アザミウマ 駆除

大切な植物に発生したアザミウマの駆除にお困りではありませんか?

この記事を読めば、被害症状の見分け方から、粘着シートなどの物理的対策、天敵や木酢液を利用した自然な方法、オルトランなど効果的な農薬の使い方、そして再発を防ぐ予防策まで、あらゆる対処法がわかります。

アザミウマの駆除は、発生初期の迅速な対応と、被害状況に応じた適切な方法の使い分けが成功の鍵です。

あなたの植物を守るための最適な方法を見つけましょう。

あなたの植物は大丈夫?アザミウマの被害と見分け方

大切に育てている家庭菜園の野菜や、庭の草花に異変はありませんか?葉に白いかすり傷のようなものがあったり、新芽の成長が止まったりしている場合、それは「アザミウマ」の仕業かもしれません。

アザミウマは非常に小さく発見が難しい害虫ですが、繁殖力が高く、あっという間に被害が拡大してしまいます。

早期発見・早期対策が、植物を守るための鍵となります。

まずは、敵の正体を知り、被害のサインを見逃さないようにしましょう。

アザミウマの生態と発生時期

アザミウマ(スリップスとも呼ばれます)は、体長わずか1〜2mm程度の非常に小さな昆虫です。

体は細長く、色は種類によって黄色、褐色、黒色など様々です。成虫は翅(はね)を持ち、風に乗って広範囲に移動することができます。

その小ささから肉眼での発見は難しく、被害が進行して初めてその存在に気づくケースが少なくありません。

アザミウマは、鋭い口針を植物の葉や花、果実の表面細胞に突き刺し、中の汁を吸って栄養源とします。

繁殖力が非常に旺盛で、卵から成虫になるまでの期間が短く、条件が揃えば爆発的に増殖します。

代表的な種類にはミカンキイロアザミウマやミナミキイロアザミウマなどが知られており、多くの植物に寄生します。

アザミウマは高温で乾燥した環境を好み、主に春から秋にかけて活動が活発になります。

特に、梅雨が明けて気温が上昇する7月から9月頃が発生のピークです。

ただし、ビニールハウスや室内の観葉植物など、冬でも暖かい環境では一年中発生する可能性があるため注意が必要です。

アザミウマによる被害の症状

アザミウマの被害は、植物の様々な部分に現れます。

被害は大きく分けて、汁を吸われることによる「直接被害」と、ウイルス病を媒介することによる「間接被害」の2つがあります。

それぞれの特徴的な症状を知っておくことが、早期発見につながります。

葉や新芽に見られる症状

最も分かりやすい被害は、葉に見られる食害の跡です。

アザミウマが汁を吸った部分は細胞が壊死し、空気が入ることで白っぽく変色します。

これが無数に増えることで、葉の表面に白いかすり傷や、銀色の膜を張ったような「シルバーリング症状」が現れます。

被害が進行すると葉全体の光合成能力が低下し、生育不良を引き起こします。

また、被害部分にはアザミウマの排泄物である黒い点々が付着していることが多く、これも見分けるための重要なサインです。

新芽や成長点などの柔らかい部分が加害されると、葉が縮れたり、奇形になったりして正常に育たなくなります。

さらに深刻なのは、アザミウマが媒介するウイルス病です。

代表的なものに「トマト黄化えそウイルス(TSWV)」があり、感染すると葉に輪っか状のえそ斑点が現れたり、新芽が萎縮したりして、最終的には株全体が枯れてしまうこともあります。

花や果実に見られる症状

花がアザミウマの被害にあうと、花弁の色が抜けてまだら模様になったり、シミができたりします。

特に色の濃い花で被害が目立ちやすく、つぼみの段階で加害されると、花が奇形になったり、開かずに枯れてしまったりすることもあります。

バラやガーベラ、キク科の植物は特に被害を受けやすいです。

果実への被害も深刻です。

ナスやピーマン、きゅうりなどは、幼果の時期に加害されると、成長するにつれて果実の表面がザラザラしたコルク状のかさぶたのようになり、見た目や商品価値を著しく損ないます。いちごでは着色不良や奇形果の原因となります。

アザミウマが発生しやすい植物一覧

アザミウマは非常に食性が広く、多種多様な植物に寄生します。

家庭菜園やガーデニングで育てられる多くの植物が被害対象となるため、特に注意が必要です。

以下に、アザミウマの被害が報告されやすい代表的な植物を挙げます。

  • 野菜類: ナス、ピーマン、きゅうり、トマト、メロン、スイカ、かぼちゃ、いちご、ねぎ、レタス、ほうれん草など
  • 花卉類: バラ、キク、カーネーション、ガーベラ、シクラメン、トルコギキョウ、インパチェンス、ペチュニアなど
  • 果樹類: 柑橘類(みかん、レモンなど)、ぶどう、もも、マンゴーなど

これらの植物を育てている場合は、日頃から葉の裏や花の中を注意深く観察し、アザミウマの被害サインがないかこまめにチェックする習慣をつけましょう。

発生したらすぐ実践 アザミウマの物理的な駆除方法

アザミウマを家庭菜園やガーデニングで発見したら、被害が広がる前に迅速な対応が不可欠です。

農薬に頼る前に、まずは手軽に始められる物理的な駆除方法を試してみましょう。

特に発生初期の個体数が少ない段階では、これらの方法が非常に効果的です。

薬剤抵抗性がつきやすいアザミウマ対策の第一歩として、ぜひ実践してください。

粘着シートで捕獲する

成虫になったアザミウマは活発に飛び回るため、粘着シート(粘着トラップ)を使った捕獲が有効です。

アザミウマには特定の色に引き寄せられる習性があり、主に黄色や青色の粘着シートが市販されています。

一般的に多くのアザミウマは黄色に誘引されますが、ミナミキイロアザミウマやヒラズハナアザミウマなど一部の種類は青色を好む傾向があります。

どちらの種類か判断がつかない場合は、黄色と青色の両方を設置すると、より効果的に捕獲できます。

設置する際は、アザミウマが活動する植物の高さに合わせて、支柱などを利用して吊り下げましょう。

株元や地面の近くに置くのも効果的です。

定期的にシートを確認し、捕獲数が減ったり粘着力が落ちたりしたら新しいものに交換してください。

ただし、この方法はアザミウマだけでなく、益虫を捕獲してしまう可能性もある点には注意が必要です。

水やスプレーで洗い流す

アザミウマは非常に小さく、水に弱いという性質があります。

そのため、ホースのシャワー機能や霧吹き(スプレー)を使い、勢いよく水を吹きかけて洗い流す方法も単純ながら効果があります。

特にアザミウマが潜みやすい葉の裏や新芽、花のガクの部分を狙って念入りに洗い流しましょう。

この方法は、薬剤を使わずに個体数を減らせる手軽な対策ですが、一時的な効果に留まることが多いです。

洗い流されたアザミウマが地面に落ちて再び植物に登ってくる可能性もあるため、継続的に行う必要があります。

また、水の勢いが強すぎると、植物の葉や花を傷つけてしまう恐れがあるため、水圧には十分注意してください。

発生初期や、被害が軽微な場合におすすめの方法です。

被害を受けた葉や花を取り除く

アザミウマによる被害が葉や花に集中している場合、その部分を物理的に取り除くことで、成虫だけでなく葉の組織内に産み付けられた卵や土中で蛹になる前の幼虫も一緒に処分できます。

これにより、アザミウマの密度を効果的に下げ、さらなる繁殖を防ぐことができます。

被害を見つけたら、食害された葉やかすり状の傷がついた花、変形した新芽などを、清潔なハサミで切り取ってください。

最も重要なのは、切り取った部分の処理です。

そのまま庭や畑の隅、コンポストなどに捨ててしまうと、そこが発生源となり被害が再発する可能性があります。

必ずビニール袋などに入れて口を固く縛り、燃えるゴミとして処分しましょう。

植物全体の生育に影響が出ない範囲で、こまめに行うことが大切です。

農薬を使わないアザミウマの自然な駆除方法

「大切な植物に化学合成された農薬は使いたくない」と考える方は多いでしょう。

特に家庭菜園で野菜やハーブを育てている場合、安全性は最も気になるポイントです。

ここでは、環境への負荷が少なく、安心して試せる自然由来の方法でアザミウマを駆除するテクニックを詳しくご紹介します。

天敵となる益虫を味方につけたり、身近な材料を活用したりして、アザミウマの被害を食い止めましょう。

天敵を利用してアザミウマを駆除する

アザミウマには、自然界に多くの天敵が存在します。

これらの益虫を畑やベランダに呼び寄せたり、天敵製剤として導入したりすることで、アザミウマの数を効果的に減らす「生物的防除」が可能です。

化学農薬のように薬剤抵抗性がつく心配がなく、持続的な効果が期待できるのが大きなメリットです。

ヒメハナカメムシ類

ヒメハナカメムシは、アザミウマ類の非常に有力な天敵として知られています。

体長2mmほどの小さな昆虫ですが、幼虫・成虫ともにアザミウマの幼虫から成虫まで、ステージを問わずに捕食します。

捕食能力が非常に高く、一度定着すれば継続的にアザミウマの密度を低く抑えてくれます。

施設栽培だけでなく、露地栽培でも利用されており、天敵製剤として市販されているため、計画的に導入することも可能です。

テントウムシ類

アブラムシの天敵として有名なテントウムシですが、一部の種類はアザミウマも捕食します。

特に、ヒメアカホシテントウや、一般的なナナホシテントウもアザミウマを食べることがあります。

ただし、テントウムシの仲間にはニジュウヤホシテントウのように植物を食害する「害虫」もいるため、見分けには注意が必要です。

テントウムシを増やすには、アブラナ科の植物やキク科の植物など、蜜源となる花を近くに植えておくと、自然と集まりやすくなります。

自然由来の資材でアザミウマを駆除する

ご家庭にあるものや、ホームセンターなどで手軽に入手できる自然由来の資材を使っても、アザミウマ対策ができます。

発生初期や被害が少ないうちであれば、これらの方法で十分に対応可能です。

ただし、効果の持続時間は短いため、定期的な散布が必要になります。

木酢液や竹酢液

木酢液や竹酢液は、木炭や竹炭を作る際に出る煙を冷却して液体にしたものです。

これ自体に強い殺虫効果はありませんが、独特の燻製のような香りをアザミウマが嫌い、植物に寄り付きにくくする忌避効果が期待できます。

また、土壌に散布することで有用な微生物を増やし、植物の成長を助ける土壌改良効果もあります。

使用する際は、製品に記載されている希釈倍率(一般的には500〜1000倍)を必ず守ってください。

濃度が濃すぎると、植物の生育を阻害する原因になるため注意が必要です。

ニームオイル

ニームオイルは、インド原産の「ニーム」という樹木の種子から抽出される天然のオイルです。

アザミウマに対して「殺虫」するのではなく、「摂食阻害(食べるのをやめさせる)」「忌避(嫌って避ける)」「脱皮阻害(成長を妨げる)」といった複数の効果で弱らせていきます。

即効性はありませんが、人や環境への安全性が高いのが特徴です。水で希釈して使用しますが、オイルなので水と混ざりにくいため、少量の石鹸などを展着剤として加えると、葉に均一に広がり効果が高まります。

散布は、日中の高温時を避け、朝方や夕方に行うのがおすすめです。

牛乳スプレー

牛乳を水で1:1の割合で薄めてスプレーする方法も、古くから知られる民間療法の一つです。

散布した牛乳が乾燥する際に膜を作り、アザミウマの体を覆って気門を塞ぎ、窒息させる効果を狙います。

非常に手軽に試せる方法ですが、散布後に牛乳が腐敗して悪臭を放ったり、カビが発生したりする原因にもなります。

効果が出た後は、必ず水でスプレーするなどして葉の表面からきれいに洗い流しましょう。

石鹸水スプレー

食器用洗剤などではなく、脂肪酸カリウムを主成分とする「カリ石鹸」や、無添加の液体石鹸を水で200〜500倍程度に薄めて散布する方法です。

石鹸の界面活性剤がアザミウマの体の表面を覆い、気門を塞いで窒息死させます。

即効性がありますが、植物によっては葉が傷んだり、シミになったりする「薬害」が出ることがあります。

使用する前には、必ず目立たない葉で少量試す「パッチテスト」を行い、問題がないことを確認してから全体に散布するようにしてください。

効果的に退治する農薬を使ったアザミウマ駆除

粘着シートや天敵利用などの対策を講じてもアザミウマの被害が収まらない場合、最終手段として農薬(殺虫剤)の使用が効果的です。

農薬は即効性と高い殺虫効果が期待できる一方で、使用方法を誤ると植物や人体、周辺環境に悪影響を及ぼす可能性もあります。

正しい知識を身につけ、用法・用量を守って適切に使いましょう。

アザミウマに効く農薬の選び方

アザミウマに効果のある農薬は数多く販売されていますが、どれを選べば良いか迷う方も多いでしょう。

農薬を選ぶ際は、以下のポイントを参考にしてください。

薬剤のタイプで選ぶ

アザミウマ向けの殺虫剤は、主に「浸透移行性剤」と「接触剤」の2種類に分けられます。

  • 浸透移行性剤:薬剤が根や葉から吸収され、植物全体に行き渡ります。葉の中に隠れているアザミウマや、薬剤が直接かからなかった場所にいるアザミウマも、植物を食害することで駆除できます。効果の持続期間が長いのが特徴で、粒剤や一部のスプレー剤がこれにあたります。
  • 接触剤:薬剤が害虫の体に直接付着することで効果を発揮します。速効性に優れていますが、薬剤がかからなかった害虫には効果がありません。葉の裏や新芽の隙間など、アザミウマが潜む場所に念入りに散布する必要があります。

薬剤耐性に注意する

アザミウマは非常に小さく世代交代が早いため、同じ系統の殺虫剤を使い続けると、その薬剤が効かない「薬剤耐性」を持った個体が出現しやすくなります。

これを防ぐためには、作用性の異なる複数の薬剤を順番に使う「ローテーション散布」が重要です。

家庭園芸用の農薬でも、有効成分を確認し、異なる成分のものをいくつか用意しておくと良いでしょう。

適用植物を確認する

農薬は、製品ごとに使用できる植物が「適用作物」として定められています。

特に野菜やハーブ、果樹など口にする植物に使う場合は、収穫前の使用時期や使用回数も厳しく制限されています。

購入前に必ず製品ラベルを確認し、育てている植物に登録があるか、安全に使用できるかを確認してください。

家庭で使えるおすすめの殺虫剤

家庭菜園やガーデニングで手軽に使え、アザミウマに高い効果が期待できる代表的な殺虫剤を2つご紹介します。

オルトラン粒剤

株元にまくだけで効果を発揮する、浸透移行性の殺虫剤です。

有効成分のアセフェートが根から吸収されて植物全体に行き渡るため、新芽や葉の裏に隠れたアザミウマにも効果があります。

効果が約1ヶ月持続するため、害虫の予防としても使用できます。

植え付け時に土に混ぜ込んだり、発生初期に株元に散布したりと、手軽に使えるのが魅力です。

ベニカXネクストスプレー

アザミウマをはじめ、アブラムシ、ハダニなど幅広い害虫に効果のあるスプレータイプの殺虫剤です。

殺菌成分も含まれているため、うどんこ病などの病気も同時に予防・治療できます。

速効性と持続性を兼ね備えており、見つけたアザミウマをすぐに駆除したい場合に便利です。

葉の裏にも散布しやすい逆さ噴射も可能なため、アザミウマが潜む場所を狙い撃ちできます。

農薬(殺虫剤)を使用する際の注意点

農薬を安全かつ効果的に使用するためには、いくつかの重要な注意点があります。

使用前には必ず製品ラベルを熟読し、記載事項を厳守してください。

  • 適切な服装で散布する:農薬散布時は、薬剤を吸い込んだり皮膚に付着したりするのを防ぐため、マスク、ゴーグル、ゴム手袋、長袖・長ズボンの着用を徹底しましょう。
  • 散布の時間帯と天候を選ぶ:風の強い日は薬剤が飛散してしまうため散布を避けてください。また、雨が降ると薬剤が流れてしまい効果が薄れます。気温が高い日中に散布すると、薬害(植物へのダメージ)が出やすくなるため、風のない日の早朝か夕方が最適です。
  • 益虫や周辺環境への配慮:ミツバチなどの花粉を媒介する益虫が活動している時間帯の散布は避けましょう。また、薬剤が近隣の住宅や庭、洗濯物、ペット、池などに飛散しないよう、風向きには十分注意してください。
  • 散布方法を守る:アザミウマは新芽や葉の裏、花の内部に潜んでいることが多いため、これらの場所に薬剤がしっかりかかるように丁寧に散布します。ただし、かけすぎは薬害の原因になるため、植物全体がしっとり濡れる程度に留めましょう。
  • 保管方法:使い残した農薬は、必ず元の容器に入れたままキャップをしっかり閉め、直射日光を避けた冷暗所で保管してください。子供やペットの手の届かない場所、食品や飼料とは区別した場所に鍵をかけて保管するのが理想です。

アザミウマを寄せ付けないための徹底予防策

アザミウマは一度大量に発生してしまうと、完全に駆除するのが非常に難しい害虫です。

そのため、何よりも「発生させない」「寄せ付けない」ための予防策が重要になります。

日頃のガーデニングや家庭菜園のお手入れに一手間加えるだけで、アザミウマの被害を大幅に減らすことができます。

ここでは、誰でも実践できる効果的な予防策を4つご紹介します。

防虫ネットで侵入を防ぐ

アザミウマの侵入を防ぐ最も確実で物理的な方法が、防虫ネットの活用です。

アザミウマは体長が1〜2mmと非常に小さく、風に乗ってどこからともなく飛来します。

特に、大切な野菜や花を育てている場合は、防虫ネットで物理的にガードするのが最も効果的です。

ネットを選ぶ際は、その「目合い」の大きさが重要です。

アザミウマの体長よりも小さい、1mm以下の目合いのものを選びましょう。

より万全を期すのであれば、0.8mmや0.6mm、さらには0.4mmといった極細の目合いのネットがおすすめです。

ネットを設置する際は、支柱を立てて植物全体を覆い、ネットが葉や茎に直接触れないように空間を作ることがポイントです。

また、裾に隙間ができないよう、土に埋めるか、ピンや重石でしっかりと固定し、アザミウマの侵入経路を完全に断ちましょう。

シルバーマルチや反射シートを活用する

アザミウマをはじめとする多くの害虫は、キラキラと乱反射する光を嫌う性質があります。

この習性を利用して、アザミウマを植物に寄せ付けないようにする方法も非常に有効です。

畑や大きめのプランターでは、株元を「シルバーマルチ」で覆う方法がおすすめです。

シルバーマルチは、太陽光を反射してアザミウマの飛来を防ぐだけでなく、地温の上昇を抑制したり、雑草の発生を防いだりする効果も期待でき、一石三鳥の便利な資材です。

ベランダのプランターや鉢植えの場合は、アルミホイルを土の上に敷き詰めたり、キラキラと光る銀色の防虫テープを支柱の間に張り巡らせたりするだけでも効果があります。

手軽に導入できるので、ぜひ試してみてください。

これらの光反射資材による防除効果は、農研機構の研究などでも示されており、科学的な裏付けのある予防策です。

風通しを良くして発生しにくい環境を作る

アザミウマは、高温で乾燥しており、空気がよどんだ場所を好んで発生します。

つまり、植物が密集して風通しが悪くなっている場所は、アザミウマにとって格好の住処となってしまうのです。

これを防ぐためには、栽培環境の「風通し」と「湿度」を適切に管理することが大切です。

まずは、密植を避け、株と株の間隔を十分に空けて植え付けましょう。

生育して葉が茂ってきたら、内側に向かって生えている葉や重なり合っている枝を剪定し、株の中心部まで風が通り抜けるようにします。

鉢植えの場合は、壁際に密集させず、鉢と鉢の間隔をあけて置くように心がけてください。

また、定期的に葉の裏にも水をかける「葉水」を行うと、乾燥を防ぎ、アザミウマが付きにくくなります。

ただし、日中の高温時や夕方以降の葉水は、蒸れや病気の原因になる可能性があるため、風通しの良い朝の時間帯に行うのがおすすめです。

雑草をこまめに除去する

畑や庭、プランターの周りに生えている雑草は、アザミウマの重要な隠れ家や繁殖場所、さらには越冬場所になります。

特に、キク科(ハルジオン、ノゲシなど)やマメ科(シロツメクサなど)の雑草はアザミウマの温床になりやすいと言われています。

栽培している植物の周りだけを綺麗にしていても、近くの雑草地帯で増えたアザミウマが飛来してくるケースは少なくありません。

これを防ぐため、栽培エリアだけでなく、その周辺の雑草もこまめに抜き取るか、草刈り機で処理するようにしましょう。

雑草管理を徹底するだけで、アザミウマの発生源を大幅に減らすことができます。

また、雑草が生えにくいように防草シートやウッドチップで地面を覆う(マルチングする)のも効果的な対策です。

まとめ

アザミウマは非常に小さく繁殖力も高いため、早期発見と迅速な対応が被害を最小限に抑える鍵です。

発生初期には粘着シートでの捕獲や水で洗い流す物理的駆除が有効です。天敵やニームオイルといった自然な方法から、オルトラン粒剤などの農薬まで、状況に応じた方法を選びましょう。

しかし、最も重要なのは防虫ネットやシルバーマルチを活用した予防策です。

駆除と予防を組み合わせ、大切な植物をアザミウマの被害から守りましょう。


駆除ザウルス