アライグマ 駆除

アライグマによる騒音や糞尿被害、家屋の破損にお困りではないですか?この記事を読めば、害獣アライグマの駆除から消毒までの具体的な流れ、気になる費用相場、信頼できる業者の選び方、そして効果的な再発防止策まで網羅的に理解できます。

放置は被害拡大や健康リスクに繋がるため、早期の適切な対策が肝心です。

目次

アライグマは特定外来生物 放置する危険性と害獣被害

アライグマは、その愛らしい見た目とは裏腹に、私たちの生活環境や生態系に深刻な影響を及ぼす「特定外来生物」に指定されています。

もともと日本には生息していなかったアライグマが野生化し、その驚異的な繁殖力と適応能力の高さから全国的に分布を拡大しています。

アライグマを放置することは、家屋への被害、農作物への食害、さらには感染症のリスクなど、多岐にわたる問題を引き起こす可能性があり、決して軽視できません。

この章では、アライグマがどのような害獣であり、放置することでどのような危険性があるのか、具体的な被害事例を交えながら詳しく解説します。

アライグマが引き起こす深刻な被害事例

アライグマによる被害は、私たちの身近なところで発生しており、その内容は多岐にわたります。

ここでは、代表的な被害事例を具体的に見ていきましょう。

家屋への被害 アライグマによる破損と汚染

アライグマは手先が器用で、わずかな隙間からでも家屋に侵入することができます。

特に屋根裏や床下は、アライグマにとって格好の住処となりやすい場所です。

一度侵入を許してしまうと、以下のような深刻な被害が発生します。

  • 断熱材の破損・巣作り:屋根裏の断熱材を引き裂き、巣の材料として利用します。これにより、建物の断熱性能が著しく低下し、冷暖房効率が悪くなることがあります。
  • 糞尿による汚染と悪臭:同じ場所に糞尿を繰り返す習性(ため糞)があり、天井裏や床下が糞尿で汚染されます。これにより、強烈な悪臭が発生し、天井にシミができることもあります。
  • 騒音被害:夜行性であるため、夜間に屋根裏を走り回ったり、物音を立てたりすることで、住民の睡眠を妨げる騒音被害が発生します。特に繁殖期には、子どものアライグマの鳴き声も加わり、騒音はより深刻になります。
  • 建物の破損:屋根の瓦をずらしたり、壁や柱を爪で引っ掻いたりして建物を傷つけます。また、配線や配管をかじることもあり、漏電や水漏れといった二次被害を引き起こす危険性もあります。

これらの被害は、放置すればするほど深刻化し、修繕費用も高額になる傾向があります。

農作物やペットへの被害 アライグマの食害

アライグマは雑食性で、非常に食欲旺盛な動物です。

そのため、農作物や家庭菜園、さらにはペットに対しても大きな被害をもたらします。

  • 農作物への食害:トウモロコシ、スイカ、メロン、イチゴ、ブドウなどの糖度の高い果物や野菜を好んで食べます。収穫間近の農作物が一夜にして壊滅的な被害を受けることも少なくありません。器用に皮をむいたり、一部だけをかじったりするため、被害額以上に作物の商品価値を損なうことも特徴です。
  • 養殖魚や家禽への被害:養魚場の鯉や金魚、養鶏場のニワトリやアヒルといった家禽もアライグマの標的となります。特に動きの遅い魚や、囲いの不十分な場所で飼育されている家禽は襲われやすい傾向にあります。
  • ペットへの危害:小型犬や猫、ウサギなどのペットが襲われる事例も報告されています。屋外で飼育している場合は特に注意が必要です。また、ペットフードを狙って人家に侵入することもあります。
  • ゴミ漁り:人間の出す生ゴミもアライグマの重要な食料源です。ゴミ集積所を荒らし、ゴミを散乱させることで、衛生環境の悪化を招きます。

これらの食害は、農業経営者にとっては死活問題であり、一般家庭においても経済的・精神的な負担となります。

アライグマが媒介する感染症と健康被害リスク

アライグマは、人間やペットに感染する可能性のある病原体や寄生虫を保有していることがあります。

アライグマとの接触や、糞尿に汚染された環境に近づくことは、健康被害のリスクを高めます。

  • アライグマ回虫症:アライグマの糞に含まれるアライグマ回虫の卵を口から摂取することで感染します。幼虫が体内を移動し、脳や脊髄、眼などに侵入すると、失明や神経障害など重篤な症状を引き起こす可能性があります。特に子どもは砂場などで遊ぶ際に感染するリスクがあるため注意が必要です。
  • 狂犬病:日本では長らく発生していませんが、アライグマは狂犬病ウイルスを媒介する動物の一つです。万が一、狂犬病に感染したアライグマに咬まれた場合、致死的な状況に至る可能性があります。
  • レプトスピラ症:アライグマの尿に含まれるレプトスピラ菌によって汚染された水や土壌に触れることで感染します。発熱、頭痛、筋肉痛などの症状が現れ、重症化すると黄疸や腎機能障害を引き起こすことがあります。
  • SFTS(重症熱性血小板減少症候群):アライグマに付着しているマダニを介してSFTSウイルスに感染するリスクも指摘されています。
  • 皮膚病など:アライグマにはノミやダニ、疥癬(かいせん)などの外部寄生虫が付着していることが多く、これらが人間やペットにうつることで皮膚炎などの健康被害を引き起こすことがあります。

アライグマの糞尿を見つけた場合は直接触れず、清掃や消毒を慎重に行う必要があります。

また、アライグマにむやみに近づいたり、触ったりすることは絶対に避けるべきです。

アライグマは法律で守られている?特定外来生物としての扱い

アライグマは、その被害の大きさから害獣として認識されていますが、同時に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(通称:外来生物法)によって規制されている動物でもあります。

この法律は、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼす、または及ぼすおそれのある外来生物による被害を防止するために制定されました。

特定外来生物に指定されたアライグマは、以下の行為が原則として禁止されています。

  • 飼育、栽培、保管
  • 運搬
  • 輸入
  • 野外へ放つ、植える、まくこと
  • 譲渡し、引渡し、販売など

これらの規制に違反した場合、罰則が科される可能性があります。

したがって、個人が無許可でアライグマを捕獲したり、飼育したりすることは法律で禁じられています。

アライグマの駆除を行う際には、この法律を遵守し、適切な手続きを踏む必要があります。

自治体によっては、アライグマの捕獲に関する許可制度や、専門業者への委託を推奨している場合がありますので、まずは居住する自治体の担当窓口(環境課や農林課など)に相談することが重要です。

アライグマ駆除の具体的な流れと方法

アライグマの被害にお困りの場合、駆除を検討する必要があります。

アライグマの駆除は、ご自身で行う方法と専門業者に依頼する方法の2つに大別されます。

しかし、アライグマは「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(以下、外来生物法)」および「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(以下、鳥獣保護管理法)」によって規制されているため、取り扱いには十分な注意が必要です。

それぞれの方法について、具体的な流れと注意点を解説します。

自分でアライグマを駆除する場合の注意点と法的制約

アライグマを自分で駆除(捕獲)するには、法的な手続きと専門的な知識、そして安全への配慮が不可欠です。

無許可での捕獲や殺傷は法律で禁止されており、罰則の対象となる可能性があります。

まず、アライグマは外来生物法における特定外来生物に指定されており、生きたままの運搬や飼養が原則禁止されています。

また、鳥獣保護管理法により、アライグマを含む多くの野生鳥獣は保護対象となっており、捕獲するには原則として国や自治体の許可が必要です。

被害対策を目的とした捕獲であっても、お住まいの自治体(市区町村の環境担当課や農林担当課など)に事前に相談し、必要な許可申請や手続きについて確認してください。

自治体によっては、捕獲器の貸し出しを行っている場合もあります。

自分で駆除を行う際の主な注意点は以下の通りです。

  • 法的制約の遵守:必ず自治体の指示に従い、必要な許可を得てから捕獲を行ってください。捕獲方法や捕獲後の処理についても、法律や条例で定められた方法を守る必要があります。
  • 安全性への配慮:アライグマは見た目に反して気性が荒く、追い詰められると人に向かってくることがあります。噛まれたり引っ掻かれたりすると、破傷風やアライグマ回虫症などの感染症にかかるリスクがあります。作業時は厚手の手袋、長袖長ズボン、マスク、ゴーグルなどの防護具を必ず着用しましょう。
  • 適切な捕獲用具の使用:一般的には箱罠(はこわな)が使用されます。罠の設置場所や餌の選定にも工夫が必要です。アライグマは手先が器用なため、簡単に開けられない構造の罠を選びましょう。
  • 捕獲後の処理:捕獲したアライグマの処分は、法律や自治体の指示に従って適切に行う必要があります。特定外来生物であるため、生きたまま別の場所に放獣することは禁止されています。多くの場合、炭酸ガスなどを用いた安楽死処分が推奨されますが、これも専門的な知識と設備が必要です。処分方法についても自治体に確認が必要です。
  • 再発防止策の実施:捕獲に成功しても、侵入経路が塞がれていなければ再びアライグマが侵入する可能性があります。家屋の隙間や換気口、床下などを点検し、金網やパンチングメタルなどで確実に塞ぐ作業が必要です。

これらの法的制約や危険性、専門知識の必要性を考慮すると、一般の方がご自身でアライグマを完全に駆除し、再発防止まで行うのは非常に困難と言えるでしょう。

安全かつ確実に問題を解決するためには、専門業者への依頼を検討することをおすすめします。

専門業者によるアライグマ駆除の流れ

専門の駆除業者に依頼する場合、法的な手続きを含め、安全かつ効果的な駆除作業を任せることができます。

一般的な駆除業者によるアライグマ駆除の流れは以下の通りです。

ステップ1 相談と現地調査によるアライグマ被害状況の確認

まずは、信頼できる専門業者に電話やウェブサイトの問い合わせフォームから連絡を取り、被害状況を相談します。

この際、いつ頃からどのような被害(騒音、足音、フン、家屋の破損など)があるのか、アライグマの姿を見たかなどを具体的に伝えましょう。

その後、業者が実際に現地を訪問し、被害状況の詳細な調査を行います。調査では主に以下の点を確認します。

  • アライグマの痕跡(フン、足跡、体毛、爪痕など)の確認
  • 被害箇所(屋根裏、天井裏、床下、壁の中、庭など)の特定
  • アライグマの侵入経路や巣の場所の推定
  • 被害の範囲や深刻度の評価
  • 周辺環境の確認

現地調査は、正確な見積もりと効果的な駆除計画を立てるために非常に重要です。

多くの業者では、現地調査や見積もりを無料で行っています。

ステップ2 アライグマ駆除の見積もりと契約内容の確認

現地調査の結果に基づいて、業者が駆除計画と見積もりを作成し提示します。

見積書には、作業内容、使用する薬剤や機材、作業範囲、料金の内訳(基本作業費、捕獲費、清掃費、消毒費、侵入経路封鎖費、出張費など)、作業期間などが明記されているか確認しましょう。

契約前には、以下の点をしっかりと確認することが重要です。

  • 見積もり内容に不明な点はないか
  • 追加料金が発生するケースとその条件
  • 保証内容(再発した場合の対応など)と保証期間
  • 作業スケジュールと支払い方法
  • キャンセルポリシー

複数の業者から相見積もりを取り、サービス内容や料金、保証内容などを比較検討することをおすすめします。

疑問点があれば遠慮なく質問し、納得した上で契約を結びましょう。

ステップ3 安全かつ確実なアライグマ駆除作業の実施

契約内容に合意したら、実際に駆除作業が開始されます。

専門業者は、関連法規を遵守し、安全に配慮しながら作業を進めます。

主な駆除方法としては、追い出しと捕獲があります。

  • 追い出し:アライグマが嫌がる臭いを発する忌避剤や燻煙材などを使用し、建物内からアライグマを追い出す方法です。追い出した後は、速やかに侵入経路を封鎖する必要があります。
  • 捕獲:主に箱罠を設置し、アライグマを捕獲します。捕獲したアライグマは、外来生物法および鳥獣保護管理法に基づき適切に処理されます。

作業中は、住人やペットの安全を最優先に配慮し、必要に応じて養生などを行います。

また、屋根裏や床下など、高所や狭い場所での作業も専門的な技術と装備で行われます。

ステップ4 アライグマの侵入経路封鎖と徹底した再発防止策

アライグマの駆除が完了したら、最も重要なのが再発防止策です。

アライグマは非常に執着心が強く、一度侵入した場所に再び戻ってくる習性があります。

そのため、侵入経路を徹底的に特定し、物理的に封鎖する必要があります。

業者は、アライグマが侵入しやすい屋根の隙間、換気口、通気口、壁の穴、床下などを点検し、金網、パンチングメタル、シーリング材など、耐久性の高い素材を用いて確実に塞ぎます。

手の届きにくい場所や複雑な構造の箇所も、専門的な知識と技術で対応します。

侵入経路の封鎖作業と合わせて、被害箇所(フンや尿による汚損、断熱材の破損など)の清掃や消毒、修繕作業も行われることがあります。

これらの作業内容や費用については、事前に見積もりで確認しておきましょう。

また、多くの業者では、一定期間の保証を設けており、万が一再発した場合には無償または割引価格で対応してくれることがあります。

保証内容や期間も契約時に確認しておくことが大切です。

アライグマの駆除と再発防止は、専門的な知識と技術が求められる作業です。

信頼できる業者に依頼することで、安全かつ確実に問題を解決し、安心して生活できる環境を取り戻すことができるでしょう。

アライグマ駆除にかかる費用相場と内訳

アライグマの駆除を検討する際、最も気になるのが費用ではないでしょうか。

被害の状況や依頼する業者によって費用は大きく変動するため、事前に相場や内訳を把握しておくことが重要です。

この章では、アライグマ駆除にかかる費用の目安や、料金が決まる仕組み、そして費用を抑えるためのポイントについて詳しく解説します。

アライグマ駆除費用の基本的な内訳と料金体系

アライグマ駆除の費用は、一般的に複数の作業項目を組み合わせて算出されます。

まずは、基本的な内訳と料金体系について理解を深めましょう。

主な内訳項目としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 現地調査費・見積もり費:被害状況の確認や侵入経路の特定、駆除計画の策定にかかる費用です。業者によっては無料の場合もあります。
  • 捕獲作業費:アライグマを捕獲するための罠の設置や回収、駆除作業にかかる費用です。捕獲する頭数や作業の難易度によって変動します。
  • アライグマの処分費:捕獲したアライグマを法律に則って適切に処分するための費用です。
  • 清掃・消毒費:アライグマの糞尿や汚染箇所の清掃、ノミ・ダニなどの害虫駆除、感染症予防のための消毒作業にかかる費用です。
  • 侵入経路封鎖費:アライグマが再侵入しないように、特定した侵入経路を塞ぐ作業にかかる費用です。使用する資材や封鎖箇所の数・広さによって変動します。
  • 出張費:業者の拠点から現地までの移動にかかる費用です。
  • 高所作業費など特殊作業費:屋根裏や床下など、作業が困難な場所での駆除や侵入経路封鎖を行う場合に発生することがあります。

料金体系は業者によって異なりますが、主に「基本料金+追加料金型」と「一式料金型」があります。

「基本料金+追加料金型」は、基本的な作業内容に対して料金が設定され、被害状況や追加作業に応じて費用が加算される方式です。

「一式料金型」は、調査から駆除、清掃、再発防止策までを含んだパッケージ料金となっている場合が多いです。

見積もり時には、どの作業が料金に含まれているのか、追加料金が発生するケースはあるのかなどを詳細に確認することが大切です。

アライグマ駆除の費用相場は、被害状況や作業内容によって大きく異なりますが、一般的には数万円から数十万円程度が目安となります。

例えば、捕獲のみであれば5万円~15万円程度、清掃や侵入経路封鎖まで含めると10万円~50万円以上かかることもあります。

これはあくまで目安であり、正確な費用は必ず複数の業者に見積もりを依頼して確認しましょう。

アライグマ駆除の費用が変動する主な要因

アライグマ駆除の費用は、様々な要因によって変動します。

ここでは、特に費用に影響を与えやすい主な要因について解説します。

被害状況やアライグマの数による費用の違い

アライグマによる被害の規模や、生息しているアライグマの数は、駆除費用を左右する大きな要因です。

  • 被害の深刻度:天井裏や壁の断熱材が広範囲にわたって糞尿で汚染されている場合や、建材が破損している場合は、清掃・消毒作業や修繕作業が大掛かりになり、費用が高くなる傾向があります。被害が初期段階であれば、比較的安価に済むこともあります。
  • アライグマの数:生息しているアライグマの数が多いほど、捕獲作業に手間と時間がかかり、罠の設置数も増えるため、費用が加算されます。特に繁殖して家族で住み着いている場合は、複数頭を捕獲する必要があり、費用が高くなる可能性があります。
  • 巣の場所と規模:アライグマが巣を作っている場所が高所や狭い場所など、作業しにくい場所である場合、特殊な機材が必要になったり作業時間が増えたりするため、追加費用が発生することがあります。巣が複数箇所にある場合も同様です。

作業範囲と駆除方法による費用の違い

どこまでの作業を依頼するか、どのような方法で駆除を行うかによっても費用は変わってきます。

  • 作業範囲:単にアライグマを捕獲するだけでなく、糞尿の清掃、消臭・消毒作業、ノミ・ダニの駆除、侵入経路の封鎖、破損箇所の修繕など、依頼する作業範囲が広くなるほど費用は高くなります。特に、再発防止のための侵入経路封鎖は重要な作業ですが、箇所数や使用する素材によって費用が大きく変動します。
  • 駆除方法:アライグマの駆除は、主に箱罠などを用いた捕獲が一般的です。使用する罠の種類や数、設置期間によって費用が変動することがあります。また、追い出し燻煙などを用いる場合も、その薬剤費や作業費が加算されます。
  • 建物の構造:木造家屋か鉄筋コンクリート造か、平屋か複数階建てかなど、建物の構造によっても作業の難易度が変わり、費用に影響することがあります。例えば、複雑な構造の屋根裏などは作業が難しくなりがちです。

信頼できるアライグマ駆除業者の選び方と費用を抑えるコツ

アライグマ駆除は専門的な知識と技術が必要なため、信頼できる業者に依頼することが重要です。

ここでは、優良な業者を選ぶためのポイントと、費用を少しでも抑えるためのコツをご紹介します。

信頼できる業者の選び方:

  • 複数の業者から見積もりを取る(相見積もり):最低でも2~3社から見積もりを取り、料金だけでなく作業内容や保証内容を比較検討しましょう。極端に安い見積もりや高すぎる見積もりには注意が必要です。
  • 見積もり内容が明確か確認する:作業項目ごとにかかる費用が明記されているか、追加料金が発生する条件は何かなどをしっかり確認しましょう。不明な点は遠慮なく質問することが大切です。
  • 実績や評判を確認する:業者のウェブサイトで施工事例を確認したり、インターネット上の口コミや評判を参考にしたりしましょう。長年の実績がある業者は信頼性が高い傾向があります。
  • 必要な許可や資格の有無:アライグマの捕獲には、鳥獣保護管理法に基づく捕獲許可が必要です。また、「公益社団法人日本ペストコントロール協会」の会員であるかや、関連資格(例:狩猟免許、わな猟免許、ペストコントロール技術者など)を保有しているかなども、技術力の目安になります。
  • 保証制度の有無:駆除後の再発保証が付いているか確認しましょう。保証期間や保証内容(無料での再施工など)も重要なポイントです。
  • 丁寧な説明と対応:被害状況や駆除方法、費用について、専門用語を避け分かりやすく説明してくれるか、こちらの質問に丁寧に答えてくれるかなど、担当者の対応も判断材料になります。

費用を抑えるコツ:

  • 被害が拡大する前に早めに相談する:アライグマの被害は放置すると深刻化し、駆除費用も高額になりがちです。異変に気づいたら、できるだけ早く専門業者に相談しましょう。
  • 自分でできる範囲の予防策を行う:ゴミの管理を徹底する、餌になるようなものを屋外に放置しないなど、アライグマを寄せ付けないための対策を日頃から行うことで、被害の発生や拡大を防ぎ、結果的に費用を抑えることにつながります。
  • 不要なオプションを避ける:見積もり内容をよく確認し、本当に必要な作業かどうかを検討しましょう。業者によっては過剰なサービスを勧めてくる場合もあるため注意が必要です。

自治体のアライグマ駆除に関する補助金制度の活用

アライグマは「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(外来生物法)により特定外来生物に指定されており、その防除は国や自治体も推進しています。

そのため、お住まいの自治体によっては、アライグマ駆除に関する補助金制度や、捕獲器の無料貸し出しなどの支援策が用意されている場合があります。

補助金の対象となる条件(例:農作物被害がある、生活環境被害があるなど)や補助金額、申請方法は自治体によって異なります。

例えば、駆除費用の一部を助成するものや、捕獲報奨金制度を設けているところもあります。

また、専門業者による駆除ではなく、住民自身が捕獲を行う場合に支援が受けられるケースも考えられます。

これらの制度を利用できれば、駆除にかかる費用負担を軽減できる可能性があります。

まずは、お住まいの市区町村の役所(環境課、農林課、生活衛生課など、担当部署は自治体により異なります)の窓口やウェブサイトで、アライグマ駆除に関する補助金制度や支援策がないか確認してみましょう。

環境省のウェブサイトでは、特定外来生物に関する情報が提供されていますので、参考にしてください。(参考:環境省 日本の外来種対策

補助金制度を利用する際には、申請期限や必要な書類、対象となる業者が指定されているかなど、詳細な条件を事前にしっかりと確認することが重要です。

アライグマ駆除後の消毒作業の重要性と方法

アライグマの駆除が無事に完了しても、それで終わりではありません。

アライグマが侵入していた場所には、目に見えない病原体や寄生虫が残されている可能性が高く、徹底した消毒作業が不可欠です。

この章では、アライグマ駆除後の消毒の重要性、具体的な消毒方法、そして気になる費用について詳しく解説します。

なぜアライグマ駆除後に消毒が必要なのか 感染症予防のために

アライグマは可愛らしい見た目とは裏腹に、人間やペットに感染する可能性のある様々な病原体や寄生虫を保有しています。

アライグマの糞尿や唾液、体毛などが感染源となり、深刻な健康被害を引き起こすリスクがあるため、駆除後の消毒は極めて重要です。

アライグマから感染する可能性のある主な感染症には、以下のようなものがあります。

  • アライグマ回虫症: アライグマの糞に含まれる回虫の卵を口から摂取することで感染します。幼虫が体内を移動し、目や脳などに侵入すると失明や神経障害など重篤な症状を引き起こすことがあります。特に子供は砂場などで遊ぶ際に感染するリスクがあるため注意が必要です。
  • レプトスピラ症: アライグマなどの保菌動物の尿で汚染された水や土壌から、皮膚の傷や口を通して感染します。発熱、頭痛、筋肉痛などの症状が現れ、重症化すると黄疸や出血、腎機能障害などを引き起こすことがあります。
  • サルモネラ症: アライグマの糞便に汚染された食品や水などを介して感染する食中毒の一種です。腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状が出ます。
  • 狂犬病: 日本国内での発生は長らく確認されていませんが、アライグマは狂犬病ウイルスを媒介する動物の一つです。万が一、海外から侵入したアライグマが狂犬病に感染していた場合、噛まれることで感染するリスクはゼロではありません。

これらの感染症は、アライグマがいた場所、特に巣や糞尿が集中していた屋根裏、床下、壁の隙間などに病原体が潜んでいる可能性があります。

適切な消毒を行わずに放置すると、知らず知らずのうちに家族やペットが感染してしまう危険性があるのです。

そのため、アライグマ駆除後は専門的な知識に基づいた徹底的な消毒作業が不可欠となります。

アライグマがいた場所の正しい消毒方法と注意すべき点

アライグマがいた場所の消毒作業は、感染リスクを伴うため、正しい手順と注意点を守って行う必要があります。

ご自身で行う場合は、以下の点に十分注意してください。

広範囲な汚染や、屋根裏など作業が困難な場所の場合は、無理せず専門業者に依頼することを強く推奨します。

消毒作業前の準備

  • 保護具の着用: 必ず長袖・長ズボン、使い捨てのゴム手袋、ゴーグル(または保護メガネ)、医療用またはN95規格のマスクを着用し、皮膚や粘膜を保護してください。
  • 換気の徹底: 作業場所の窓を開けるなどして、十分に換気を行います。密閉された空間での作業は特に危険です。
  • 糞尿などの処理: アライグマの糞や巣材などの汚物は、直接手で触れないように注意し、ホウキとチリトリで集め、二重にしたビニール袋に入れてしっかりと密閉し、自治体の指示に従って処分します。掃除機を使用する場合は、排気で病原体を飛散させないよう、HEPAフィルター付きのものを使用し、使用後はフィルターの清掃や交換、ダストパックの密閉廃棄を徹底してください。

消毒方法

清掃が終わったら、消毒液を使用して病原体を除去します。

使用する消毒液の種類と特徴は以下の通りです。

  • 次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤): 多くの細菌やウイルスに対して強力な消毒効果があります。通常、0.05%~0.1%(製品によって希釈濃度が異なりますので、必ず表示を確認してください)に希釈して使用します。金属を腐食させたり、色柄物を脱色させたりする可能性があるため、使用場所には注意が必要です。使用後は十分に水拭きするか、換気して乾燥させます。
  • アルコール消毒液(エタノール濃度70%以上): 細菌や一部のウイルスに効果がありますが、ノロウイルスやアライグマ回虫の卵などには効果が薄い場合があります。金属への影響は比較的少ないですが、引火性があるため火気の近くでは使用できません。
  • クレゾール石鹸液: 糞尿で汚染された場所の消毒に適していますが、特有の強い臭いがあります。希釈濃度や使用方法をよく確認し、換気を十分に行ってください。
  • 市販の動物用消毒剤: ペットショップやホームセンターなどで販売されている、動物由来の病原体に特化した消毒剤も有効な場合があります。製品の指示に従って使用してください。

消毒液を噴霧器で散布するか、雑巾に含ませて拭き上げます。特に汚染がひどかった場所や、アライグマが頻繁に出入りしていたと思われる場所は念入りに消毒しましょう。消毒液が乾燥するまで一定時間放置することも効果的です。

注意すべき点

  • 消毒液は、必ず製品の取り扱い説明書をよく読み、用法・用量を守って正しく使用してください。
  • 異なる種類の消毒液を混ぜると有毒ガスが発生する危険性があるため、絶対に混ぜないでください。
  • 食品や食器、子供のおもちゃ、ペット用品などに消毒液がかからないよう、事前に片付けるかカバーをしてください。
  • 屋根裏や床下など、狭く換気の悪い場所での作業は、酸欠や有毒ガスの吸入リスクが高まるため、特に慎重に行い、長時間の作業は避けてください。
  • 作業中に気分が悪くなったら、直ちに作業を中止し、新鮮な空気のある場所で休息してください。症状が改善しない場合は医師の診察を受けてください。
  • 消毒作業後は、使用した保護具を適切に処分し、手洗いうがいを徹底してください。

消毒後もアライグマの臭いが気になる場合は、市販の消臭剤を使用したり、換気を続けたりすることで軽減できます。

活性炭や重曹なども消臭効果が期待できます。

アライグマ駆除後の消毒にかかる費用について

アライグマ駆除後の消毒にかかる費用は、ご自身で行うか、専門業者に依頼するかで大きく異なります。

自分で消毒する場合の費用

自分で消毒作業を行う場合、主な費用は消毒液、保護具(マスク、手袋、ゴーグルなど)、清掃用具の購入費用です。

これらは数千円から1万円程度で揃えることができるでしょう。ただし、時間と手間がかかること、そして感染リスクを伴うことを考慮する必要があります。

専門業者に依頼する場合の費用相場

専門業者に消毒作業を依頼する場合の費用は、被害状況、汚染の度合い、作業範囲(広さや場所)、使用する薬剤の種類などによって大きく変動します。

一般的には、数万円から十数万円程度が目安となりますが、屋根裏全体が糞尿で汚染されているなど、深刻なケースではそれ以上の費用がかかることもあります。

費用の内訳としては、以下のようなものが考えられます。

  • 薬剤費: 使用する消毒液や消臭剤の費用。
  • 人件費: 作業員の技術料や作業時間に応じた費用。
  • 機材費: 噴霧器などの専門機材の使用料。
  • 汚物処理費: 糞尿や巣材などの撤去・処分費用。
  • 出張費: 業者の拠点から現場までの交通費。

多くの駆除業者は、駆除作業と消毒作業をセットで見積もりを出すことが一般的です。

消毒作業のみを別途依頼することも可能ですが、駆除と同時に行う方が効率的で、トータルコストを抑えられる場合があります。

必ず複数の業者から見積もりを取り、作業内容と費用を比較検討することが重要です。

見積もり時には、どのような薬剤を使用するのか、作業範囲はどこまでか、追加料金が発生する可能性はあるのかなどを詳しく確認しましょう。

アライグマ駆除後の消毒は、健康被害を防ぐために非常に重要な工程です。

費用のことだけでなく、安全性と確実性を考慮し、最適な方法を選択してください。

アライグマの再発を防ぐための重要な対策

アライグマの駆除が無事に完了しても、それで終わりではありません。

アライグマは非常に執着心が強く、一度快適な場所だと認識すると、再び侵入しようと試みる可能性が高い動物です。

そのため、駆除後の再発防止策を徹底することが極めて重要になります。アライグマを二度と寄せ付けないためには、アライグマにとって魅力のない環境を作り、侵入経路を完全に断つ必要があります。

ここでは、その具体的な対策について詳しく解説します。

アライグマを寄せ付けないための環境整備と予防策

アライグマが寄り付かない環境を作ることは、再発防止の基本です。

アライグマが餌場や安全な隠れ家として利用しやすい場所をなくし、彼らにとって住みにくい環境を整えることが重要です。

日頃からの意識と対策が、アライグマ被害の再発を防ぎます。

餌となるものを徹底的に管理する

アライグマは雑食性で、人間の出す生ゴミやペットフード、庭の果樹や家庭菜園の野菜など、あらゆるものを餌にします。

これらの餌へのアクセスを断つことが、最も効果的な予防策の一つです。アライグマに餌付けをしてしまうような状況は絶対に避けましょう。

生ゴミの管理方法

生ゴミはアライグマにとって非常に魅力的な餌です。ゴミ出しの日まで、蓋がしっかりと閉まる密閉性の高いポリバケツや金属製のゴミ箱で保管してください。

特に屋外にゴミ箱を設置する場合は、アライグマが簡単に倒したり開けたりできないよう、重しを乗せる、固定する、あるいはロック機能付きの製品を選ぶなどの工夫が必要です。

ゴミは収集日の朝に出すことを徹底し、夜間にゴミを屋外に放置しないように心がけましょう。

ペットフードの管理

犬や猫などのペットフードも、アライグマにとってはご馳走です。

特に屋外でペットを飼育している場合は、餌の残りを長時間放置せず、ペットが食べ終わったら速やかに片付けるようにしてください。

室内で飼育している場合でも、窓やペット用のドアからアライグマが侵入し、フードを盗み食いする可能性があります。

ペットフードは必ず密閉容器に入れて、アライグマの手の届かない場所に保管しましょう。

果樹や野菜の管理

庭に植えられた果樹(柿、ブドウ、イチジクなど)や家庭菜園の野菜(トウモロコシ、スイカ、トマトなど)は、アライグマに狙われやすい対象です。

熟した果物や野菜は早めに収穫し、地面に落ちたものも放置せずに速やかに片付けましょう。

収穫期前でも被害に遭うことがあるため、樹木全体を防鳥ネットや防獣ネットで覆う、あるいは果実一つ一つに袋をかけるなどの対策も有効です。

また、収穫後の残渣も適切に処理し、餌にならないように注意が必要です。

アライグマの隠れ家をなくす

アライグマは、外敵から身を守り、安全に子育てができる隠れ家を求めています。

庭や家の周囲に、アライグマが潜んだり巣を作ったりしやすい場所を作らないように注意しましょう。

定期的な点検と清掃が重要です。

庭木の剪定と下草刈り

伸び放題の庭木や生い茂った下草、雑草は、アライグマにとって絶好の隠れ場所や移動経路となります。

定期的に庭木の枝を剪定し、下草を刈り取ることで、敷地内の見通しを良くし、アライグマが潜みにくい環境を作りましょう。

特に、建物の壁や屋根に届くような枝は、アライグマが屋根裏へ侵入するための足がかりとなるため、重点的に剪定する必要があります。

物置や使われていない建物の管理

普段あまり使っていない物置や納屋、長期間空き家になっている建物、あるいは建物の床下空間や屋根裏なども、アライグマの格好の巣となりやすい場所です。

定期的に内部を点検し、破損箇所があれば速やかに修繕しましょう。

不要な物を長期間放置せず、整理整頓を心がけることで、アライグマが住み着きにくい清潔な環境を維持できます。

アライグマが嫌がる環境を作る

アライグマが本能的に避けるような刺激を利用して、近寄らせないようにすることも再発防止策の一つです。

ただし、これらの方法は一時的な効果に留まる場合や、アライグマが慣れてしまうこともあるため、他の物理的な対策と併用することがより効果的です。

忌避剤の利用とその効果

アライグマが嫌うニオイを発する忌避剤が市販されています。

代表的なものには、木酢液や竹酢液、クレオソート油、オオカミや猛獣の尿を模した成分を含むもの、トウガラシやワサビなどの辛み成分を利用したものなどがあります。

これらをアライグマの通り道や侵入されやすい場所、被害のあった場所に設置したり散布したりすることで、一定期間の忌避効果が期待できます。

ただし、雨風によって効果が薄れたり、アライグマがニオイに慣れてしまったりすることもあるため、定期的な交換や再散布が必要です。

使用する際は、製品の取扱説明書をよく読み、人間やペット、周辺環境への影響も考慮しましょう。

光や音による威嚇

アライグマは基本的に夜行性であり、警戒心が強いため、強い光や予期せぬ大きな音を嫌う傾向があります。

センサーライトを設置して、アライグマが近づくと自動的に点灯するようにしたり、超音波や威嚇音を発する害獣撃退器を利用したりする方法があります。

ただし、音に関しては近隣住民への騒音問題とならないよう配慮が必要です。

また、これらの装置にもアライグマが慣れてしまうことがあるため、設置場所を定期的に変更する、異なる種類の装置を組み合わせるなどの工夫が求められます。

アライグマの侵入経路を完全に塞ぐ具体的な方法

アライグマは非常に手先が器用で、わずか数センチの隙間や、頭が入る程度の穴があれば侵入することができます。

また、木登りも得意で、垂直な壁を登ることもあります。

駆除作業後には、特定された侵入経路を物理的に、かつ頑丈に塞ぐことが不可欠です。

再侵入を防ぐためには、徹底した封鎖作業が求められます。

家屋への侵入経路の特定と封鎖

アライグマは、屋根裏や天井裏、床下、壁の隙間など、家屋の様々な場所から侵入します。

専門業者による調査で特定された侵入経路はもちろんのこと、他にも侵入される可能性のある箇所を隈なくチェックし、将来的な侵入リスクも考慮して封鎖する必要があります。

屋根裏や床下への侵入経路

アライグマが家屋に侵入する際の代表的な経路として、以下のような場所が挙げられます。これらの箇所は特に念入りな点検と対策が必要です。

通気口や換気扇

床下の通気口(基礎パッキンでない場合)や屋根裏の換気扇、壁に取り付けられた換気口や給排気口のベントキャップなどは、アライグマの侵入経路になりやすい代表的な箇所です。特に古いタイプの換気口は、格子が破損していたり、隙間が大きかったり、材質が弱かったりすることがあります。アライグマはこれらの格子を破壊したり、押し広げたりして侵入します。

屋根の隙間や破損箇所

屋根瓦のずれや割れ、棟板金の浮きや剥がれ、軒天(軒裏の天井部分)の剥がれや穴、雨樋と屋根の接合部の隙間など、屋根周りの劣化箇所や構造的な隙間はアライグマの侵入を許す原因となります。アライグマは手先が器用なため、少しの隙間でもこじ開けて侵入することがあります。また、屋根材の継ぎ目や、増改築部分の接合部なども注意が必要です。

壁の穴や亀裂

外壁のひび割れや穴、配管(水道管、ガス管、エアコンのドレンホースなど)を通すために開けられた穴と壁との隙間、エアコンの室外機から室内への配管導入部の隙間なども侵入経路となり得ます。特に、建物の基礎部分に近い場所や、雨戸の戸袋の内部、外壁と基礎の間の隙間なども盲点になりやすいので注意が必要です。

侵入経路を塞ぐための資材と方法

侵入経路を塞ぐ際には、アライグマの力や歯、爪でも容易に破壊されたりこじ開けられたりしない、頑丈で耐久性のある素材を選ぶことが重要です。また、施工が不十分だと再び侵入される可能性があるため、隙間なく確実な作業が求められます。

金網やパンチングメタル

通気性を確保しつつ侵入を防ぐためには、目の細かい丈夫な金網(ステンレス製や亜鉛メッキ鉄線など、線径の太いもの)やパンチングメタル(金属板に多数の穴を開けたもの)が有効です。これらを隙間の大きさに合わせてカットし、ビスやアンカー、専用の固定具などで壁や構造体にしっかりと固定します。アライグマが爪で引っ掻いたり、噛み付いたりしても破れない強度と、簡単に取り外せない固定方法が必要です。

補修材(パテ、モルタルなど)

小さな穴や壁の亀裂、配管周りの隙間などは、屋外用の耐久性の高いコーキング剤や防水パテ、セメント系補修材(モルタルなど)を使って隙間なく埋めます。使用する補修材は、耐候性があり、雨風に強く、硬化後に十分な強度を持つものを選びましょう。作業箇所や素材、隙間の大きさに合わせて適切な補修材を選択することが大切です。

敷地内への侵入を防ぐ対策

家屋への直接的な侵入を防ぐだけでなく、敷地内へのアライグマの侵入自体を困難にすることも重要です。

特に農作物や池の魚などを守るためには、敷地境界での物理的なバリアが効果的です。

フェンスや柵の設置と強化

敷地の周囲にアライグマが乗り越えたり、通り抜けたりできないようなフェンスや柵を設置することで、侵入を物理的に防ぎます。

アライグマは木登りが得意なので、フェンスの高さは1.5メートル以上を目安とし、さらに上部に「忍び返し」(有刺鉄線やアングル材など)を設置するなどの工夫が必要です。

フェンスの材質は、網目が小さく(5cm角以下が望ましい)、強度の高い溶接金網などが適しています。

また、フェンスの下を掘って侵入することもあるため、フェンスの下端を30cm程度地面に埋め込むか、L字型に金網を折り曲げて地面に固定するなどの対策も有効です。

既存のフェンスがある場合は、隙間がないか、破損している箇所がないかを確認し、必要であれば補強しましょう。

電気柵の利用と注意点

広範囲の農地や果樹園、養魚池など、物理的な柵だけでは防ぎきれない場所では、電気柵の設置が効果的な場合があります。

アライグマが電気柵のワイヤーに触れると、痛みを感じる程度の電気ショックを受け、その場所を危険な場所と学習して近づかなくなります。

電気柵を設置する際は、法令(電気事業法など)を遵守し、適切な電圧管理と安全対策(危険表示板の設置など)を行う必要があります。

また、ワイヤーに草などが触れると漏電して効果が著しく低下するため、定期的な下草刈りなどのメンテナンスが欠かせません。

導入や管理については、専門の業者に相談することをおすすめします。

まとめ

アライグマは家屋や農作物への被害、感染症リスクをもたらす害獣です。

特定外来生物であり、放置は危険なため、発見次第、法律を守り駆除が必要です。

費用は被害状況で変動しますが、専門業者への依頼が安全かつ確実でしょう。

駆除後の消毒は感染症予防に不可欠で、侵入経路封鎖などの再発防止策も重要です。

被害を最小限に抑えるため、早めの相談と対策を検討しましょう。


駆除ザウルス