ソウシチョウの鳴き声や糞害、農作物への被害にお困りではありませんか。
特定外来生物であるソウシチョウは、法律により許可なく個人で捕獲・駆除することが禁じられています。
安易な個人での対応は罰則の対象となるため危険です。
この記事では、自分でできる対策から、駆除を専門業者に依頼する際の費用相場や注意点、行政への相談方法まで、ソウシチョウ問題を安全かつ確実に解決するための知識を徹底解説します。
目次
ソウシチョウはどんな鳥?特定外来生物としての危険性
自宅の庭や近所の公園で、鮮やかな羽を持つ美しい鳥を見かけて心惹かれた経験はありませんか?もしその鳥が「ソウシチョウ」だとしたら、注意が必要です。
ソウシチョウは、その美しい見た目とは裏腹に、日本の生態系に深刻な影響を及ぼす「特定外来生物」に指定されています。
この章では、まずソウシチョウがどのような鳥で、なぜ危険視されているのかを詳しく解説します。
ソウシチョウの生態と見分け方
ソウシチョウ(相思鳥)は、スズメ目チメドリ科に分類される鳥で、大きさはスズメとほぼ同じ約14〜15cmです。
中国南部からヒマラヤにかけての地域が原産で、日本には本来生息していませんでした。
ペットとして輸入されたものがカゴから逃げ出したり、放たれたりして野生化し、日本各地に定着しています。
最大の特徴は、その名の通りオスとメスが寄り添うように仲睦まじい様子と、非常にカラフルな羽の色です。
全体的にオリーブ色で、喉から胸にかけては鮮やかな黄色からオレンジ色、目の周りも黄色く、クチバシは赤色をしています。
翼には黄色と赤の模様があり、他の野鳥と比べても非常に目立ちます。
見た目が似ている鳥としてメジロやウグイスが挙げられますが、簡単に見分けることができます。
メジロは目の周りが白い輪になっていますが、ソウシチョウは黄色です。
また、ウグイスは全体的に地味な鶯色ですが、ソウシチョウは前述の通り非常にカラフルなため、間違うことは少ないでしょう。
繁殖期は春から夏で、笹藪などの低い場所に巣を作り、一度に3〜5個の卵を産むなど、高い繁殖力を持っています。
なぜ危険?特定外来生物に指定された理由
ソウシチョウは、2005年に施行された「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」に基づき、「特定外来生物」に指定されています。
特定外来生物とは、もともと日本にいなかった海外由来の生物のうち、日本の生態系、人の生命・身体、農林水産業へ悪影響を及ぼす、またはその恐れがある侵略的な生物のことです。
特定外来生物に指定されると、法律によって飼育、栽培、保管、運搬、輸入、そして野外へ放つことなどが原則として禁止されます。
ソウシチョウが指定された主な理由は、その旺盛な繁殖力と適応能力の高さから分布を急速に拡大させ、日本の在来種や生態系全体に大きな脅威を与えているためです。
美しい鳥だからといって、安易に餌付けをしたり保護したりすることは、かえって生態系の破壊を助長してしまう行為になるのです。
より詳しくは、環境省のウェブサイトで確認できます。
参考:環境省 日本の外来種対策
ソウシチョウが引き起こす具体的な被害とは
ソウシチョウが引き起こす被害は、生態系への影響から私たちの生活に直結する問題まで多岐にわたります。
具体的にどのような被害が報告されているのかを見ていきましょう。
生態系への影響
ソウシチョウによる最も深刻な被害が、生態系への影響です。
特に、ウグイスやメジロ、シジュウカラといった日本の在来種と、生息環境や食べ物が競合します。
ソウシチョウは非常に攻撃的で、群れで行動することから、在来種を追い払って餌場や営巣場所を独占してしまうことがあります。
特にウグイスとは好む環境が似ているため、ソウシチョウが増えた地域ではウグイスが減少したという報告もあり、地域の生態系バランスを崩す大きな要因となっています。
農作物や家庭菜園への被害
ソウシチョウは雑食性で、昆虫類だけでなく果実や花の蜜も好んで食べます。
そのため、農家が栽培する果樹や、家庭菜園で育てている作物への食害が問題となっています。
特に、カキ、ミカン、イチゴ、ブルーベリーといった甘い果実や、トマトなどの野菜が被害に遭いやすいです。
群れで飛来して畑を荒らすため、被害が広範囲に及ぶことも少なくありません。
鳴き声による騒音や糞害
ソウシチョウは「日本の侵略的外来種ワースト100」に選定されていますが、一方でその美しい鳴き声から「日本三鳴鳥」になぞらえられることもあります。
しかし、その声量が非常に大きく、特に繁殖期には早朝から大きな声でさえずり続けるため、近隣住民にとっては深刻な騒音被害となります。
また、住宅のベランダや手すり、駐車している車、干している洗濯物などに糞を落とされる糞害も各地で報告されており、美観を損なうだけでなく衛生面でも問題となっています。
ソウシチョウの駆除は法律違反?鳥獣保護管理法と外来生物法
自宅の庭やベランダでソウシチョウを見かけた際、「うるさいから追い払いたい」「被害が出ているから駆除したい」と考える方もいるかもしれません。
しかし、ソウシチョウは法律によって保護・規制されている鳥であり、個人が許可なく捕獲や駆除を行うことは固く禁じられています。
この章では、ソウシチョウの駆除に関する法律の規制と、違反した場合の罰則について詳しく解説します。
原則として無許可での捕獲や駆除は禁止
ソウシチョウの取り扱いには、主に「鳥獣保護管理法」と「外来生物法」という2つの法律が大きく関係してきます。
これらの法律により、個人が勝手にソウシチョウを捕まえたり、殺傷したりすることはできません。
まず、ソウシチョウは「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」で保護される「鳥獣」にあたります。
この法律では、一部の狩猟鳥獣を除き、すべての野生鳥獣を許可なく捕獲・殺傷することが禁止されています。
ソウシチョウは狩猟鳥獣ではないため、たとえ狩猟免許を持っていても、自由に捕獲することは違法行為となります。
さらに、ソウシチョウは「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」において、「特定外来生物」に指定されています。
この法律は、生態系や農林水産業に深刻な被害を及ぼす、あるいはその恐れのある外来生物の拡散を防ぐためのものです。
外来生物法では、特定外来生物の飼育、栽培、保管、運搬、販売、譲渡し、輸入といった行為が原則として禁止されています。
「駆除」は外来生物法が目指す「防除」の一環ですが、これも国や自治体が計画を立て、専門家が適切な手続きを踏んで行うものです。
したがって、一般の人が許可なくソウシチョウを捕獲する行為は鳥獣保護管理法に、そして捕獲した個体を生きたまま移動させる(運搬する)行為は外来生物法に抵触する可能性が非常に高いのです。
違反した場合の罰則について
もし法律に違反して無許可でソウシチョウの捕獲や駆除、運搬などを行った場合、厳しい罰則が科せられる可能性があります。
軽い気持ちで行った行為が、深刻な結果を招くことを知っておかなければなりません。
具体的には、以下のような罰則が定められています。
- 鳥獣保護管理法違反:許可なく鳥獣を捕獲・殺傷した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。
- 外来生物法違反:許可なく特定外来生物を飼育・保管・運搬したり、野外へ放ったりした場合、個人の場合は3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。
例えば、庭に仕掛けた罠でソウシチョウを捕獲する行為は鳥獣保護管理法違反となり、その捕まえたソウシチョウを別の場所に運んで放す行為は外来生物法違反に問われる恐れがあります。
このように、ソウシチョウの駆除は法律によって厳しく管理されており、個人による安易な対応は絶対に避けるべきです。
被害にお困りの場合は、必ず専門の駆除業者や自治体の担当窓口に相談するようにしてください。
ソウシチョウの駆除を自分で行う方法と限界
自宅の庭やベランダにソウシチョウが飛来し、被害に悩んでいる方の中には「自分でどうにかできないか」と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、結論から言うと、特定外来生物であるソウシチョウを個人が無許可で捕獲・駆除することは法律で固く禁じられています。
この章では、ご自身で合法的にできる対策と、なぜ自分で駆除してはいけないのか、その限界について詳しく解説します。
自分でできるソウシチョウを寄せ付けないための対策
ソウシチョウの捕獲や殺傷はできませんが、お庭や敷地内に「ここは居心地が悪い場所だ」と認識させ、近寄らせないようにする対策はご自身でも行うことができます。
被害を未然に防いだり、軽減させたりするために、以下の方法を試してみましょう。
餌付けをしない・餌場をなくす
ソウシチョウが飛来する最も大きな原因は、そこに餌があるからです。
意図的に餌付けをすることは絶対にやめましょう。また、意図せず餌場を作ってしまっているケースも少なくありません。
以下のような点に注意し、ソウシチョウの餌となるものを徹底的に排除することが重要です。
- ペットの餌(犬や猫のフードなど)を屋外に放置しない。
- 生ゴミは蓋付きのゴミ箱にしっかりと密閉し、カラスや他の動物に荒らされないように管理する。
- 庭木の果実(カキ、ベリー類など)は、熟したら早めに収穫する。放置すると鳥たちの格好の餌場になります。
- 家庭菜園の野菜や果物も、収穫時期を逃さないようにしましょう。
餌がないとわかれば、ソウシチョウがその場所に執着する理由がなくなり、自然と飛来する回数が減っていきます。
防鳥ネットやワイヤーで侵入を防ぐ
物理的に侵入を防ぐ方法は、非常に効果的です。
特に家庭菜園やベランダなど、被害を受ける範囲が限定的な場合に有効です。
防鳥ネット:家庭菜園や果樹全体を覆うように設置します。
ソウシチョウはスズメほどの大きさ(体長約14cm)なので、20mm以下の網目の細かいネットを選びましょう。
ネットを設置する際は、隙間ができないように地面や壁にしっかりと固定することがポイントです。
隙間があると、賢い鳥はそこから侵入してしまいます。
防鳥ワイヤー(テグス):ベランダの手すりや塀の上など、ソウシチョウがよく止まる場所に、数cm間隔でワイヤーやテグス(釣り糸)を張る方法です。
鳥は羽がワイヤーに触れることを嫌うため、その場所を避けるようになります。景観を損ねにくいというメリットもあります。
光るものや天敵の模型で追い払う
鳥の警戒心を利用して追い払う方法です。
ただし、鳥が慣れてしまうと効果が薄れるため、あくまで一時的な対策、あるいは他の対策との併用が推奨されます。
光るもの:CDやアルミホイルを短冊状にしたものなどを吊るし、太陽光を反射させて鳥の目を眩ませる方法です。
風で揺れて不規則な光を放つことで、鳥を警戒させます。
天敵の模型:ソウシチョウの天敵であるフクロウ、タカ、ヘビなどの模型や、目玉模様の風船などを設置します。
効果を持続させるためには、鳥に「偽物だ」と見破られないように、時々設置場所を変えるなどの工夫が必要です。
自分で捕獲や駆除を行うのは現実的ではない理由
ソウシチョウを寄せ付けない対策を講じても被害が収まらない場合、捕獲や駆除を考えたくなるかもしれません。
しかし、個人でソウシチョウの捕獲・駆除を行うことは、法律、技術、安全性の観点から極めて非現実的であり、絶対に行うべきではありません。
第一に、最も大きな理由は法律の壁です。
ソウシチョウは「外来生物法」における特定外来生物であると同時に、「鳥獣保護管理法」の対象動物でもあります。
これらの法律により、学術研究などの特別な目的で国の許可を得た場合を除き、生きたままの運搬、飼育、そして無許可での捕獲や殺傷が厳しく禁止されています。
違反した場合は重い罰則(個人の場合、最大で3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金など)が科される可能性があります。
第二に、技術的な難易度の高さが挙げられます。ソウシチョウは非常に警戒心が強く、動きも素早いため、素人が罠や網を仕掛けても捕獲することは困難です。
専門的な知識や経験がなければ、時間と労力を無駄にするだけでなく、鳥を警戒させてしまい、その後の専門業者による駆除をより難しくしてしまう可能性もあります。
最後に、安全性の問題です。
野生の鳥類は、人体に有害な病原菌やダニ・ノミなどの寄生虫を保有していることがあります。
知識なく捕獲しようとすると、噛まれたり引っ掻かれたりするだけでなく、感染症のリスクにも晒されることになり大変危険です。
これらの理由から、ソウシチョウの捕獲や駆除は絶対に自分で行わず、必ず専門の業者や自治体に相談するようにしてください
ソウシチョウの駆除は業者に依頼するのがオススメ!
ソウシチョウの駆除や対策について解説してきましたが、結論から言うと、専門の駆除業者に依頼するのが最も安全かつ確実な方法です。
前の章で述べたように、ソウシチョウは「特定外来生物」であり、同時に「鳥獣保護管理法」の対象でもあるため、法律で厳しく規制されています。
無許可で捕獲や駆除を行うと、重い罰則が科される可能性があります。
専門業者はこれらの法律を遵守し、適切な許可を得た上で作業を行うため、法的なリスクを心配する必要がありません。
ここでは、業者に依頼するメリットや費用、信頼できる業者の選び方について詳しく解説します。
駆除業者に依頼するメリットとデメリット
専門業者への依頼には多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。
両方を理解した上で、ご自身の状況に合った最適な方法を選択しましょう。
【メリット】
- 法律を遵守した安全な駆除:最大のメリットは、外来生物法や鳥獣保護管理法といった複雑な法律をクリアして、合法的に駆除を行ってくれる点です。面倒な行政への許可申請などを代行してくれる業者も多く、依頼者は法を犯す心配がありません。
- 高い専門性と確実性:プロの業者はソウシチョウの生態や習性を熟知しています。そのため、効果的な捕獲や追い払いはもちろん、巣の撤去から糞の清掃・消毒、そして最も重要な再発防止策まで、一貫して高いクオリティで対応してくれます。
- 時間と手間の節約:自分で対策を行う場合、情報収集から道具の準備、実際の作業まで多くの時間と労力がかかります。業者に任せれば、これらの手間をすべて省くことができ、精神的な負担も大きく軽減されます。
- 安全性の確保:巣が屋根や高所にある場合、個人での作業は転落などの危険を伴います。専門業者は高所作業にも慣れており、安全装備を整えた上で作業を行うため安心です。
【デメリット】
- 費用がかかる:当然ですが、専門家に依頼するため費用が発生します。被害の規模や対策内容によっては、高額になるケースもあります。
- 業者選びの手間:残念ながら、中には高額な請求をしたり、ずさんな作業をしたりする悪質な業者も存在します。信頼できる優良な業者を見極める手間が必要です。
このようにデメリットもありますが、ソウシチョウによる被害を根本的に解決し、法的なリスクを回避するためには、業者への依頼が最も賢明な選択と言えるでしょう。
ソウシチョウ駆除の費用相場はいくら?
ソウシチョウの駆除にかかる費用は、被害の状況や建物の構造、作業内容によって大きく変動するため、一概に「いくら」と断定することは困難です。
しかし、一般的な害鳥駆除の料金体系から、おおよつの相場を把握することは可能です。
費用の内訳は、主に「基本料金」「作業費」「材料費」「出張費・諸経費」などで構成されます。
具体的な費用を左右する主な要因は以下の通りです。
- 被害の規模:ソウシチョウの数、巣の数や場所
- 作業の難易度:高所作業の有無、足場の設置が必要かどうか
- 作業内容:追い払いのみか、捕獲・巣の撤去、清掃・消毒まで行うか
- 再発防止策の範囲:防鳥ネットやワイヤーを設置する面積
あくまで目安ですが、簡単な追い払いや巣の撤去のみであれば3万円~8万円程度、糞の清掃や消毒を含む本格的な駆除作業では5万円~15万円程度が相場となることが多いようです。
広範囲に防鳥ネットを設置するなど、大規模な再発防止策を行う場合は20万円以上になることもあります。
正確な費用を知るためには、必ず複数の業者から見積もりを取り、料金と作業内容を比較検討することが重要です。
その際、見積もりが無料であるかも確認しておきましょう。
信頼できる駆除業者の選び方と注意点
安心して任せられる優良な業者を選ぶためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
以下の点を必ず確認し、慎重に業者を選びましょう。
行政の許可や資格を持っているか確認する
ソウシチョウの捕獲には、原則として法律に基づいた許可が必要です。
業者が「鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等の許可」を自治体から得ているか、またはその手続きを適切に行えるかを確認しましょう。
また、特定外来生物の防除に関する知識や実績があるかも重要な判断基準です。
環境省のウェブサイトで、特定外来生物に関する情報を確認しておくのも良いでしょう。
加えて、「狩猟免許」や、高所作業が必要な場合は「高所作業車運転技能講習」などの関連資格を保有しているスタッフが在籍しているかも、技術力と安全性を測る上で参考になります。
見積もりが明確で追加料金がないか
信頼できる業者は、現地調査を行った上で詳細な見積書を提示してくれます。
見積書に「作業内容」「使用する資材」「人件費」「出張費」などの内訳が具体的に記載されているかを確認しましょう。
「作業一式」といった曖昧な表記しかない場合は注意が必要です。
また、「見積もり以上の追加料金は発生しない」と明記されているか、あるいは追加料金が発生する可能性のあるケースについて事前に丁寧な説明があるかどうかも、優良業者を見極める重要なポイントです。
実績や口コミを参考にする
業者の公式サイトで、ソウシチョウを含む害鳥駆除の施工実績を確認しましょう。
写真付きで具体的な事例が紹介されていると、より信頼できます。
また、GoogleマップのレビューやSNS、口コミサイトなど、公式サイト以外の第三者からの評価も参考にしましょう。
ただし、特定の情報源だけを鵜呑みにせず、複数の情報を総合的に判断することが大切です。
良い口コミだけでなく、悪い口コミにどのように対応しているかを見るのも一つの方法です。
駆除業者への依頼から作業完了までの流れ
実際に駆除業者に依頼する場合、一般的に以下のような流れで進みます。
事前に流れを把握しておくと、スムーズに相談を進めることができます。
- 問い合わせ・相談:まずは電話やウェブサイトの問い合わせフォームから、被害の状況(鳥の種類、場所、被害内容など)を伝えて相談します。この段階で、おおよその料金や対応エリアを確認できます。
- 現地調査と見積もり:業者の担当者が実際に現地を訪れ、被害状況を詳細に確認します。建物の構造や周辺環境を調査した上で、最適な駆除方法と再発防止策を提案し、詳細な見積書を作成します。
- 契約:提示された見積もりの内容や作業計画に納得できれば、正式に契約を結びます。作業日時や支払い方法などをこの時に確定させます。
- 駆除・対策作業の実施:契約内容に基づき、専門スタッフが駆除作業(追い払い、捕獲、巣の撤去など)や再発防止策(防鳥ネットの設置など)を実施します。作業中は近隣への配慮も行われます。
- 清掃・消毒:鳥の糞や巣の残骸があった場所は、感染症のリスクをなくすために徹底的に清掃し、専用の薬剤で消毒作業を行います。
- 作業完了報告と支払い:すべての作業が完了したら、業者から作業内容についての報告を受けます。仕上がりを確認し、問題がなければ料金を支払います。
- アフターフォロー・保証:多くの優良業者は、施工後に保証期間を設けています。保証期間内に万が一被害が再発した場合の対応などを事前に確認しておくと、より安心です。
自治体はソウシチョウの駆除に対応してくれる?
ソウシチョウの被害にお悩みの場合、個人での対策や業者への依頼と並行して、お住まいの自治体に相談することも非常に重要です。
特定外来生物であるソウシチョウの防除は、個人だけの問題ではなく、地域全体で取り組むべき課題と位置づけられています。
自治体によっては、駆除に関する具体的な計画を策定していたり、有益な情報提供や支援を行っていたりする場合があります。
ここでは、自治体がどのようにソウシチョウ問題に対応しているのか、具体的な相談先や取り組みの事例について解説します。
まずは役所の担当窓口に相談を
自宅の庭や周辺でソウシチョウによる被害が発生した場合、まずはどこに相談すればよいのでしょうか。
一般的には、お住まいの市区町村役場の環境保全課、農林水産課、鳥獣対策担当課などが窓口となります。
どの部署が担当しているか分からない場合は、役所の代表電話に連絡し、「特定外来生物のソウシチョウの被害で困っている」と伝えれば、適切な部署につないでもらえます。
相談する際には、以下の情報をできるだけ具体的に伝えると、話がスムーズに進みます。
- 被害の具体的な内容(家庭菜園の食害、鳴き声による騒音、糞害など)
- ソウシチョウを目撃した場所、日時、おおよその数
- 被害が発生している範囲や頻度
- 可能であれば、スマートフォンなどで撮影した写真や動画
自治体によっては、直接的な駆除作業を行っていない場合もあります。
しかし、専門の駆除業者の紹介、被害対策に関するアドバイス、あるいは地域での防除計画の参考情報として被害状況を記録するなど、何らかの対応が期待できます。
個人で抱え込まず、まずは公的な機関に相談することが問題解決の第一歩です。
自治体による駆除計画や防除事業の事例
特定外来生物法では、国や地方公共団体、国民、事業者が一体となって外来種対策を進めることが定められています。
この法律に基づき、ソウシチョウの生息が深刻な問題となっている地域では、都道府県や市町村が主体となって「防除実施計画」を策定し、計画的な駆除を行っている事例があります。
これらの計画は、生態系への影響が大きい国立公園や鳥獣保護区などのエリアで優先的に実施されることが多いですが、住民からの被害報告が増加している地域でも策定が進んでいます。
具体的な取り組みの事例としては、以下のようなものがあります。
- 計画的な捕獲の実施:専門家や許可を得た事業者が、効果的な捕獲わなを設置し、継続的にソウシチョウを捕獲・駆除します。
- 生息状況の調査:鳴き声や目撃情報を基に、地域内のソウシチョウの生息密度や分布域を調査し、効果的な防除計画の策定に役立てます。
- 住民への情報提供と協力要請:広報誌やウェブサイト、説明会などを通じて、住民にソウシチョウの見分け方や生態、被害防止策(餌付けの禁止など)を周知し、目撃情報の提供を呼びかけます。
実際に、環境省や各自治体では防除計画を公開しています。
お住まいの地域で同様の取り組みが行われているか、一度確認してみることをお勧めします。
もし計画が進行中であれば、地域の防除活動に協力できる場合もあります。
まとめ
特定外来生物であるソウシチョウは、生態系や農作物への被害を引き起こしますが、鳥獣保護管理法により無許可での捕獲や駆除は法律で禁止されています。
個人でできる対策は追い払うことに限られ、根本的な解決は困難です。
そのため、ソウシチョウの被害にお悩みの場合は、ご自身で対処しようとせず、必ず行政の許可を得た専門の駆除業者やお住まいの自治体の担当窓口へ相談することが、安全かつ確実な解決への最善策と言えます。