シソ 害虫 駆除

家庭菜園やプランターで手軽に育てられるシソ(大葉)ですが、「気づいたら葉が穴だらけ」「葉の裏に黒いツブツブが…」といった害虫被害に悩んでいませんか?

口に入れるものだからこそ、農薬は使いたくないけれど、どう対策すれば良いか分からない方も多いはずです。

この記事では、シソに発生しやすい害虫の種類と見分け方から、害虫がつく根本的な原因、そして牛乳スプレーや木酢液などを使った無農薬での安全な駆除・撃退方法、さらには防虫ネットやコンパニオンプランツを活用した効果的な予防策まで、初心者でもすぐに実践できる知識を網羅的に解説します。

結論として、シソの害虫対策は「発生させない予防」と「見つけ次第すぐに対処する初期駆除」が最も重要です。

本記事を読めば、害虫の悩みから解放され、安心して美味しいシソをたくさん収穫するための具体的な方法がすべて分かります。

シソに発生しやすい害虫の種類と被害の見分け方

家庭菜園で人気のシソですが、その独特の香りで害虫を寄せ付けないと思われがちです。

しかし、実際には多くの害虫の被害に遭いやすい植物です。

ここでは、シソに発生しやすい代表的な害虫の種類と、それぞれの被害の特徴、見分け方のポイントを詳しく解説します。

早期発見が被害を最小限に抑える鍵となりますので、日々の観察で異常がないかチェックしましょう。

アブラムシ

アブラムシは、体長2mm〜4mm程度の非常に小さな虫で、緑色や黒色など様々な種類が存在します。

特にシソの新芽や若葉の裏に集団でびっしりと寄生し、口針を突き刺して汁を吸います。

吸汁されると株の生育が悪くなり、葉が縮れたり変形したりします。

また、アブラムシの排泄物である「甘露(かんろ)」は、葉の表面をベタベタさせ、それを栄養源として「すす病」という黒いカビが発生する原因にもなります。

すす病が広がると光合成が妨げられ、シソの成長がさらに阻害されます。

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ハダニ

ハダニは体長0.5mm程度と非常に小さく、肉眼での確認が難しい害虫です。

クモの仲間で、高温で乾燥した環境を好みます。

主に葉の裏に寄生して汁を吸い、被害を受けた葉には、針で刺したような白いカスリ状の小さな斑点が無数に現れます。

被害が進行すると葉全体が白っぽくなり、光合成ができなくなって最終的には枯れてしまいます。

数が増えると、葉の裏や茎にクモの巣のような細かい網を張ることもあります。

葉の色が薄くなってきたと感じたら、ハダニの発生を疑いましょう。

ヨトウムシ・アオムシ

ヨトウムシやアオムシは、ガの幼虫(イモムシ)です。

ヨトウムシは「夜盗虫」の名前の通り、夜間に活動して葉を食害し、昼間は株元の土の中に隠れています。

一方、アオムシは昼間も活動し、旺盛な食欲で葉を食べ進めます。これらの幼虫による被害は、葉に不規則な大きな穴が開くのが特徴です。

特に柔らかい新芽や若い葉が好んで狙われます。

葉に食べられた跡や、黒くて丸いフンが落ちていたら、これらの幼虫がいるサインです。

放置すると、あっという間に葉が穴だらけにされたり、ひどい場合には葉脈だけを残して食べ尽くされたりすることもあります。

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ベニフキノメイガ(シソノメイガ)

ベニフキノメイガは、その幼虫がシソの葉を専門に食害することから「シソノメイガ」とも呼ばれる厄介な害虫です。

体長1cm〜2cmほどの緑色の幼虫が、シソの葉を糸で綴り合わせたり、葉の先端を巻いたりして巣を作ります。

そして、その安全な巣の中から葉を食べてしまいます。

被害の特徴は、葉が不自然に巻かれていたり、数枚の葉がくっついていたりする点です。巻かれた葉をそっと開いてみると、中に幼虫やフンが見つかります。

特に先端の柔らかい新芽が狙われやすく、放置すると株の成長点が失われ、収穫量が大きく減少します。

バッタ・オンブバッタ

バッタやオンブバッタは、飛来してきてシソの葉を食べてしまう害虫です。

特に、秋口にかけてその被害が目立つようになります。

食害の跡は、葉の縁からギザギザと不規則に食べられたような形になるのが特徴です。

ヨトウムシのように大きな穴を開けるというよりは、縁からかじり取っていくイメージです。

他の害虫と比べて体が大きいため発見は容易ですが、食欲も旺盛なため、数匹いるだけで葉がボロボロにされてしまいます。

特に小さな株は被害が大きくなりやすいので注意が必要です。

コナジラミ

コナジラミは、体長1mm〜2mmほどの白い小さな虫で、羽があり飛ぶことができます。

名前の通り、株を揺らすと白い粉が舞うように一斉に飛び立つのが特徴です。

主に葉の裏に群生して汁を吸います。被害症状はアブラムシと似ており、吸汁による生育不良や、排泄物によるすす病の誘発が問題となります。

また、ウイルス病を媒介することもあるため、見つけ次第早めに対処する必要があります。

葉の裏をチェックして白い小さな虫が密集していたり、株に触れた際に白い虫が飛び立ったりしたら、コナジラミの発生を疑ってください。

ナメクジ

ナメクジは、雨の日や夜間など、湿度の高い環境で活動する害虫です。昼間は鉢の裏や土の中、プランターの底などに隠れています。

シソの柔らかい葉や新芽を好み、這いながら食べていくため、葉に不規則な形の穴が開きます。

ナメクジの被害で最も特徴的なのは、這った跡に銀色にキラキラと光る筋が残ることです。

葉に食べられた跡と光る筋があれば、ナメクジの仕業であると特定できます。

特に梅雨の時期や、風通しの悪いジメジメした場所で育てている場合に発生しやすくなります。

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なぜシソに害虫がつくのか 主な発生原因を解説

シソに害虫が発生してしまうのは、決して偶然ではありません。

多くの場合、シソが育つ環境に原因が潜んでいます。

害虫が好む条件を知ることで、効果的な予防策を立てることができます。

ここでは、シソに害虫が引き寄せられる主な3つの原因を詳しく解説します。

ご自身の栽培環境と照らし合わせながら、原因を探ってみましょう。

風通しと日当たりの問題

シソの害虫対策において、最も基本的かつ重要なのが「風通し」と「日当たり」の確保です。

これらが悪い環境は、人間にとっての不衛生な部屋と同じで、病害虫にとって絶好の住処となってしまいます。

特に、葉が密集して風通しが悪くなると、株の周辺に湿気がこもりやすくなります。

ハダニやコナジラミ、うどんこ病などの病害虫は、多湿な環境を好んで発生・繁殖します。

また、密集した葉は害虫の隠れ場所となり、天敵であるテントウムシなどからも身を守りやすくなるため、一度発生すると一気に増殖する原因にもなります。

日当たり不足も大きな問題です。

シソは日光を好む植物であり、日照が不足すると光合成が十分に行えず、株全体がひょろひょろと軟弱に育つ「徒長(とちょう)」という状態になります。

徒長した株は、病害虫に対する抵抗力が著しく低下するため、アブラムシなどの被害を受けやすくなります。

プランターを壁際にぴったりつけていたり、株間を詰めすぎていたりしないか、今一度確認してみましょう。

肥料の与えすぎ(窒素過多)

「たくさん収穫したい」という思いから、良かれと思って与えた肥料が、かえって害虫を呼び寄せる原因になることがあります。

特に注意したいのが「窒素(チッソ)」成分の与えすぎです。

窒素は葉や茎を大きく成長させるために不可欠な栄養素で、「葉肥え(はごえ)」とも呼ばれます。

しかし、これが過剰になると、シソの体内で使われなかった窒素がアミノ酸として蓄積されます。

アブラムシなどの吸汁性害虫は、このアミノ酸を格好の栄養源とするため、窒素過多の株に集まりやすくなるのです。

さらに、窒素過多で急成長した株は、細胞壁が薄く柔らかい状態になります。

これは害虫にとって、口針を刺しやすく、汁を吸いやすい非常に魅力的な状態です。

シソはもともと非常に丈夫で、痩せた土地でも育つハーブです。

特に家庭菜園レベルでは、頻繁な追肥は不要な場合が多いです。

もし肥料を与える場合は、製品の規定量を守り、窒素・リン酸・カリウムのバランスが取れたものを選ぶように心がけましょう。

周辺の雑草や他の植物からの飛来

シソの害虫は、どこからともなく突然現れるわけではありません。

その多くは、周辺の環境から飛来したり、歩いて移動してきたりします。

特に見落としがちなのが、庭やベランダの「雑草」です。

雑草は、さまざまな害虫の発生源であり、隠れ家や産卵場所になります。

例えば、ヨトウムシの成虫であるヨトウガは、雑草地に産卵し、孵化した幼虫が夜間に移動してきてシソの葉を食べることがあります。

アブラムシも、好みの雑草で増殖した後に、羽を持つ成虫が飛んできてシソに住み着きます。

また、シソの近くで育てている他の野菜や花から害虫が移ってくるケースも少なくありません。

例えば、ナスやキュウリに発生したアブラムシやハダニが、すぐ隣のシソに移動することは頻繁に起こります。

害虫対策は、シソの株だけを見るのではなく、プランターの周りや畑全体をきれいに保ち、雑草をこまめに除去することが非常に重要です。

周辺環境を清潔に管理することが、害虫の発生リスクを根本から減らすことに繋がります。

今日からできる!無農薬で行うシソの害虫駆除方法

大切に育てているシソに害虫を見つけても、すぐに農薬に頼るのはためらわれる方も多いでしょう。

特に、収穫してすぐに口にする香味野菜だからこそ、できるだけ安全な方法で対策したいものです。

ここでは、化学農薬を使わずに、家庭で手軽に実践できる害虫駆除の方法を具体的にご紹介します。

害虫の発生初期であれば、これらの方法で十分に対応可能です。

手で取る・水で流すなどの物理的駆除

最もシンプルで、即効性があるのが物理的な駆除方法です。

発生している害虫の数がまだ少ない初期段階で非常に有効です。

ヨトウムシやアオムシ、バッタといった目に見える大きな虫は、見つけ次第、割り箸やピンセットで捕まえて駆除しましょう。

虫に直接触れるのが苦手な方は、厚手のゴム手袋を着用すると安心です。

特にヨトウムシは夜行性のため、日中は土の中や株元に隠れています。

夕方から夜にかけて懐中電灯で照らしながら探すと見つけやすくなります。

アブラムシやハダニのように、小さくて大量に発生する害虫には、水を使った方法が効果的です。

ホースのシャワーやスプレーボトル(霧吹き)で、少し強めの水流を当てて洗い流します。

このとき、害虫が密集しやすい葉の裏側を重点的に狙うのがポイントです。

ただし、水の勢いが強すぎるとシソの葉を傷つけてしまう可能性があるので、力加減には注意してください。

駆除後は株元の風通しを良くして、葉が早く乾くようにしましょう。

食品由来のスプレーを使った駆除

キッチンにある身近な食品を使って、安全な駆除スプレーを手作りできます。

小さなお子様やペットがいるご家庭でも安心して使えるのが最大のメリットです。

牛乳スプレー

アブラムシやハダニのように体の小さい害虫に効果を発揮します。

牛乳をスプレーで吹きかけると、乾燥する過程で膜が張り、害虫の気門(呼吸するための穴)を塞いで窒息させる効果があります。

作り方は簡単で、牛乳と水を1:1の割合で混ぜるだけです。

使用する際は、よく晴れた日の午前中に、害虫がいる場所にまんべんなく散布してください。

散布後、牛乳が完全に乾いたら、必ずきれいな水で全体を洗い流しましょう。

洗い流さずに放置すると、牛乳が腐敗して悪臭を放ったり、カビが発生する原因になったりするので注意が必要です。

唐辛子スプレー

唐辛子に含まれる辛み成分「カプサイシン」には、多くの害虫が嫌う忌避効果があります。

アブラムシやアオムシ、コナジラミなど、幅広い害虫を寄せ付けなくする効果が期待できます。

作り方は、焼酎やホワイトリカー200mlに対し、よく乾燥させた鷹の爪5〜10本を細かく刻んで漬け込み、冷暗所で1週間以上寝かせます。

使用する際は、この原液を水で300〜500倍に薄めてスプレーボトルに入れます。

効果を高めるために、木酢液を少量混ぜるのもおすすめです。

散布は、葉の表裏にしっかりと行いましょう。

ただし、唐辛子の成分は人間にとっても刺激が強いため、目や皮膚にかからないように注意し、風のない日に作業してください。

木酢液やニームオイルを活用した駆除

食品ではありませんが、有機栽培でも利用が認められている天然由来の資材を使う方法もあります。

ホームセンターや園芸店で手軽に入手できます。

木酢液(もくさくえき)は、炭を焼くときに出る煙を冷却して液体にしたもので、独特の燻製のような香りがします。

この香りを害虫が嫌うため、高い忌避効果が期待できます。

また、土壌の有用な微生物を増やす土壌改良効果もあります。

使用する際は、製品に記載されている希釈倍率(通常は500〜1000倍)を必ず守り、水で薄めてから葉面や株元に散布します。

濃度が濃すぎると、シソの生育を阻害する「薬害」を引き起こすことがあるため注意しましょう。

ニームオイルは、「ニーム」というインド原産の樹木の種子から抽出されるオイルです。

主成分の「アザディラクチン」が、害虫の食欲をなくさせたり、脱皮や成長を妨げたりする効果を持ちます。

即効性のある殺虫剤とは異なり、定期的に散布することで、害虫が住み着きにくい環境を作ります。オイルなので水と混ざりにくいため、使用する際は少量の石鹸水などを展着剤として加えてから希釈し、よく振ってから散布してください。

天敵の力を借りる方法

自然の生態系を利用して害虫を駆除する方法です。害虫をエサとする「天敵」となる益虫を味方につけましょう。

例えば、アブラムシの天敵であるテントウムシやヒラタアブ、クサカゲロウの幼虫などが庭にいれば、自然と害虫の数をコントロールしてくれます。

天敵を呼び寄せるためには、まず殺虫剤の使用をやめることが大前提です。

その上で、天敵の隠れ家や蜜源となるような植物(コンパニオンプランツ)をシソの近くに植えるのが効果的です。

キク科のマリーゴールドやセリ科のパセリ、ディルなどは、益虫を呼び寄せやすいことで知られています。

多様な植物がある環境を作ることで、害虫の天敵が住みやすい庭になり、シソの害虫被害を自然に減らすことができます。

シソの害虫を寄せ付けないための予防策

シソに発生する害虫を駆除することも大切ですが、それ以上に重要なのが「害虫を寄せ付けない」ための予防策です。

害虫が発生してから対処するよりも、発生しにくい環境を整える方がはるかに手間が少なく、シソも健康に育ちます。

ここでは、農薬に頼らずに実践できる効果的な予防策を3つのポイントに分けて詳しく解説します。

日々の少しの工夫で、美味しいシソを長く楽しめるようになります。

防虫ネットで物理的にガードする

害虫予防策として最も確実で効果的な方法の一つが、防虫ネットの使用です。

アブラムシ、コナジラミ、ヨトウムシの成虫であるヨトウガなど、多くの害虫は外部から飛来します。

防虫ネットでシソの株全体を覆うことで、これらの害虫の侵入を物理的にシャットアウトできます。

防虫ネットを選ぶ際は「目合い」の大きさが重要です。

アブラムシやコナジラミといった非常に小さな害虫の侵入も防ぎたい場合は、目合いが1mm以下のもの、できれば0.6mmや0.8mmといった細かい規格の製品を選びましょう。

プランター栽培の場合は、プランターごとすっぽりと覆える袋状のネットが便利です。

地植えの場合は、支柱をトンネル状に立ててからネットを被せます。このとき、ネットがシソの葉に直接触れないように注意してください。

葉にネットが触れていると、その上から産卵される可能性があるため、支柱を使って葉とネットの間に十分な空間を確保することがポイントです。

一度設置すれば、収穫や水やりの際にめくる手間はありますが、農薬散布のような手間や回数を気にする必要がなくなり、安心して無農薬栽培を続けられます。

コンパニオンプランツを一緒に植える

コンパニオンプランツ(共栄作物)とは、近くに植えることで互いに良い影響を与え合う植物のことです。

特定の香りで害虫を遠ざけたり、天敵を呼び寄せたりする効果が期待でき、シソの害虫予防にも役立ちます。

シソと相性の良い代表的なコンパニオンプランツには、以下のようなものがあります。

  • マリーゴールド:独特の強い香りがアブラムシやコナジラミを遠ざける効果があるとされています。また、根に寄生するネコブセンチュウを抑制する効果も有名で、土壌環境を健全に保つのに役立ちます。
  • カモミール、ミント類:これらのハーブ類も強い香りで害虫を忌避する効果が期待できます。ただし、ミントは地下茎で旺盛に繁殖するため、地植えにすると広がりすぎてしまう恐れがあります。ミントを利用する場合は、鉢植えのままシソのプランターの近くに置くといった工夫をすると良いでしょう。
  • ネギ、ニラ、チャイブ:ネギ類が持つ特有の匂いは、アブラムシなどが嫌うとされています。シソの株間に植えることで、害虫の飛来を減らす効果が期待できます。

これらの植物をシソのプランターの隅や、畑の畝の間に植えることで、自然の力を借りた手軽な害虫対策になります。

適切な栽培管理で健康な株を育てる

病害虫の被害を受けやすいのは、何らかの原因で弱っている株です。

人間が不摂生で体調を崩しやすいのと同じように、植物も生育環境が悪いと抵抗力が落ちてしまいます。

日当たりや風通し、水、肥料などを適切に管理し、シソの株自体を健康に育てることが、最も基本的な害虫予防策と言えます。

風通しを良くする剪定

シソの葉が密集して茂りすぎると、株内部の風通しが悪くなります。

湿気がこもりやすくなると、ハダニやうどんこ病などの病害虫が発生する絶好の環境となってしまいます。

また、茂った葉は害虫の隠れ家にもなります。定期的な剪定で風通しと日当たりを確保しましょう。

剪定のポイントは「摘心」と「間引き」です。ある程度草丈が伸びたら、一番上の主枝の先端を摘み取る「摘心」を行うと、脇から新しい芽が次々と伸びてきます。

これにより収穫量が増えるだけでなく、株が縦に伸びすぎるのを防ぎ、横にこんもりと茂るようになります。

また、葉が混み合ってきたら、内側に向かって伸びている枝や、重なり合っている葉を付け根から切り取る「間引き剪定」を行いましょう。

地面に近い下葉は、泥はねによる病気の原因にもなりやすいため、黄色くなってきたら早めに摘み取ります。

これらの作業は、収穫を兼ねてこまめに行うのが効果的です。風が通り抜けるように株全体をすっきりと保つことを意識してください。

水やりと肥料のポイント

水やりと肥料の与え方も、シソの健康を左右する重要な要素です。

水のやりすぎは根腐れを引き起こし、株を弱らせる原因になります。

水やりは、土の表面が乾いたのを確認してから、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えるのが基本です。

その際、葉の上から水をかけるのではなく、株元に静かに注ぐようにしましょう。

葉に水がかかると病気の原因になったり、蒸散が妨げられたりすることがあります。

肥料に関しては、特に「窒素(N)過多」に注意が必要です。

窒素は葉を大きく育てるために必要な成分ですが、与えすぎると葉が軟弱になり、組織が柔らかく美味しくなるため、アブラムシなどの害虫を逆に引き寄せてしまいます。

肥料は、元肥として堆肥や緩効性化成肥料を適量土に混ぜ込んでおけば、追肥は頻繁には必要ありません。

生育の様子を見ながら、葉の色が薄くなってきたと感じたら、規定倍率に薄めた液体肥料を2週間に1回程度与えるくらいで十分です。

根や茎を丈夫にし、病害虫への抵抗力を高める「リン酸(P)」や「カリ(K)」もバランス良く含まれた肥料を選ぶことが、健康な株を育てるコツです。

どうしても駆除できない場合に頼る農薬(殺虫剤)の知識

手作業での駆除や無農薬スプレーを試しても害虫の勢いが止まらない、あるいは被害が深刻で株が枯れてしまいそうな場合、最終手段として農薬(殺虫剤)の使用を検討することになります。

家庭菜園でシソを育てる多くの方が「できれば農薬は使いたくない」と感じるかもしれませんが、正しい知識を持って適切に使用すれば、被害を最小限に抑え、シソを守ることができます。

ここでは、農薬を選ぶ際の基準や、安全に使用するための注意点について詳しく解説します。

シソに使える農薬の選び方

農薬を選ぶ上で最も重要なことは、その農薬が「しそ(大葉)」に使用できるものとして登録されているかを確認することです。

農薬取締法により、作物ごとに使用できる農薬が定められています。

登録のない農薬を使用することは法律で禁止されているだけでなく、薬害が出たり、人体に影響を及ぼしたりする危険性があります。

購入前には、必ず製品のパッケージや説明書に記載されている「適用作物名」の欄に「しそ」や「おおば」といった記載があることを確認してください。

シソに使える農薬には、主に以下のような種類があります。

  • 化学合成農薬:速効性が高く、幅広い害虫に効果を発揮するものが多くあります。アブラムシやハダニ、コナジラミなどに対応した製品が代表的です。手軽に使えるスプレータイプの「ベニカXファインスプレー」などは、初心者でも扱いやすいでしょう。
  • 生物農薬(BT剤など):特定の微生物を利用して害虫を駆除する農薬です。例えば「BT剤」は、チョウ目(ヨトウムシ、アオムシ、ベニフキノメイガなど)の幼虫にのみ効果を発揮する細菌を利用したもので、人や他の益虫への影響が少ないのが特長です。「ゼンターリ顆粒水和剤」などの製品が知られています。
  • 天然由来成分の農薬:デンプンを主成分とし、害虫を物理的に窒息させるタイプの農薬や、除虫菊から抽出した成分を利用した農薬などがあります。化学合成農薬に抵抗がある方におすすめですが、製品によっては効果が穏やかな場合もあります。

どの農薬を選ぶかは、発生している害虫の種類と、ご自身の考え方(手軽さ、安全性など)に合わせて決めましょう。

どの農薬が自分の育てているシソに使えるか分からない場合は、農林水産省の農薬登録情報提供システムで確認することもできます。

農薬を使用する際の注意点と散布時期

農薬を安全かつ効果的に使用するためには、いくつかの重要なポイントを守る必要があります。

製品ラベルの指示を必ず読み、正しく使用してください。

散布時の服装と環境

  • 服装:薬剤が皮膚に付着したり、吸い込んだりするのを防ぐため、長袖・長ズボン、農薬用のマスク、保護メガネ、ゴム手袋を必ず着用しましょう。
  • 天候と時間帯:風の強い日は薬剤が飛散してしまうため散布を避けます。また、日中の高温時は薬害(植物に悪影響が出ること)のリスクが高まるため、風のない日の早朝か夕方の涼しい時間帯に行うのが基本です。雨が降る直前や降雨後も、薬剤が流れてしまうため効果が期待できません。

使用基準の厳守

農薬のラベルには、安全に収穫・喫食するための重要な基準が記載されています。特に以下の2点は必ず守ってください。

  • 収穫前日数:農薬を散布してから、その作物を収穫して食べられるようになるまでの最短日数のことです。「収穫前日まで」「収穫3日前まで」などと記載されています。この日数を守らないと、残留農薬の基準値を超える可能性があります。
  • 総使用回数:その作物の一栽培期間中に、その農薬を使用できる上限回数です。これも厳守する必要があります。

効果的な散布方法と後片付け

  • 散布方法:アブラムシやハダニなど、多くの害虫は葉の裏に隠れています。葉の表だけでなく、葉裏や茎にも薬剤がまんべんなくかかるように丁寧に散布してください。
  • 希釈と保管:水で薄めて使うタイプの農薬は、必ず規定の希釈倍率を守ります。濃すぎると薬害の原因になり、薄すぎると効果が出ません。希釈した散布液は作り置きせず、その日のうちに使い切りましょう。農薬の原液は、食品や飼料と区別し、子供やペットの手の届かない冷暗所で施錠して保管します。

農薬は、害虫の発生初期に使うのが最も効果的です。

被害が広がってからでは手遅れになることもあるため、日々の観察を怠らず、早期発見・早期対応を心がけましょう。

まとめ

この記事では、家庭菜園で人気のシソを害虫から守るための方法を、原因の特定から具体的な駆除・予防策まで網羅的に解説しました。

シソを元気に育てるためには、害虫の早期発見と迅速な対応が不可欠です。

シソに害虫が発生する主な原因は、「風通しの悪さ」「肥料の与えすぎ(窒素過多)」「周囲の雑草」にあります。

つまり、害虫対策の基本は、日々の適切な栽培管理によって健康な株を育てることに尽きます。

駆除を行う際は、まず手で取る、牛乳スプレーや木酢液を利用するといった、体や環境への負担が少ない無農薬の方法から試しましょう。何よりも重要なのは予防です。

防虫ネットで物理的に侵入を防いだり、コンパニオンプランツを植えたりすることで、害虫が寄り付きにくい環境をあらかじめ作っておくことが、安定した収穫への一番の近道です。

どうしても被害が収まらない場合の最終手段として農薬がありますが、使用する際は必ずシソに適用可能なものを選び、用法・用量を守って正しく使用してください。

本記事で紹介した知識を活用し、大切なシソを害虫から守り抜いて、美味しい収穫を楽しんでください。