鷹によるペットや農作物への被害にお悩みですか?実は、鷹は鳥獣保護管理法により許可なく捕獲・駆除することが禁止されています。
そのため、鷹の対策は「駆除」ではなく「追い払い」が基本です。
この記事を読めば、ご自身でできる追い払い対策から、専門業者に依頼する場合の費用相場、そして失敗しない優良業者の選び方まで、鷹被害を安全かつ確実に解決するための知識がすべてわかります。
目次
鷹による被害でお困りですか?具体的な被害事例
鋭いクチバシと爪を持つ猛禽類の鷹は、生態系の頂点に立つ鳥です。
その狩りの能力の高さゆえに、私たちの生活圏に現れた場合、深刻な被害をもたらすことがあります。
もしご自身の敷地内や周辺で鷹を見かけるようになったら、それは何らかの被害が発生する前兆かもしれません。
ここでは、実際に報告されている鷹による代表的な被害事例を具体的に解説します。
ペットや家畜が狙われる被害
鷹による被害の中でも、特に深刻なのがペットや家畜への襲撃です。
鷹は上空から獲物を探し、驚異的なスピードで急降下して捕獲します。
そのため、屋外で飼育しているペットや家畜は常に危険に晒されていると言えます。
具体的には、以下のような動物が被害に遭うケースが報告されています。
- ペット:小型犬(チワワ、トイプードルなど)、子猫、ウサギ、フェレット、モルモットなど
- 家畜:ニワトリ、アヒル、ウズラ、ヤギやヒツジの子供など
庭で遊ばせていた小型犬が攫われそうになった、放し飼いのニワトリが襲われてしまったという事例は後を絶ちません。
大切な家族の一員であるペットや、生活の糧である家畜を失うことは、計り知れない精神的・経済的苦痛を伴います。
鷹は獲物と認識すれば執拗に狙うため、一度被害に遭うと、安心して屋外に出すことすらできなくなってしまいます。
フン害や威嚇による生活への影響
鷹が建物や電柱などをねぐらや休憩場所として利用するようになると、フンによる被害や人間への威嚇行為が発生し、生活環境が悪化する恐れがあります。
フン害は、単に見た目が不衛生というだけではありません。
鷹のような大型の鳥のフンは量が多く、強い酸性を含んでいるため、建物の外壁、ベランダの床や手すり、屋外に駐車している自動車の塗装などを腐食させ、シミや劣化の原因となります。
また、ベランダに干した洗濯物が汚されることもあり、日常生活に直接的な支障をきたします。
さらに、鷹のフンには病原菌や寄生虫が含まれている可能性があり、乾燥して空気中に飛散したフンを吸い込むことで、アレルギーや感染症を引き起こす健康上のリスクも懸念されます。
また、特に繁殖期(春から初夏)の鷹は非常に神経質になり、巣の近くを通る人間を威嚇・攻撃することがあります。
頭上をかすめるように急降下してきたり、鋭い鳴き声をあげて威嚇されたりすることは、大きな精神的ストレスとなります。
小さなお子様や高齢者がいるご家庭では、思わぬ怪我につながる危険性もあり、安心して外出できないという問題に発展することもあります。
農作物や養魚場への経済的被害
鷹による被害は、農業や漁業を営む方々にとって死活問題となるケースも少なくありません。
農作物や養殖魚が直接的なターゲットとなり、大きな経済的損失につながります。
畑や果樹園では、収穫間近の果物(ブドウ、カキ、リンゴなど)や野菜が狙われます。
鷹がクチバシでついばむことで商品価値が失われ、出荷できなくなる被害が多発します。
広大な農地全体を完璧に監視することは難しく、対策が追いつかないのが現状です。
また、養魚場では、丹精込めて育てたニジマスやアユ、イワナなどが捕食されます。
特に、高価で取引される錦鯉が狙われた場合、その被害額は甚大なものになります。
鷹は一度獲物がいる場所を覚えると、何度も飛来して捕食を繰り返す習性があるため、被害が拡大しやすい傾向にあります。
こうした鳥獣による農作物被害は全国的な問題となっており、農林水産省の発表によると、鳥類によるものだけでも年間の被害額は数十億円にのぼります。
鷹による被害は、生産者の経営を直接圧迫する深刻な問題なのです。
注意 鷹の駆除は鳥獣保護管理法で原則禁止されています
鷹による被害に悩まされていると、「今すぐ駆除したい」というお気持ちになるかもしれません。
しかし、その前に必ず知っておかなければならない重要なことがあります。
それは、鷹を含むほとんどの野生鳥獣は法律によって手厚く保護されているという事実です。
鷹やトビ、オオタカといった猛禽類は、日本の生態系の頂点に位置する重要な存在です。
そのため、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」により、国からの許可なく捕獲したり殺傷したりすることが固く禁じられています。
ご自身の判断で安易に手を出してしまうと、思わぬトラブルや罰則につながる可能性があるため、まずは法律について正しく理解することが不可欠です。
この章では、鷹の対策を行う上での法的な注意点について詳しく解説します。
許可なく鷹を捕獲・殺傷すると罰則の対象に
鷹やその卵、ヒナを許可なく捕まえたり、傷つけたり、殺したりする行為は、鳥獣保護管理法に違反します。
この法律は、生物の多様性の確保や生活環境の保全などを目的としており、鷹もその保護対象に含まれています。
もし違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金という重い罰則が科される可能性があります。
これは、罠を仕掛けて捕獲する行為はもちろん、巣を撤去したり、卵を採取したりする行為も対象となります。
「自宅の敷地内だから大丈夫だろう」「被害が出ているのだから仕方ない」といった自己判断は通用しません。
たとえ被害に困っていても、法律で定められた手続きを踏まずに鷹を駆除・捕獲することは絶対に避けてください。
より詳しい法律の内容については、環境省のウェブサイトで確認することができます。
参考:鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(環境省)
鷹の対策は「駆除」ではなく「追い払い」が基本
法律で保護されているため、鷹を直接的に駆除することはできません。
では、被害を黙って受け入れるしかないのかというと、そうではありません。
鷹への対策の基本は「駆除(捕獲・殺傷)」ではなく、「追い払い(忌避)」です。
追い払いとは、鷹にとってその場所が「居心地の悪い場所」「危険な場所」「餌が取れない場所」であると学習させ、自ら寄り付かなくなるように仕向ける対策のことです。
物理的に侵入を防いだり、鷹が嫌がる光や音、天敵の模型などを使ったりして、鷹を傷つけることなく被害を未然に防ぎます。
この「追い払い」であれば、鳥獣保護管理法に抵触することなく、ご自身や専門業者が行うことが可能です。
被害を根本的に解決するためには、鷹を殺傷するのではなく、鷹が近寄ってこない環境を作ることが最も重要かつ合法的なアプローチとなります。
対策には自治体への相談や許可申請が必要な場合も
追い払い対策を講じても被害が改善されず、農作物への深刻な経済的損害や、人の生命・身体への危害が継続的に発生しているなど、極めて例外的なケースにおいては、有害鳥獣として捕獲の許可が下りる場合があります。
この許可申請は、お住まいの地域の市役所や町村役場の鳥獣対策担当部署(農林課や環境課など)が窓口となります。
ただし、許可を得るためには、被害の状況を証明する写真や記録、これまで講じてきた防除対策の内容など、詳細な資料の提出が求められます。
個人の住宅のベランダに巣を作られた、といったケースで捕獲許可が下りることはほとんどなく、そのハードルは非常に高いのが実情です。
まずは専門の駆除業者や、お住まいの自治体の担当窓口に相談し、どのような対策が適切かアドバイスを求めるのが賢明な判断と言えるでしょう。
専門家や行政と連携しながら、法律に則った正しい手順で対策を進めることが、問題を安全かつ確実に解決するための第一歩です。
業者に依頼する前に自分でできる鷹の追い払い対策
専門業者に依頼する前に、まずはご自身で試せる鷹の追い払い対策があります。
費用を抑えつつ、初期段階の被害に対応できる可能性があります。
ただし、これらの対策は鷹が慣れてしまうと効果が薄れる場合があるため、複数の方法を組み合わせたり、定期的に方法を変えたりする工夫が必要です。
ここで紹介する方法は、あくまで鷹を傷つけずに「追い払う」ことを目的としたものです。
鳥獣保護管理法を遵守し、鷹を傷つけることのないよう十分に注意してください。
防鳥ネットやワイヤーで物理的に侵入を防ぐ
鷹の侵入を防ぐ対策として、最も効果的で持続性が高いのが物理的な防御策です。
一度設置すれば、鷹が学習してその場所を避けるようになるため、長期的な効果が期待できます。
防鳥ネット
ベランダや家庭菜園、養魚場の水面など、特定の空間をすっぽりと覆うことで、鷹の侵入を完全にシャットアウトします。
鷹は翼を広げると1メートルを超える大型の鳥類であるため、ネットの網目は50mm角以下の、鳥が通り抜けられないサイズのものを選びましょう。素材はポリエチレン製など、耐久性・耐候性に優れたものがおすすめです。
設置する際は、柱や壁に隙間なく固定することが重要です。
隙間があると、そこから侵入されたり、鷹が絡まってしまったりする危険性があります。
防鳥ワイヤー(鳥よけワイヤー)
マンションの手すりやビルの屋上、看板の上など、鷹がよく止まる場所に設置します。
細いワイヤーを数段張ることで、鷹が羽を休めるための足場をなくし、止まることを物理的に妨げます。
設置が比較的簡単で、建物の美観を損ないにくいのがメリットです。
鷹が頻繁に飛来して休憩場所として利用している場合に特に効果を発揮します。
天敵の模型や目玉バルーンで威嚇する
鷹の視覚に訴えかけ、恐怖心や警戒心を煽って追い払う方法です。
設置が手軽な反面、鷹が「偽物」だと学習してしまう(慣れてしまう)と効果が薄れるため、設置場所を定期的に変えるなどの工夫が求められます。
天敵の模型
鷹は生態系の頂点に近いため明確な天敵は少ないですが、縄張り意識が非常に強い鳥です。
そのため、自分以外の猛禽類の存在を嫌います。
フクロウや、別の鷹の模型を設置することで、縄張りを荒らされることを警戒して近寄らなくなる効果が期待できます。
模型は、遠くから見ても本物と見間違えるような、リアルな形状・大きさのものを選びましょう。
風で首が動くタイプなどは、より効果的です。
同じ場所に長期間置きっぱなしにせず、数日おきに設置場所を変えることで、鷹の慣れを防ぎます。
目玉バルーン
鳥類の多くは、大きな丸い模様を「天敵の目」と認識して怖がる習性があります。
この習性を利用したのが、目玉模様が描かれた風船(目玉バルーン)です。
畑や果樹園の支柱、ベランダの物干し竿などに吊るしておくと、風で不規則に揺れ動くため、鷹に「監視されている」というプレッシャーを与え、警戒させることができます。
比較的安価で設置も簡単なので、他の対策と組み合わせて使用するのがおすすめです。
CDや超音波など光や音を利用した対策グッズ
鷹が嫌がる光や音を使って、その場所が「居心地の悪い危険な場所」だと認識させる方法です。
これも慣れが生じやすいため、他の対策との併用が効果的です。
また、音を発する対策は、近隣住民への配慮が不可欠です。
光を利用した対策グッズ
不要になったCDや、キラキラと光を乱反射させる防鳥テープ(ホログラムテープ)を吊るす方法は、手軽に試せる対策の代表例です。
太陽光が当たって不規則にキラキラと光ることで、鷹の目をくらませ、警戒心を煽ります。
風になびくように設置すると、光の動きが複雑になり、より高い効果が期待できます。
音を利用した対策グッズ
鳥が嫌がる特殊な音で追い払う装置もあります。
一つは、人間にはほとんど聞こえない超音波を発生させる「超音波発生装置」です。
ただし、製品によっては効果の範囲が限定的であったり、犬や猫などのペットがストレスを感じたりする可能性もあるため、使用には注意が必要です。
もう一つは、鷹の鳴き声や銃声などの威嚇音を出す「威嚇音発生装置」です。
こちらは効果が高い反面、周辺への騒音問題に発展するリスクがあります。
住宅密集地での使用は避け、農地や工場などで使用する場合も、作動させる時間帯や音量に十分配慮しましょう。
自分で対策を行う際の限界と注意点
ご自身で対策を行う際には、いくつかの限界と注意点があります。
これらを理解した上で、安全かつ効果的な対策を心がけましょう。
効果の持続性(慣れ)の問題
鷹は非常に賢い鳥です。模型や光、音による対策は、最初は効果があっても、それらが自分に危害を加えない「偽物」だと学習すると、次第に効果がなくなってしまいます。
効果を持続させるためには、複数の対策を組み合わせたり、設置場所をこまめに変えたりする工夫が不可欠です。
高所作業などの危険性
屋根の上や高層階のベランダに防鳥ネットを張る作業は、転落などの危険を伴います。
少しでも不安を感じる場合は、絶対に無理をせず、専門の業者に依頼してください。安全を最優先に考えることが大切です。
法律の遵守と鷹への配慮
最も重要な注意点は、鳥獣保護管理法の遵守です。鷹は法律によって保護されており、許可なく捕獲したり、傷つけたり、殺したりすることは固く禁じられています。
違反した場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
また、巣に卵やヒナがいる場合は、巣を撤去することもできません。追い払い対策を行う際は、鷹を傷つける可能性のある粘着シートや、体を縛ってしまうような罠の使用は絶対に避けてください。
詳しくは環境省のウェブサイトもご確認ください。
根本的な解決が難しいケース
ご自身での対策は、あくまで対症療法的な側面が強いです。
被害が広範囲に及ぶ場合や、鷹が餌場として強く執着している場合、個人の対策だけでは根本的な解決が難しいのが実情です。
様々な対策を試しても被害が改善しない場合は、被害が深刻化する前に、鳥害対策の専門知識と実績を持つ優良な業者へ相談することをおすすめします。
鷹の駆除(追い払い)を業者に依頼する費用相場
鷹の対策を専門業者に依頼する場合の費用は、被害の状況や建物の種類、対策の範囲によって大きく変動します。
そのため、一概に「いくら」と断言することは困難です。
しかし、おおよその料金相場を知っておくことで、業者から提示された見積もりが適正かどうかを判断する材料になります。
ここでは、料金の内訳や被害場所別の費用相場、追加料金が発生するケースについて詳しく解説します。
鷹対策の費用は何で決まる?料金の内訳
専門業者に依頼する鷹対策の費用は、主に以下の項目を組み合わせて算出されます。
見積もりを確認する際は、どの項目にいくらかかっているのかをチェックしましょう。
・基本料金(出張費・調査費): 5,000円~20,000円程度
業者が現地へ訪問するための出張費や、被害状況を詳しく確認するための調査費です。業者によっては無料で見積もりまで行ってくれる場合もあります。
・作業費: 20,000円~
防鳥ネットの設置や忌避剤の塗布など、実際の対策作業を行うスタッフの人件費です。作業の難易度や作業時間、作業員の人数によって変動します。
・材料費: 実費
防鳥ネット、ワイヤー、スパイク(剣山)、忌避剤など、対策に使用する資材の費用です。対策範囲が広いほど、また高性能な資材を使用するほど高くなります。
・高所作業費: 20,000円~
2階以上のベランダや工場の屋根など、はしごや高所作業車が必要な場合に発生する追加料金です。
・フン清掃・消毒費: 15,000円~
鷹のフンが大量に溜まっている場合、清掃と消毒作業が必要になります。フンは感染症の原因にもなるため、専門業者による適切な処理が推奨されます。
これらの費用を合計したものが、最終的な支払い金額となります。
被害場所別の料金相場を比較
鷹による被害が発生しやすい場所ごとに、対策費用の相場は異なります。
ここでは代表的な3つのケースに分けて料金相場をご紹介します。
ただし、あくまで目安であり、実際の費用は被害状況や業者によって異なるため、必ず複数の業者から見積もりを取って比較検討しましょう。
戸建て・マンションのベランダの料金相場
料金相場:30,000円~100,000円程度
戸建てやマンションのベランダは、鷹が休憩場所や獲物を狙う見張り場所として利用することがあります。
主な対策は、ベランダ全体を覆う防鳥ネットの設置です。
料金はベランダの広さや形状、階数(高所作業の有無)によって変わります。フンの清掃や消毒が伴う場合は、費用が加算されます。
畑や果樹園など農地の料金相場
料金相場:100,000円~数100,000円程度
広大な畑や果樹園では、農作物を狙う鷹への対策が必要になることがあります。
対策範囲が広いため、費用も高額になる傾向があります。
主な対策としては、畑全体を覆う大規模な防鳥ネットの設置や、定期的に鷹匠(ファルコナー)を呼んで鷹を追い払う方法などがあります。
特に鷹匠による追い払いは専門性が高く、依頼日数や頻度によって費用が大きく変動します。
工場や倉庫など大規模施設の料金相場
料金相場:150,000円~1,000,000円以上
工場や倉庫では、鷹が建物内に侵入して巣を作ったり、製品にフンを落としたりする被害が発生します。
天井が高く構造が複雑なため、対策の難易度が高く、費用も高額になりがちです。
主な対策は、侵入口となる隙間を金網などで塞ぐ、天井の梁にネットを張る、鳥が止まれないように電気ショックシステム(微弱な電流で鳥を傷つけずに追い払う設備)を設置するなど、多岐にわたります。
高所作業車が必須となるケースも多く、その費用も含まれます。
追加料金が発生するケースとは
最初の見積もり金額から追加料金が発生する可能性もゼロではありません。
後々のトラブルを避けるためにも、どのような場合に追加料金がかかるのかを事前に把握しておくことが重要です。
主なケースは以下の通りです。
・見積もり時より被害が悪化している場合:
現地調査から施工までの間にフンの量が増えたり、被害範囲が拡大したりした場合、清掃や対策にかかる手間が増えるため追加料金が発生することがあります。
・巣やヒナが発見された場合:
鷹は鳥獣保護管理法により保護されており、ヒナがいる巣を許可なく撤去することはできません。自治体への許可申請や特別な手順が必要となり、別途費用がかかる場合があります。
・作業環境に想定外の問題があった場合:
足場が悪く高所作業車が入れない、特殊な工具が必要になるなど、事前の調査で把握できなかった問題が発生した場合に追加料金がかかることがあります。
・契約範囲外の作業を依頼した場合:
「ついでにここもお願いしたい」と、見積もり範囲外の対策を追加で依頼すれば、当然その分の費用が発生します。
信頼できる業者は、追加料金が発生する可能性について事前にきちんと説明してくれます。
契約前に、追加料金の条件についてもしっかりと確認しておきましょう。
失敗しない優良な鷹駆除業者の選び方 5つのポイント
鷹の対策は専門的な知識と技術を要するため、業者選びが非常に重要です。
料金の安さだけで安易に選んでしまうと、「対策の効果が全くなかった」「高額な追加料金を請求された」といったトラブルに発展しかねません。
それだけでなく、不適切な方法で鷹を傷つけてしまうと、法律違反に問われるリスクもあります。
ここでは、信頼できる優良な業者を見極めるための5つの重要なポイントを詳しく解説します。
ポイント1 鳥獣保護管理法に関する専門知識と実績があるか
鷹の対策を検討する上で最も重要なのが、業者が「鳥獣保護管理法」を正しく理解し、遵守しているかという点です。
前述の通り、鷹やトビなどの猛禽類は、この法律によって保護されており、自治体の許可なく捕獲したり、傷つけたり、殺したりすることは固く禁じられています。
違反した場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
優良な業者は、この法律を大前提として、「駆除(殺傷・捕獲)」ではなく、鷹を傷つけずに追い払う「忌避(きひ)」や、物理的に侵入させない「防除」といった合法的な方法で対策を行います。
業者を選ぶ際には、以下の点を確認しましょう。
- 公式サイトなどで、鳥獣保護管理法を遵守する姿勢を明確に示しているか。
- 鷹やトビ、その他鳥害対策に関する豊富な施工実績(具体的な事例写真など)があるか。
- 必要に応じて、自治体への許可申請の相談や代行サポートに対応できるか。
法律に関する知識が曖昧な業者や、「必ず捕獲します」といった違法な方法を提案してくる業者は絶対に避けなければなりません。
ポイント2 無料の現地調査と詳細な見積もりを提示してくれるか
電話やメールだけで「一式〇〇円です」と安易に金額を提示する業者は注意が必要です。
鷹による被害は、建物の構造、被害場所の広さ、鷹の執着度、周辺環境など、現場ごとに状況が大きく異なります。
そのため、正確な対策方法と費用を算出するには、専門家による現地調査が不可欠です。
信頼できる業者は、原則として無料の現地調査を行い、被害状況を徹底的に確認した上で、詳細な見積書を提出してくれます。
見積書を確認する際は、以下の項目が具体的に記載されているかをチェックしましょう。
- 作業内容:どのような対策(防鳥ネット設置、ワイヤー設置、忌避剤の塗布など)を、どこに、どのくらいの範囲で実施するのか。
- 材料費:使用するネットやワイヤー、忌避剤などの資材名、数量、単価。
- 作業費:作業員の人数、作業日数、高所作業車などの重機使用料。
- 諸経費:出張費、駐車場代、廃材処分費など。
複数の業者から相見積もりを取り、内容を比較検討することが、適正価格で質の高いサービスを受けるための鍵となります。
ポイント3 料金体系が明確で説明が丁寧か
詳細な見積もりと合わせて重要になるのが、料金や作業内容に関する説明の丁寧さです。
専門用語を並べるだけでなく、なぜその対策が必要なのか、どのような効果が期待できるのか、他に選択肢はないのか、といったこちらの疑問に対して、素人にも分かりやすい言葉で丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。
特に、追加料金の可能性については、契約前に必ず確認しておくべきです。
「見積もり以外の費用は一切かかりません」と明言してくれるか、あるいは「もし現場で〇〇のような状況が発見された場合は、追加で〇〇円の費用が発生する可能性がありますが、その際は必ず作業前にご相談します」といったように、起こりうるケースについて事前に誠実な説明があるかどうかが、優良業者を見極める重要な判断材料となります。
ポイント4 被害状況に合わせた最適な対策を提案してくれるか
一口に鷹の対策といっても、その方法は一つではありません。
優良な業者は、マニュアル通りの画一的な提案ではなく、現地調査で得た情報をもとに、その場所に最も適したオーダーメイドの対策プランを提案してくれます。
例えば、以下のように状況に応じた提案が考えられます。
- マンションのベランダ:景観を損ないにくい、細くて丈夫な透明の防鳥ネットや、手すりに止まらせないためのワイヤー設置を提案する。
- 広大な畑や工場:鷹が嫌う特殊な音波を発する装置と、天敵であるフクロウの模型の設置を組み合わせるなど、広範囲をカバーできる複合的な対策を提案する。
- 倉庫の屋根や搬入口:鷹の休憩場所となっている箇所にピンポイントで剣山のようなスパイク(バードスパイク)を設置し、物理的に飛来できなくする対策を提案する。
被害状況や顧客の要望を十分にヒアリングせず、特定の高額な対策ばかりを勧めてくる業者には注意が必要です。
複数の選択肢とそのメリット・デメリットを提示し、顧客と一緒に最適な解決策を考えてくれる業者こそ、本当に信頼できるパートナーと言えるでしょう。
ポイント5 再発防止のアフターフォローや保証が充実しているか
鷹は非常に賢く、縄張り意識や執着心が強い鳥です。
そのため、一度対策を施しても、しばらくして再び同じ場所に戻ってこようとすることがあります。
対策の効果を長期的に持続させるためには、施工後のアフターフォローや保証制度が非常に重要になります。
契約前には、以下の点について書面で確認しておきましょう。
- 保証期間:対策後の保証期間はどのくらいか(例:1年間、3年間など)。
- 保証内容:保証期間内に鷹が再飛来した場合、どのような対応(無償での再施工や点検など)をしてくれるのか。
- 定期点検の有無:設置したネットの劣化や破損などがないか、定期的に点検してくれるサービスがあるか。
「施工して終わり」ではなく、長期的な視点で被害の再発防止に取り組んでくれる業者を選ぶことで、安心して生活を送ることができます。
口約束だけでなく、保証内容が明記された契約書や保証書を発行してくれるかどうかも、信頼性を測る上で大切なポイントです。
鷹の駆除を業者に依頼してから対策完了までの流れ
鷹の被害にお困りで専門業者への依頼を決めた場合、どのような流れで対策が進むのでしょうか。
問い合わせから作業完了、そしてアフターフォローまでの一連の流れを6つのステップに分けて具体的に解説します。
事前に流れを把握しておくことで、スムーズに業者とのやり取りを進めることができます。
ステップ1 電話やメールでの問い合わせ
まずは、気になる害鳥駆除業者に電話またはウェブサイトの問い合わせフォームから連絡を取ります。
この段階で、できるだけ詳しく状況を伝えることが、その後の対応をスムーズにするポイントです。
伝えるべき情報としては、「どのような被害があるか(フン害、威嚇、ペットへの攻撃など)」「いつ頃から被害が始まったか」「被害場所(戸建ての屋根、マンションのベランダ、工場の敷地内など)」「建物の構造」「鷹の種類がわかる場合はその名前(オオタカ、ハイタカなど)」などが挙げられます。
多くの専門業者は相談や概算見積もりを無料で受け付けているため、複数の業者に連絡して対応を比較検討するのも良いでしょう。24時間365日対応の業者であれば、緊急時でも安心です。
ステップ2 現地調査と被害状況の確認
問い合わせ後、業者の専門スタッフが実際に現地を訪れて詳細な調査を行います。
電話やメールだけでは把握しきれない、被害の深刻度や原因を特定するための重要なステップです。
現地調査では、主に以下の点を確認します。
- 被害の具体的な場所と範囲(フンや羽の散乱状況、巣の有無など)
- 鷹の侵入経路や飛来ルート
- 周辺環境(近くに餌場となる河川や森、ねぐらにしやすい高木がないか)
- 建物の構造や材質(対策グッズの設置可否を判断するため)
調査には立ち会いが必要な場合がほとんどです。
被害の様子をスマートフォンなどで撮影しておくと、より正確に状況を伝える手助けになります。
この現地調査の結果をもとに、最適な対策プランが立てられます。
ステップ3 対策方法の提案と見積もり
現地調査の結果に基づき、業者から具体的な対策方法の提案と詳細な見積もりが提示されます。
鷹は鳥獣保護管理法で守られているため、対策は「追い払い」と「侵入防止」が基本となります。
どのような方法で鷹を寄せ付けなくするのか、分かりやすく説明してくれる業者を選びましょう。
提案される対策の例としては、防鳥ネットの設置、ワイヤー(鳥よけスパイク)の設置、忌避剤の塗布などが挙げられます。
見積書を受け取ったら、以下の点を確認してください。
- 「作業一式」ではなく、材料費、施工費、高所作業費、出張費などの内訳が明記されているか
- 追加料金が発生する可能性があるか、その場合の条件は何か
- 保証の有無と期間、内容
複数の業者から見積もりを取り、内容と料金を比較検討することが重要です。
不明な点や疑問点は、この段階で遠慮なく質問し、納得できるまで説明を求めましょう。
ステップ4 契約と作業日の調整
提案された対策方法と見積金額に納得したら、正式に契約を結びます。
契約書は隅々まで目を通し、作業内容、金額、支払い方法、保証期間、クーリング・オフ制度など、重要な項目を必ず確認してください。
口約束だけでなく、書面で契約を交わすことが後のトラブル防止につながります。
契約後は、作業を実施する日程を調整します。
ご自身の都合はもちろん、作業内容によっては天候に左右されることもあるため、予備日も含めて相談しておくと安心です。
また、作業時の騒音など、近隣への影響が考えられる場合は、事前に業者と相談し、必要であれば挨拶回りなどを行いましょう。
ステップ5 追い払い・侵入防止対策の実施
契約内容と決定した日時に基づき、専門スタッフが対策作業を実施します。
作業員は安全対策を徹底し、法律を遵守した方法で丁寧に作業を進めます。
例えば、ベランダであれば手すりやエアコンの室外機周りにワイヤーや剣山を設置したり、空間全体を防鳥ネットで覆ったりします。
工場や倉庫などの大規模施設では、高所作業車などを使用して、屋根や梁にネットを張る作業が行われます。
作業中は、安全確保のため作業場所に近づかないようにしましょう。
業者の指示に従い、作業がスムーズに進むよう協力することが大切です。
ステップ6 作業完了報告とアフターフォロー
すべての作業が完了したら、業者から作業内容についての詳細な報告があります。
実際にどのような対策を施したのか、施工箇所を一緒に確認しましょう。
写真付きの報告書を提出してくれる業者も多く、安心材料になります。
最も重要なのが、アフターフォローと保証です。多くの優良業者は、施工後に一定期間の保証を設けています。
保証期間内に万が一鷹の被害が再発した場合、無料で点検や追加の対策を行ってくれるかなど、保証内容を改めて確認し、保証書を必ず受け取って保管しておきましょう。
また、設置したネットやワイヤーのメンテナンス方法など、日頃から自分でできる注意点についてアドバイスをもらっておくと、対策効果を長持ちさせることができます。
鷹をはじめとする野生鳥獣の捕獲や殺傷は、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)によって規制されています。
信頼できる業者は、この法律を遵守した上で、最適な追い払い・予防策を提案してくれます。
鷹の駆除や対策に関するよくある質問
鷹の被害対策を検討する際に、多くの方が抱く疑問や不安にお答えします。
業者に問い合わせる前に、ぜひ一度ご確認ください。
被害を与えている鳥が鷹かトビかわかりません
鷹とトビは見た目が似ていますが、いくつかの特徴で見分けることが可能です。
一般的に、鷹はトビよりもやや小型で、翼の形が直線的です。
一方、トビは翼を広げるとM字型に見え、尾の先が三味線のバチのように内側に切れ込んでいるのが大きな特徴です。
「ピーヒョロロ」という特徴的な鳴き声で飛んでいる場合は、トビである可能性が高いでしょう。
しかし、上空を飛んでいる姿から正確に種類を特定するのは非常に困難です。
鳥獣の種類によって適切な対策方法も異なるため、被害状況の写真や動画を撮影した上で、専門の駆除業者に相談し、正確に特定してもらうことをお勧めします。
多くの業者は現地調査で鳥の種類を特定してくれます。
見積もり以外の追加費用は発生しますか?
優良な業者であれば、契約前に提示された見積もり金額以外の費用を一方的に請求することはありません。
ただし、以下のようなケースでは追加料金が発生する可能性があります。
- 現地調査では確認できなかった高所や隠れた場所に追加の対策が必要になった場合
- お客様のご要望で、当初の予定にはなかった対策(フンの清掃・消毒範囲の拡大など)を追加した場合
- 作業のために特殊な足場や高所作業車が必要になった場合
信頼できる業者は、追加作業が必要になった際、必ず事前にお客様に状況を説明し、ご了承を得てから作業を進めます。
契約前の見積もり時に、追加料金が発生する可能性のあるケースについて詳しく説明してくれる業者を選ぶと安心です。
見積書の内訳もしっかりと確認しましょう。
対策の効果はどのくらい続きますか?
対策の効果の持続期間は、実施する対策方法によって大きく異なります。
例えば、防鳥ネットやワイヤーを設置する物理的な対策は、破損しない限り半永久的な効果が期待できます。
一方、忌避剤の散布や天敵の模型、超音波装置などは、鷹が慣れてしまうことで時間ととも効果が薄れる可能性があります。
そのため、多くの専門業者は、一時的な追い払いだけでなく、鷹が「この場所は危険だ」「侵入できない」と学習するような、物理的対策を組み合わせた根本的な解決策を提案します。
また、業者によっては「施工後〇年間の再発保証」といったアフターフォローを設けている場合があります。
長期的な安心を得るためにも、保証内容が充実している業者を選ぶことが重要です。契約前に保証期間や内容を必ず確認してください。
賃貸物件でも対策は可能ですか?
賃貸物件(アパートやマンション、テナントなど)でも鷹の対策は可能です。
ただし、建物の外壁やベランダに防鳥ネットやワイヤーなどを設置する場合、建物の所有者である大家さんや管理会社の許可が必ず必要になります。
無断で対策を行うと、退去時に原状回復を求められたり、トラブルに発展したりする可能性があります。
まずは被害状況を大家さんや管理会社に詳しく説明し、対策の必要性を理解してもらいましょう。
業者に相談する際も、賃貸物件であることを伝えれば、建物を傷つけにくい工法や、許可を得るためのアドバイスをしてくれる場合があります。
管理組合で問題提起し、建物全体で対策を検討するのも一つの方法です。
鷹の巣を勝手に撤去しても良いですか?
絶対にやめてください。
鷹の巣、特にその中に卵やヒナがいる場合、鳥獣保護管理法により保護されており、許可なく撤去することは法律で固く禁じられています。
違反した場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
たとえ巣が空であったとしても、同じ場所に再び巣を作られる可能性があるため、自己判断で撤去するのは危険です。
巣を見つけた場合は、絶対に手を出さず、まずはお住まいの自治体の担当部署(環境課や農林水産課など)や、害鳥駆除の専門業者に相談してください。専門家が法律に則った適切な手順で対応します。
自治体に相談すれば駆除してくれますか?
自治体が直接、鷹の駆除や追い払い作業を行ってくれるケースはほとんどありません。
自治体の主な役割は、住民からの相談受付、鳥獣保護管理法に基づく捕獲許可の申請窓口、そして専門的な対策を行える業者の情報提供などです。
ただし、被害の状況や地域によっては、自治体が対策費用の一部を補助する制度を設けている場合や、追い払いのための威嚇用具(ロケット花火など)の貸し出しを行っている場合もあります。
まずは諦めずに、お住まいの市区町村の役場に問い合わせてみましょう。
どのような支援が受けられるか、どのような手続きが必要かを確認することが、対策への第一歩となります。
まとめ
鷹による被害にお悩みの場合でも、鳥獣保護管理法により許可なく捕獲や殺傷を行う「駆除」は禁止されています。
そのため、鷹対策の基本は「追い払い」と「侵入防止」です。
ご自身での対策には限界や危険が伴うため、最も安全で効果的な解決策は専門業者への依頼です。
業者を選ぶ際は、無料の現地調査や見積もりを活用し、法律の知識や実績、料金体系をしっかり比較検討することが重要です。
信頼できるプロに相談し、被害の再発を防ぎましょう。