
大切に育てているサボテンに、白い綿のような虫や新芽に群がる小さな虫が付いてしまい、どう駆除すればいいかお困りではありませんか?
害虫を放置するとサボテンが弱り、最悪の場合枯れてしまうこともあります。
サボテンの害虫対策で最も重要なのは、害虫の種類を正しく見分け、発生初期に最適な方法で駆除することです。
この記事では、サボテンに付きやすい代表的な害虫(カイガラムシ、アブラムシ、ハダニ、ネジラミなど)の見分け方から、初心者でもすぐに実践できる7つの駆除方法、そして害虫を二度と発生させないための具体的な予防策まで、園芸のプロが徹底的に解説します。
薬剤を使わない手軽な方法から即効性のある殺虫剤の使い方まで、状況に合わせた最適な対処法が分かり、大切なサボテンを害虫から守れるようになります。
目次
まず確認 サボテンに付く害虫の種類と見分け方
大切に育てているサボテンに、白い綿や蜘蛛の巣のようなもの、あるいは小さな虫が付いていたら、それは害虫のサインかもしれません。
害虫はサボテンの見た目を損なうだけでなく、養分を吸い取って株を弱らせ、最悪の場合は枯らしてしまう恐れもあります。
しかし、慌てる必要はありません。まずは敵の正体を知ることが、的確な駆除への第一歩です。害虫の種類によって効果的な対策は異なります。
ここでは、サボテンに付きやすい代表的な害虫の種類と、その見分け方を詳しく解説します。
白い綿のような虫 カイガラムシ
サボテンの害虫として最も代表的なのがカイガラムシです。
カイガラムシには様々な種類がいますが、サボテンでよく見られるのは、白い綿のような分泌物で体を覆う「ワタカイガラムシ」や「コナカイガラムシ」です。
体長は2〜4mm程度で、繁殖力が非常に高いのが特徴です。
見分け方のポイントは、サボテンの稜(りょう)の溝や刺座(しざ)、子株の付け根など、凹凸のある部分に付着した「白い綿状の塊」です。
最初は小さな点でも、放置するとどんどん増えてサボテンを覆い尽くしてしまいます。
また、カイガラムシは吸汁する際に「甘露(かんろ)」と呼ばれる甘くベタベタした排泄物を出すため、サボテンの表面がテカテカしていたり、黒いすすのようなカビ(すす病)が発生していたりする場合も、カイガラムシの発生を疑いましょう。
このすす病は光合成を妨げ、サボテンの生育をさらに悪化させる原因となります。
新芽に群がる小さな虫 アブラムシ
アブラムシは、体長1〜4mmほどの小さな虫で、緑色や黒色、茶色など様々な体色のものがいます。
特に、春から初夏にかけての暖かい時期に発生しやすく、驚異的な繁殖力で一気に増殖します。
アブラムシは、サボテンの成長点である新芽や、花を咲かせるための蕾(つぼみ)といった柔らかい部分に好んで集まります。
見分け方は簡単で、新芽の先端や蕾の周りに小さな虫がびっしりと群がっていたら、それはアブラムシです。
アブラムシは植物の汁を吸って加害するだけでなく、植物ウイルス病を媒介することもあるため、見つけ次第すぐに対処する必要があります。
カイガラムシと同様に甘露を排泄するため、すす病を併発することもあります。
蜘蛛の巣のような糸を張る ハダニ
ハダニは、名前に「ダニ」と付く通り、昆虫ではなく蜘蛛の仲間に分類されます。
体長は0.5mm程度と非常に小さく、肉眼で一匹一匹を確認するのは困難です。
高温で乾燥した環境を好み、特に室内で管理しているサボテンや、梅雨明け後の夏場に発生しやすくなります。
ハダニがいるかどうかを見分けるには、まずサボテンの表面をよく観察してください。
「蜘蛛の巣のような非常に細い糸」が張られていたり、サボテンの肌の色が白っぽく抜けてカスリ状の斑点ができていたりしたら、ハダニの被害を疑います。
被害が進行すると、サボテンの肌が赤茶色や褐色に変色し、元気がなくなります。
ハダニは葉緑素を吸うため、光合成ができなくなり、株全体が衰弱してしまいます。
霧吹きでサボテンに水をかけると、糸や動く小さな赤い点(ハダニ)が見えやすくなることがあります。
土の中や根にいる白い虫 ネジラミ
ネジラミは、土の中に潜んでサボテンの根に寄生する害虫です。
カイガラムシの一種で「ネワタカイガラムシ」とも呼ばれます。
土の中にいるため発見が遅れやすく、気づいたときには被害が深刻化しているケースも少なくありません。
地上部には異常が見られないのに、「サボテンの成長が止まった」「水やりをしても水を吸い上げている様子がない」「株がぐらつく」といった症状が見られる場合は、ネジラミの発生を疑ってみましょう。
確実な見分け方は、植え替えの際にサボテンを鉢から抜いてみることです。
根や根鉢の周りに、白い粉や綿のようなものが付着していたら、それがネジラミです。
ネジラミは根から養分を吸い取るため、放置すると根が傷んで腐り、最終的にサボテン全体が枯死してしまいます。
その他注意すべき害虫
上記の4種類ほどではありませんが、他にも注意したい害虫がいます。
- ナメクジ・カタツムリ:夜間に活動し、サボテンの柔らかい新芽や表皮を食害します。食べた跡がえぐれたようになり、這った跡に銀色に光る筋が残るのが特徴です。
- トビムシ:湿った土壌を好む体長1〜2mmの小さな虫です。通常は土中の有機物を分解する益虫ですが、大量発生すると若い根を食害することがあります。
- キノコバエ:観葉植物の土でよく発生する小さなハエです。成虫は不快なだけですが、その幼虫が土の中で根を食害することがあります。過湿な環境が主な原因です。
なぜサボテンに害虫が?発生する主な原因
大切に育てているサボテンに、ある日突然害虫が発生しているのを見つけるとショックですよね。
しかし、害虫はどこからともなく湧いてくるわけではありません。
必ず発生には原因があり、その多くはサボテンが置かれている「環境」と「管理方法」に隠されています。
ここでは、サボテンに害虫が発生する主な3つの原因を詳しく解説します。
原因を知ることで、効果的な駆除と再発防止につなげることができます。
風通しの悪さと多湿
サボテンに害虫が発生する最も一般的な原因の一つが、「風通しの悪さ」です。
特に、カイガラムシやハダニ、アブラムシといった多くの害虫は、空気がよどみ、湿気がこもる場所を好みます。
室内でサボテンを育てている場合、窓を閉め切った部屋の隅や棚の奥などは空気が滞留しがちです。
このような環境では、サボテンの株周りの湿度が上がり、害虫にとって格好の住処となってしまいます。
また、植物同士を密集させて置いていると、株と株の間の風通しが悪くなり、同様に多湿な環境を作り出してしまいます。
サボテンは本来、乾燥した気候で自生する植物です。日本の梅雨時期のように高温多湿な季節は、屋外であっても注意が必要です。
風通しが悪いと、害虫の発生だけでなく、カビや根腐れといった病気の原因にもなるため、常に新鮮な空気が流れる環境を意識することが重要です。
日照不足による株の弱体化
サボテンの健康を維持するために不可欠なのが「日光」です。
多くのサボテンは十分な日光を浴びることで光合成を行い、成長のためのエネルギーを作り出しています。
しかし、日当たりの悪い場所で管理を続けると、光合成が不足し、サボテンの株そのものが弱ってしまいます。
このような状態を「軟弱徒長(なんじゃくとちょう)」と呼び、ひょろひょろと間延びした姿になるだけでなく、病害虫に対する抵抗力が著しく低下します。
人間で言えば、免疫力が落ちて風邪をひきやすくなるのと同じ状態です。
健康で丈夫なサボテンは、害虫が付着しても大きな被害につながりにくいですが、弱った株は害虫の格好のターゲットとなり、一度発生すると被害があっという間に拡大してしまいます。
特に、新芽や成長点などの柔らかい部分は狙われやすいため、日照不足はアブラムシやハダニの大量発生を引き起こす大きな要因となります。
購入した苗や土からの持ち込み
どんなに自宅の栽培環境に気をつけていても、害虫を外から「持ち込んでしまう」ケースは後を絶ちません。
最も多い侵入経路が、新しく購入したサボテンの苗や、植え替えに使う用土です。園芸店やホームセンターで販売されている植物でも、残念ながらカイガラムシの成虫や卵、土の中にはネジラミなどが潜んでいる可能性があります。
購入時には、葉の付け根、トゲの根元、鉢と土の隙間などを念入りにチェックする習慣をつけましょう。
しかし、土の中にいるネジラミなどは、植え替えをしてみないと発見が困難です。
また、古い土を再利用したり、庭の土を安易に使用したりすると、そこに潜んでいた害虫の卵や幼虫を一緒に鉢に入れてしまうことになります。
害虫の侵入を防ぐためには、信頼できる店舗で健康な苗を選ぶこと、そして植え替えの際には新しい清潔なサボテン・多肉植物用の土を使用することが、非常に効果的な予防策となります。
【初心者でも簡単】サボテンの害虫駆除方法7選
サボテンに害虫を見つけても、慌てる必要はありません。初期段階であれば、初心者の方でも簡単に対処できる方法がたくさんあります。
ここでは、物理的な駆除から薬剤を使った方法まで、代表的な7つの駆除方法を具体的に解説します。
ご自身のサボテンの状態や、育てている環境に合わせて最適な方法を選んでください。
駆除方法1 歯ブラシや綿棒でこすり落とす
カイガラムシのように、サボテンの表面に固着している害虫に有効な物理的駆除方法です。
使い古しの柔らかい歯ブラシや綿棒、筆などを使って、害虫を優しくこすり落とします。
サボテンの肌はデリケートなので、傷をつけないように力加減には注意しましょう。
特に、トゲの付け根や稜(りょう)の谷間は害虫が隠れやすいので、念入りにチェックしてください。
取り除いた害虫は、ティッシュなどにくるんで確実に処分し、再付着を防ぎましょう。
薬剤を使わないため、室内でも安心して行えるのが最大のメリットです。
駆除方法2 ピンセットで丁寧に取り除く
数が少なく、目視で確認できるカイガラムシなどを一匹ずつ確実に取り除く方法です。
ピンセットを使って害虫を慎重につまみ、サボテンから引きはがします。
この方法もサボテンの肌を傷つけないよう、細心の注意を払ってください。
発生初期で害虫の数が数匹程度の場合に最も効果的です。
手間はかかりますが、薬剤に頼りたくない方や、ピンポイントで狙いを定めて駆除したい場合に適しています。
駆除方法3 水流で洗い流す
アブラムシやハダニなど、固着力が弱く、群生している害虫に効果的な方法です。
シャワーやホースの水を少し強めに設定し、害虫が付着している部分に直接当てて洗い流します。
このとき、土が鉢から流れ出ないように、株元を手で押さえたり、ビニールで覆ったりする工夫をすると良いでしょう。
水圧が強すぎるとサボテンを傷める原因になるため、様子を見ながら調整してください。
駆除後は、風通しの良い場所でサボテンをしっかりと乾かし、蒸れによる病気を防ぐことが重要です。
特にハダニは乾燥を好む一方、水に弱いため定期的な葉水(シリンジ)も予防に繋がります。
駆除方法4 消毒用アルコールで拭き取る
白いロウ物質で体を覆っているカイガラムシの成虫に対して、特に効果が高い方法です。
市販の消毒用エタノール(アルコール濃度70~80%程度)を綿棒や布に染み込ませ、害虫を直接拭き取ります。
アルコールがカイガラムシのロウ物質を溶かし、駆除しやすくします。
ただし、サボテンの種類によってはアルコールで肌が変色するなどの薬害が出る可能性があるため、必ず事前に目立たない場所で試してから全体に使用してください。
作業は風通しの良い場所で行いましょう。
駆除方法5 牛乳スプレーを吹きかける
アブラムシやハダニといった体の柔らかい害虫に使える、身近なものを使った駆除方法です。
牛乳と水を1:1の割合で混ぜ、スプレーボトルに入れて害虫全体にまんべんなく吹きかけます。
スプレー後、液体が乾燥する過程でできる牛乳の膜が害虫の気門を塞ぎ、窒息させる効果が期待できます。
ポイントは、よく晴れた日の午前中に行うこと。散布して牛乳が完全に乾いたら、悪臭やカビの発生を防ぐために、必ず水で綺麗に洗い流してください。
化学薬品を使いたくない場合に手軽に試せる方法です。
ただし、カイガラムシのような殻を持つ虫には効果が薄いので注意が必要です。
駆除方法6 即効性のある殺虫剤スプレーで駆除
害虫が大量発生してしまい、物理的な駆除では追いつかない場合に有効なのが、園芸用の殺虫剤スプレーです。
アブラムシ、ハダニ、カイガラムシなど、多くの害虫に対応した製品が市販されています。
代表的なものに「ベニカXファインスプレー」などがあり、病気の予防効果を兼ね備えたものもあります。
使用する際は、製品のラベルをよく読み、対象害虫や使用方法を必ず守ってください。
風のない屋外やベランダで、サボテン全体にムラなく散布するのが基本です。
即効性が高く、手軽に広範囲の害虫を駆除できるのが魅力です。
>>プロが選ぶ害虫別のオススメ撃退(駆除)グッズ!置くだけ・スプレー徹底比較
駆除方法7 根から効く浸透移行性殺虫剤を使う
土の中に潜むネジラミや、薬剤が届きにくい場所にいるカイガラムシ・アブラムシ対策に非常に効果的な方法です。
浸透移行性の殺虫剤は、粒剤や液剤の形で土壌に施すことで、有効成分が根から吸収されて植物全体に行き渡ります。
その植物の汁を吸った害虫を内部から駆除する仕組みです。
代表的な製品として「オルトラン粒剤」や「ベニカXガード粒剤」が知られています。
効果が現れるまでに少し時間はかかりますが、一度施せば長期間効果が持続するため、駆除と同時に予防もできるのが大きなメリットです。
植え替えの際に土に混ぜ込んだり、株元に撒いたりして使用します。
害虫の種類別 最適なサボテン害虫駆除の選び方
サボテンに付く害虫は、その種類によって効果的な駆除方法が異なります。
前の章でご紹介した7つの駆除方法を、害虫の生態や特性に合わせて使い分けることが、被害を最小限に抑え、サボテンを健康に保つための鍵となります。
ここでは、代表的な4種類の害虫それぞれに最適な駆除方法の組み合わせを詳しく解説します。
カイガラムシに効果的な駆除方法
白い綿のような見た目が特徴のカイガラムシは、成虫になると硬い殻やロウ物質で体を覆うため、薬剤が効きにくい非常に厄介な害虫です。
そのため、発見した段階に合わせた駆除方法の選択が重要になります。
発生初期で数が少ない場合は、物理的な駆除が最も確実です。
まず、ピンセットでつまめる大きさの成虫を取り除きましょう。
その後、歯ブラシや水で湿らせた綿棒を使って、サボテンの表面を傷つけないように優しくこすり落とします。
特に、凹凸のある稜(りょう)の間や仔株の付け根は隠れやすい場所なので、念入りにチェックしてください。
消毒用アルコールを染み込ませた綿棒で拭き取ると、ロウ物質を溶かして駆除効果を高めることができます。
広範囲に発生してしまった場合や、物理的な駆除だけでは再発を繰り返す場合は、薬剤の使用が不可欠です。
カイガラムシ専用の殺虫剤スプレー(例:ベニカXファインスプレーなど)を散布しましょう。
ただし、成虫には効きにくいことがあるため、幼虫が発生する春から夏にかけて定期的に散布するのが効果的です。
より根本的な対策としては、植え替えの際に土に混ぜ込むタイプの浸透移行性殺虫剤(例:オルトラン粒剤など)がおすすめです。
根から薬剤を吸収したサボテンの樹液を吸うことで、カイガラムシを内部から駆除できます。
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アブラムシに効果的な駆除方法
新芽や蕾にびっしりと群がるアブラムシは、非常に繁殖力が高く、あっという間に増殖します。
ウイルス病を媒介することもあるため、見つけ次第すぐに対処しましょう。
数が少ない初期段階であれば、水流で洗い流すのが手軽で効果的です。
ホースのシャワーや霧吹きで、アブラムシがいる部分を狙って吹き飛ばします。
また、牛乳を水で薄めたスプレーを吹きかける方法も知られています。
牛乳が乾く際に膜を作り、アブラムシを窒息させる効果が期待できますが、散布後は放置するとカビや悪臭の原因になるため、必ず水で洗い流してください。
すでに広範囲に広がっている場合は、即効性のある殺虫剤スプレーが最も効率的です。
アブラムシに適用のある園芸用殺虫剤を、説明書に従って散布してください。
一度の散布で駆除しきれない場合もあるため、数日おきに数回散布するとより確実です。
予防策として、浸透移行性殺虫剤を土に混ぜておくことも、アブラムシの発生を抑えるのに役立ちます。
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ハダニに効果的な駆除方法
ハダニは0.5mm程度と非常に小さく、肉眼での確認が難しい害虫です。
サボテンの表面が白っぽくかすれたり、蜘蛛の巣のような細かい糸が張られたりしていたら、ハダニの発生を疑いましょう。
高温で乾燥した環境を好むのが特徴です。
ハダニは「クモ」の仲間であり、多くの「殺虫剤」が効きません。
薬剤を選ぶ際は、必ず「殺ダニ剤」と表記のあるものを選んでください。
同じ薬剤を使い続けると抵抗性を持つ個体が出現しやすくなるため、「コロマイト乳剤」や「ダニ太郎」など、成分の異なる複数の殺ダニ剤をローテーションで使用するのが理想的です。
薬剤を使わない方法としては、ハダニが水を嫌う性質を利用します。
定期的に霧吹きで葉水(シリンジ)を与えたり、シャワーで株全体を洗い流したりすることで、発生を予防し、数を減らすことができます。
特に、ハダニが潜みやすい株の根元や稜の裏側まで、しっかりと水がかかるように洗い流すのがポイントです。
ネジラミに効果的な駆除方法
ネジラミ(ネコナカイガラムシ)は、その名の通りサボテンの根に寄生する害虫です。
土の中にいるため発見が難しく、株の生育が悪くなったり、元気がなくなったりして初めて気づくケースがほとんどです。
植え替えの際に根をチェックし、白い粉のようなものが付着していたらネジラミの被害を疑いましょう。
ネジラミを発見した場合の駆除は、植え替えと同時に行います。
まず、サボテンを鉢から抜き、根に付いた古い土を丁寧に落とします。
次に、根を傷つけないように注意しながら水で洗い、ネジラミを完全に除去します。
その後、規定倍率に希釈した浸透移行性の殺虫剤(例:オルトラン液剤など)に根を数分間浸して消毒します。
消毒後は根をしっかりと乾燥させ、必ず新しい清潔な用土を使って植え付けてください。
被害にあった古い土は再利用せず、すべて処分しましょう。
ネジラミの最も効果的な対策は「予防」です。
サボテンを植え付ける際や植え替える際に、あらかじめ土に浸透移行性殺虫剤(粒剤タイプ)を混ぜ込んでおくことで、被害を未然に防ぐことができます。
大切なサボテンを害虫から守るための予防策
サボテンの害虫駆除は手間がかかり、発見が遅れると大切な株が大きなダメージを受けてしまいます。
そのため、害虫を「駆除する」こと以上に「発生させない」ための予防策が最も重要です。
日々の管理方法を少し見直すだけで、害虫の発生リスクを大幅に低減させることができます。
ここでは、誰でも簡単に実践できる4つの基本的な予防策を詳しく解説します。
置き場所を見直す(日当たりと風通し)
害虫予防の基本は、サボテンが健康に育つ環境を整えることです。
その中でも特に重要なのが「日当たり」と「風通し」です。
多くの害虫は、湿気が多く風通しの悪い場所を好みます。
まず、日当たりですが、サボテンは日光を好む植物です。
日照不足になると株がひょろひょろと伸びる「徒長」を起こし、軟弱になって害虫への抵抗力が低下します。
室内であれば南向きの窓辺など、できるだけ明るい場所に置きましょう。
ただし、種類や季節によっては強すぎる直射日光が葉焼けの原因になることもあります。
特に夏場の西日は避け、レースのカーテン越しに光を当てるなどの工夫が必要です。
次に風通しです。空気がよどんでいると、カイガラムシやハダニが繁殖しやすくなります。
鉢と鉢の間隔を十分に空け、空気が通り抜けるように配置しましょう。
室内で育てる場合は、定期的に窓を開けて換気したり、サーキュレーターで空気を循環させたりするのも非常に効果的です。
屋外で管理する場合は、雨ざらしにならない風通しの良い軒下などが理想的な置き場所です。
適切な水やりを徹底する
サボテンの栽培で失敗が多いのが水やりです。実はこの水やりも、害虫の発生と密接に関係しています。
水の与えすぎは、土が常に湿った状態を作り出し、根腐れの原因となります。
弱った根は害虫の格好の標的になるだけでなく、湿った土を好むネジラミやキノコバエを呼び寄せてしまいます。
サボテンの水やりの基本は「土が完全に乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与える」ことです。
そして、受け皿に溜まった水は必ず捨ててください。
この「乾かす」と「与える」のメリハリが、健康な根を育てるポイントです。
生育期である春と秋は土の乾き具合を見ながら水やりを行い、多くの種類が休眠期に入る夏と冬は、水やりの回数をぐっと減らします。
特に冬場は断水気味に管理することで、耐寒性を高める効果もあります。
逆に、極端な水不足は株を乾燥させ、ハダニの発生原因となるため注意が必要です。
定期的な観察で早期発見に努める
どんなに予防策を講じても、害虫の侵入を100%防ぐことは困難です。
そこで重要になるのが、害虫の発生をいち早く察知する「早期発見」です。
害虫は少数であれば駆除も簡単ですが、繁殖が進むとあっという間に手遅れになることがあります。
水やりのついでに、サボテンの体を隅々までチェックする習慣をつけましょう。
特に注意して見るべきポイントは以下の通りです。
- 新芽や成長点: アブラムシが付きやすい部分です。
- 株元や稜(りょう)のくぼみ: カイガラムシが隠れていることが多い場所です。
- 肌の表面: 蜘蛛の巣のような細い糸や、小さな点々が見えたらハダニを疑います。
- 土の表面や鉢の裏: 不審な虫がいないか確認します。
小さな害虫を見つけるために、スマートフォンカメラのズーム機能や、100円ショップなどで手に入るルーペ(拡大鏡)を活用するのもおすすめです。
もし異常を見つけたら、被害が広がる前に他の植物から隔離し、すぐに対処を始めましょう。
植え替え時に土と根をチェックする
目に見えない土の中も、害虫の隠れ家となっている可能性があります。
特に、サボテンの根に寄生するネジラミは、地上部からでは発見が難しく、気づいたときには手遅れになっているケースも少なくありません。
1〜2年に1回、春の生育期に行う植え替えは、土の中の状態を確認する絶好の機会です。
植え替えの際には、古い土を丁寧に落とし、根の状態をしっかりチェックしましょう。根に白い綿のようなものが付着していたら、それはネジラミです。
また、黒く変色してぶよぶよになった根は根腐れを起こしているので、清潔なハサミで切り取ります。
予防策として、植え替え時には必ず新しい清潔な用土(水はけの良いサボテン・多肉植物用培養土がおすすめ)を使いましょう。
さらに、土に混ぜ込むタイプの浸透移行性殺虫剤(「オルトランDX粒剤」などが有名です)を規定量混ぜ込んでおくと、植物が薬剤を根から吸収し、株全体に効果が行き渡るため、アブラムシやカイガラムシなどへの高い予防効果が長期間持続します。
購入した苗を植え替える際にも、このひと手間を加えることで、外部からの害虫の持ち込みを防ぐことができます。
まとめ
この記事では、サボテンに発生しやすいカイガラムシやアブラムシ、ハダニといった害虫の種類から、それぞれの駆除方法、そして最も重要な予防策までを詳しく解説しました。
サボテンに害虫が発生する主な原因は、「風通しの悪さ」「日照不足による株の弱体化」「購入時の持ち込み」です。
害虫を見つけた際は、歯ブラシでこすり落とす物理的な方法から、殺虫剤を使用する方法まで様々ですが、害虫の種類や発生状況に合わせて最適な手段を選ぶことが駆除成功の鍵となります。
しかし、最も効果的な害虫対策は駆除ではなく「予防」です。日当たりと風通しの良い場所に置き、適切な水やりでサボテンを健康に育てることこそが、害虫を寄せ付けない一番の防御策となります。
定期的な観察を習慣づけ、万が一害虫が発生しても早期発見・早期対応を心がけましょう。
この記事で紹介した方法を参考に、あなたの大切なサボテンを害虫から守り、元気に育ててください。








