
家庭菜園で育てる採れたての甘いトウモロコシ、その味は格別ですよね。
しかし、そんな収穫の喜びを脅かすのが、どこからともなくやってくる害虫の存在です。
「せっかく育てたのに実がアワノメイガに食い荒らされた」「アブラムシがびっしりでがっかり…」そんな悔しい思いをした方も多いのではないでしょうか。
この記事を読めば、トウモロコシに発生しやすい害虫の種類から、初心者でも簡単に実践できる予防策、そして発生してしまった際の駆除方法まで、害虫対策のすべてが分かります。
結論として、トウモロコシの害虫対策で最も重要なのは、害虫を発生させない「予防」です。
特に、実に侵入して被害を出すアワノメイガは、一度発生すると完全な駆除が難しくなるため、種まき直後からの防虫ネットによる物理的な防御が最も確実で効果的な対策となります。
発生してしまった場合も、初期段階であれば手による捕殺や自然由来のスプレーで十分対応可能です。
本記事では、まずトウモロコシを狙う害虫の種類と特徴を解説し、次に畑の準備段階からできる予防策を具体的に紹介します。
万が一、害虫が発生してしまった場合のために、農薬を使わない自然に優しい退治方法から、農薬を使った確実な方法、さらには初心者でも使いやすいおすすめの予防・駆除グッズまで網羅的に解説します。
この記事を最後まで読んで、今年こそ害虫に悩まされず、完璧なトウモロコシの収穫を目指しましょう。
まずは敵を知ろう トウモロコシに発生しやすい害虫一覧
美味しいトウモロコシを家庭菜園で育てる喜びは格別ですが、その甘い実や瑞々しい株を狙って多くの害虫が集まってきます。
効果的な害虫退治の第一歩は、まず「敵を知る」ことです。
ここでは、トウモロコシに発生しやすい代表的な害虫の種類、見た目の特徴、そして引き起こされる被害について詳しく解説します。
ご自身の畑で害虫を見かけた際に、正しく特定するための参考にしてください。
実を食べる害虫 アワノメイガ
トウモロコシ栽培における最大の敵とも言えるのが「アワノメイガ」です。
別名「シンクイムシ」とも呼ばれ、その名の通り、幼虫がトウモロコシの実に侵入して内部を食い荒らします。
被害を受けた実は商品価値がなくなるだけでなく、食害された部分からカビが発生し、腐敗の原因にもなります。
アワノメイガの成虫は淡い黄褐色の蛾で、夜間に活動しトウモロコシの葉や雌穂の絹糸(けんし)の付け根あたりに産卵します。
孵化した幼虫は、最初は外側の葉を食べていますが、成長すると茎の内部や穂の先端から実に侵入します。
穂先から覗く茶色いフンが、アワノメイガの侵入を示すサインです。
雄穂(ゆうずい)が出始める6月頃から9月頃にかけて、年に2〜3回発生するため、この時期は特に注意深い観察が欠かせません。
被害が実に及ぶ前に早期発見・早期駆除することが重要です。
同じく実を食害する害虫に「オオタバコガ」がいますが、被害の症状はアワノメイガと酷似しており、対策もほぼ同じです。
汁を吸う害虫 アブラムシとカメムシ
株全体の生育に影響を与えるのが、汁を吸うタイプの害虫です。
代表的なものにアブラムシとカメムシがいます。
「アブラムシ」は、2〜4mm程度の非常に小さな虫で、緑色や黒っぽい色をしています。
葉の裏や茎、穂の先端などにびっしりと群生し、株の養分を吸い取ります。
アブラムシが大量に発生すると、トウモロコシの生育が著しく悪くなり、実の付きも悪くなります。
さらに、アブラムシの排泄物である「甘露(かんろ)」が原因で、葉が黒いカビで覆われる「すす病」を誘発し、光合成を妨げます。また、ウイルス病を媒介することもあるため、見つけ次第、早急な対策が必要です。
特に風通しの悪い環境で繁殖しやすいため注意しましょう。
>>【即効】大量のアブラムシ駆除に!業者をオススメする理由と知らないと損する退治法と予防策
「カメムシ」は、独特の悪臭を放つことで知られていますが、トウモロコシにとっても厄介な害虫です。
成虫が飛来し、若い実に口吻(こうふん)を突き刺して汁を吸います。吸われた部分は養分が抜け、変色して硬くなり、食味を著しく損ないます。
特に収穫間際の柔らかい実が狙われやすく、収穫を楽しみにしていた矢先に被害に遭うケースも少なくありません。
>>【大量発生】カメムシの駆除、信頼できる業者の見つけ方と料金相場をプロが解説
株元や根を狙う害虫 ネキリムシとヨトウムシ
植え付けたばかりの若い苗や、株の根元に被害を及ぼすのがネキリムシやヨトウムシです。
どちらも蛾の幼虫で、昼間は土の中や株元に隠れ、夜間に活動する特徴があります。
「ネキリムシ」は、カブラヤガやタマナヤガといった蛾の幼虫の総称です。
その名の通り、夜間に土中から現れ、植え付けたばかりの若いトウモロコシの苗の地際部をかじって切り倒してしまいます。
被害に遭った苗は再生することができず、そのまま枯れてしまうため、家庭菜園にとっては致命的な被害となることがあります。
朝、畑を見たら苗が根元からポッキリと倒れていた、という場合はネキリムシの仕業を疑いましょう。
>>見つけたら即実行!ネキリムシの駆除方法|幼虫の見分け方から根絶やしにする対策まで
「ヨトウムシ」はヨトウガ(夜盗蛾)の幼虫で、こちらも夜間に活動して葉を食害します。
若い幼虫は葉の裏に集団で発生し、葉の表面だけを残して食べるため、葉が白く透けたようになります。
成長するにつれて分散し、葉脈を残して葉全体を食べ尽くすほどの旺盛な食欲を見せます。
日中は株元の土の中に隠れているため見つけにくいですが、葉に不自然な食害痕を見つけたら、株の周りを注意深く探してみましょう。
>>【ヨトウムシ駆除の決定版】知らないと損!プロが教える発生原因から予防法まで
その他の害虫
上記の害虫以外にも、トウモロコシには注意すべき害虫がいます。
高温で乾燥した環境が続くと「ハダニ」が発生しやすくなります。
ハダニは葉の裏に寄生して汁を吸い、葉が白っぽくカスリ状になる被害をもたらします。
また、イネ科の害虫である「ダイメイチュウ」が茎に侵入することもあります。
これらの害虫も、被害が拡大する前に対処することが、美味しいトウモロコシを収穫するための鍵となります。
栽培前に始めるトウモロコシの害虫予防策
甘くて美味しいトウモロコシを収穫するためには、害虫との戦いは避けて通れません。
しかし、害虫が発生してから慌てて対策するよりも、栽培を始める前の「予防」に力を入れることが最も重要で効果的です。
病害虫に強い健康な株を育て、害虫が寄り付きにくい環境をあらかじめ整えることで、農薬の使用を最小限に抑え、安心して食べられるトウモロコシ作りを目指しましょう。
ここでは、初心者でも簡単に取り組める3つの重要な予防策をご紹介します。
畑の準備と土作り
すべての基本となるのが、健康な土作りです。害虫の多くは土の中に潜んで越冬したり、弱った株を狙って発生したりします。
そのため、植え付け前の畑の準備が、害虫予防の第一歩となります。
まず、連作を避けることが大切です。
トウモロコシはイネ科の植物ですが、同じ場所で毎年栽培を続けると、土壌中の特定の病原菌や害虫(特にアワノメイガなど)の密度が高まり、被害が大きくなる「連作障害」が起こりやすくなります。
少なくとも2〜3年はイネ科以外の野菜(例えばマメ科やナス科など)を育てるように計画しましょう。
次に、植え付けの2週間〜1ヶ月前には、土壌の環境を整えます。
土の中に残っているネキリムシの幼虫やヨトウムシのサナギを駆除するために、畑を深く耕して寒気にさらし、物理的に退治する方法があります。
また、完熟した堆肥や腐葉土などの有機物をたっぷりとすき込み、水はけと水持ちの良いフカフカの土を目指しましょう。
未熟な有機物はコガネムシの産卵場所になることがあるため、必ず完熟したものを使用してください。
同時に、窒素成分が多すぎる肥料は、アブラムシを大量に呼び寄せる原因になります。
肥料はバランス良く適量を施すことを心がけ、健康で丈夫な株を育てることが害虫への抵抗力を高めます。
防虫ネットで物理的にシャットアウト
薬剤を使わない最も確実な予防策が、防虫ネットでトウモロコシ全体を覆う物理的防除です。
特に、トウモロコシの最大の敵であるアワノメイガの成虫は、夜間に飛来して葉の裏や雄穂に産卵します。
防虫ネットをトンネル状にかけることで、産卵自体を防ぐことができます。
防虫ネットを選ぶ際は「目合い」の大きさが重要です。
アワノメイガのようなガの仲間を防ぐ目的なら1mm目合いのもので十分ですが、アブラムシやアザミウマといったさらに小さな害虫の侵入も防ぎたい場合は、0.6mmや0.8mmといったより細かい目合いのネットを選ぶと効果的です。
また、銀色のラインが入ったネットは光を反射してアブラムシを寄せ付けにくくする効果も期待できます。
設置する際は、種まきや苗の植え付け直後からすぐに被せるのがポイントです。
支柱を使ってトンネルを作り、ネットが葉や茎に直接触れないように空間を確保してください。
ネットが株に密着していると、その上から産卵される可能性があるためです。
そして最も重要なのが、ネットの裾を土に埋めたり、U字ピンや土のうなどで重しをしたりして、隙間を完全になくすことです。
わずかな隙間からでも害虫は侵入してきます。
トウモロコシは風によって受粉する風媒花ですが、雄穂が出てきたらネットの上から株を優しく揺すってあげることで、受粉を助けることができます。
一緒に植えて害虫を遠ざけるコンパニオンプランツ
コンパニオンプランツとは、一緒に植えることでお互いの生育に良い影響を与える植物のことです。
特定の害虫を遠ざけたり、天敵を呼び寄せたりする効果が期待でき、畑の生態系を豊かにする助けとなります。
トウモロコシと相性の良い代表的なコンパニオンプランツは、エダマメやインゲンなどのマメ科植物です。
マメ科植物の根に共生する根粒菌が空気中の窒素を土壌に供給してくれるため、トウモロコシの生育が促進されます。
また、カメムシがトウモロコシよりもエダマメを好むため、被害を分散させる「おとり植物」としての役割も果たしてくれます。
トウモロコシの株元にカボチャなどのウリ科植物を這わせるのも良い方法です。
広い葉が地面を覆うことで、雑草の繁殖や土の乾燥を防いでくれます。
また、香りの強いハーブ類もおすすめです。
例えば、ナスタチウムはアブラムシを、マリーゴールドはその根から出る分泌液でネコブセンチュウなどの土壌害虫を遠ざける効果があると言われています。
これらの植物をトウモロコシの畝の周りや株間に植えることで、害虫が寄り付きにくい環境を作ることができます。
ただし、コンパニオンプランツの効果は絶対的なものではなく、あくまで補助的な予防策として取り入れると良いでしょう。
発生してしまった害虫の退治方法
トウモロコシの葉や実に害虫を見つけても、慌てる必要はありません。
大切なのは、被害が広がる前の「早期発見・早期対処」です。
この章では、害虫の発生状況やあなたの栽培スタイルに合わせて選べる、具体的な退治方法を解説します。
農薬を使わない自然に優しい方法から、農薬を使った確実な方法まで、それぞれのメリット・デメリットを理解し、最適な手段を選びましょう。
農薬を使わない自然に優しい害虫退治
「家族が食べるものだから、できるだけ農薬は使いたくない」と考える方は多いでしょう。
ここでは、環境や人体への負荷が少ない、自然由来の方法で害虫を駆除するテクニックを紹介します。
手間はかかりますが、安心してトウモロコシを育てるための選択肢です。
見つけ次第捕殺する
最も原始的でありながら、確実性の高い方法が手作業による捕殺です。
アワノメイガの幼虫やヨトウムシ、カメムシなど、目視できる大きさの害虫に特に有効です。
割り箸やピンセットでつまんで取り除くか、粘着テープに貼り付けて捕獲しましょう。
アワノメイガの幼虫は、雄穂や葉の付け根、実に開いた小さな穴の周辺にいることが多いです。
フン(虫糞)が落ちている場所の上を探すと見つけやすいでしょう。
アブラムシのように小さな虫には不向きですが、毎日の観察を習慣にし、見つけ次第取り除くことで、被害の拡大を最小限に抑えられます。特に葉の裏や株元は害虫が隠れやすい場所なので、念入りにチェックしてください。
牛乳スプレーや木酢液を活用する
ご家庭にあるものや、ホームセンターで手軽に購入できる自然由来の資材も害虫退治に役立ちます。
ただし、殺虫効果ではなく、あくまで忌避(寄せ付けにくくする)効果や窒息させる効果が主目的となります。
アブラムシやハダニのように体の小さい害虫には、牛乳スプレーが効果的です。
水と牛乳を1:1の割合で混ぜ、スプレーボトルに入れて害虫に直接吹きかけます。
牛乳が乾燥する際に膜を作り、害虫を窒息させる仕組みです。
ポイントは、晴れた日の午前中に散布し、乾いた後に必ず水で洗い流すこと。
放置すると牛乳が腐敗し、悪臭やカビの原因になるため注意が必要です。
木酢液は、木炭を作る際に出る煙を冷却して液体にしたもので、独特の燻製のような香りで害虫を遠ざける忌避効果が期待できます。
製品の規定に従って500〜1000倍に水で薄め、葉の表裏や株元に散布します。
土壌の有用な微生物を増やす効果もあるとされていますが、殺虫効果はないため、すでに大量発生している害虫を駆除する目的には向きません。
また、濃度が濃すぎると植物の生育を阻害する「薬害」を引き起こす可能性があるため、必ず規定の希釈倍率を守りましょう。
天敵を利用する方法
害虫を食べてくれる「天敵」を味方につけるのも、有効な手段の一つです。
例えば、アブラムシの天敵であるテントウムシやヒラタアブの幼虫は、1匹で数百匹のアブラムシを捕食してくれます。
これらの益虫を畑に呼び寄せるために、近くにキク科やセリ科の植物(カモミール、マリーゴールド、ニンジンなど)を植えるのも良いでしょう。
天敵が住みやすい環境を整えることで、害虫の異常発生を抑制し、農薬に頼らない持続可能な菜園づくりにつながります。
農薬を使った確実な害虫退治
害虫が大量発生してしまった場合や、どうしても被害を食い止めて美しいトウモロコシを収穫したい場合には、農薬の使用が最も確実で効果的な選択肢となります。
農薬は正しく使えば安全で頼りになる資材です。
ここでは、初心者でも扱いやすい農薬の選び方と、安全な使用方法について解説します。
初心者でも使いやすい農薬の選び方
農薬を選ぶ際に最も重要なのは、必ず商品のラベルを確認し、「トウモロコシ」に登録があり、退治したい「アワノメイガ」「アブラムシ」などの害虫に適用があるかを確認することです。
初心者の方には、購入後すぐに使えるスプレータイプや、株元にまくだけの粒剤タイプがおすすめです。
- スプレータイプ(エアゾール剤): 希釈の手間がなく、見つけた害虫に直接噴射するだけなので手軽です。家庭菜園など小規模な栽培に向いています。
- 粒剤: 株元にパラパラとまくタイプの農薬です。特にアワノメイガ対策では、雄穂が出始める頃に葉の付け根などに散布することで、実に潜り込む前の幼虫を効果的に駆除できます。「デナポン粒剤5」などが代表的です。
- 水和剤・乳剤: 水で薄めて噴霧器で散布するタイプで、広範囲に効率よく散布でき、コストパフォーマンスに優れます。
近年では、食品成分や天然由来成分を主原料とした、環境への負荷が少ない農薬も増えています。
例えば、住友化学園芸の「ベニカマイルドスプレー」のように、収穫前日まで使えるものもあり、化学合成農薬に抵抗がある方でも使いやすい選択肢です。
農薬を散布する時期と注意点
農薬の効果を最大限に引き出し、安全に使用するためには、散布する時期と方法が非常に重要です。
散布の最適なタイミングは、害虫の発生初期です。
特にアワノメイガは、一度実に潜り込んでしまうと農薬が届きにくくなるため、被害が目立ち始める前の予防的な散布が鍵となります。
トウモロコシの場合、雄穂(てっぺんに生えるススキのような花)が出始める時期が、アワノメイガの重要な防除タイミングです。
時間帯は、風のない日の早朝か夕方を選びましょう。
日中の高温時に散布すると、薬害の原因となることがあります。
農薬を使用する際は、必ず長袖・長ズボン、マスク、手袋、保護メガネを着用し、薬剤が皮膚に付着したり、吸い込んだりしないようにしてください。
ラベルに記載されている「使用回数」と「収穫前日数(散布後、収穫して食べられるようになるまでの日数)」を厳守することは、安全な作物を収穫するための絶対的なルールです。
散布する際は風上から風下に向かって行い、近隣の畑や住宅に飛散しないよう十分に配慮しましょう。
【目的別】トウモロコシの害虫退治におすすめのグッズ
トウモロコシの害虫対策は、やみくもに行っても効果が薄れてしまいます。
ここでは「予防」と「駆除」、それぞれの目的に合わせたおすすめのグッズをご紹介します。
ご自身の栽培スタイルや害虫の発生状況に合わせて、最適なアイテムを選びましょう。
予防に役立つアイテム
害虫は一度発生すると駆除に手間がかかるため、まずは畑に寄せ付けない「予防」が最も重要です。
ここでは、初心者でも簡単に導入できる予防アイテムを厳選しました。
防虫ネット
物理的に害虫の侵入を防ぐ防虫ネットは、予防策として非常に効果的です。
特に、トウモロコシの実に産卵するアワノメイガや、ウイルス病を媒介するアブラムシ、果汁を吸うカメムシなどをシャットアウトできます。
トウモロコシの背丈は高くなるため、トンネル状に全体を覆うか、雌穂(実になる部分)が出始めたら、実にだけ袋やストッキングタイプのネットを被せる方法も有効です。
アブラムシのような小さな害虫まで防ぎたい場合は、目合いが1mm以下の細かいネットを選びましょう。
黄色粘着シート(捕虫シート)
アブラムシ類やコナジラミ類など、黄色に誘引される習性を持つ害虫を粘着シートで捕獲するアイテムです。
殺虫効果はありませんが、害虫の発生をいち早く察知するためのモニタリングツールとして非常に役立ちます。
トウモロコシの株の近くに吊るしておくだけで、どんな害虫が飛来しているかを確認できます。
早期発見が、被害が広がる前の迅速な対策につながります。
コンパニオンプランツの種・苗
特定の植物をトウモロコシの近くに植えることで、害虫を遠ざけたり、天敵を呼び寄せたりする効果が期待できます。
これはコンパニオンプランツと呼ばれ、化学農薬に頼らない栽培を目指す方におすすめです。
例えば、トウモロコシの株元にラッカセイやインゲンマメを植えると、土壌中の窒素を固定して生育を助けるだけでなく、アブラムシの天敵であるテントウムシを呼び寄せる効果があると言われています。
園芸店やホームセンターで種や苗を手軽に入手できるのも魅力です。
駆除に役立つアイテム
予防策を講じていても、害虫が発生してしまうことはあります。
被害が広がらないうちに、適切なアイテムを使って迅速に駆除しましょう。
ここでは、自然由来のものから化学農薬まで、状況に応じた駆除グッズを紹介します。
食品由来の殺虫殺菌スプレー
「農薬は使いたくないけれど、手軽に害虫を駆除したい」という方には、食酢やデンプン、ヤシ油などを主成分としたスプレーがおすすめです。
「カダンセーフ」や「ベニカマイルドスプレー」といった商品が代表的で、アブラムシやハダニなど、体の柔らかい害虫に効果を発揮します。
食品由来成分なので、収穫前日まで使用できる製品が多く、小さなお子様やペットがいるご家庭でも比較的安心して使用できます。
ただし、アワノメイガの幼虫のような大きな害虫には効果が薄い場合があります。
BT剤(生物農薬)
アワノメイガやヨトウムシといったチョウやガの幼虫(イモムシ類)に特化して効果を発揮する、天然の微生物を利用した生物農薬です。
代表的な商品に「ゼンターリ顆粒水和剤」があります。
この薬剤は、害虫の消化器官に作用するため、人間や鳥、ミツバチなどの益虫には影響がなく、環境への負荷が少ないのが特長です。
アワノメイガの被害を防ぐには、雄穂が出て花粉が飛び始める頃と、雌穂の絹糸(けんし)が出てくる頃に散布するのが最も効果的です。
化学合成農薬(殺虫剤)
多くの種類の害虫に効果があり、確実な駆除を求める場合には化学合成農薬が有効です。
アブラムシやカメムシ、ヨトウムシなど広範囲の害虫に効くスプレータイプの「ベニカXファインスプレー」や、株元に撒くことで根から成分が吸収され、長期間効果が持続する粒剤タイプの「オルトラン粒剤」などがあります。
また、アワノメイガの食入を防ぐためには、雄穂に振りかける専用の粒剤「デナポン粒剤5」も非常に効果的です。
農薬を使用する際は、必ず製品ラベルに記載されている適用作物、使用時期、使用回数などの使用基準を厳守してください。
>>プロが選ぶ害虫別のオススメ撃退(駆除)グッズ!置くだけ・スプレー徹底比較
まとめ
甘くて美味しいトウモロコシを家庭菜園で収穫するためには、害虫対策が欠かせません。
トウモロコシの害虫退治で最も重要な結論は、発生してから駆除するよりも「発生させない予防」に力を入れることです。
栽培前の土作りや、防虫ネットによる物理的な防御、コンパニオンプランツの活用は、害虫被害を最小限に抑えるための非常に効果的な手段です。
もしアワノメイガやアブラムシなどの害虫が発生してしまった場合でも、慌てる必要はありません。
初期段階であれば、手で取り除いたり、牛乳スプレーや木酢液といった自然由来のもので対処したりすることが可能です。
被害が拡大してしまった際には、この記事で紹介した選び方を参考に、用法・用量を守って適切に農薬を使用することも有効な選択肢となります。
本記事で解説した害虫の種類ごとの特徴と、予防から駆除までの対策を実践することで、初心者の方でも安心してトウモロコシ栽培に挑戦できます。
ご自身の栽培環境に合わせて最適な方法を選び、手間をかけた分だけ味わえる、格別なトウモロコシの収穫を目指しましょう。








