オリーブ 害虫 駆除

大切に育てているオリーブの木に、葉が食べられていたり、幹に奇妙な穴が開いていたりしませんか?それは害虫が原因かもしれません。

放置すると最悪の場合、木が枯れてしまうこともあるため、オリーブの害虫駆除は早期の対策が何よりも重要です。

この記事では、オリーブの木に現れる症状から害虫を特定する方法をはじめ、最重要害虫であるオリーブアナアキゾウムシからハマキムシ、カイガラムシまで、種類別の具体的な駆除方法を詳しく解説します。

さらに、初心者でも安心して使えるおすすめの薬剤やオーガニックな対策、そして害虫を二度と発生させないための予防策まで網羅的にご紹介。

この記事を読めば、あなたのオリーブを悩ませる害虫の正体と、今すぐできる対処法がすべて分かります。

正しい知識を身につけ、大切なオリーブの木を健康で美しい姿に蘇らせましょう。

まず確認 オリーブの木に現れる症状から害虫を特定しよう

大切に育てているオリーブの木に、これまでなかった異変を見つけると心配になりますよね。

「葉に穴が空いている」「枝が黒く汚れている」など、その症状はさまざまです。しかし、慌てる必要はありません。

害虫駆除の第一歩は、その症状がどの害虫によるものなのかを正しく特定することから始まります。

原因がわかれば、適切な対処法が見えてきます。

この章では、オリーブの木に現れる代表的な症状別に、原因となっている可能性が高い害虫を特定する方法を詳しく解説します。

葉や幹、枝に現れる小さなサインを見逃さず、早期発見・早期対処につなげましょう。

葉の異常でわかる害虫

葉はオリーブの健康状態を示すバロメーターであり、害虫の被害が最も現れやすい場所です。

毎日の水やりや観察の際に、葉の表裏や新芽の状態をチェックする習慣をつけることが、害虫の早期発見に不可欠です。

葉が食べられている 食害する害虫の駆除

葉がギザギザに欠けていたり、穴が開いていたりする食害の跡は、害虫被害の中でも特に見つけやすいサインです。

特に柔らかい新芽は狙われやすいため注意深く観察しましょう。

このような被害を引き起こす代表的な害虫は、スズメガの幼虫(イモムシ)やコガネムシの成虫です。

スズメガの幼虫は食欲が非常に旺盛で、一晩で多くの葉を食べ尽くしてしまうこともあります。

周辺に黒くて大きなフンが落ちていたら、この幼虫がいる可能性が高いでしょう。

一方、コガネムシは葉を網目状に食べることが特徴です。

これらの害虫を見つけたら、すぐに捕殺するか、数が多い場合は薬剤の使用を検討します。

葉が丸まっている または糸で綴られている害虫の駆除

オリーブの新芽や若い葉が、不自然に丸まっていたり、何枚かの葉が糸でくっついていたりするのを見つけたら、それはハマキムシ(ハマキガの幼虫)の仕業です。

ハマキムシは、その名の通り葉を巻いて筒状の巣を作り、その中に隠れながら葉の内側を食害します。

被害は新芽に集中することが多く、放置すると新しい葉の生育が阻害され、見た目も損なわれます。

巻かれた葉をそっと開いてみると、中に小さな幼虫がいるのが確認できるはずです。

数が少ないうちは、被害にあった葉ごと摘み取って処分するのが最も確実な駆除方法です。

葉が白くかすり状になっている害虫の駆除

葉の表面に、まるで針でつついたような白い小さな斑点が無数に現れ、葉全体が白っぽく「かすり状」に見えることがあります。

これは、ハダニ類が葉裏に寄生し、葉の汁を吸った跡です。

被害が進行すると葉緑素が失われ、光合成ができなくなり、最終的には葉が枯れて落葉してしまいます。

葉や枝が黒いすすで覆われている すす病と害虫

葉や枝、幹の表面が黒いすすで覆われたように汚れている場合、それは「すす病」という病気です。

この病気は植物自体から発生するのではなく、アブラムシやカイガラムシといった吸汁性害虫の排泄物が原因で起こります。

これらの害虫はオリーブの樹液を吸い、糖分を多く含んだ甘くベタベタした排泄物「甘露(かんろ)」を出します。

この甘露を栄養源としてすす病菌(カビの一種)が繁殖し、黒いすすを形成するのです。

すす病は見た目が悪いだけでなく、葉の表面を覆って光合成を妨げ、オリーブの生育を衰弱させます。

したがって、すすを洗い流すだけでなく、原因となっているアブラムシやカイガラムシを駆除することが根本的な解決策となります。

幹や枝の異常でわかる害虫

葉だけでなく、オリーブの骨格である幹や枝にも注意を払いましょう。

特に幹への被害は、オリーブの木にとって致命傷となりかねないため、見つけ次第、迅速な対応が求められます。

幹に穴が開き木くずが出ている 最重要害虫の駆除

オリーブの株元(幹の根元)付近に、直径数ミリ程度の穴が開いていたり、その周りにおがくずのような木くずが落ちていたりしたら、最大限の警戒が必要です。

これは、オリーブにとって最も恐ろしい害虫である「オリーブアナアキゾウムシ」の幼虫が幹の内部に侵入しているサインです。

成虫が幹の樹皮に産卵し、孵化した幼虫が幹の内部を食い荒らしながら成長します。内部の食害が進むと、水や養分が吸い上げられなくなり、木全体の樹勢が急速に衰え、最悪の場合は枯死に至ります。

この木くずは幼虫のフンと食べかすが混ざったもので、「フラス」と呼ばれます。フラスを見つけたら、まさに緊急事態です。

すぐに駆除作業に取り掛かる必要があります。

枝に白い綿や貝殻のようなものが付着している害虫の駆除

枝や幹、葉の付け根などに、白い綿のような塊や、茶色い貝殻のようなものがびっしりと付着しているのを見つけたら、それはカイガラムシ類です。

カイガラムシには多くの種類が存在し、体をロウ物質で覆うワタフキカイガラムシや、硬い殻を持つカタカイガラムシなどがオリーブによく寄生します。

これらの害虫は枝や幹に固着して樹液を吸い、木を弱らせます。

また、排泄物である甘露がすす病を誘発する原因ともなります。

成虫になると殻やロウ物質で守られて薬剤が効きにくくなるため、数が少ないうちに歯ブラシやヘラなどで物理的にこすり落とすのが効果的です。

風通しが悪い場所に密集して発生しやすい傾向があります。

【種類別】オリーブの害虫図鑑と具体的な駆除方法

オリーブの木を健康に育てるためには、害虫の種類を正確に特定し、それぞれに適した方法で対処することが不可欠です。

ここでは、オリーブに発生しやすい代表的な害虫とその生態、そして具体的な駆除方法を詳しく解説します。

オリーブアナアキゾウムシの駆除

オリーブ栽培における最重要害虫であり、被害が深刻化すると木を枯らしてしまうこともある恐ろしい存在です。

早期発見と迅速な対処が求められます。

生態と被害の見つけ方

成虫は体長1.5cmほどの黒褐色のゾウムシで、夜行性のため日中は株元の土中などに隠れています。

夜間に活動し、若い枝や葉を食害します。

しかし、最も警戒すべきは幼虫による被害です。成虫が幹の地際部に産み付けた卵から孵化した幼虫(テッポウムシ)が、幹の内部に侵入し、木質部を食い荒らします。

被害のサインは、株元の地面に「おがくず」のような木くず(フン)が落ちていることです。

これを見つけたら、すでに幼虫が内部にいる証拠です。

成虫と幼虫の効果的な駆除方法

成虫は夜間に懐中電灯で木を照らし、見つけ次第捕殺します。

揺すると下に落ちる習性を利用するのも良いでしょう。

幼虫の駆除は、木くずが出ている穴を見つけ、針金などを差し込んで刺殺するのが直接的な方法です。

また、園芸用の殺虫剤(スミチオン乳剤など)を穴に注入するのも効果的です。

予防策として、成虫が発生する春から秋にかけて、株元から高さ50cmほどの幹に殺虫剤を定期的に散布したり、防虫ネットや不織布を巻いたりして産卵を防ぎましょう。

ハマキムシ(ハマキガ)の駆除

ハマキムシは、蛾の幼虫で、オリーブの新芽や若葉に被害を与えます。

見た目にも悪影響を及ぼし、生育を阻害します。

生態と被害の見つけ方

体長1~2cmほどの小さなイモムシで、オリーブの新芽や葉を糸で綴り合わせて巣を作ります。

葉が不自然に丸まっていたり、数枚の葉がくっついていたりしたら、中にハマキムシの幼虫が潜んでいる可能性が高いです。

幼虫は巣の中から葉を食害するため、放置すると新梢の伸長が止まり、樹形が乱れる原因となります。

薬剤を使わない駆除と農薬散布

被害が少ない初期段階であれば、薬剤を使わずに駆除するのが最も簡単で確実です。

綴られた葉を見つけたら、葉ごと指で押しつぶすか、摘み取って処分してください。

被害が広範囲に及んでいる場合や、手が届かない高所の場合は、浸透移行性のある殺虫剤(葉の内部まで薬剤が浸透するタイプ)が有効です。

ベニカXファインスプレーなど、適用のある薬剤を使用しましょう。

カイガラムシ類の駆除

カイガラムシは、種類が多く、樹液を吸ってオリーブを弱らせるだけでなく、すす病の原因にもなる厄介な害虫です。

生態と被害の見つけ方

枝や幹、葉に固着し、植物の汁を吸います。

白い綿のようなロウ物質で覆われた「ワタフキカイガラムシ」や、茶色く硬い殻を持つ「カタカイガラムシ」などが代表的です。

大量に発生すると樹勢が著しく低下します。

また、カイガラムシの排泄物は糖分を含んでおり、それを栄養源として黒いカビが発生する「すす病」を誘発します。

物理的な駆除と薬剤散布の時期

成虫は硬い殻やロウ物質で覆われているため、薬剤が効きにくいです。

そのため、数が少ないうちは、使い古しの歯ブラシやヘラなどでこすり落とす物理的な駆除が基本となります。

広範囲に発生している場合は、幼虫が孵化して動き回る時期(主に5月~7月頃)を狙って薬剤を散布するのが最も効果的です。

この時期には、マシン油乳剤を散布すると、幼虫を窒息させて駆除できます。

>>放置は危険!カイガラムシの駆除業者、費用を安く抑えるコツと探し方

スズメガ(セスジスズメなど)の駆除

スズメガの幼虫は巨大なイモムシで、驚異的な食欲でオリーブの葉をあっという間に食べ尽くしてしまいます。

体長は7~9cmにもなり、緑色や褐色の体に特徴的な模様があります。

尾に一本のツノがあるのが目印です。

食欲が非常に旺盛で、一晩で枝の葉を丸裸にされてしまうこともあります。

体が大きい分、フンも大きく黒いので、株元に大きなフンが落ちていたら、近くに幼虫がいるサインです。

幼虫はサイズが大きいため、見つけ次第、割り箸などで捕まえて駆除するのが最も手っ取り早い方法です。

数が多くて捕殺しきれない場合は、BT剤(生物農薬)や汎用的な園芸用殺虫剤を散布してください。

アブラムシ類の駆除

アブラムシは、新芽や若い葉に群生し、樹液を吸って生育を阻害する代表的な害虫です。

体長2~4mmほどの小さな虫で、緑色や黒褐色など様々な色をしています。

主に春から初夏、秋に発生しやすく、新梢の先端や葉の裏にびっしりと群がります。

吸汁によって葉が縮れたり、生育が悪くなったりするほか、ウイルス病を媒介したり、排泄物がすす病を誘発したりと二次的な被害も引き起こします。

発生初期であれば、粘着テープで貼り付けて取る、牛乳をスプレーして乾かしてから洗い流すといった方法も有効です。

大量に発生した場合は、オリーブに適用のある殺虫剤を散布して駆除しましょう。

>>【即効】大量のアブラムシ駆除に!業者をオススメする理由と知らないと損する退治法と予防策

ハダニ類の駆除

ハダニは非常に小さく肉眼での確認が難しいですが、高温で乾燥した環境を好み、爆発的に増殖することがあります。

体長0.5mm程度と非常に小さく、主に葉の裏に寄生して汁を吸います。

被害を受けると、葉の表面に針で刺したような白い小さな斑点が無数に現れ、やがて葉全体が白っぽくかすり状になります。

被害が進行すると葉が枯れ落ち、樹勢が大きく低下します。

ハダニは水に弱いため、予防策として定期的に葉の裏にも水をかける「葉水」が有効です。

発生してしまった場合は、殺ダニ剤を使用します。

ハダニは世代交代が早く、同じ薬剤を使い続けると抵抗性を持つことがあるため、作用の異なる複数の薬剤をローテーションで使用するのがおすすめです。

オリーブの害虫駆除に使う薬剤選びと安全な使い方

オリーブの木に害虫が大量発生してしまった場合、薬剤(農薬)の使用は非常に効果的な手段です。

しかし、種類が多くどれを選べば良いか迷う方も少なくありません。また、安全に使うための知識も不可欠です。

ここでは、初心者でも扱いやすい薬剤から、環境に配慮したオーガニックなもの、そして散布時の注意点までを詳しく解説します。

大切なオリーブの木を守るため、正しい知識を身につけましょう。

初心者でも使いやすいおすすめの殺虫剤

初めて薬剤を使う方や、手軽に害虫駆-除をしたい方には、購入後すぐに使えるスプレータイプの殺虫剤がおすすめです。

希釈する手間がなく、気になった時にすぐ散布できます。

幅広い害虫に効果がある「総合殺虫剤」を選ぶと、害虫の種類を特定しきれない場合でも対応しやすいでしょう。

代表的な製品としては、住友化学園芸の「ベニカXネクストスプレー」が挙げられます。

この薬剤はアブラムシやハマキムシ、カイガラムシなどオリーブに発生しやすい多くの害虫に効果があるだけでなく、うどんこ病などの病気にも対応しているため、1本で病害虫の対策が可能です。

また、株元に撒くだけで効果が持続する「粒剤」タイプも便利です。

例えば、「オルトランDX粒剤」は浸透移行性という性質を持ち、根から吸収された有効成分が植物全体に行き渡ることで、葉や枝についた害虫を駆除します。

効果が1ヶ月ほど持続するため、散布の手間を減らしたい方に向いています。

ただし、効果が現れるまでに少し時間がかかる点には注意が必要です。

薬剤を使用する際は、必ず商品のラベルを確認し、「オリーブ」が適用作物として登録されているかを確認してください。

登録のない農薬を使用することは、農薬取締法で禁止されています。

>>プロが選ぶ害虫別のオススメ撃退(駆除)グッズ!置くだけ・スプレー徹底比較

食品成分由来などオーガニックな害虫駆除剤

小さなお子様やペットがいるご家庭や、できるだけ化学農薬を使わずにオリーブを育てたいという方には、食品成分や天然由来の成分を使用したオーガニックな薬剤が選択肢となります。

これらの薬剤は環境への負荷が少なく、安心して使いやすいのが特長です。

例えば、デンプンを主成分とする「粘着くん液剤」のような物理的に作用する薬剤があります。

これは、散布するとデンプンの膜が害虫を覆い、気門(呼吸するための穴)を塞いで窒息させる仕組みです。

薬剤への抵抗性がつきにくいというメリットもあります。

アブラムシやハダニなど、体の小さい害虫に特に効果的です。

また、ヤシ油や菜種油などから作られる脂肪酸グリセリドを有効成分とする薬剤(例:アース製薬の「アーリーセーフ」)も人気です。

これらは食品添加物としても利用される安全性の高い成分で、アブラムシやハダニに効果を発揮します。

収穫前日まで使用できる製品が多いのも嬉しいポイントです。

冬の間にカイガラムシ対策として使用される「マシン油乳剤」も、有機JAS規格(オーガニック栽培)で使用が認められている薬剤の一つです。

これは、越冬中のカイガラムシを油膜で覆って窒息させるもので、休眠期(12月~2月頃)に散布するのが一般的です。

ただし、新芽が出ている時期に使うと薬害が出ることがあるため、使用時期には注意が必要です。

これらのオーガニックな薬剤は、化学合成農薬に比べて効果が穏やかであったり、害虫に直接かからないと効果がなかったりする場合があるため、発生初期にこまめに散布することが駆除成功の鍵となります。

薬剤散布の時期と注意点

薬剤の効果を最大限に引き出し、安全に使用するためには、散布するタイミングと方法が非常に重要です。

以下のポイントを守って、正しく薬剤を使いましょう。

まず、散布に最適な時期は、害虫が活動を始める春(3月~5月)と、再び活発になる秋(9月~10月)です。

特に新芽や若い葉は害虫の被害に遭いやすいため、予防的に散布するのも効果的です。

散布する時間帯は、日中の高温時を避けた早朝か夕方の涼しい時間帯が適しています。

気温が高い時に散布すると、薬剤がすぐに蒸発して効果が薄れたり、葉にシミができる「薬害」の原因になったりします。

散布当日の天候も重要です。風が強い日は薬剤が飛散してしまい、自分や近隣にかかる危険があるため避けましょう。

また、散布後すぐに雨が降ると薬剤が流されてしまうため、天気予報を確認し、数日間晴れが続く日を選ぶのが理想です。

薬剤を散布する際は、以下の安全対策を徹底してください。

  • 長袖・長ズボン、マスク、ゴーグル、農薬用の手袋を着用し、薬剤が皮膚や目、口に入らないように保護する。
  • 商品のラベルに記載された希釈倍率や使用回数、使用時期などの指示を必ず守る。
  • 葉の裏や枝の付け根など、害虫が隠れやすい場所にもムラなく薬剤がかかるように丁寧に散布する。
  • 風下には人やペット、洗濯物、池などがないことを確認し、周囲に配慮する。
  • 使い残した希釈液は保管せず、その日のうちに使い切る。空の容器は自治体の指示に従って適切に処分する。

これらの注意点を守ることが、ご自身の安全とオリーブの木の健康、そして周辺環境を守ることに繋がります。

正しい知識を持って、適切に薬剤を活用しましょう。

もう悩まない オリーブの害虫を発生させないための予防策

オリーブの木を悩ませる害虫たち。

一度発生してしまうと駆除には手間と時間がかかります。

しかし、実は害虫被害の多くは、日々のちょっとした管理で防ぐことが可能です。

薬剤に頼る前に、まずは害虫が発生しにくい環境を整える「予防」に力を入れましょう。

ここでは、誰でも今日から始められる、効果的な害虫予防策を4つのポイントに分けて詳しく解説します。

剪定による風通しの改善

害虫や病気の多くは、湿気が多く風通しの悪い場所を好みます。

特にカイガラムシやアブラムシ、そしてそれらの排泄物を原因とするすす病は、密集して蒸れやすい環境で発生しやすくなります。

そこで重要になるのが「剪定」です。

オリーブの枝葉が混み合っていると、株の内部まで日光が届かず、風も通り抜けにくくなります。

これにより湿気がこもり、害虫にとって格好の住処となってしまうのです。

剪定の目的は、不要な枝を整理して、樹全体の風通しと日当たりを良くすることにあります。

剪定の主な時期は、本格的な成長が始まる前の2月下旬から3月頃です。

この時期に、内側に向かって伸びる「内向枝」や、他の枝と交差している「交差枝」、枯れてしまった枝などを付け根から切り落としましょう。

また、梅雨前や夏場に枝葉が茂りすぎていると感じたら、軽い「間引き剪定」を行うのも効果的です。

樹の中心部まで光と風が通るように意識するだけで、害虫の発生リスクを大幅に減らすことができます。

毎日の観察で早期発見

害虫対策の鉄則は「早期発見・早期駆除」です。どんなに予防策を講じても、害虫の侵入を100%防ぐことは困難です。

しかし、発生初期の段階で発見できれば、被害が広がる前に簡単に対処できます。

  • 葉の裏:ハダニやアブラムシ、カイガラムシの幼虫などが潜んでいることが多い場所です。
  • 新芽や若い葉:アブラムシやハマキムシの幼虫は、柔らかい新芽を好んで食害します。
  • 枝の分岐点:カイガラムシが固着しやすいポイントです。
  • 幹の根元(株元):オリーブアナアキゾウムシの侵入サインである木くずやおがくずのようなものが出ていないか確認しましょう。

もし数匹の害虫を見つけたら、すぐに歯ブラシでこすり落としたり、粘着テープで取り除いたりしましょう。

数が少ないうちなら、薬剤を使わずに物理的な方法だけで十分に対応可能です。

日々の小さな観察が、大切なオリーブの木を深刻な被害から守る最も確実な方法です。

株元を清潔に保つ

見落としがちですが、オリーブの木の「株元」の環境管理も害虫予防において非常に重要です。

株元に雑草が生い茂っていたり、落ち葉が積もっていたりすると、そこが害虫の隠れ家や越冬場所になってしまいます。

特に、オリーブにとって致命的な被害をもたらすオリーブアナアキゾウムシは、日中は株元の雑草や落ち葉の下に隠れ、夜になると幹に登って産卵することがあります。

株元を常に清潔に保ち、害虫が隠れる場所をなくすことが、産卵を防ぐための有効な対策となります。

定期的に株元の雑草を取り除き、落ち葉や枯れ枝はこまめに掃除しましょう。

これにより、害虫の隠れ家を奪うだけでなく、風通しが良くなり、株元が蒸れるのを防ぐ効果もあります。

ウッドチップなどでマルチングをする場合も、害虫の温床にならないよう、厚く敷きすぎないように注意し、定期的に状態を確認することが大切です。

適切な水やりと施肥で健康な株を育てる

植物も人間と同じで、健康な体は病気や害虫に対する抵抗力が高まります。

弱々しく育った株は、害虫にとって格好のターゲットになってしまいます。

オリーブの木そのものを健康に育てることが、究極の害虫予防策と言えるでしょう。

まず基本となるのが「水やり」です。

オリーブは乾燥に強い植物ですが、水切れを起こすとストレスで株が弱ります。

特に鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えるのが基本です。

ただし、常に土が湿っている状態は根腐れの原因となり、かえって株を弱らせるため、水のやりすぎには注意してください。

次に重要なのが「施肥」です。

オリーブの生育期である3月、6月、10月頃に、適切な量の肥料を与えましょう。

ここで注意したいのが「窒素過多」です。

窒素成分の多い肥料を与えすぎると、葉や枝ばかりが茂り、組織が軟弱になります。

このような柔らかい部分はアブラムシなどの吸汁性害虫に狙われやすくなります。

リン酸やカリウムもバランス良く含まれた、オリーブ専用肥料や果樹用肥料を選ぶのがおすすめです。

適切な管理で健康な株を育て、害虫が寄り付きにくい強いオリーブの木を目指しましょう。

まとめ

本記事では、大切なオリーブの木を害虫から守るための具体的な方法を、症状の見分け方から害虫別の駆除方法、予防策まで網羅的に解説しました。

オリーブに発生する害虫対策で最も重要な結論は、「日々の観察による早期発見」と「発生させないための予防」に尽きます。

葉が食べられていたり、幹に木くずが出ていたりといった異常は、害虫からの危険信号です。

まずはそのサインを見逃さず、原因となっている害虫を正しく特定することが、適切な対処への第一歩となります。

特にオリーブアナアキゾウムシは、放置すると木を枯らしてしまう最も警戒すべき害虫です。

見つけ次第、徹底的に駆除する必要があります。

駆除には薬剤も有効ですが、種類ごとに効果的な方法や散布時期が異なります。

初心者向けの薬剤や食品成分由来の安全なものもあるため、状況に応じて適切に選び、使用上の注意を必ず守りましょう。

しかし、何よりも効果的なのは、害虫を寄せ付けない環境を作ることです。

剪定で風通しを良くし、株元を清潔に保つといった日頃の管理が、結果的に薬剤の使用を減らし、オリーブを健康に保つ最善の策となります。

この記事で得た知識を実践し、あなたのオリーブを元気に育ててください。