タイワンリスによる屋根裏の騒音や農作物への食害にお悩みではないでしょうか。
この記事を読めば、タイワンリスの被害実態から、法律に触れずに自分でできる対策、再発防止策まで全てが分かります。
結論として、タイワンリスは法律で保護されており、個人での完全な駆除は極めて困難です。
安全かつ確実に被害を解決するためには、専門業者への依頼が最善の選択肢となります。
業者選びのポイントや費用相場も詳しく解説します。
目次
その被害はタイワンリス?特徴と見分け方
屋根裏から聞こえるガサガサという足音、庭の果物や家庭菜園が何者かに荒らされている…。
もしかしたら、その被害は特定外来生物である「タイワンリス」の仕業かもしれません。
効果的な駆除や対策を行うためには、まず相手の正体を正確に突き止めることが不可欠です。
ここでは、タイワンリスの生態や外見的な特徴、そして日本の在来種であるニホンリスとの見分け方を詳しく解説します。
タイワンリスの生態と外見
被害の原因となっている動物がタイワンリスかどうかを判断するために、まずはその姿や習性を確認しましょう。
外見の特徴
タイワンリスは、正式には「クリハラリス」という種の亜種です。
その名の通り、お腹(腹部)の色に大きな特徴があります。
- 体長:頭から胴体までが約20cm、尻尾の長さも約20cmで、全体では40cmほどになります。
- 体毛:背中側は茶色がかったオリーブ色(褐色)で、腹側は特徴的なクリーム色や明るいオレンジ色をしています。このお腹の色が「栗腹(クリハラ)」の由来です。
- 尻尾:長くてふさふさとしており、体と同じくらいの長さがあります。
- 耳:丸い形をしており、冬になっても耳の先端に長い毛(房毛)が生えることはありません。これはニホンリスと見分ける際の重要なポイントです。
生態と習性
タイワンリスは非常に適応能力が高く、繁殖力も強いため、一度定着すると急速に個体数を増やします。
- 活動時間:主に昼間に活動する「昼行性」で、特に早朝と夕方に最も活発になります。
- 食性:雑食性で、ドングリやクルミなどの木の実、果物、花の蜜、樹皮、昆虫、さらには鳥の卵やヒナまで捕食することがあります。この旺盛な食欲が、農作物や生態系への深刻な被害につながります。
- 繁殖力:年に1〜2回出産し、一度に1〜4頭の子を産みます。天敵が少ない都市部や住宅街では、驚異的なスピードで増えていきます。
- 冬眠:ニホンリスと違い、冬眠しません。そのため、冬でも活動を続け、一年を通じて被害をもたらす可能性があります。
- 鳴き声:警戒している時や仲間を呼ぶ時に「キッキッ」「カッカッ」と鋭く短い声で鳴いたり、「グルルル…」と喉を鳴らすような声を出したりします。
ニホンリスとの違いを比較
タイワンリスの駆除を考える際、在来種であるニホンリスと誤認しないことが極めて重要です。
ニホンリスは日本の生態系に欠かせない動物であり、法律で保護されています。
誤って捕獲・殺傷すると罰せられる可能性があるため、以下の違いをしっかり確認してください。
最も分かりやすい見分け方は、「お腹の色」と「冬の耳の房毛の有無」です。
比較項目 | タイワンリス(クリハラリス) | ニホンリス |
---|---|---|
分類 | 特定外来生物 | 在来種(保護対象) |
お腹の色 | クリーム色〜淡いオレンジ色 | 白色 |
耳の房毛(冬) | ない | ある(長く伸びる) |
体の大きさ | やや大きい | やや小さい |
主な生息地 | 神奈川県、静岡県、大阪府など限定されたエリアに定着 | 本州、四国、九州の森林 |
もし自宅周辺で見かけるリスが、お腹が白く、冬場に耳の毛が長くなっている場合はニホンリスの可能性が高いです。
その場合は駆除の対象とはなりません。
一方で、お腹がクリーム色で耳の房毛がなければ、それは駆除や対策が必要なタイワンリスであると判断できます。
タイワンリスが引き起こす深刻な被害
見た目の愛らしさとは裏腹に、タイワンリスは非常に厄介な「特定外来生物」です。
繁殖力が強く、人間や住環境、さらには生態系にまで甚大な被害を及ぼす可能性があります。
もしご自宅の周辺でタイワンリスの姿を見かけたら、被害が拡大する前に対策を講じることが重要です。
ここでは、タイワンリスが引き起こす代表的な3つの被害について詳しく解説します。
家屋への被害 屋根裏の騒音や断熱材の破壊
タイワンリスによる被害で最も深刻なものの一つが、家屋への侵入です。
特に屋根裏や壁の中は、タイワンリスにとって安全で暖かい格好の住処となります。
一度住み着かれると、次のような被害が発生します。
騒音による精神的苦痛
タイワンリスは夜行性ではありませんが、早朝や夕方など人の活動が少ない時間帯に活発に動き回ります。
屋根裏を走り回る「ドタドタ」という足音や、柱や壁を「ガリガリ」と齧る音は、住民の睡眠を妨げ、深刻なストレスや不眠の原因となります。
建物の構造へのダメージと火災リスク
硬い木の実を食べる習性から、タイワンリスの歯は非常に頑丈で、建物の柱や梁、壁などを容赦なく齧ります。
これにより建物の強度が低下する恐れがあるだけでなく、さらに危険なのが電気配線や電話線、ガス管などを齧られるケースです。
配線が損傷すると漏電を引き起こし、最悪の場合は火災につながる重大な事故の原因となります。
断熱材の破壊による機能低下
屋根裏にある断熱材は、タイワンリスにとって快適な巣の材料です。
断熱材を引きちぎって巣を作ったり、糞尿で汚したりすることで、断熱性能が著しく低下します。
その結果、「夏は暑く、冬は寒い」家になり、冷暖房の効率が悪化して光熱費が高騰する原因にもなります。
庭木や家庭菜園の農作物への食害
タイワンリスの被害は屋内だけにとどまりません。
庭や畑にも現れ、丹精込めて育てた植物を食い荒らしてしまいます。
庭木や果樹への被害
ミカン、カキ、ビワ、リンゴといった果樹はタイワンリスの大好物です。
収穫間近の果実を食べられる被害が多発しています。
また、果実だけでなく、花のつぼみや新芽、木の皮まで食べてしまうため、庭木や果樹そのものが弱ったり、枯れてしまったりすることもあります。
家庭菜園や農作物への被害
家庭菜園で育てているトマト、キュウリ、トウモロコシ、イチゴなどの野菜や果物も標的になります。
収穫を楽しみにしていた作物が、一夜にして無残な姿にされることも少なくありません。
農業を営む方にとっては、経済的にも大きな打撃となります。
さらに、在来種であるニホンリスの生息域を脅かしたり、鳥の巣を襲って卵やヒナを食べたりするなど、地域の生態系バランスを崩す原因ともなっています。
糞尿による健康被害と衛生問題
タイワンリスが家屋に住み着くと、糞尿による衛生問題も深刻化します。
屋根裏や壁の中など、目に見えない場所で被害が進行するため注意が必要です。
悪臭と建材の汚損
同じ場所に糞尿を繰り返す習性があるため、屋根裏などに糞尿が大量に溜まると強烈な悪臭が発生します。
この臭いが室内にまで漏れ出し、生活環境を著しく悪化させます。
また、糞尿の水分が天井にシミを作り、木材を腐食させる原因にもなります。
アレルギーや感染症のリスク
タイワンリスの体には、ノミやマダニといった人体に有害な寄生虫が付着している可能性があります。
これらの寄生虫が室内に持ち込まれると、アレルギー性皮膚炎や喘息を引き起こしたり、マダニが媒介する感染症(SFTSなど)のリスクを高めたりします。
また、乾燥した糞が粉塵となって空気中を漂い、吸い込むことでアレルギーや呼吸器系の疾患につながる恐れもあります。
タイワンリスが特定外来生物に指定されている背景には、こうした健康被害のリスクも含まれています。
タイワンリスの駆除前に知るべき法律と注意点
タイワンリスによる被害にお悩みの場合でも、すぐに捕獲や駆除を行うことはできません。
なぜなら、タイワンリスは法律によって厳しく規制されている動物だからです。
ご自身で対処しようとして法律違反とならないよう、駆除を考える前に必ず知っておくべき法律と注意点を詳しく解説します。
特定外来生物法による規制
タイワンリスは、正式にはその種名である「クリハラリス」として、2005年に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(特定外来生物法)」の対象に指定されました。
この法律は、日本の固有の生態系や人の安全、農林水産業に深刻な被害を及ぼす、あるいはその恐れがある外来生物の侵入を防ぎ、すでに定着してしまった生物の拡散を防止・駆除することを目的としています。
特定外来生物に指定されると、主に以下の行為が原則として禁止されます。
- 飼育(飼養)
- 栽培
- 保管
- 運搬
- 輸入
- 野外への放出、植栽
つまり、許可なくタイワンリスを捕まえて飼ったり、別の場所に運んだりすることは法律で固く禁じられているのです。
これらの規制は、タイワンリスの生息域がさらに拡大するのを防ぐための重要な措置です。
許可のない捕獲や駆除は違法行為
特定外来生物法により、タイワンリスを許可なく捕獲・殺傷・駆除することはできません。
たとえ自宅の敷地内に侵入し、被害をもたらしている場合でも、無許可での捕獲は違法行為となります。
もし違反した場合、厳しい罰則が科せられる可能性があります。
例えば、許可なく捕獲・飼育・運搬などを行うと、個人の場合は最大で3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、法人の場合は最大で1億円以下の罰金が科されることがあります。
「捕まえて遠くの山に放せばいい」と考える方もいるかもしれませんが、これも禁止されている「運搬」および「放出」にあたり、罰則の対象となります。
捕獲したタイワンリスを別の場所へ移動させることは、被害地域を拡大させる原因となるため、絶対に行わないでください。
また、タイワンリスは鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)の対象動物でもありますが、特定外来生物に指定されているため、より規制の厳しい特定外来生物法が優先して適用されます。
いずれにせよ、個人が自由に捕獲・駆除してよい動物ではないことを強く認識しておく必要があります。
自分でできるタイワンリスの対策方法 追い出しと侵入防止が基本
タイワンリスの被害に気づいた際、すぐにでも自分で対策したいと考えるのは当然です。
しかし、タイワンリスは「特定外来生物」に指定されており、法律で許可のない捕獲や駆除が禁止されています。
そのため、個人でできる対策は「家屋から追い出すこと」と「再び侵入させないこと」が基本となります。
ここでは、ご自身で実施可能な具体的な対策方法を詳しく解説します。
忌避剤や超音波などを使った追い出し方法
すでに屋根裏などにタイワンリスが棲み着いてしまった場合、まずは安全な方法で追い出すことから始めましょう。
リスを傷つけずに、不快な環境を作り出して自主的に出て行ってもらうのが目的です。
匂いを利用した忌避剤
タイワンリスは嗅覚が優れているため、嫌がる匂いを発生させることで追い出す効果が期待できます。
ホームセンターやオンラインショップで入手可能な害獣用の忌避剤が有効です。
- スプレータイプ: 侵入経路や巣の周辺、通り道などに直接噴射します。即効性がありますが、効果の持続時間は短めなので、定期的な使用が必要です。
- くん煙タイプ: 屋根裏や天井裏など、密閉された空間全体に煙を行き渡らせることで、リスを追い出します。使用中は火災報知器が作動しないようカバーをかけ、ペットや人間は必ず屋外へ避難してください。使用後の換気も必須です。
- 固形・ジェルタイプ: 巣の近くや侵入口に設置します。効果の持続時間が比較的長く、手間がかかりにくいのが特徴です。
市販の忌避剤のほか、ハッカ油や木酢液、ニンニク、トウガラシ(カプサイシン)といった自然由来の強い匂いも嫌う傾向があります。
これらを布に染み込ませて置く方法もありますが、効果は限定的で、頻繁な交換が必要となります。
超音波や光を利用した追い出し
薬剤を使いたくない場合や、匂いが気になる場所では、超音波や光を利用した方法も選択肢になります。
- 超音波発生装置: リスが嫌がる周波数の超音波を発生させる装置です。人間にはほとんど聞こえないため、生活への影響は少ないですが、効果には個体差があり、障害物があると効果が減衰します。また、ペット(特にげっ歯類)を飼っている場合は影響が出る可能性があるため注意が必要です。
- 強い光: タイワンリスは明るい場所を嫌う習性があります。屋根裏などに巣を作られた場合、CDを吊るしたり、LEDのストロボライトを設置したりして、強い光を当て続けることでストレスを与え、追い出す効果が期待できることがあります。
これらの方法は、あくまでタイワンリスを「追い出す」ための一時的な手段です。
追い出した後は、必ず次のステップである侵入経路の封鎖を行ってください。
タイワンリスの侵入経路を特定し塞ぐ
追い出しに成功しても、侵入口が開いたままでは必ず再発します。
タイワンリスを完全にシャットアウトするためには、侵入経路を特定し、物理的に塞ぐ作業が最も重要です。
主な侵入経路の例
タイワンリスは非常に身軽で、わずかな隙間からでも侵入します。
まずは家屋の周りを注意深く点検し、侵入経路となりうる場所を特定しましょう。
- 屋根の隙間(瓦のズレ、漆喰の剥がれ、棟板金の隙間など)
- 壁のひび割れや穴、サイディングの隙間
- 換気口、通気口、通風孔
- エアコンの配管導入部や室外機周りの隙間
- シャッターの収納ボックス(戸袋)や雨戸の隙間
- 使われていないアンテナの引き込み口
糞や足跡、かじった跡(ラットサイン)が残されている場所は、有力な侵入経路です。
侵入口の塞ぎ方と注意点
侵入口を見つけたら、頑丈な素材で隙間なく塞ぎます。
タイワンリスは歯が非常に強く、プラスチックや発泡スチロール、薄い木材などは簡単に食い破ってしまうため、素材選びが重要です。
- 使用する資材: 金網(パンチングメタル)、金属たわし、セメント、シーリング材(コーキング)などを組み合わせて使用します。
- 作業手順: 大きな穴は金網で塞ぎ、ネジやビスで固定します。小さな隙間には、金属たわしを詰め込んだ上でパテやシーリング材を充填すると効果的です。
【最重要注意点】
侵入口を塞ぐ作業は、必ずタイワンリスが家屋内にいないことを確認してから行ってください。
万が一、中に閉じ込めてしまうと、リスがパニックになって内部で暴れ、被害を拡大させたり、中で死んでしまい悪臭や害虫発生の原因になったりする恐れがあります。
追い出し作業を行った後、数日間は出入りがないことを確認してから封鎖作業に移りましょう。
餌を与えない環境づくりで再発を防ぐ
タイワンリスが寄り付くのは、そこに「餌」と「安全な隠れ家」があるからです。
被害の再発を防ぎ、そもそも寄せ付けないためには、餌となるものを徹底的に管理することが不可欠です。
庭や屋外の餌源を断つ
- 庭木の果実: 柿やミカン、ビワなどの果樹はタイワンリスの大好物です。実は早めに収穫するか、収穫しない場合は木ごとネットで覆うなどの対策をしましょう。
- 家庭菜園: トマトやキュウリ、トウモロコシなどの野菜も食害の対象です。畑全体を防鳥ネットなどで囲い、物理的に侵入できないようにします。
- ペットフード: 犬や猫の餌を屋外に置きっぱなしにするのはやめましょう。食事の時以外は片付け、密閉容器で保管してください。
- 生ゴミの管理: 生ゴミはタイワンリスにとってご馳走です。蓋がしっかりと閉まるゴミ箱を使用し、ゴミ出しの日まで屋外に放置しないようにしましょう。
建物を伝われないようにする
タイワンリスは電線や木の枝を伝って、簡単に屋根や壁に到達します。
建物の外壁や屋根に届くような庭木の枝は、定期的に剪定してください。
壁から1.5m以上離すのが理想です。
これにより、タイワンリスが建物へアクセスする足がかりをなくすことができます。
言うまでもありませんが、タイワンリスが可愛いからといって餌付けをすることは絶対にやめてください。
餌付けは個体数を増やし、地域全体の被害を深刻化させる原因となります。
タイワンリスは、日本の生態系を脅かす特定外来生物であることを忘れてはいけません。
【根本解決】タイワンリス駆除を専門業者に依頼する方法
自分でできる対策には限界があり、タイワンリスの被害を根本から解決するためには、専門の駆除業者への依頼が最も確実で安全な方法です。
タイワンリスは法律で規制された動物であり、その駆除には専門的な知識と技術、そして行政からの許可が必要不可欠です。
ここでは、プロの業者に依頼するメリットから、失敗しない業者の選び方、費用の相場までを詳しく解説します。
プロの駆除業者に依頼するメリット
専門業者にタイワンリス駆除を依頼することには、個人での対策では得られない多くのメリットがあります。
時間や労力を節約できるだけでなく、安全性や確実性の面で大きな違いが生まれます。
- 法律を遵守した適正な駆除:タイワンリスは特定外来生物に指定されており、許可なく捕獲・駆除することは法律で禁じられています。専門業者は必要な許可を取得し、関連法規を遵守した上で適正に作業を行うため、依頼者が法を犯すリスクがありません。
- 高い専門性と確実性:プロはタイワンリスの生態や行動パターンを熟知しています。そのため、巣の場所や侵入経路を正確に特定し、最も効果的な方法で駆除・追い出しを行います。これにより、被害の再発を徹底的に防ぎます。
- 安全性の確保:屋根裏や高所など、危険を伴う場所での作業も安全に行います。また、タイワンリスの糞尿には病原菌が含まれている可能性があり、衛生管理の知識を持つプロが清掃・消毒まで行うことで、健康被害のリスクも回避できます。
- 再発防止策まで一貫して対応:駆除するだけでなく、被害の再発を防ぐことが重要です。業者は、金網やパンチングメタルなど頑丈な素材を使って、タイワンリスが二度と侵入できないように侵入経路を確実に封鎖します。
- 充実したアフターフォローと保証:多くの優良業者は、施工後の保証制度を設けています。万が一、保証期間内にタイワンリスが再侵入した場合でも、無償で対応してくれるため安心です。
失敗しない駆除業者の選び方と3つのポイント
タイワンリス駆除を依頼する業者選びは非常に重要です。
中には高額な請求をしたり、不十分な作業で済ませたりする悪質な業者も存在します。
以下の3つのポイントを押さえて、信頼できる業者を選びましょう。
ポイント1:必要な許可と資格の有無を確認する
タイワンリスの捕獲には、自治体からの「鳥獣の捕獲等許可」が必須です。
また、作業員の「狩猟免許」の有無も、専門性を見極める一つの指標となります。
会社のウェブサイトで許認可情報が公開されているか、問い合わせ時に明確に回答してくれるかを確認しましょう。
ポイント2:見積もりの内容が明確で丁寧な説明があるか
信頼できる業者は、必ず現地調査を行った上で詳細な見積書を提示します。
見積書の内訳が「一式」などと曖昧ではなく、「駆除作業費」「侵入経路封鎖工事費」「清掃・消毒費」など、項目ごとに料金が明記されているかを確認してください。
また、なぜその作業が必要なのか、追加料金が発生する可能性はあるのかなど、こちらの疑問に対して丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。
ポイント3:豊富な実績と再発防止の保証内容
業者のウェブサイトで、タイワンリスを含む害獣駆除の施工事例を確認し、実績が豊富かどうかをチェックします。
また、駆除後の保証制度は非常に重要です。
「最長〇年保証」といった期間だけでなく、どのような場合に保証が適用されるのか、具体的な保証内容を書面で確認することが大切です。
第三者機関の口コミサイトやGoogleマップのレビューなども参考にすると、客観的な評価を知ることができます。
タイワンリス駆除にかかる費用の相場
タイワンリスの駆除費用は、被害の状況、建物の構造、作業の難易度などによって大きく変動します。
あくまで目安として、以下の相場を参考にしてください。
正確な料金は、必ず複数の業者から見積もりを取って比較検討することをおすすめします。
- 追い出し・忌避作業のみ:20,000円~80,000円程度
- 捕獲および侵入経路の封鎖:80,000円~250,000円程度
- 大規模な駆除・修繕(断熱材の交換などを含む):250,000円以上
費用は、捕獲器の設置数、封鎖する箇所の多さ、高所作業の有無、糞尿の清掃範囲などによって変わります。
「格安」を謳う広告には注意し、なぜその料金なのか、作業内容をしっかり確認することが重要です。
相見積もりを取り、サービス内容と料金のバランスが取れた業者を選びましょう。
業者による駆除方法と作業の流れ
専門業者に依頼した場合、一般的に以下のような流れで作業が進みます。
問い合わせから作業完了までの流れを把握しておくことで、安心して依頼することができます。
- 問い合わせ・ヒアリング:まずは電話やメールで業者に連絡し、被害の状況(いつから、どこで、どんな被害があるかなど)を伝えます。
- 無料の現地調査と見積もり:専門のスタッフが訪問し、被害状況、建物の構造、タイワンリスの侵入経路や巣の場所などを徹底的に調査します。調査結果をもとに、最適な駆除プランと詳細な見積書が提示されます。
- 契約:提示されたプランと見積もりの内容に納得した場合、契約を結びます。作業日程の調整もこの時に行います。
- 駆除・追い出し作業:契約内容に基づき、駆除作業を開始します。くん煙剤などを使用して屋根裏などからタイワンリスを追い出すか、自治体の許可を得た上で捕獲器を設置して捕獲します。
- 侵入経路の封鎖:タイワンリスを完全に駆除した後、再侵入を防ぐために侵入経路となりうる全ての隙間を塞ぎます。通気口や壁の亀裂、屋根の隙間などを、金網やパンチングメタル、コーキング材など、タイワンリスが破壊できない頑丈な素材で確実に封鎖します。
- 清掃・消毒・消臭作業:巣の撤去や糞尿の清掃を行い、衛生的な環境を取り戻します。ノミやダニの駆除、病原菌に対する殺菌・消毒、悪臭を除去するための消臭作業も行います。被害を受けた断熱材の交換が必要な場合もあります。
- 作業完了報告とアフターフォロー:全ての作業が完了したら、作業内容の詳細な報告を受けます。今後の注意点や保証内容についての説明を受け、作業は完了となります。
お住まいの自治体によるタイワンリス駆除の対応
タイワンリスによる被害は、個人の家や庭だけでなく地域全体の問題として捉えられており、多くの自治体が対策に乗り出しています。
しかし、その対応は自治体によって大きく異なります。
専門業者に依頼する前に、まずはお住まいの市区町村の役所に相談することで、費用を抑えられたり、有益な情報を得られたりする可能性があります。
ここでは、自治体が提供している主な支援内容や相談窓口について解説します。
ご自身の地域ではどのような支援が受けられるのか、確認する際の参考にしてください。
自治体への相談窓口はどこ?
タイワンリスに関する相談窓口は、自治体によって名称が異なりますが、主に以下のような部署が担当していることが一般的です。
- 環境課・環境保全課
- 農政課・農林水産課
- 林務課・みどり公園課
- 生活衛生課・保健所
どの部署が担当か分からない場合は、まず自治体の公式ウェブサイトで「タイワンリス」や「特定外来生物」といったキーワードで検索してみましょう。
それでも見つからない場合は、役所の代表電話に問い合わせて、タイワンリスの被害について相談したい旨を伝えれば、適切な担当部署につないでもらえます。
自治体が提供する主な支援内容
自治体が行う支援は多岐にわたりますが、主に「捕獲器の貸し出し」「補助金制度」「情報提供」の3つが中心となります。
お住まいの地域でこれらの制度が利用できるか、事前に確認することが重要です。
捕獲器(罠)の無料貸し出し
最も多くの自治体で実施されているのが、タイワンリスを捕獲するための箱わな(捕獲器)の無料貸し出しです。
専門業者に依頼する前に、まずは自分で捕獲を試みたいという方にとって、非常に有効な支援策です。
貸し出しには、「市内在住・在勤であること」「自己の敷地内に設置すること」「捕獲した個体を適切に管理できること」などの条件が定められている場合がほとんどです。
また、貸し出し期間や申請方法、捕獲後の個体の処分方法についても自治体ごとにルールが異なります。
特に、捕獲したタイワンリスを生きたまま運搬することは法律で禁止されているため、処分方法については必ず事前に自治体の指示に従ってください。
駆除費用に対する補助金・助成金制度
一部の自治体では、専門の駆除業者に依頼した場合にかかる費用の一部を補助する制度を設けています。
タイワンリスの被害が深刻で、個人の対策だけでは追い付かない場合に活用を検討したい制度です。
補助金の対象となる条件(例:家屋への侵入防止工事、駆除作業など)や補助率、上限金額は自治体によって様々です。
注意点として、業者に依頼した後の事後申請は認められないケースが多いため、必ず契約前に自治体の担当窓口へ相談し、申請手続きを行う必要があります。
制度の有無や詳細については、必ず公式ウェブサイトや電話で確認しましょう。
防除に関する情報提供や専門業者の紹介
自治体が直接駆除作業を行うことは稀ですが、タイワンリスの生態や効果的な防除方法についてまとめたパンフレットやチラシを配布したり、ウェブサイトで情報提供を行ったりしています。
また、自治体によっては、害獣駆除に関する相談会を実施したり、地域の駆除業者団体や信頼できる専門業者のリストを提供してくれたりする場合もあります。
まとめ
タイワンリスによる家屋や農作物への被害は深刻です。
しかし、タイワンリスは特定外来生物に指定されており、法律で許可なく捕獲・駆除することが禁止されています。
そのため、ご自身でできる対策は忌避剤での追い出しや侵入経路の封鎖が基本となります。
根本的な解決と再発防止のためには、専門知識を持つプロの駆除業者への依頼が最も確実で安全です。
被害にお困りの際は、まず専門業者や自治体に相談することをおすすめします。