
大切に育てているブルーベリーに虫がついてお困りではありませんか?「葉が食べられている」「樹が弱ってきた」といった被害は、害虫が原因かもしれません。
この記事では、家庭菜園初心者の方でも安心して実践できる、ブルーベリーの害虫対策の全てを時期別に徹底解説します。
代表的な害虫の種類と見分け方から、春の新芽を守る予防法、収穫期でも安心な夏の駆除方法、来年に向けた秋冬のメンテナンスまで、年間を通した具体的な作業がわかります。
さらに、農薬に頼らない自然な対策や、やむを得ず殺虫剤を使う場合の安全な選び方・使い方まで網羅。
ブルーベリーの害虫対策で最も重要なのは、害虫を発生させないための「予防」と、見つけたらすぐに取り除く「初期対応」です。
この記事を最後まで読めば、もう害虫に悩むことなく、毎年甘くて美味しいブルーベリーの収穫を目指せるようになります。
目次
ブルーベリー栽培で最初に知るべき害虫の種類と被害
大切に育てているブルーベリーの様子がなんだかおかしい。
葉に穴が空いていたり、白い綿のようなものが付いていたり…それは害虫の仕業かもしれません。
ブルーベリー栽培を成功させる第一歩は、まず敵を知ることから。
ここでは、ブルーベリーに発生しやすい代表的な害虫の種類と、それぞれが引き起こす被害の症状を詳しく解説します。
症状から害虫を特定し、早期発見・早期対策につなげましょう。
葉を食べる害虫とその被害症状
葉は光合成を行い、株の成長や美味しい実を作るためのエネルギーを生み出す重要な器官です。
葉を食べる害虫を放置すると、生育不良や収穫量の減少に直結します。
特に新芽や若葉が狙われやすいため、春先の観察が欠かせません。
コガネムシ成虫
初夏から夏にかけて飛来するコガネムシの成虫は、ブルーベリーの葉を好んで食べます。
被害の特徴は、葉脈を残して網目状に食害することです。
特に柔らかい新葉が狙われやすく、多数の成虫に一斉に食害されると、あっという間に葉がボロボロになり光合成ができなくなります。
日中は土の中に隠れ、夜間に活動することが多いため、朝方に葉の被害だけが目立つ場合はコガネムシを疑いましょう。
イラガ・ハマキムシなどケムシ類
いわゆる「ケムシ」と呼ばれる蛾の幼虫も、ブルーベリーの葉を食害する主要な害虫です。
代表的なものにイラガやハマキムシがいます。
イラガの幼虫は、発生初期には葉の裏に集団で潜み、葉の表面だけを残して食べるため、葉が白く透けた「かすり状」になります。成長すると葉全体を食べるようになります。
イラガは毒針毛を持っており、触れると電気が走ったような激しい痛みに襲われるため、駆除の際は絶対に素手で触らないよう注意が必要です。
一方、ハマキムシの幼虫は、名前の通り、新芽や葉を糸で綴り合わせて筒状の巣(葉巻のような形)を作り、その中に隠れて内部から葉を食害します。
先端の新芽が被害にあうと、その後の枝の成長が止まってしまうこともあります。
>>イラガ虫の駆除はこれで完璧!発生時期・見つけ方から効果的な駆除方法まで徹底解説
樹液を吸う害虫とその被害症状
葉や枝、幹から樹液を吸う害虫は、直接的な被害だけでなく、病気を媒介したり、排泄物が原因で二次的な被害を引き起こしたりする厄介な存在です。
株全体の活力をじわじわと奪っていきます。
アブラムシ
春先に新芽や若い枝の先端にびっしりと群生するのがアブラムシです。
体長2mm程度の小さな虫で、植物の樹液を吸って生育を阻害し、葉の変形や縮れを引き起こします。
繁殖力が非常に高く、あっという間に増殖します。
さらに、アブラムシの排泄物(甘露)は糖分を含んでおり、これを栄養源として「すす病」というカビが発生します。
すす病になると葉や枝が黒いすすで覆われたようになり、光合成が妨げられ、株の衰弱につながります。
>>【即効】大量のアブラムシ駆除に!業者をオススメする理由と知らないと損する退治法と予防策
カイガラムシ
枝や幹、葉に付着し、固い殻やロウ物質で体を覆っているのがカイガラムシです。
一見すると虫には見えず、樹皮の一部やゴミのように見えることもあります。
アブラムシ同様に樹液を吸って株を弱らせ、すす病の原因にもなります。
成虫は殻で覆われているため薬剤が効きにくく、駆除が難しい害虫の一つです。
ブルーベリーではルビーロウムシやイセリアカイガラムシなどがよく見られます。
>>放置は危険!カイガラムシの駆除業者、費用を安く抑えるコツと探し方
ハダニ
ハダニは0.5mm程度と非常に小さく、肉眼での確認が難しい害虫です。
主に葉の裏に寄生して樹液を吸います。被害の初期症状は、葉に針で刺したような白い小斑点が無数に現れることです。
被害が進行すると葉全体が白っぽくかすり状になり、光合成能力が低下して、最終的には葉が枯れて落ちてしまいます。
高温で乾燥した環境を好むため、梅雨明けから夏場にかけて特に発生しやすくなります。
葉にクモの巣のような細い糸が張られている場合も、ハダニが発生しているサインです。
幹や根に侵入する害虫とその被害症状
株の根幹部分である幹や根に侵入する害虫は、被害が深刻化しやすく、最悪の場合、株全体を枯らしてしまうこともあります。
地上部の変化だけでなく、株元のチェックが重要です。
カミキリムシ(テッポウムシ)
ブルーベリー栽培における最も危険な害虫の一つがカミキリムシの幼虫、通称「テッポウムシ」です。
成虫が幹の根元付近に産卵し、孵化した幼虫が幹の内部に侵入して内部を食い荒らします。
食害が進むと、水や養分の通り道である道管や師管が破壊され、ある日突然、枝葉が萎れたり、株全体が枯死したりします。
株元にオガクズのような木くずやフンが落ちていたら、内部に幼虫が侵入している危険なサインです。
早期発見が非常に重要となります。
コガネムシ幼虫
葉を食べるコガネムシの成虫だけでなく、土の中にいる幼虫もブルーベリーにとってはやっかいな害虫です。
幼虫は土の中で植物の根を食べて成長します。
特に鉢植えや植え付けたばかりの若い株は根の量が少ないため、幼虫による食害の影響を大きく受けます。
水やりをしているのに葉がしおれる、株の生育が悪い、株元がグラグラするといった症状が見られたら、根が食べられている可能性があります。
植え替えの際に土の中から丸まった白い幼虫が出てきたら、それがコガネムシの幼虫です。
【春】新芽と花を守るブルーベリーの害虫駆除と予防
春はブルーベリーが休眠から目覚め、新芽や花芽が一斉に動き出す、成長にとって最も重要な季節です。
しかし、柔らかい新芽や甘い蜜を持つ花は、害虫にとっても格好のごちそう。
この時期の対策を怠ると、その後の生育や収穫量に大きな影響が出てしまいます。
春の害虫対策の基本は「早期発見・早期駆除」。
こまめな観察で被害を最小限に食い止め、大切なブルーベリーを守りましょう。
春に注意すべき害虫
冬を越した害虫が活動を始める春は、特に以下の害虫に注意が必要です。
暖かくなるにつれて、あっという間に増殖することがあります。
アブラムシ類:体長2mm程度の小さな虫で、新芽や若葉、花の付け根などに群生します。樹液を吸って株を弱らせるだけでなく、排泄物が原因で「すす病」という黒いカビが発生し、光合成を妨げます。また、ウイルス病を媒介することもあるため、見つけ次第すぐに対処が必要です。
コガネムシ成虫:種類によっては春から活動を開始し、葉や花を食害します。特に花が食べられると受粉ができなくなり、その年の収穫は望めません。キラキラとした甲虫を見かけたら注意しましょう。
ハマキムシ(ハマキガ類の幼虫):新しく展開した柔らかい葉を糸で綴り合わせ、その中で葉を食害します。葉が不自然に丸まっていたり、くっついていたりしたら、中に幼虫が潜んでいる可能性が高いです。
発生初期の駆除方法
害虫の数が少ない発生初期であれば、農薬を使わずに駆除することも十分可能です。
毎日の観察で見つけ次第、すぐに行動に移しましょう。
手作業による物理的駆除:アブラムシは、数が少なければ粘着テープに貼り付けて取り除いたり、使い古しの歯ブラシなどで優しくこすり落としたりするのが効果的です。ハマキムシは、綴られた葉ごと摘み取って処分します。コガネムシの成虫は、動きが鈍い早朝に捕まえて捕殺するのが最も確実な方法です。
水で洗い流す:アブラムシが広範囲に少しずつ付いている場合は、ホースのシャワーで水圧を弱めに設定し、洗い流すのも一つの手です。ただし、強い水圧は新芽や花を傷める原因になるので注意してください。
農薬(殺虫剤)の使用:手作業では追いつかないほど大量発生してしまった場合は、農薬の使用を検討します。必ず「ブルーベリー」に登録のある薬剤を選び、ラベルに記載された使用方法、希釈倍率、使用時期を厳守してください。
特に開花期は、受粉を助けるミツバチなどの訪花昆虫に影響を与えないよう、散布する時間帯(早朝や夕方)や薬剤の選択には細心の注意が必要です。
春の予防メンテナンス
害虫を発生させない、増やさないための予防的な管理が、春の栽培成功のカギを握ります。
こまめな観察と株周りの清掃:害虫対策の基本は、毎日ブルーベリーの状態をチェックすることです。特に葉の裏や新芽の先端は害虫が隠れやすい場所なので、念入りに観察しましょう。また、株元の雑草は害虫の隠れ家や発生源となるため、こまめに抜いて風通しを良く保ちます。
防虫ネットの活用:コガネムシなどの飛来してくる害虫には、防虫ネットが非常に有効です。新芽が動き出す前の早い段階で株全体を覆うことで、産卵や食害を防ぐことができます。ただし、ブルーベリーの受粉にはミツバチなどの昆虫の助けが必要です。開花が始まったら、受粉ができるようにネットを一時的に外すか、裾をまくり上げて昆虫が出入りできるように工夫しましょう。
コンパニオンプランツを植える:ブルーベリーの株元や近くに、特定の香りで害虫を遠ざける効果が期待されるハーブ類(ミント、マリーゴールド、ナスタチウムなど)を植えるのも予防策の一つです。景観が良くなるというメリットもあります。
【夏】収穫期も安心なブルーベリーの害虫駆除と予防
夏はブルーベリーの収穫が本格化する嬉しい季節ですが、同時に害虫の活動が最も活発になる時期でもあります。
気温と湿度が高まることで、様々な害虫が大量発生しやすくなります。
特に収穫期は、口に入る果実の安全性を考えると、農薬(殺虫剤)の使用には細心の注意が必要です。
この章では、夏の収穫期間中でも安心して行える害虫駆除と、被害を未然に防ぐための予防メンテナンスについて詳しく解説します。
夏に大量発生しやすい害虫
夏に特に注意が必要なのは、成虫となって飛来し、葉や果実を直接加害する害虫です。
高温乾燥を好む微小な害虫にも警戒しましょう。
コガネムシ成虫
キラキラと光る甲虫で、夏の代表的な害虫です。
昼間は土の中に隠れ、夜間に活動を開始し、ブルーベリーの葉脈を残して網目状に食い荒らします。
被害が進行すると光合成ができなくなり、株が衰弱します。
熟した果実を食害することもあるため、収穫量に直接影響を与えます。
イラガ・ハマキムシなどケムシ類
夏はチョウやガの産卵期でもあり、孵化した幼虫(ケムシ)による食害が急増します。
イラガの幼虫は毒針毛を持っており、触れると激しい痛みを伴う皮膚炎を引き起こすため特に危険です。
ハマキムシは葉を巻いたり綴り合わせたりして巣を作り、その中で葉を食害します。
どちらも食欲が旺盛で、放置するとあっという間に葉を食べ尽くされてしまいます。
カミキリムシ(成虫)
ゴマダラカミキリなどのカミキリムシは、夏に産卵のために飛来します。
成虫はブルーベリーの若い枝や葉をかじって栄養を補給しますが、最大の脅威は株元への産卵です。
孵化した幼虫(テッポウムシ)が幹の内部に侵入し、木を内側から食い荒らすため、最悪の場合、株全体が枯れてしまいます。
成虫を見かけたら、産卵される前に必ず駆除することが重要です。
ハダニ
梅雨明け後の高温で乾燥した環境を好み、爆発的に増殖します。
非常に小さく(0.5mm程度)、肉眼では確認しにくいですが、葉の裏に寄生して汁を吸います。
被害を受けた葉は、葉緑素が抜けて白っぽくカスリ状になり、光合成能力が低下します。
被害が広がると葉が早期に落葉し、株の生育や来年の花芽形成に悪影響を及ぼします。
収穫中でもできる害虫駆除
果実を収穫する夏は、できるだけ化学農薬を使わずに害虫を駆除したいものです。
安全かつ効果的な方法を実践しましょう。
最も確実で安全な方法は、手で捕まえて駆除する物理的防除です。
コガネムシは夜行性ですが、早朝に株を揺すると地面に落ちることがあるため、下にシートなどを敷いておくと捕獲しやすくなります。
イラガやハマキムシなどのケムシ類も、見つけ次第、葉ごと切り取って処分するか、割り箸などで取り除きます。
イラガは毒があるので、絶対に素手で触らず、厚手の手袋を着用してください。
カミキリムシも動きが比較的遅いため、見つけたらすぐに捕殺しましょう。
アブラムシやハダニのように小さな害虫が大量に発生した場合は、ホースのシャワーで勢いよく水をかけて洗い流すのが効果的です。
特に葉の裏に潜んでいることが多いので、葉裏をめがけて念入りに散水しましょう。
株の乾燥を防ぐことにもつながり、ハダニの予防にもなります。
どうしても駆除しきれない場合は、収穫前日まで使用できる食品成分由来の殺虫剤を利用するのも一つの手です。
デンプンやなたね油などを主成分としたスプレータイプの製品は、害虫を物理的に窒息させるもので、薬剤抵抗性がつきにくいという利点もあります。
使用する際は、製品のラベルをよく読み、使用時期や回数を必ず守ってください。
夏の予防メンテナンス
害虫を発生させてから駆除するのではなく、そもそも寄せ付けない環境を作ることが大切です。
日々の少しの工夫で、被害を大幅に減らすことができます。
まず、コガネムシやカミキリムシなどの飛来する成虫対策として、防虫ネットで株全体を覆うのが非常に効果的です。
目の細かいネット(1mm目合い以下)を選び、隙間ができないように裾をしっかりと留めましょう。
収穫作業がしやすいように、一部を洗濯ばさみなどで開閉できるようにしておくと便利です。
次に、株周りの環境整備です。雑草は害虫の隠れ家や発生源になるため、こまめに除草して風通しを良く保ちます。
また、夏の強い日差しによる土の乾燥は、株を弱らせ、ハダニの発生を助長します。
ウッドチップや腐葉土などで株元をマルチングすると、土壌の保湿と雑草抑制の両方に効果があり、一石二鳥です。
最後に、適切な水やりです。特に鉢植えの場合は水切れしやすいため、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。
その際、葉の裏にも水をかける「葉水」を定期的に行うことで、ハダニの発生を効果的に予防できます。
【秋冬】来シーズンに備えるブルーベリーの害虫対策
ブルーベリーの収穫が終わり、葉が落ち始める秋冬シーズンは、来年の豊かな収穫に向けた重要な準備期間です。
この時期に潜んでいる害虫を徹底的に駆除し、予防策を講じることで、春先の被害を大幅に減らすことができます。
一見、活動が静まるように見えるこの季節こそ、害虫対策の要となるのです。
ここでは、休眠期を利用した効果的な駆除方法と予防メンテナンスについて詳しく解説します。
越冬する害虫の種類
多くの害虫は、成虫や幼虫、卵の姿で冬を越します。
ブルーベリーの株やその周辺に潜み、春になると一斉に活動を開始します。
秋冬のうちにこれらの越冬害虫を見つけ出し、駆除することが重要です。
主に注意すべき害虫は以下の通りです。
- カイガラムシ類: 多くの種類が成虫や幼虫のまま、枝や幹に固着して越冬します。硬い殻やロウ物質で覆われているため、薬剤が効きにくい厄介な害虫です。
- ハダニ類: 卵や雌の成虫が、樹皮の隙間や枝の分かれ目などで越冬します。非常に小さいため肉眼での発見は困難ですが、放置すると春以降に爆発的に増殖します。
- アブラムシ類: 主に卵の状態で、新芽の付け根や枝の隙間で冬を越します。春に孵化し、新芽や若葉に群がって樹液を吸います。
- カミキリムシ(テッポウムシ): 幼虫の状態で幹の内部に潜んで越冬します。株元におがくずのようなフン(木くず)が落ちていないか確認しましょう。
- コガネムシ類: 幼虫の状態で土の中で越冬します。根を食害し、株を弱らせる原因となります。
休眠期に行う害虫駆除と剪定
ブルーベリーが落葉し、休眠期に入る12月から2月は、害虫駆除の絶好のタイミングです。
葉がないため枝全体が見渡しやすく、作業が効率的に進められます。
まず、物理的な駆除から始めましょう。
枝や幹に付着しているカイガラムシは、使い古しの歯ブラシや竹べらなどで丁寧にこすり落とします(ブラッシング)。
この作業は、越冬しているカイガラムシを直接取り除く最も確実な方法です。
また、株元にカミキリムシの幼虫が出す木くずを見つけたら、穴に針金を差し込んで刺殺するか、専用の殺虫スプレーを注入して駆除します。
次に、休眠期防除として薬剤散布を行います。
この時期におすすめなのが「マシン油乳剤」です。
マシン油乳剤は、害虫の体を油膜で覆い、気門を塞いで窒息させる効果があります。
カイガラムシやハダニ、アブラムシの卵など、越冬中の多くの害虫に有効で、薬剤抵抗性がつきにくいのが特長です。
製品の指示に従って正しく希釈し、風のない穏やかな日に、枝の分かれ目や樹皮の隙間までムラなく丁寧に散布してください。
また、害虫駆除と並行して剪定を行うとさらに効果的です。
混み合った枝や枯れ枝、病害虫の被害にあった枝を切り落とすことで、株全体の風通しと日当たりが改善されます。
これにより、害虫が潜む場所を減らし、病気の発生も抑制できます。
剪定で取り除いた枝は、越冬している害虫や卵が付着している可能性があるため、必ず畑の外に持ち出して適切に処分しましょう。
土壌環境の改善で予防する
地上部の対策と同時に、土の中の環境を整えることも来シーズンの害虫予防につながります。
特にコガネムシの幼虫は土中で越冬し、春になると根を食害するため、この時期に対策しておくことが重要です。
鉢植えの場合は、2年に1度を目安に冬の休眠期に植え替えを行いましょう。
土をすべて入れ替える際に、中にコガネムシの幼虫がいないか確認し、見つけたら取り除きます。
地植えの場合は、株の周りの土を掘り返す「天地返し」が有効です。根を傷つけないように注意しながら、スコップで土を掘り起こし、幼虫を寒気にさらして駆除します。
同時に、古いマルチング材(ウッドチップやバークなど)を一度取り除き、その下に潜む害虫がいないかチェックしましょう。
株元の落ち葉や雑草もきれいに清掃し、害虫の越冬場所をなくすことが大切です。
清掃が終わったら、新しいマルチング材を敷き、完熟した堆肥やブルーベリー用の肥料を施して土壌環境を整えます。
健康な土壌で育ったブルーベリーは樹勢が強くなり、病害虫への抵抗力も高まります。
こうした地道な秋冬のメンテナンスが、翌年の豊かな実りへとつながるのです。
農薬に頼らないブルーベリーの害虫駆除方法
ご家庭でブルーベリーを育てる大きな魅力は、採れたての新鮮な実を安心して食べられることです。
そのため、「できるだけ農薬は使いたくない」と考える方は少なくありません。
化学合成農薬に頼らなくても、害虫の発生を抑え、被害を最小限に食い止める方法はたくさんあります。
ここでは、初心者でも実践しやすい物理的な駆除方法や、自然由来の資材を活用した予防策について詳しく解説します。
手で取り除く物理的な駆除
害虫の数が少ない発生初期の段階では、手で直接取り除く「捕殺」が最も確実で効果的な方法です。
日々の観察を習慣にし、害虫を早期に発見することが重要になります。
コガネムシの成虫は、日中の活動が活発になる前の早朝を狙いましょう。
ブルーベリーの株元にシートや新聞紙を広げ、枝を揺すると驚いて落下するので、それを集めて処分します。
イラガやハマキムシといったケムシ類は、集団で葉を食害していることが多いため、被害のある葉ごと枝を切り取って取り除くのが効率的です。
イラガのように毒を持つ毛虫もいるため、必ず厚手の手袋や火ばさみを使い、直接触れないように注意してください。
新芽や葉の裏にびっしりと付くアブラムシは、数が少なければ指で潰したり、ガムテープなどの粘着テープで貼り付けて取ることができます。
また、勢いの良い水流をホースやスプレーで吹きかけて洗い流すのも有効です。
幹や枝に白や茶色の塊のように付着するカイガラムシは、成虫になると硬い殻で覆われ薬剤が効きにくくなります。
使い古しの歯ブラシや竹串、ヘラなどで丁寧にこすり落としましょう。
幼虫が発生する5月~7月頃に集中的に行うと、翌年の発生を大きく減らすことができます。
防虫ネットの効果的な使い方
害虫を「駆除」するのではなく、そもそも寄せ付けない「予防」という観点から、防虫ネットは非常に有効なアイテムです。
特に、コガネムシやガ類などの成虫が飛来して葉を食べたり、株に産卵したりするのを物理的に防ぐことができます。
防虫ネットを選ぶ際は、防ぎたい害虫の大きさに合わせて「目合い」のサイズを選びます。
コガネムシやチョウ、ガを防ぐ目的なら1mm程度の目合いで十分ですが、アブラムシやアザミウマなどの微小な害虫まで防ぎたい場合は、0.4mm~0.6mmといったより細かい目合いのネットが必要になります。
ただし、目合いが細かいほど風通しが悪くなり、株が蒸れやすくなるデメリットもあるため、栽培環境に合わせて選びましょう。
ネットをかける際は、支柱を立ててトンネル状にし、ネットが直接ブルーベリーの枝葉に触れないように空間を作ることがポイントです。
ネットが葉に密着していると、その上から産卵管を刺して卵を産み付ける害虫もいるためです。
また、裾の部分に隙間ができないよう、土や重しを置いたり、専用のクリップで留めたりして、地面からの害虫の侵入経路を完全に塞ぎましょう。
なお、ブルーベリーの開花期には、受粉を助けるミツバチなどが入れるように、日中だけネットを外すか、人工授粉を行う必要があります。
木酢液やニームオイルを活用する
自然由来の資材を活用して、害虫が寄り付きにくい環境を作る方法もおすすめです。
これらは化学合成農薬と比べて効果は穏やかですが、予防的に使用することで害虫の発生を抑える助けとなります。
木酢液(もくさくえき)は、木炭を作る際に出る煙を冷却して液体にしたもので、独特の燻製のような香りが特徴です。
この香りを嫌う害虫が多く、忌避効果が期待できます。
製品の規定に従って200~500倍程度に水で薄め、霧吹きなどで葉の表裏にまんべんなく散布します。土壌に散布することで、土の中の有用な微生物の働きを活発にする効果も期待できると言われています。
ニームオイルは、インド原産の「ニーム」という樹木の種子から抽出した天然オイルです。害虫がこれを摂取すると食欲がなくなったり、脱皮や変態を阻害されたりする効果があり、直接的な殺虫作用ではなく、害虫の活動を抑える働きをします。
特にアブラムシやハダニに有効です。ニームオイルは水に溶けにくいため、食器用洗剤などを数滴混ぜて乳化させてから水で希釈し、散布します。
油分なので、気温が高い日中に散布すると葉が焼ける「油焼け」を起こす可能性があるため、早朝や夕方の涼しい時間帯に使用しましょう。
これらの資材は、病害虫が発生する前の定期的な散布が効果を高める鍵となります。
初心者向け農薬(殺虫剤)の選び方と安全な使い方
手での駆除や予防策だけでは害虫の被害が広がってしまう場合、農薬(殺虫剤)の使用が有効な選択肢となります。
しかし、初心者にとっては「どの薬を選べばいいの?」「使い方は安全?」といった不安がつきものです。
ここでは、ブルーベリー栽培で安心して農薬を使うための、基本的な選び方と安全な使用方法について詳しく解説します。
ブルーベリーに使える農薬の種類
農薬を使用する上で最も重要なことは、「農薬取締法」に基づき、対象作物である「ブルーベリー」に使用が認められている(登録がある)製品を選ぶことです。
商品のラベルや説明書に「適用作物」として「ブルーベリー」の記載があるか必ず確認しましょう。
登録のない農薬を使用すると、生育に悪影響を及ぼす「薬害」が発生したり、法に触れたりする可能性があるため絶対に避けてください。
ブルーベリーに使える農薬は、成分や剤形によっていくつかの種類に分けられます。
成分による分類
化学合成農薬:速効性や持続性に優れたものが多く、害虫を効率的に駆除したい場合に有効です。
例えば、アブラムシやカイガラムシに効果のあるアセフェートを成分とする「オルトラン粒剤」や、幅広い害虫に効くフェンプロパトリンを含む「ベニカS乳剤」などが代表的です。
使用する際は、ラベルに記載された使用時期や回数を厳守する必要があります。
天然由来成分の農薬(有機JAS適合農薬):化学合成農薬の使用に抵抗がある方や、オーガニック栽培を目指す方におすすめです。
効果は化学合成農薬に比べて穏やかですが、環境への負荷が少なく、収穫間近まで使える製品が多いのが特徴です。
イラガやハマキムシなどのケムシ類に有効な「BT剤(ゼンターリなど)」、カイガラムシやハダニに効果のある「マシン油乳剤」、アザミウマ類などに効く「スピノサド(スピノエースフロアブルなど)」といった種類があります。
「有機JAS適合」のマークがあるかどうかも選択の目安になります。
剤形(形状)による分類
スプレー剤(エアゾール剤):購入後すぐに使える手軽さが魅力です。害虫を見つけたときにピンポイントで散布できるため、初心者でも扱いやすいでしょう。
乳剤・水和剤:水で決められた倍率に薄めてから噴霧器などで散布するタイプです。計量の手間はかかりますが、広範囲に散布でき、コストパフォーマンスに優れています。
粒剤:株元の土に混ぜ込むことで、成分が根から吸収されて株全体に行き渡り、効果が持続します。コガネムシの幼虫など、土の中にいる害虫の駆除・予防に特に効果的です。
どの農薬を選べばよいか迷った際は、農林水産省が提供する「農薬登録情報提供システム」で、ブルーベリーに適用があり、駆除したい害虫に効果のある農薬を検索することもできます。
>>プロが選ぶ害虫別のオススメ撃退(駆除)グッズ!置くだけ・スプレー徹底比較
散布時期と回数の注意点
農薬は、正しい時期に正しい方法で使ってこそ、効果を最大限に発揮し、安全性も確保できます。
以下のポイントを必ず守りましょう。
散布のタイミングと時間帯
農薬散布の基本は「予防」と「早期発見・早期駆除」です。
害虫が発生しやすい春の新芽が動き出す前や、越冬害虫対策として落葉後の休眠期に予防散布を行うと効果的です。
害虫を見つけた場合は、数が増える前の初期段階で散布しましょう。
散布する時間帯は、風がなく、日差しの弱い早朝か夕方が最適です。
日中の高温時に散布すると、水分が急激に蒸発して葉に薬液が残り、薬害の原因となることがあります。
また、雨天や雨が降りそうな日は、薬液が流されて効果が薄れるため避けてください。
安全な散布方法と遵守事項
保護具の着用:農薬を吸い込んだり、皮膚に付着したりするのを防ぐため、マスク、ゴーグル、ゴム手袋、長袖・長ズボンの着用を徹底してください。
希釈倍率の厳守:「濃い方が効くだろう」と自己判断で濃い濃度で散布するのは絶対にやめましょう。薬害を引き起こし、ブルーベリーの木を傷める原因になります。必ず製品ラベルに記載された希釈倍率を守ってください。
散布方法:風上から風下に向かって、葉の裏表や枝、幹まで全体にムラなくかかるように丁寧に散布します。特に害虫が隠れやすい葉の裏は念入りに行いましょう。
使用回数と時期の制限:農薬には、作物ごとに「総使用回数」と「収穫〇日前まで」という使用時期の制限が定められています。同じ農薬を使い続けると、害虫がその成分に強くなる「薬剤抵抗性」が発達する可能性があるため、作用性の異なる複数の農薬をローテーションで使うのがおすすめです。また、安全に収穫・喫食するため、「収穫前日数」は必ず守りましょう。
これらのルールを守ることで、農薬はブルーベリー栽培の頼もしい味方になります。
不安な場合は、園芸店の専門スタッフに相談してみるのも良いでしょう。
まとめ
美味しいブルーベリーを家庭で収穫するためには、害虫対策が欠かせません。
この記事では、ブルーベリーに発生しやすい害虫の種類から、時期別の具体的な駆除・予防方法までを網羅的に解説しました。
ブルーベリーの害虫対策で最も重要な結論は、「害虫の活動時期に合わせた予防と早期駆除」です。
春は新芽を狙うアブラムシやコガネムシ成虫、夏は収穫期にも発生するケムシ類、そして秋冬は越冬するカイガラムシやカミキリムシの幼虫など、季節によって注意すべき害虫は異なります。
それぞれの生態に合わせた対策を講じることが、被害を最小限に抑えるための最善策となります。
また、農薬に頼る前にできる対策も数多くあります。
日々の観察で害虫を手で取り除く物理的駆除や、防虫ネットの設置は非常に効果的です。
さらに、風通しを良くする剪定や、コガネムシ幼虫の発生源となる未熟な堆肥を避けるといった土壌環境の改善は、害虫が住み着きにくい環境を作るための根本的な予防策と言えるでしょう。
もし農薬を使用する場合は、必ず「ブルーベリー」に登録のある安全な製品を選び、記載された使用時期や回数を厳守してください。
本記事で紹介したポイントを一つひとつ実践すれば、初心者の方でも害虫の被害を乗り越え、甘くて美味しいブルーベリーの収穫をきっと楽しむことができるはずです。
まずは日々の観察から始めてみましょう。








