食料品被害(少量ずつ多くの場所で)、食品や衣類の汚染。繁殖力が非常に高い。 1cm程度の小さな隙間の封鎖、整理整頓、捕獲カゴ(好奇心を利用)、粘着シート。

ネズミの駆除では、まずラットサイン(糞、足跡、かじり跡、黒いこすり跡など)を見つけて侵入経路や活動範囲を特定することが重要です。

市販の駆除グッズも多数ありますが、完全に駆除し再発を防ぐためには専門業者への依頼も有効な選択肢です。

対策としては、侵入口となり得る隙間(通気口、配管周り、壁のひび割れなど)を金網やパテで塞ぐこと、食品やペットフードを密閉容器で保管すること、ゴミを放置しないことが基本となります。

詳細:知らないと損するネズミ駆除の費用!悪徳業者を避け適正価格で依頼するコツ

アライグマの駆除と対策

アライグマ

アライグマは特定外来生物に指定されており、可愛らしい見た目とは裏腹に気性が荒く、深刻な被害をもたらします。手先が非常に器用で、雑食性です。

主な被害としては、家屋への侵入(特に屋根裏を好み、断熱材を破壊したり巣を作ったりする)、糞尿による汚損・悪臭、騒音、農作物(果物、野菜、トウモロコシなど)の食害、ため池の鯉やペット(小型犬、猫、鳥など)への危害が挙げられます。

また、アライグマ回虫症などの人獣共通感染症を媒介する危険性もあります。

駆除については、特定外来生物法により許可なく捕獲・飼育することが禁止されています。被害を発見したら、まずはお住まいの自治体の担当課(環境課や農政課など)に相談しましょう。専門の駆除業者への依頼が一般的です。

対策としては、侵入口となりそうな場所(屋根の隙間、換気扇、床下など)を金網や金属板で頑丈に塞ぐこと、ゴミ箱は蓋がしっかり閉まるものを選び、夜間は屋内に入れること、庭木の果実は早めに収穫し、餌付けをしないことが重要です。

詳細:アライグマは害獣!駆除から消毒までの流れと気になる費用を徹底解説

ハクビシンの駆除と対策

ハクビシン

ハクビシンはジャコウネコ科の動物で、夜行性です。鼻先から額にかけて白い線があるのが特徴で、木登りが非常に得意です。

主な被害は、アライグマと類似しており、屋根裏への侵入と営巣、それによる天井のシミ、糞尿による悪臭や建材の腐食、騒音(夜間の足音)が代表的です。また、果樹園や家庭菜園の果物(ミカン、カキ、ブドウなど)や野菜を好んで食べるため、農業被害も深刻です。ハクビシンは鳥獣保護管理法の対象動物であり、許可なく捕獲することはできません

駆除は専門業者に依頼するのが最も安全かつ確実です。

自治体によっては捕獲器の貸し出しや相談窓口を設けている場合もあります。

対策としては、侵入経路の封鎖が最も重要です。ハクビシンは頭が入るわずかな隙間(直径9cm程度、大人の握りこぶし大)があれば侵入できるため、軒下、通風孔、壁の亀裂などを徹底的にチェックし、金網やパンチングメタルで塞ぎます。

また、庭木の枝が屋根に届かないように剪定することも有効です。忌避剤(木酢液、トウガラシ成分を含むものなど)も一時的な効果が期待できます。

詳細:床下・屋根裏のハクビシンの害獣被害!糞尿トラブル・駆除費用の解説!

イタチ(オス)の駆除と対策

イタチ イメージ

日本に生息するイタチにはニホンイタチとチョウセンイタチ(シベリアイタチ)がいます。ニホンイタチのオスとチョウセンイタチは狩猟鳥獣ですが、ニホンイタチのメスは非狩猟鳥獣であり、捕獲が禁止されています。イタチは細長い体型で、わずか3cm程度の隙間からでも侵入可能です。

主な被害は、屋根裏や床下への侵入、断熱材を荒らして巣を作る、糞尿による悪臭や汚損、騒音(走り回る音)、家禽(ニワトリ、アヒルなど)やペット(小鳥、ハムスターなど)の襲撃です。

特に強烈な臭いの糞尿は大きな問題となります。

駆除にあたっては、鳥獣保護管理法を遵守する必要があり、専門業者への相談が推奨されます。

特にメスの捕獲は厳禁であるため、性別の判断が難しい場合は手を出さない方が賢明です。

対策としては、侵入口となり得る全ての隙間(壁の亀裂、配管周り、換気口など)を金網やパテで徹底的に塞ぐことが最も効果的です。

忌避剤(動物が嫌う臭いのもの)や、光、超音波を発する装置も補助的に使用されることがあります。

詳細:イタチ駆除の費用相場と信頼できる業者の選び方|失敗しないための完全ガイド

テンの駆除と対策

テン

テンはイタチに似ていますが、やや大型で、冬毛は黄色っぽく美しい毛皮を持ちます。木登りが得意で、森林やその周辺に生息しますが、近年では市街地でも見られることがあります。

主な被害は、イタチと同様に屋根裏への侵入、糞尿による汚損や悪臭、騒音、家禽の襲撃などです。

果実を好むため、農作物被害も報告されています。テンも鳥獣保護管理法の対象であり、許可なく捕獲することはできません

駆除は専門業者に依頼するのが基本です。対策としては、侵入口の封鎖が最も重要です。

テンは垂直な壁も登ることができるため、屋根周りの隙間や、雨樋、木の枝などを伝って侵入する経路を断つ必要があります。忌避剤の使用も一定の効果が期待できますが、持続性に課題がある場合もあります。

詳細:屋根裏のテン駆除にかかる費用は?プロが教える確実な駆除方法と料金相場

タヌキの駆除と対策

タヌキ イメージ

タヌキは比較的臆病な性格ですが、人里近くにも生息し、適応能力が高い動物です。雑食性で、夜行性です。

主な被害は、農作物(スイカ、トウモロコシ、イモ類など)の食害、ゴミ集積所のゴミ漁り、庭や畑へのため糞(一箇所にまとめて糞をする習性)による衛生問題、家屋の床下への侵入などです。タヌキも鳥獣保護管理法の対象であり、許可なく捕獲することはできません。

駆除は追い払いや侵入防止が中心となります。

対策としては、床下や建物の隙間を金網などで塞ぐこと、ゴミは蓋付きの容器に入れ、収集日の朝に出すこと、餌となるようなものを屋外に放置しないことが重要です。

農地では電気柵や防護ネットの設置が有効です。

ため糞をされた場合は、清掃・消毒し、忌避剤を撒くなどの対策を行います。

詳細:【タヌキ駆除】害獣被害にストップ!気になる費用相場と対策法を徹底解説

アナグマの駆除と対策

アナグマ

アナグマはタヌキに似ていますが、鼻先が尖っており、前足の爪が長く、穴掘りが得意です。夜行性で、雑食性です。

主な被害は、農作物(イモ類、トウモロコシ、豆類など)の食害、畑や庭を掘り返して作物をダメにする、家屋の床下への侵入などです。ミミズや昆虫も食べるため、芝生を掘り返すこともあります。アナグマも鳥獣保護管理法の対象であり、許可なく捕獲することはできません。

駆除は追い払いや侵入防止が中心です。対策としては、頑丈な柵(金網柵、電気柵など)で畑や敷地を囲うこと、建物の基礎周りの隙間を塞ぐことが有効です。

アナグマは嗅覚が優れているため、強い臭いのする忌避剤も一定の効果が期待できます。

詳細:【害獣アナグマの駆除】気になる業者の料金とサービス内容を徹底解説!

ヌートリアの駆除と対策

ヌートリア

ヌートリアは南米原産の大型げっ歯類で、特定外来生物に指定されています。オレンジ色の大きな前歯が特徴で、水辺に生息し、泳ぎが得意です。

主な被害は、農作物(イネ、イモ類、葉物野菜など)の食害、水路の土手や堤防に巣穴を掘ることによる破壊、水生植物の食害による生態系への影響です。

繁殖力が非常に高いことも問題視されています。特定外来生物法により、飼育、運搬、野外への放出などが原則禁止されており、駆除には適切な手続きが必要です。

駆除については、自治体の担当部署や専門業者に相談することが推奨されます。

個人での安易な捕獲は危険を伴うこともあります。対策としては、農地への侵入を防ぐための柵(金網柵、電気柵)の設置、水路の管理(巣穴の早期発見と修復)が重要です。

詳細:ヌートリア駆除の費用はいくら?補助金を使った駆除方法と業者選びのポイント

シカの駆除と対策

シカ イメージ

ニホンジカなどのシカは、近年個体数が増加し、全国的に農林業被害や生態系への影響が深刻化しています。群れで行動し、草食性です。

主な被害は、農作物(水稲、野菜、果樹など)の食害、林業被害(植林木の若芽や樹皮の食害)、下層植生の消失による土壌流出、交通事故など多岐にわたります。シカは狩猟鳥獣ですが、駆除には狩猟免許や許可が必要です。自治体によっては、被害対策として捕獲事業を行っている場合もあります。

対策としては、防護柵(ネット柵、ワイヤーメッシュ柵、電気柵など)の設置が最も効果的です。

柵の高さや強度、設置方法が重要で、シカの跳躍力や潜り抜ける能力を考慮する必要があります。

その他、忌避剤(シカが嫌う臭いや味のする資材)の利用や、緩衝帯(シカが隠れにくい見通しの良い空間)の設置も行われます。

詳細:シカの害獣被害に終止符を!有害な影響と正しい駆除方法を解説!

キョンの駆除と対策

キョン

キョンは中国南部や台湾原産の小型のシカ科動物で、特定外来生物に指定されています。非常に繁殖力が高く、千葉県や伊豆大島などで定着し、分布域を拡大しています。

主な被害は、農作物(野菜、果樹、花卉など)の食害、庭木の食害、希少植物の食害による生態系への影響です。オスは犬のような声で鳴き、騒音被害となることもあります。特定外来生物法に基づき、駆除が進められていますが、根絶は難しい状況です。

駆除は自治体や専門業者が主体となって行っています。

個人での対策としては、シカと同様に頑丈な防護柵の設置が基本となります。

キョンは小型で潜り抜ける能力も高いため、目の細かいネットや金網を使用し、地面との隙間をなくすことが重要です。忌避剤も補助的に使用されます。

詳細:【完全ガイド】キョンの駆除方法|自分でできる対策から業者依頼の費用まで徹底解説

イノシシの駆除と対策

イノシシ イメージ

イノシシは力が強く、学習能力も高い動物です。雑食性で、鼻を使って地面を掘り起こして餌を探します。

主な被害は、農作物(イモ類、タケノコ、水稲など)の深刻な食害や掘り起こしによる壊滅的な被害、田畑の踏み荒らし、ゴルフ場や庭の芝生の破壊です。

また、人里に出没し、人を威嚇したり、稀に攻撃したりすることもあります。イノシシは狩猟鳥獣であり、駆除には狩猟免許や許可が必要です。罠(箱罠、くくり罠)による捕獲が一般的です。

対策としては、電気柵やワイヤーメッシュ柵などの侵入防止柵の設置が最も効果的です。

詳細:イノシシ駆除の決定版!費用相場から補助金申請まで徹底解説

コウモリの駆除と対策

コウモリ

家屋に住み着くコウモリのほとんどは「アブラコウモリ」という種類で、体長5cmほどの小さな体です。夕方になると飛び回り、昆虫などを捕食します。

鳥獣保護管理法で保護されているため、殺傷や捕獲はできません。「追い出し」と「侵入経路の封鎖」が対策の基本となります。

主な被害は、屋根裏や壁の隙間、換気口などに住み着くことによる騒音と、大量の糞尿による悪臭です。

コウモリの糞は「蝠糞(ふっぷん)」と呼ばれ、乾燥すると崩れやすく、吸い込むとアレルギーや感染症(ヒストプラズマ症など)の原因となる危険性があります。

また、コウモリの体にはノミやダニが寄生していることも多く、二次的な健康被害も懸念されます。

詳細:【完全版】屋根裏のコウモリ害獣駆除|業者選びから費用を安く抑えるコツまで紹介

モグラの駆除と対策

モグラ

モグラは地中で生活するため、直接姿を見ることは稀ですが、庭や畑、ゴルフ場などに「モグラ塚」と呼ばれる土の盛り上がりを作ることでその存在がわかります。

ミミズや昆虫の幼虫を求めてトンネルを掘り進むため、植物の根を傷つけたり、切断したりして枯らしてしまうことがあります。また、芝生や畑の景観を損なう被害も深刻です。

モグラは鳥獣保護管理法の対象外(一部地域を除く)ですが、農林業の害獣として扱われます。

対策としては、モグラが嫌う音波を出す装置や、ナフタレンなどの忌避剤をトンネル内に設置して追い払う方法があります。

また、捕獲器を設置する方法もありますが、トンネルの場所を正確に特定する必要があり、専門的な知識が求められます。被害が広範囲に及ぶ場合は、専門業者に相談することをおすすめします。

詳細:モグラ駆除の費用相場はいくら?業者に頼むメリットと自分でできる対策を比較解説

テンの駆除と対策

テン

イタチによく似たテンは、雑食性で運動能力が非常に高い害獣です。

木登りが得意で、電線や木の枝を伝って家屋に侵入します。主な被害は屋根裏への侵入です。

断熱材を巣の材料にして荒らし、糞尿をまき散らすため、天井にシミができたり、悪臭が発生したりします。

夜行性のため、夜中に天井裏を走り回る騒音に悩まされるケースも少なくありません。また、家畜(ニワトリなど)やペットが襲われる被害も報告されています。

対策の基本は、追い出して侵入経路を塞ぐことです。強い光や、獣よけの忌避剤を使って追い払います。

侵入経路となりうる屋根の隙間、換気扇、壁の穴などを徹底的に探し出し、金網などで頑丈に塞ぐ必要があります。自力での対策は困難なため、専門業者への依頼が賢明です。

詳細:屋根裏のテン駆除にかかる費用は?プロが教える確実な駆除方法と料金相場

キツネの駆除と対策

キツネ

キツネは主に山林に生息しますが、近年では住宅街に出没することも増えています。農作物(スイカ、トウモロコシ、果物など)を食い荒らす農業被害が深刻です。

また、庭や床下に侵入して巣を作ったり、ゴミを漁って散らかしたりする被害もあります。

最も注意すべきは、キツネが媒介する寄生虫「エキノコックス」による人獣共通感染症のリスクです。糞尿に汚染された水や山菜を口にすることで感染する恐れがあります。

キツネも鳥獣保護管理法の対象であり、無許可での捕獲はできません。対策としては、まず餌となるものをなくすことが重要です。

生ゴミは蓋付きの容器で管理し、ペットの餌を屋外に放置しないようにしましょう。

農地では、畑の周りを電気柵や防獣ネットで囲うのが効果的です。住宅への侵入を防ぐには、床下の通気口などを金網で塞ぎます。被害が続く場合は、自治体の担当部署や専門業者に相談してください。

詳細:【キツネの駆除】被害に悩む方へ。自分でできる対策から業者依頼の費用まで徹底解説

タイワンリスの駆除と対策

タイワンリス

タイワンリスは、本来日本にはいなかった「特定外来生物」です。可愛らしい見た目とは裏腹に、非常に深刻な被害をもたらします。

電線や電話線をかじって停電や通信障害を引き起こしたり、果樹や野菜などの農作物を食い荒らしたりします。

また、樹木の皮を剥いで木を枯らしてしまうため、生態系への影響も甚大です。家屋に侵入し、柱や壁をかじる被害も発生しています。

特定外来生物であるため、外来生物法に基づき、防除(捕獲・駆除)の対象となります。自治体によっては捕獲器の貸し出しや捕獲事業を行っている場合があります。

個人でも捕獲は可能ですが、法律で定められた適切な方法で行う必要があります。

侵入対策としては、家に繋がる木の枝を剪定し、雨どいや壁に登れないように返し(忍び返し)を設置することが有効です。被害が確認されたら、まずは地域の自治体に相談するのがよいでしょう。

詳細:タイワンリスの駆除方法と被害が拡大する前の効果的な対策

猿の被害と駆除

猿

ニホンザルは知能が非常に高く、集団で行動するため、被害が大規模になりやすいのが特徴です。畑の野菜や果樹園の果物を根こそぎ食い荒らす農業被害は特に深刻です。

また、人家に侵入して食べ物を漁ったり、屋根を壊したりすることもあります。人間への威嚇や攻撃も報告されており、特に子供やお年寄りは危険です。学習能力が高く、一度安全な餌場と認識すると執拗に現れるようになります。

猿も鳥獣保護管理法で保護されており、個人での対応は極めて困難かつ危険です。追い払おうとして近づくと襲われる危険性があります。

対策は地域ぐるみで行う必要があり、電気柵の設置や、ロケット花火などを使った追い払い活動が一般的ですが、根本的な解決は難しいのが現状です。

猿による被害に悩んでいる場合は、絶対に個人で対処しようとせず、速やかに地元の自治体や警察、JAなどに連絡・相談してください。

詳細:【害獣】猿の駆除|費用相場から優良業者の選び方までプロが徹底解説

鳥類による害獣被害と駆除

空からやってくる鳥類は、糞害や騒音、農作物被害など、広範囲にわたる問題を引き起こします。

鳥類も哺乳類と同様に鳥獣保護管理法で守られており、特に卵やヒナがいる巣を無許可で撤去することはできません。

正しい知識を持って対処することが重要です。

カラスの駆除と対策

カラス

カラスは非常に賢く、学習能力が高い鳥です。主な被害は、ゴミ集積所を荒らすことによる衛生問題、鳴き声による騒音、そして農作物への食害です。

特に3月〜7月の繁殖期には、巣の近くを通る人を威嚇したり、後頭部を蹴って攻撃したりすることがあり危険です。

また、送電施設の鉄塔に巣を作ることで停電の原因になることもあります。

対策としては、まず餌場にさせないことが基本です。ゴミ出しの時間を守り、カラスよけネットを隙間なくかけることを徹底しましょう。

ベランダなどに来る場合は、テグス(釣り糸)を張ったり、CDや目玉模様の風船などの忌避グッズを吊るしたりするのも一定の効果があります。

巣を作られてしまった場合、卵やヒナがいなければ撤去できますが、いる場合は自治体や専門業者への許可申請と駆除依頼が必要です。

詳細:カラス駆除の費用相場はいくら?巣の撤去料金から業者選びのコツまで徹底解説

ムクドリの駆除と対策

ムクドリ

ムクドリは、秋から冬にかけて市街地の街路樹や電線に数千〜数万羽という大群で集まり、ねぐらを形成します。

日没時に一斉に集まってくる際の鳴き声はすさまじい騒音となり、その下には大量の糞が落とされます。

この糞による悪臭や、道路・建物の汚損、健康被害が深刻な社会問題となっています。

個人での対策は非常に困難です。ねぐらとなっている樹木を剪定したり、鳥が嫌がる超音波や光、忌避剤(ジェルタイプなど)を使ったりする方法がありますが、群れごと別の場所に移動するだけで、根本的な解決にならないことも多いです。

多くの自治体で対策チームが組まれており、専門業者と連携して追い払い作戦などを実施しています。

被害がある場合は、まず自治体に相談するのが最善です。

詳細:ムクドリ駆除は業者依頼が正解!気になる費用とサービス内容を徹底比較

鳩の駆除と対策

鳩

主に被害をもたらすのはドバト(カワラバト)です。

安全な場所と認識すると、マンションのベランダやエアコンの室外機の裏、太陽光パネルの下などに巣を作ります。鳩は帰巣本能が非常に強く、一度営巣すると執拗に同じ場所に戻ってきます。

被害の多くは糞によるもので、悪臭だけでなく、金属を腐食させたり、クリプトコッカス症やサルモネラ症などの病原菌を媒介したりする危険性があります。

最も効果的な対策は、物理的に侵入を防ぐことです。

ベランダ全体を防鳥ネットで覆うのが確実です。手すりなど、よく止まる場所には剣山(スパイク)やワイヤーを設置するのも有効です。忌避剤(固形、ジェル、スプレー)もありますが、効果は一時的な場合があります。

巣に卵やヒナがある場合は、鳥獣保護管理法により撤去できないため、必ず専門の駆除業者に相談してください。

詳細:【完全ガイド】鳩の駆除にかかる費用相場と優良業者の見分け方!見積もり前に必読!

スズメ(巣)の駆除と対策

スズメ

スズメは人家の近くに生息し、瓦の隙間や雨戸の戸袋、換気口のダクト内など、わずかな隙間を見つけて巣を作ります。

巣材として藁や枯れ草を大量に運び込むため、雨樋を詰まらせたり、ダクトを塞いだりすることがあります。

また、巣やその周辺の糞による汚損や、巣に寄生するダニ(ワクモなど)が室内に侵入し、アレルギーや皮膚炎を引き起こす二次被害も問題となります。

スズメも保護対象のため、巣に卵やヒナがいる間の撤去は禁止されています。対策は、ヒナが巣立った後に行います。巣を撤去し、清掃・消毒を行った上で、侵入口となった隙間を金網やパテなどで完全に塞ぎます。

巣を作られやすい場所には、あらかじめ忌避剤を設置しておくのも予防策として有効です。

詳細:スズメの巣の駆除は業者に!料金相場と失敗しない選び方をプロが解説!

ヒヨドリの駆除と対策

ヒヨドリ

ヒヨドリは「ヒーヨ、ヒーヨ」という甲高い鳴き声が特徴で、一年中見られます。都市部ではその鳴き声が騒音問題となることがあります。

しかし、最も深刻な被害は農業分野で、特に家庭菜園や農園において、キャベツやブロッコリーなどの葉物野菜や、ミカン、カキ、ブルーベリーなどの果物を好んでついばみ、大きな被害をもたらします。

対策の基本は、物理的に作物を守ることです。家庭菜園であれば、防鳥ネットや不織布で作物全体を覆うのが最も効果的です。

キラキラ光る防鳥テープやCDを吊るす方法もありますが、鳥が慣れてしまうと効果が薄れることがあります。

被害が広範囲で深刻な場合は、自治体やJAに相談してください。

詳細:【ヒヨドリ駆除の決定版】効果的な方法7選|家庭菜園の食害からフン害まで完全対策

カモメの駆除と対策

カモメ

カモメによる被害は、主に沿岸部の市街地や漁港、観光地で発生します。

人間を恐れず、観光客が持っている食べ物を奪い取ったり、屋外の飲食店でテーブルの上の料理を狙ったりします。

また、ゴミ集積所を荒らしたり、漁港で水揚げされた魚を盗んだりする被害もあります。近年では、都市部のビルの屋上などに集団で営巣し、鳴き声による騒音や糞害が問題化しています。

対策の第一は「餌付けをしない・させない」ことです。

カモメに餌を与える行為が、人馴れや被害の拡大を助長します。ゴミはきちんと管理し、屋外での食事の際は食べ物を放置しないよう注意が必要です。

営巣被害に対しては、鳩対策と同様に、防鳥ネットやワイヤー、剣山などを設置して物理的に侵入・営巣を防ぎます。

詳細:カモメの駆除費用はいくら?業者依頼の料金相場と自分でできる対策を徹底比較

カワウの駆除と対策

カワウ

カワウは潜水して魚を捕るのが得意な鳥で、その被害は主に内水面の漁業に集中しています。

河川や湖沼、養殖場でアユやウナギ、コイなどを大量に捕食するため、漁業関係者にとっては非常に深刻な脅威です。

また、集団でねぐらや繁殖地(コロニー)を形成し、その下の樹木が大量の糞によって白く枯死してしまう「糞害」も大きな問題となっています。

カワウの被害は深刻であるため、国や都道府県が主体となって、有害鳥獣としての計画的な捕獲や、ロケット花火などによる追い払い、レーザーポインターによる威嚇など、大規模な対策が行われています。

個人での対策は困難であり、養殖池などではテグスやワイヤーを張り巡らせて、カワウの侵入を防ぐといった方法が取られています。

詳細:【完全ガイド】プロが教えるカワウの駆除方法|許可申請から効果的な対策まで徹底解説

ガビチョウの駆除と対策

ガビチョウ

ガビチョウは、目の周りの白い模様が特徴的な中国原産の「特定外来生物」です。

非常に大きな美しい声でさえずりますが、その声量が大きすぎるため、住宅地では騒音として問題になることがあります。

本来日本にいるウグイスなどの在来種と餌や生息地が競合するため、日本の生態系を脅かす存在として懸念されています。

特定外来生物に指定されているため、法律上は防除の対象となりますが、積極的に個人が捕獲・駆除を行うことは一般的ではありません。

生態系への影響を考慮し、自治体や研究機関が分布状況の調査や管理を行っています。私たちにできる対策は、ガビチョウを見かけても餌付けなどをせず、自然の成り行きに任せることです。

詳細:【被害別】ガビチョウの効果的な駆除方法とは?フン・騒音対策を徹底解説

ソウシチョウの駆除と対策

ソウシチョウ

ソウシチョウも中国南部などを原産とする「特定外来生物」で、その美しい見た目から「日本の侵略的外来種ワースト100」にも選定されています。

ガビチョウと同様に、在来の鳥類(特にメジロなど)と競合し、生態系に悪影響を与えることが心配されています。

群れで行動することが多く、特定の地域で繁殖が進んでいます。

対策はガビチョウと同様で、特定外来生物として防除の対象とはなっていますが、個人レベルでの駆除は推奨されません。

分布拡大を防ぐためにも、ペットとして飼育されていた個体を野外に放つといった行為は絶対にやめましょう。生態系保全の観点から、専門機関による管理に委ねられています。

詳細:ソウシチョウの駆除は自分でできる?費用や業者に頼む際の注意点まで徹底解説

鷹の駆除と対策

鷹

タカやワシなどの猛禽類は、日本の生態系の頂点に位置する重要な動物であり、鳥獣保護管理法によって厳重に保護されています。カラスや鳩などの数をコントロールする益鳥としての側面が強いです。

そのため、鷹を駆除するという考え方は誤りであり、法律上も絶対に許可されません。

ごく稀に、養鶏場などでヒヨコが狙われるといった限定的な被害が報告されることはありますが、その場合も駆除ではなく、防鳥ネットを設置して物理的に侵入を防ぐ対策等が取られます。

もし、上記のような何かしらの鷹の被害で悩む場合には専門業者での追い払いを依頼するようにしましょう。

詳細:鷹の駆除(追い払い)を業者に依頼する費用は?優良業者の選び方と料金相場を比較

自分でできる害獣・害鳥駆除と対策グッズ

害獣(害鳥)駆除グッズ

害獣や害鳥の被害にお悩みの場合、専門業者に依頼する前に自分でできる対策も数多くあります。

ここでは、ご自身で実施可能な駆除方法や、効果的な対策グッズについて詳しく解説します。

ただし、対象となる動物によっては法律で保護されている場合があるため、作業前には必ず確認し、法令を遵守してください。

害獣・害鳥の侵入経路を特定し封鎖する方法

害獣や害鳥の多くは、わずかな隙間からでも家屋に侵入します。

まずは、どこから侵入しているのか、その経路を特定することが最も重要です。

特定後は、適切な材料でしっかりと封鎖し、再侵入を防ぎましょう。

侵入経路の代表的な場所

家屋への侵入経路となりやすいのは、以下のような場所ですので、念入りにチェックしましょう。

  • 屋根の隙間(瓦のズレ、棟板金の浮きなど)
  • 軒下や天井裏の換気口・通気口
  • 壁のひび割れや穴、配管導入部と壁の隙間
  • 基礎部分の通風孔や床下の隙間
  • エアコンの配管穴や室外機周り
  • シャッターの隙間や戸袋
  • 古い家屋の戸や窓の隙間

特にネズミのような小さな害獣は、1.5cm程度のわずかな隙間でも侵入可能ですので、細部まで注意深く点検することが肝心です。

封鎖に使用する資材と方法

侵入経路の場所や大きさ、対象となる害獣の種類によって、使用する資材や封鎖方法が異なります。

以下に代表的な資材とその特徴、使用方法をまとめました。

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資材 特徴 主な使用場所 注意点
金網・パンチングメタル 耐久性が高く、ネズミやイタチなど歯の強い動物にも破られにくい。網目の細かいものを選ぶ。 換気口、通気口、床下、壁の穴など比較的大きな開口部。 ステンレス製など錆びにくい素材を選ぶ。隙間なく固定する。
防鼠ブラシ・防鳥ブラシ ブラシ状のステンレス線や硬質プラスチックで、配管周りなど複雑な形状の隙間にフィットしやすい。 配管周り、雨樋、シャッターの隙間。 密度が高く、動物が押し分けにくいものを選ぶ。
シーリング材・パテ 小さな亀裂や隙間を埋めるのに適している。硬化後は強度が出る。 壁のひび割れ、配管導入部の隙間、窓枠の隙間。 害獣が齧って突破できないよう、防鼠パテ(唐辛子成分入りなど)も検討。屋外用・屋内用を確認。
セメント・モルタル 耐久性が非常に高く、大きな穴や基礎部分の補修に適している。 基礎の隙間、壁の大きな穴。 乾燥に時間がかかる。施工には技術が必要な場合がある。
防鳥ネット 鳥の侵入を防ぐ。網目の大きさが重要。 ベランダ、窓、軒下、換気扇フード。 隙間なく設置しないと、鳥が入り込むことがある。耐久性のある素材を選ぶ。

封鎖作業時の注意点

  • 害獣を屋内に閉じ込めてしまわないよう、追い出してから封鎖する。追い出しが難しい場合は、専門業者に相談しましょう。
  • 高所作業や危険な場所での作業は無理をせず、安全を最優先してください。
  • 封鎖が不完全だと、別の場所から侵入される可能性があります。徹底的に塞ぐことが重要です。
  • 定期的に封鎖箇所を点検し、破損や劣化がないか確認しましょう。

効果的な忌避剤の種類と使い方(スプレー・固形・超音波など)

忌避剤は、害獣や害鳥が嫌がる臭いや成分を利用して、対象の動物を寄せ付けないようにするものです。

様々なタイプがあり、使用場所や対象動物によって使い分けます。

ただし、効果の持続期間や範囲には限りがあり、動物が慣れてしまうこともあるため、他の対策と組み合わせることが推奨されます。

忌避剤の種類と特徴

市販されている主な忌避剤の種類と特徴は以下の通りです。

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種類 形状 主な対象動物 使用場所例 メリット デメリット・注意点
スプレータイプ 液体(エアゾール、トリガー) ネズミ、ハクビシン、アライグマ、イタチ、コウモリ、ハト、カラスなど 侵入経路、被害場所、巣の周辺、ゴミ置き場 手軽に広範囲に散布できる。即効性が期待できるものもある。 雨風で流れやすい。持続期間が短いものが多い。吸い込まないよう注意。
固形タイプ ブロック状、袋入り ネズミ、モグラ、ハクビシン、イタチなど 屋根裏、床下、天井裏、庭、畑 雨に比較的強く、効果が長持ちしやすい。設置が簡単。 効果範囲が限定的。子供やペットが誤飲しないよう設置場所に注意。
顆粒タイプ 粒状 ネズミ、モグラ、ヘビ、ナメクジなど 庭、畑、建物の周囲、床下 広範囲に撒きやすい。土壌に混ぜて使用するものもある。 雨で流失しやすい。風で飛散することも。子供やペットの誤食注意。
ジェルタイプ ゲル状(チューブ入りなど) ハト、カラス、コウモリなど鳥類 ベランダの手すり、窓枠、看板、配管 垂直面にも塗布しやすい。持続性が高いものがある。 塗布場所が汚れることがある。見た目に影響する場合も。
くん煙タイプ 煙状(缶タイプ) ネズミ、イタチ、コウモリ、害虫 屋根裏、天井裏、床下、倉庫(密閉空間) 隙間に潜む害獣にも煙が届きやすい。 使用中は人やペットは必ず避難。火災報知器に反応する場合がある。食品や食器は保護する。換気が必要。
天然成分由来 液体、木片、パックなど ネズミ、ハクビシン、イタチ、猫、鳥類など 屋内、庭、ゴミ置き場 比較的安全性が高い。環境への負荷が少ない。 効果が穏やかな場合がある。動物によっては効果が薄いことも。
超音波・電磁波タイプ 装置 ネズミ、コウモリ、害虫など(製品による) 屋内、屋根裏、倉庫 設置が簡単。薬剤を使わない。 効果については科学的根拠が限定的で、賛否両論ある。障害物があると効果が減衰する。ペットに影響が出る可能性も。

天然成分由来の忌避剤としては、木酢液、竹酢液、ハッカ油、トウガラシエキス、ニンニク、ハーブ類(ミント、ローズマリーなど)を利用したものがあります。

これらは比較的安心して使用できますが、効果の持続性や強さは化学的な製品に劣る場合があります。

忌避剤の正しい使い方と効果を高めるポイント

  • 製品のラベルや説明書をよく読み、用法・用量を守る。
  • 対象動物や使用場所に合った忌避剤を選ぶ。
  • 侵入経路や被害が集中している場所に重点的に使用する。
  • 定期的に交換・再散布する(特に屋外や雨風にさらされる場所)。
  • 忌避剤だけに頼らず、清掃や侵入経路の封鎖と併用する。
  • 害獣のフンや尿は清掃してから忌避剤を使用すると、マーキングによる再来訪を防ぎやすくなります。

忌避剤使用時の注意点(安全性・持続性)

  • ペットや小さな子供がいる家庭では、誤飲や接触に十分注意する。安全性の高い天然成分のものを選ぶか、手の届かない場所に設置する。
  • 化学成分を含む忌避剤を使用する際は、換気を良くし、マスクや手袋を着用する。
  • アレルギー体質の人は、成分を確認し、慎重に使用する。
  • 超音波・電磁波タイプのものは、人間には聞こえない周波数でもペット(特に犬や猫、げっ歯類)にはストレスを与える可能性があるため、設置場所や機種の選択に注意が必要です。
  • 忌避剤の効果は永続的ではありません。動物が慣れてしまう「学習効果」も考慮し、定期的な見直しや種類の変更も検討しましょう。

捕獲器・罠の設置と注意点(法律遵守)

忌避剤で効果がない場合や、確実に個体を排除したい場合には、捕獲器や罠の使用を検討することがあります。

しかし、鳥獣保護管理法により、捕獲が規制されている動物が多いため、事前の確認と適切な手続きが不可欠です。

鳥獣保護管理法(正式名称:鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)については、環境省のウェブサイトで詳細を確認できます。

参考:鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の概要(環境省)

代表的な捕獲器・罠の種類

対象動物や設置場所に応じて、様々な種類の捕獲器・罠があります。

  • ネズミ用:
    • 捕獲カゴ(生け捕り式):ネズミを生きたまま捕獲するカゴ。複数回使用可能。
    • 粘着シート:強力な粘着剤でネズミを捕獲。設置が簡単だが、大きなネズミは逃げることがある。
    • バネ式トラップ(圧殺式):餌で誘い込み、バネの力で挟んで捕殺する。
  • アライグマ・ハクビシン・イタチ(オス)用:
    • 箱罠(生け捕り式):金属製のカゴで、動物が中に入ると扉が閉まる仕組み。自治体の許可が必要な場合が多い。
  • モグラ用:
    • 筒型トラップ:モグラのトンネルに設置し、通過するモグラを捕獲する。

カラスやハトなどの野鳥は、原則として許可なく捕獲することはできません。被害が深刻な場合は、自治体や専門業者に相談してください。

捕獲器・罠の設置場所とコツ

  • 害獣の通り道(ラットサイン:糞、足跡、壁の黒ずみなどがある場所)に設置する。
  • 壁際や隅など、動物が警戒しにくい場所に置く。
  • 餌付け式の罠の場合、対象動物が好む餌(例:ネズミには穀物やソーセージ、アライグマには果物やペットフードなど)を使用する。
  • 罠を設置した後は、頻繁に確認する。特に生け捕り式の罠は、長時間放置すると動物が衰弱死してしまう可能性があります。
  • 最初は餌だけを置いて慣れさせ、警戒心を解いてから仕掛けを作動させる(「ならし餌」)。

法律(鳥獣保護管理法)の遵守と許可申請

日本に生息するほとんどの野生鳥獣は、鳥獣保護管理法によって保護されており、無許可での捕獲は禁止されています。

  • ネズミ(ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミ)や、一部の例外(農業被害や生活環境被害を引き起こす場合の限定的な措置)を除き、多くの哺乳類や鳥類の捕獲には、都道府県知事または市町村長の許可が必要です。
  • アライグマやヌートリアなどの特定外来生物については、外来生物法に基づいた対応が必要となる場合があり、こちらも自治体への確認が推奨されます。
  • 許可なく捕獲した場合、罰金や懲役が科されることがあります。
  • 自分で判断せず、必ず捕獲対象の動物が規制対象かどうか、お住まいの自治体の担当窓口(環境課、農林課など)に確認してください。

捕獲後の適切な処理方法

  • 生け捕りにした場合、法律や自治体の指示に従って適切に処理する必要があります。安易に別の場所に放獣することは、生態系への影響や被害の拡散につながるため、原則として認められていません。
  • 死んでしまった動物の処理についても、自治体のルール(一般ゴミとして出せるか、専門業者への依頼が必要かなど)を確認してください。
  • 感染症のリスクがあるため、捕獲した動物や罠を処理する際は、必ずゴム手袋やマスクを着用し、直接触れないようにしてください。

捕獲器・罠使用時の安全対策

  • 子供やペットが誤って罠にかからないよう、設置場所や管理に十分注意する。
  • バネ式トラップなど、怪我の恐れがある罠の取り扱いには細心の注意を払う。
  • 罠にかかった動物は興奮していることが多く、噛みつかれたり引っ掻かれたりする危険性があるため、不用意に近づかない。

防鳥ネット・剣山(トゲトゲ)などの設置方法

主に鳥による被害(糞害、巣作り、騒音など)を防ぐためには、物理的に侵入や飛来を防ぐ対策が効果的です。

代表的なものに防鳥ネットや剣山(バードスパイク)があります。

防鳥ネットの種類と選び方

防鳥ネットは、鳥の侵入を防ぎたい場所に張り巡らせるネットです。

  • 材質:ポリエチレン製やナイロン製が一般的。耐久性、耐候性の高いものを選びましょう。
  • 網目の大きさ:対象とする鳥の種類によって選びます。
    • スズメなど小型の鳥:15mm~20mm目程度
    • ハト:25mm~30mm目程度
    • カラス:50mm目程度

    網目が大きすぎると鳥が侵入したり、小さすぎると鳥が絡まってしまう危険性があるため注意が必要です。

  • 色:黒やグレー、透明などがあります。景観や目立ちにくさを考慮して選びましょう。黒色はカラス避けに効果があるとも言われます。

防鳥ネットの正しい設置方法とポイント

  • 隙間なく設置する:ネットと壁や手すりとの間に隙間があると、そこから鳥が侵入してしまいます。専用の固定具(フック、ワイヤー、留め具など)を使用して、しっかりと固定しましょう。
  • たるませない:ネットがたるんでいると、鳥が止まりやすくなったり、風で煽られて破損しやすくなります。ピンと張るように設置します。
  • 設置場所:ベランダ全体を覆う、窓枠、エアコン室外機の上、換気口の前など、被害のある場所や巣を作られやすい場所に設置します。
  • 高所での作業は危険を伴うため、安全には十分配慮し、難しい場合は専門業者に依頼しましょう。

剣山(バードスパイク)の種類と設置場所

剣山(バードスパイク、鳥よけマットとも呼ばれる)は、ステンレスやプラスチック製のトゲトゲが付いたマット状の製品で、鳥が物理的に止まれなくするものです。

  • 材質:ステンレス製は耐久性が高いですが高価な傾向があり、ポリカーボネートなどのプラスチック製は比較的安価で加工しやすいです。
  • 設置場所:ベランダの手すり、窓のひさし、看板の上、配管の上、エアコン室外機の上など、鳥がよく止まる場所に設置します。

剣山の効果的な設置方法と注意点

  • 隙間なく敷き詰める:剣山と剣山の間に隙間があると、鳥はその隙間に止まったり巣を作ったりすることがあります。
  • 接着剤、結束バンド、ネジなどで確実に固定します。
  • 美観を損ねる可能性があるため、設置場所や製品のデザインを考慮しましょう。
  • トゲの先端が鋭利なため、設置時や清掃時に怪我をしないよう注意が必要です。また、人が触れる可能性のある場所への設置は慎重に検討してください。
  • 剣山の上に鳥が巣材を運び、巣を作ってしまうケースもあるため、定期的な点検が必要です。

その他の物理的防除グッズ(防鳥ワイヤーなど)

防鳥ワイヤー(バードワイヤー)は、細いワイヤーを数本、鳥が止まりそうな場所に張ることで、着地を妨げるものです。

景観を損ねにくいのが特徴ですが、設置にはある程度の技術が必要です。

光・音・臭いを利用した追い払いグッズ

害獣や害鳥が嫌がる光、音、臭いを利用して追い払うグッズも市販されています。

これらは設置が比較的簡単なものが多いですが、効果は一時的であったり、動物が慣れてしまうこともあります。

光を利用した追い払いグッズ

  • CD・反射テープ:太陽光を反射させて鳥の目を眩ませ、警戒させる効果を狙います。吊るしたり、貼り付けたりして使用します。安価で手軽ですが、効果は限定的で、慣れも早いです。
  • 防鳥ホログラムテープ:特殊なホログラム加工が施されたテープで、複雑な光の反射で鳥を威嚇します。
  • 防獣ライト・ストロボライト:夜行性の害獣(アライグマ、ハクビシンなど)に対して、強い光や点滅する光で威嚇し、侵入を防ぎます。センサーで動物を感知して作動するものもあります。
  • 目玉風船・目玉模様のグッズ:猛禽類の目を模したデザインで、鳥に恐怖感を与えて追い払うことを目的とします。

光による対策は、特に鳥類に対しては一時的な効果に留まることが多いです。

音を利用した追い払いグッズ

  • 超音波発生器:人間には聞こえにくい高周波数の音(超音波)を発生させ、ネズミやコウモリ、一部の害虫などを追い払うとされています。ただし、その効果については科学的な裏付けが十分ではなく、効果がない、あるいは限定的という意見も多いです。ペットへの影響も考慮が必要です。
  • 爆音機・威嚇音発生装置:大きな音や、鳥獣が嫌がる特定の音(猛禽類の鳴き声、銃声など)を発生させて追い払います。農地などで使用されることがありますが、住宅地では騒音問題となるため使用は困難です。
  • 鈴・風鈴:人がいる気配を出すことで、警戒心の強い動物を遠ざける効果が期待できますが、慣れてしまうと効果は薄れます。

臭いを利用した追い払いグッズ(忌避剤と共通)

忌避剤の項目でも触れましたが、特定の臭いを利用して害獣・害鳥を遠ざける方法です。

  • オオカミの尿(ウルフピー):アライグマ、ハクビシン、シカ、イノシシなど、オオカミを天敵とする動物に対して効果が期待されます。
  • 木酢液・竹酢液:燻製のような独特の臭いで、ネコやネズミ、一部の虫などを寄せ付けにくくします。
  • ニンニク、トウガラシ、ハーブ類:これらの強い臭いを嫌う動物もいます。

これらのグッズの効果と限界、使用上の注意

  • 多くの追い払いグッズは、設置初期には効果が見られても、動物が安全だと学習すると効果が薄れる(慣れが生じる)傾向があります。
  • 単一の対策に頼るのではなく、複数の対策を組み合わせたり、定期的に設置場所や種類を変えたりする工夫が必要です。
  • 音や光を発するグッズは、近隣住民への配慮が不可欠です。騒音や光害にならないよう、設置場所や時間帯、製品の仕様をよく確認しましょう。
  • 効果の持続性や範囲は製品によって大きく異なるため、商品説明をよく読み、レビューなども参考に選ぶと良いでしょう。

ご自身での対策が難しい場合や、被害が深刻な場合は、無理をせずに専門の駆除業者に相談することをおすすめします。

プロの害獣駆除業者に依頼するメリットと選び方

害獣駆除の罠のイメージ

害獣・害鳥の被害は深刻で、自力での対策には限界があることもしばしばです。

そんな時、頼りになるのがプロの害獣駆除業者です。専門的な知識と技術を持つ業者に依頼することで、安全かつ確実に問題を解決し、安心して生活できる環境を取り戻すことができます。

この章では、業者に依頼するメリット、信頼できる業者の選び方、費用相場、そして利用できる可能性のある補助金制度について詳しく解説します。

駆除ザウルス

害獣駆除業者に依頼するメリットとは

専門業者に害獣駆除を依頼することには、個人では得られない多くのメリットがあります。

ここでは主なメリットを3つのポイントに分けてご紹介します。

専門知識と技術による確実な駆除

プロの駆除業者は、害獣・害鳥の種類や生態、建物の構造に関する深い知識を持っています。

これにより、被害状況を正確に把握し、最も効果的な駆除方法を選択することができます。

例えば、ネズミの種類(クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミなど)によって効果的な罠や薬剤が異なることや、コウモリのように鳥獣保護管理法で守られている動物への適切な対応など、専門家でなければ判断が難しいケースも少なくありません。

また、最新の駆除技術や専用機材を駆使し、害獣を確実に捕獲・駆除、または追い出します。

屋根裏や天井裏、床下など、個人では作業が困難な場所での駆除も安全かつ効率的に行います。

再発防止策と保証

害獣駆除は、単に目の前の害獣を追い払ったり捕獲したりするだけでは不十分です。

なぜ害獣が侵入したのか、その侵入経路を特定し、封鎖することが再発防止には不可欠です。

プロの業者は、徹底的な現地調査に基づき、建物の構造的な欠陥や害獣が利用しやすいわずかな隙間(通気口、配管の隙間、壁のひび割れなど)を見つけ出し、適切な修繕や封鎖作業(金網、パンチングメタル、忌避剤配合のパテなどを使用)を行います。

さらに、多くの優良業者は、施工後の保証制度や定期的なアフターフォローを提供しています。

万が一、駆除後に害獣が再発生した場合でも、保証期間内であれば無償で再対応してくれるため、長期的な安心感が得られます。

安全性の確保と法的な問題のクリア

害獣駆除には、薬剤の使用や高所での作業など、危険が伴う場合があります。

専門業者は、安全管理を徹底し、居住者の方々やペット、周辺環境への影響を最小限に抑えた方法で駆除を行います。使用する薬剤についても、その特性(安全性データシート(SDS)などに基づく情報)を熟知し、適切な濃度・方法で使用するため安心です。

また、害獣の中には「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」(鳥獣保護管理法)によって捕獲や駆除が規制されているものがいます。

法律を遵守した適切な手続きや方法で駆除を行うため、知らずに法律違反を犯してしまうリスクを避けることができます。例えば、アライグマやハクビシンなどの捕獲には自治体の許可が必要な場合があり、そうした手続きの代行やアドバイスを行ってくれる業者もいます。

信頼できる害獣駆除業者の選び方

数多くの害獣駆除業者が存在する中で、本当に信頼できる業者を見極めることが重要です。

以下のポイントを参考に、慎重に業者を選びましょう。

見積もり内容の比較と料金相場

まず、最低でも2~3社から見積もりを取り、内容を比較検討する「相見積もり」を必ず行いましょう。

見積書には、どのような作業にどれくらいの費用がかかるのか、詳細な内訳(作業項目、単価、数量、合計金額)が記載されているかを確認します。

基本料金の他に、出張費、薬剤費、侵入経路封鎖費、清掃・消毒費、高所作業費などが別途かかる場合があるため、総額だけでなく、作業内容と費用の妥当性、追加料金が発生する条件(例:想定外の巣が見つかった場合など)を事前にしっかり確認することが大切です。

極端に安い料金を提示する業者には、必要な作業が省略されていたり、後から高額な追加請求をされたりするリスクがないか注意が必要です。

実績と口コミ・評判の確認

業者の公式ウェブサイトで、これまでの駆除実績(具体的な施工事例の写真や解説、対応件数など)やお客様の声を確認しましょう。

長年の実績があり、特定の害獣駆除に関する専門性が高い(例:○○防除作業監督者、ペストコントロール技術者、わな猟免許などの有資格者が在籍)業者は信頼できる可能性が高いです。また、Googleマップの口コミ、地域の情報サイト、SNSなどで、実際にその業者を利用した人の客観的な評判を調べることも有効です。

良い評価だけでなく、万が一悪い評価があった場合はその内容と業者の対応も確認し、総合的に判断しましょう。

所属団体(例:公益社団法人日本ペストコントロール協会など)への加盟状況も一つの目安になります。

保証内容とアフターフォロー

駆除後の再発は誰しも避けたいものです。

そのため、どのような保証が付いているか、保証期間(例:1年~5年など)、保証の対象範囲(例:同じ種類の害獣が同じ場所に再侵入した場合など)、免責事項を契約前に書面で確認することが非常に重要です。

例えば、「駆除後◯年以内に再発した場合は無償で再施工」といった具体的な保証内容を明示している業者を選びましょう。

口頭での約束だけでなく、必ず書面で保証書を発行してもらうようにしてください。

また、定期的な点検や再発防止のためのアドバイスなど、アフターフォローが充実しているかも確認ポイントです。長期的な視点で安心して任せられる業者を選びましょう。

対応エリアと迅速さ

自宅や被害場所が業者の対応エリア内であるかを確認しましょう。

地元に密着した業者であれば、地域の害獣事情(例:特定の季節に発生しやすい害獣など)に詳しく、移動コストが抑えられるため比較的安価で、かつ迅速な対応が期待できる場合があります。

また、問い合わせてから現地調査、駆除作業開始までのスピードも重要です。害獣被害は放置すると、建物の損傷拡大、健康被害の悪化、繁殖による個体数増加など、状況が悪化する一方なので、できるだけ早く対応してくれる業者を選びたいものです。

特に緊急性が高い場合は、電話相談時の対応や、即日対応が可能かどうかも確認しておくと良いでしょう。

害獣駆除にかかる費用相場と内訳

害獣駆除にかかる費用は、害獣の種類、被害の深刻度(巣の数、汚染範囲など)、建物の構造(木造、鉄骨など)や広さ、作業の難易度(高所作業の有無など)、駆除方法、使用する薬剤や資材の種類などによって大きく変動します。

あくまで目安ですが、代表的な害獣の駆除費用相場は以下の通りです。

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害獣の種類 費用相場(一般的な戸建て住宅の場合) 備考(主な作業内容)
ネズミ(クマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミ) 30,000円~200,000円程度 追い出し、粘着シート・殺鼠剤・捕獲カゴ等による捕獲、侵入経路封鎖、糞清掃、殺菌消毒、忌避剤散布など。被害範囲や巣の数により大きく変動。
アライグマ・ハクビシン 50,000円~300,000円程度 追い出し、捕獲(自治体の許可が必要な場合あり)、侵入経路封鎖(屋根や壁の修繕を伴うことも)、糞清掃、殺菌消毒、消臭作業。屋根裏など高所作業が多い。
イタチ(オス)・テン 40,000円~250,000円程度 アライグマ・ハクビシンに準じるが、体が小さいため侵入経路がより細かく複雑な場合がある。追い出し、捕獲、侵入経路封鎖、清掃消毒。
コウモリ(アブラコウモリなど) 30,000円~150,000円程度 鳥獣保護管理法対象のため追い出しが基本。忌避剤使用、侵入経路封鎖(夕方以降の追い出し確認後)、糞清掃、殺菌消毒。捕獲は原則不可。
ハト(ドバト) 20,000円~150,000円程度(ベランダなど局所的な場合) 糞清掃、消毒、忌避剤散布、防鳥ネットや剣山(スパイク)の設置。巣の撤去(卵や雛がいない場合)。広範囲や高所の場合は高額になることも。
カラス 30,000円~200,000円程度 ゴミ集積所のネット設置・管理方法指導、巣の撤去(繁殖期以外、自治体許可が必要な場合あり)、忌避グッズ設置、威嚇対策など。
モグラ 20,000円~100,000円程度(庭など) 捕獲器設置、忌避剤使用、音波発生器設置など。被害範囲による。

上記の費用には、一般的に以下の内訳が含まれますが、業者によって項目名や計上方法が異なる場合があります。

  • 初期調査費・診断費:現地調査、被害状況の特定、見積もり作成にかかる費用(無料の業者も多いですが、有料の場合は事前に確認)。
  • 駆除作業費:害獣の追い出し、捕獲、殺処分(法律に基づき必要な場合)などの作業人件費。
  • 薬剤費・資材費:使用する殺虫剤、殺菌剤、忌避剤、捕獲器、罠、侵入経路封鎖材(金網、パテ、シーリング材など)の実費。
  • 侵入経路封鎖作業費:再侵入を防ぐための隙間や穴を塞ぐ作業費。箇所数や難易度により変動。
  • 清掃・消毒・消臭費:糞尿の清掃、殺菌・消毒作業、ノミ・ダニ駆除、消臭作業などの費用。
  • 高所作業費:屋根裏や軒下など、足場が必要な場合や特殊な機材を使用する場合の追加費用。
  • 出張費・諸経費:作業員の交通費や車両費、その他の経費。
  • 廃棄物処理費:捕獲した害獣の死骸や巣、汚染された断熱材などの処分費用。

見積もりを取る際には、これらの内訳が明確に示されているかを確認し、不明な点は遠慮なく質問しましょう。

「一式」としか書かれていない場合は、詳細な内訳を求めることが重要です。

極端に安い料金には、必要な作業が含まれていなかったり、後から高額な追加料金を請求されたりするリスクがあるため注意が必要です。

害獣駆除に関する補助金や助成金制度について(自治体など)

害獣駆除には費用がかかりますが、お住まいの自治体によっては、駆除費用の一部を補助する制度や、捕獲器の無償貸し出し、報奨金制度などの支援を行っている場合があります。

これらの制度は、主に農作物被害の防止、生活環境の保全、あるいは特定外来生物の防除を目的として設けられています。

対象となる害獣の種類(例:アライグマ、ハクビシン、イノシシ、シカ、ヌートリアなど)、補助の条件(例:農作物被害が確認できること、生活環境への被害が深刻であること、自治会単位での申請など)、補助金額や申請方法、申請期間などは自治体によって大きく異なります。

例えば、特定外来生物に指定されているアライグマやヌートリアなどの捕獲に対して、報奨金を出したり、専門業者による駆除費用の一部を助成したりする自治体があります。

まずは、お住まいの市区町村役場の環境保全課、農政課、林務課、または保健所などに問い合わせてみることをお勧めします。

多くの自治体では、公式ウェブサイトの「くらしの情報」「環境」「農業」といったカテゴリーで「害獣駆除 補助金 (お住まいの自治体名)」や「アライグマ 防除 (お住まいの自治体名)」などのキーワードで検索すると、関連情報が見つかることがあります。

利用できる制度があれば、費用負担を軽減できる可能性があるため、積極的に調べてみましょう。業者によっては、こうした補助金申請の相談に乗ってくれたり、必要な書類作成のサポートをしてくれたりする場合もありますので、見積もり依頼の際に確認してみるのも良いでしょう。

なお、国レベルでは、農林水産省が鳥獣被害対策に関する総合的な情報提供や交付金事業を行っていますが、これらは主に広域的な対策や農業者団体向けのものが中心です。

個人宅の害獣駆除に直接適用される国の補助金は限定的ですが、関連情報は農林水産省の鳥獣被害対策のページなどで確認できます。

いずれにしても、ご自身の状況に合った支援制度があるかどうかは、まずお住まいの自治体に確認することが最も確実です。

害獣・害鳥駆除後の清掃・消毒と再発防止策

害獣駆除 清掃 消毒

害獣・害鳥の駆除が無事に完了しても、それで終わりではありません。被害があった場所には、目に見えない病原菌や寄生虫、そして不快な臭いが残されている可能性があります。また、一度侵入を許したということは、再び害獣・害鳥が侵入しやすい環境であるとも言えます。快適で安全な生活を取り戻し、その状態を維持するためには、駆除後の徹底した清掃・消毒と、確実な再発防止策が不可欠です。

糞尿などの清掃と消毒の重要性と手順

害獣・害鳥の糞尿や死骸、巣の跡などは、放置すると深刻な健康被害や建材の劣化を引き起こす可能性があります。適切な清掃と消毒を行うことで、これらのリスクを大幅に軽減できます。

糞尿などを放置するリスクには、以下のようなものがあります。

  • 感染症やアレルギーの発症:糞尿や死骸には、サルモネラ菌、E型肝炎ウイルス、レプトスピラ症、クリプトコッカス症、ダニやノミによるアレルギーなど、人間に感染する病原体やアレルゲンが含まれていることがあります。特に小さなお子様や高齢者、免疫力の低下している方は注意が必要です。
  • 悪臭の発生:糞尿や腐敗臭は強烈な悪臭を放ち、生活空間の快適性を著しく損ないます。
  • 害虫の発生:糞尿はハエやゴキブリなどの害虫の餌となり、二次被害を引き起こす可能性があります。
  • 建材の腐食・汚損:糞尿に含まれる酸やアンモニアは、木材、金属、断熱材などを腐食させ、建物の耐久性を低下させる原因となります。また、シミや汚れも残ります。
  • 他の害獣の誘引:糞尿の臭いは、他の害獣にとってマーキングとなり、新たな侵入を招くことがあります。

安全かつ効果的に清掃・消毒作業を行うためには、正しい手順と準備が必要です。

清掃・消毒の準備物

作業を始める前に、以下のものを準備しましょう。

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カテゴリ 具体例 備考
保護具 長袖・長ズボンの作業着(汚れてもよいもの)、使い捨てゴム手袋、医療用マスク(N95マスク推奨)、ゴーグル(または保護メガネ) 病原体の吸入や皮膚への接触を防ぐため、完全防備が基本です。
清掃用具 ほうき、ちりとり、丈夫なビニール袋(二重にする)、ペーパータオル、雑巾(使い捨て推奨)、バケツ、スプレーボトル 掃除機は排気で病原体を飛散させる可能性があるため、使用する場合はHEPAフィルター付きのものを選び、慎重に扱います。
消毒剤 次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤を希釈)、エタノール(70%以上)、逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)、市販の害獣対策用消毒剤 対象物や材質、害獣の種類によって適切な消毒剤を選び、使用方法を必ず確認してください。金属に使用する場合は腐食に注意が必要です。

清掃・消毒の手順

  1. 換気:作業場所の窓を開け、十分に換気を行います。
  2. 保護具の装着:準備した保護具を正しく装着します。
  3. 糞尿・汚物の除去:
    • 乾燥した糞は、ホコリが舞い上がらないように静かにほうきとちりとりで集め、ビニール袋に入れます。
    • 湿った糞尿や体液は、ペーパータオルなどで拭き取り、同様にビニール袋に入れます。
    • 死骸がある場合は、直接触れないようにビニール袋に入れ、さらに別の袋で二重に密閉します。
  4. 汚染箇所の清掃:糞尿があった場所やその周辺を、中性洗剤を含ませた雑巾やペーパータオルで丁寧に拭き取ります。シミがひどい場合は、何度か繰り返します。
  5. 消毒:清掃した箇所に、適切な濃度に希釈した消毒剤をスプレーボトルで噴霧するか、消毒剤を含ませた雑巾で拭きます。消毒剤が効果を発揮するまで、一定時間放置することが重要です(製品の指示に従ってください)。
  6. 乾燥:消毒後は、再度十分に換気を行い、乾燥させます。
  7. 廃棄物の処理:集めた糞尿、汚物、使用した手袋、マスク、ペーパータオル、雑巾などは、ビニール袋の口をしっかりと縛り、自治体の指示に従って速やかに処分します。可能であれば、焼却施設のある自治体では焼却処分が望ましいです。
  8. 手洗い・うがい:作業終了後は、必ず石鹸で手と顔を洗い、うがいをします。シャワーを浴びるのが理想的です。

広範囲の汚染や、屋根裏・床下など作業が困難な場所、感染症リスクが高い場合は、無理せず専門の清掃・消毒業者に依頼することを検討しましょう。

害獣・害鳥が再侵入しないための予防策

駆除と清掃・消毒が完了したら、次は最も重要な再発防止策です。害獣・害鳥が再び家屋に侵入したり、敷地内で被害を出したりするのを防ぐためには、彼らが好む環境を作らないこと、そして侵入経路を徹底的に塞ぐことが基本です。

建物の隙間を塞ぐ

害獣・害鳥の多くは、ほんのわずかな隙間からでも侵入してきます。建物の構造をよく点検し、侵入経路となり得る箇所を物理的に封鎖することが最も効果的な予防策です。

  • 侵入経路の特定:屋根の隙間、瓦のズレ、壁の亀裂や穴、通気口、換気扇の開口部、配管や配線の導入部、基礎部分の隙間、シャッターの隙間、エアコンのドレンホースの先端などが主な侵入経路です。ネズミであれば1.5cm程度、イタチであれば3cm程度の隙間があれば侵入可能です。
  • 封鎖材の選定:
    • 金網・パンチングメタル:通気性を確保しつつ、害獣の侵入を防ぎます。ステンレス製など錆びにくい素材を選びましょう。網目の大きさは対象動物に合わせて選びます。
    • 防鼠ブラシ・防鳥ブラシ:ブラシ状の製品で、複雑な形状の隙間にもフィットしやすいです。
    • シーリング材・パテ:小さな亀裂や穴を埋めるのに適しています。耐久性のある屋外用のものを選びます。
    • セメント・モルタル:基礎部分の大きな隙間や、強度が必要な箇所の封鎖に使用します。
    • 忌避剤配合の封鎖材:トウガラシ成分(カプサイシン)などを含んだパテやテープもあり、齧られるのを防ぐ効果が期待できます。
  • 具体的な封鎖作業:
    • 通気口・換気口:金網やパンチングメタルでカバーし、ビスや針金で固定します。
    • 配管周りの隙間:パテやシーリング材で丁寧に埋めます。大きな隙間には金網などを併用します。
    • 壁の亀裂:シーリング材やモルタルで補修します。
    • 屋根の隙間:専門的な知識が必要な場合が多いため、無理せず屋根修理業者や害獣駆除業者に相談しましょう。

封鎖作業は、害獣が建物内に残っていないことを確認してから行う必要があります。閉じ込めてしまうと、中で死んでしまい、さらなる問題を引き起こす可能性があります。

ゴミの管理を徹底する

害獣・害鳥にとって、人間の出すゴミは魅力的な餌場です。ゴミの管理を徹底することで、彼らを寄せ付けない環境を作ります。

  • 生ゴミの管理:生ゴミは、蓋がしっかりと閉まるゴミ箱に入れ、可能な限り屋内で保管しましょう。ゴミ出しの日時やルールを厳守し、収集時間直前に出すように心がけます。
  • 屋外のゴミ箱:屋外にゴミ箱を設置する場合は、動物に簡単に開けられないような、密閉性の高い頑丈な製品を選びます。カラス対策としては、ゴミ袋をネットで覆うことも有効です。
  • コンポスト:コンポストを利用する場合は、害獣が寄り付かないように適切に管理し、周囲を清潔に保ちます。
  • ペットフードの管理:ペットフードの残りや食べこぼしは、屋外に放置せず、速やかに片付けましょう。

庭木の手入れと餌付けをしない

庭の環境も、害獣・害鳥の誘引に影響します。

  • 庭木・植栽の剪定:建物の壁や屋根に届くような枝は、害獣の侵入経路となるため、定期的に剪定します。また、茂みは隠れ場所になるため、適度に見通しを良くしましょう。
  • 果樹の管理:庭に果樹がある場合は、熟した実は早めに収穫するか、鳥よけネットなどで保護します。地面に落ちた実も放置せず、こまめに拾い集めましょう。
  • 餌付けの禁止:野良猫やハトなどへの安易な餌付けは、その動物だけでなく、他の害獣(アライグマやハクビシンなど)も呼び寄せる原因となります。絶対にやめましょう。
  • 水場の管理:雨水が溜まるバケツや古タイヤなどを放置しないようにし、害獣の水飲み場にならないように注意します。

定期的な点検とメンテナンス

再発防止策を施した後も、安心してはいけません。定期的な点検とメンテナンスを行い、早期発見・早期対応を心がけることで、被害の再発や拡大を防ぐことができます。

  • 点検の頻度:少なくとも年に2回(春と秋など季節の変わり目)は、家屋全体と敷地内を点検しましょう。台風や大雨の後なども、建物に損傷がないか確認すると良いでしょう。
  • 点検箇所とチェックポイント:
    点検エリア 主なチェックポイント
    屋根裏・天井裏 物音、糞尿や獣毛の痕跡、巣の跡、断熱材の荒れ、雨漏りのシミ、新たな隙間
    床下 糞尿の痕跡、足跡、土の掘り返し、配管周りの隙間、通風孔の破損、湿気やカビ
    建物の外周 壁の亀裂、基礎部分の隙間、通気口・換気口の金網の破損、雨樋の詰まりや破損、シャッターや戸袋の隙間
    庭・敷地内 不審な足跡や糞、掘り返された跡、樹木の枝が建物に接していないか、ゴミが散乱していないか
    以前侵入された箇所・封鎖箇所 封鎖材の劣化や破損、こじ開けようとした痕跡がないか
  • メンテナンス作業:
    • 点検で発見された小さな隙間や破損は、速やかに補修します。
    • 忌避剤を使用している場合は、効果の持続期間を確認し、必要に応じて再設置します。
    • 庭木の剪定や敷地内の清掃を定期的に行います。
  • 記録の活用:点検日、点検箇所、発見事項、対応内容などを記録しておくと、次回の点検や異常発生時の状況把握に役立ちます。

ご自身での点検やメンテナンスが難しい場合や、より確実な再発防止を望む場合は、害獣駆除業者による定期点検サービスを利用することも有効な手段です。専門家の視点でチェックしてもらうことで、見落としがちな問題点も発見しやすくなります。

害獣・害鳥駆除後の対策は、一時的なものではなく、継続的な取り組みが求められます。

清掃・消毒で衛生的な環境を取り戻し、徹底した再発防止策と定期的なメンテナンスで、害獣・害鳥のいない快適な生活を守りましょう

害獣駆除に関する法律と注意点

害獣(害鳥)駆除 法律

害獣や害鳥の駆除を行う際には、関連する法律を遵守することが非常に重要です。

知らずに法律に違反してしまうと、罰則が科される可能性もあります。

この章では、害獣駆除に関わる主要な法律である「鳥獣保護管理法」を中心に、自分で駆除を行う際の法的な注意点や、違法な駆除方法のリスクについて詳しく解説します。

鳥獣保護管理法とは?対象となる動物と規制内容

「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」(以下、鳥獣保護管理法)は、日本国内の鳥獣の保護と管理、そして狩猟の適正化を目的とした法律です。この法律により、原則として野生鳥獣の捕獲や殺傷、飼養などが規制されています。

鳥獣保護管理法の主な目的は以下の通りです。

  • 生物の多様性の確保
  • 生活環境の保全
  • 農林水産業の健全な発展

対象となる「鳥獣」とは、哺乳類と鳥類に属する野生動物を指します。

ただし、環境衛生の維持に重大な支障を及ぼすおそれのあるネズミ類(ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミ)や、他の法令で適切な保護管理がなされている一部の動物(例:アザラシなど海洋棲哺乳類の一部)は対象外とされています。

具体的に保護・管理の対象となる鳥獣と、対象外となる主な動物の例を以下に示します。

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区分 具体例 備考
鳥獣保護管理法の対象となる動物 アライグマ、ハクビシン、イタチ、テン、タヌキ、アナグマ、ヌートリア、シカ、イノシシ、モグラ(一部)、コウモリ、ハト(ドバト)、カラス、ムクドリ、スズメなど多くの野生哺乳類・鳥類 捕獲・駆除には原則として許可が必要
鳥獣保護管理法の対象外となる動物 ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミ 家ネズミとして扱われ、許可なく駆除可能
その他(関連法規) アライグマ、ヌートリア、カミツキガメ、セアカゴケグモなど 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)の対象となる場合があり、防除が必要とされるが、適切な方法で行う必要がある

鳥獣保護管理法では、捕獲が許可される鳥獣(狩猟鳥獣)と、原則として捕獲が禁止されている鳥獣(非狩猟鳥獣)が定められています。また、捕獲の目的(学術研究、鳥獣による生活環境・農林水産業・生態系に係る被害の防止など)や方法、期間などについても細かく規定されています。

詳細については、環境省のウェブサイトや、お住まいの自治体の担当窓口で確認することをおすすめします。

自分で駆除する場合の法的な注意点

ご自身で害獣・害鳥の駆除を行う際には、いくつかの法的な注意点があります。

最も重要なのは、鳥獣保護管理法の対象となる動物を無許可で捕獲・殺傷しないことです。

許可の必要性

前述の通り、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミを除くほとんどの野生鳥獣は鳥獣保護管理法の保護対象です。これらの動物を捕獲(罠にかける、網で捕まえるなど)したり、殺傷したりする場合には、原則として都道府県知事または市町村長の許可が必要となります。

無許可で行った場合、法律違反となり罰則が科される可能性があります。

ただし、自己の敷地内(家屋や囲まれた庭など)に侵入した害獣を追い払う行為(忌避剤の使用や威嚇など)については、捕獲や殺傷を伴わない限り、通常は許可は不要です。

申請手続きと条件

捕獲の許可を得るためには、管轄の自治体(都道府県や市町村の鳥獣保護担当課など)に申請手続きを行う必要があります。申請には、捕獲の目的、場所、期間、方法、対象鳥獣の種類や頭数などを記載した申請書や、被害状況を示す資料などが必要となる場合があります。

許可が下りるかどうかは、被害の状況や公益性、鳥獣の保護の観点などから総合的に判断されます。

使用できる猟具の制限

許可を得て捕獲を行う場合でも、使用できる猟具(罠や網など)には制限があります。

例えば、かすみ網の使用は原則禁止されていますし、罠の種類によっては狩猟免許が必要となる場合もあります。安全かつ合法的な方法で駆除を行うためにも、事前に確認が必要です。

特定外来生物への対応

アライグマやヌートリアのように、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(外来生物法)によって特定外来生物に指定されている動物もいます。

これらの動物は、生態系への影響が大きいことから防除の対象とされていますが、捕獲や運搬、飼養などには外来生物法に基づく規制があります。

鳥獣保護管理法と合わせて、適切な手続きや方法を確認する必要があります。

参考:日本の外来種対策 - 環境省

専門家への相談

法律の解釈や手続きは複雑な場合があるため、自分で判断せずに、まずはお住まいの自治体の担当窓口や、害獣駆除の専門業者に相談することを強くおすすめします。

専門家は、法的な規制を遵守した上で、最も効果的かつ安全な対策を提案してくれます。

違法な駆除方法とそのリスク

法律を無視した駆除方法は、法的な罰則だけでなく、周囲の環境や人々の安全にも悪影響を及ぼす可能性があります。

以下に代表的な違法行為とそのリスクを挙げます。

無許可での捕獲・殺傷

鳥獣保護管理法の対象となる鳥獣を許可なく捕獲したり殺傷したりする行為は、最も一般的な違反例です。これには、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。

禁止されている猟具の使用

法律で使用が禁止されている猟具(例:かすみ網、とりもち(一部地域・状況を除く)、弓矢(狩猟目的以外)など)を使用した場合も罰則の対象となります。また、許可された猟具であっても、不適切な使用は危険を伴います。

毒餌や農薬の不適切な使用

害獣駆除の目的であっても、毒餌や農薬を無許可または不適切に使用することは極めて危険です。対象外の動物(ペットや希少動物など)が誤って摂取してしまう事故や、土壌・水質汚染を引き起こすリスクがあります。使用が認められている殺鼠剤なども、用法・用量を守り、細心の注意を払って使用する必要があります。

動物虐待にあたる行為

動物愛護管理法では、愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に処せられます。害獣であっても、必要以上に苦痛を与えるような駆除方法は避けるべきです。法律で認められた範囲内であっても、動物福祉に配慮した方法を選択することが求められます。

罰則の具体例

鳥獣保護管理法に違反した場合の罰則は、行為の内容によって異なります。以下に主な例を示します。

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違反行為の例 罰則
鳥獣の無許可捕獲・殺傷 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
販売禁止の鳥獣の販売・頒布・陳列・輸出入 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
無許可での鳥獣の飼養・譲渡し等 6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金
狩猟鳥獣以外の鳥獣の卵の無許可採取・損傷 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
住居集合地域等における麻酔銃以外の銃器の発砲 50万円以下の罰金
禁止猟具(かすみ網など)の使用・所持 1年以下の懲役または100万円以下の罰金(使用)、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金(所持)

※上記は一例であり、詳細な罰則規定は法律本文をご確認ください。

このように、害獣駆除に関する法律は複雑で、違反した場合のリスクも大きいです。

安全かつ確実に害獣問題を解決するためには、法律を正しく理解し、遵守することが不可欠です。

ご自身での対応が難しいと感じた場合は、無理をせず専門の駆除業者に相談しましょう。

まとめ

罠にかかったイノシシ

害獣や害鳥による被害は、家屋の損傷から健康被害、騒音問題に至るまで多岐にわたり、放置すれば生活に深刻な影響を及ぼします。

本記事では、ネズミやカラスといった代表的な害獣・害鳥の種類別対策、ご自身でできる駆除方法、信頼できる専門業者の選び方、そして駆除後の再発防止策や鳥獣保護管理法などの関連法規まで網羅的に解説しました。

害獣駆除は、早期の正しい判断と適切な対応が、安全で快適な生活を取り戻すための最も重要な結論です。

この記事を参考に、一刻も早い対策を講じましょう。

駆除ザウルス

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