
大切に育てているビカクシダに白い粉やベタベタしたものが付着し、どう対処すればいいか悩んでいませんか?自己流の駆除を試した結果、かえって株を弱らせてしまったという失敗は避けたいものです。
この記事では、ビカクシダを傷つけることなく害虫問題を解決するための「正しい知識と手順」を網羅的に解説します。
カイガラムシやハダニといった代表的な虫の見分け方から、薬剤を使わない物理的な駆除方法、オルトランなど定番薬剤の失敗しない使い方、そして虫を二度と発生させないための予防策まで、具体的な方法を詳しく紹介。
この記事を読めば、あなたのビカクシダに発生した虫の正体を突き止め、状況に応じた最適な駆除方法を実践し、再び美しい姿を取り戻すことができます。
目次
まずはチェック ビカクシダにつきやすい虫の種類と見分け方
独特なフォルムで人気のビカクシダ(コウモリラン)は、比較的病害虫に強い観葉植物ですが、残念ながら虫が全くつかないわけではありません。
特に室内で管理していると、特定の害虫が発生しやすくなります。
虫の被害は、見た目を損なうだけでなく、放置するとビカクシダの生育に深刻なダメージを与え、最悪の場合枯れてしまうことも。
大切なビカクシダを守るためには、害虫を早期に発見し、正しく対処することが何よりも重要です。
まずは、ご自身のビカクシダにどんな虫がついているのか、その症状と見分け方をここでしっかりと確認していきましょう。
白い粉や綿が付着するカイガラムシ
ビカクシダで最もよく見られる害虫の一つがカイガラムシです。
体長は1mm~3mm程度で、種類によって見た目は様々。
白い綿のような塊に見えるコナカイガラムシや、茶色く硬い殻を持つカタカイガラムシなどがいます。
成虫になると脚が退化してほとんど動かなくなるため、葉や茎に固着している様子は、まるで植物の一部かゴミのように見えることもあります。
貯水葉の隙間や胞子葉の付け根、葉の裏側など、見つけにくい場所に潜んでいることが多いので注意深く観察してください。
カイガラムシは植物の汁を吸って弱らせるだけでなく、その排泄物が「すす病」の原因になることも。
葉の表面がベタベタしていたり、黒いすすのようなカビが付着していたりする場合は、カイガラムシが発生しているサインです。
爪の先で軽くこすってみて、ポロっと取れるようであればカイガラムシの可能性が高いでしょう。
>>放置は危険!カイガラムシの駆除業者、費用を安く抑えるコツと探し方
葉の色が抜けるハダニ
ハダニは非常に小さく、体長0.5mm程度なので肉眼で姿を確認するのは困難な害虫です。
主に葉の裏に寄生し、葉の組織を破壊しながら汁を吸います。
ハダニの被害に遭うと、葉の表面に針で刺したような白い小斑点が現れ、次第にその範囲が広がって葉全体が白っぽくカスリ状に見えるようになります。
これは葉緑素が抜けてしまった状態で、光合成が阻害され、生育不良を引き起こします。
被害が進行すると葉が枯れ落ちてしまうこともあります。
ハダニは乾燥した環境を好むため、特にエアコンの効いた室内などでは繁殖しやすくなります。
発生初期は被害が見えにくいですが、葉の色がなんとなく薄くなってきたと感じたら、葉の裏をよく観察してみてください。
数が多くなると、クモの巣のような細い糸を張ることもあります。
定期的な葉水はハダニの予防に繋がります。
新芽を奇形にするアザミウマ
アザミウマ(スリップス)は、体長1~2mmほどの細長い形をした害虫です。
活発に動き回り、飛ぶこともあります。
この虫の厄介な点は、ビカクシダの成長点や展開したばかりの柔らかい新芽を好んで加害することです。
アザミウマに汁を吸われた新芽は、正常に成長できずに縮れたり、奇形になったりしてしまいます。
せっかく出てきた新しい胞子葉が美しく育たない原因の多くは、このアザミウマによる食害です。
被害を受けた葉の表面が、光に当たると銀色に光って見えたり、黒い小さな点(糞)が付着していたりするのも特徴です。
新芽の様子がおかしいと感じたら、株の下に白い紙を敷き、ビカクシダを軽く揺すってみてください。
黒い小さな虫が紙の上に落ちてくれば、アザミウマがいる証拠です。
>>【決定版】アザミウマの駆除方法まとめ|農薬を使わない自然な対策から予防まで網羅
その他注意すべき害虫(コナジラミ・トビムシなど)
上記の3種類のほかにも、ビカクシダに発生する可能性のある害虫がいます。
コナジラミは、その名の通り白い粉をまとったような小さな虫で、羽があるため飛び回ります。
葉の裏に群生して汁を吸い、カイガラムシ同様にすす病を誘発します。
株を揺らすと白い虫が一斉に飛び立つのが特徴で、それで存在に気づくことが多いでしょう。
トビムシは、主に水苔や用土など湿った場所に発生する体長1~2mmの虫です。
植物に直接的な害を与えることは少ないですが、大量発生すると不快に感じたり、稀に根を食害したりすることもあります。
水やりをした際に、水苔の表面でピョンピョンと跳ねる虫がいたら、それはトビムシです。
過湿な環境が原因であることが多いため、水やりの頻度を見直すきっかけにもなります。
また、ナメクジやダンゴムシが、湿った貯水葉の裏に隠れていることもあります。
これらは新芽を食害することがあるため、見つけ次第取り除きましょう。
やってはいけないビカクシダのNGな虫駆除方法
大切に育てているビカクシダに虫を見つけると、一刻も早く退治したいと焦ってしまいますよね。
しかし、その焦りが原因で、良かれと思って取った行動が、かえってビカクシダを傷つけ、弱らせてしまうことがあります。
ここでは、多くの人がやりがちな、しかし絶対に避けるべきNGな虫駆除方法を3つご紹介します。
あなたのビカクシダを守るために、正しい知識を身につけましょう。
強い水流で貯水葉ごと洗い流す
カイガラムシやハダニを見つけたとき、シャワーなどの強い水流で一気に洗い流そうとするのは非常に危険な行為です。
ビカクシダの株元を覆う「貯水葉」は、水を蓄えるだけでなく、着生材に体を固定し、落ち葉などから養分を吸収する重要な器官です。
この貯水葉は見た目以上にデリケートで、特に新しく展開したばかりの柔らかい葉は、強い水圧で簡単に傷ついたり、剥がれたりしてしまいます。
一度傷ついた貯水葉は元には戻らず、見た目が損なわれるだけでなく、株全体の生育バランスを崩す原因にもなりかねません。
また、貯水葉と着生材(コルクやヘゴ板)の間に勢いよく水が入り込むと、内部が乾きにくくなり、過湿による蒸れや根腐れを引き起こすリスクも高まります。
虫を洗い流したい場合は、後述する歯ブラシなどを使った物理的な除去や、霧吹きで優しく洗い流す程度に留めましょう。
自己判断で薬剤を濃くして散布する
「薬剤を濃くすれば、もっと効果が高まるはず」という考えは、薬害を引き起こす最も一般的な原因の一つであり、絶対にやめてください。
農薬や殺虫剤には、植物に安全で、かつ害虫に効果的な濃度として「希釈倍率」が厳密に定められています。
これを無視して濃い濃度で散布すると、ビカクシダに深刻なダメージを与える「薬害」が発生します。
薬害の主な症状としては、葉の変色(茶色や黒くなる)、葉焼けによる枯れ込み、新芽の奇形、生育停止などがあり、最悪の場合は株全体が枯死に至ります。
特に、ビカクシダの美しい葉の表面を覆う白い綿のような「星状毛(トリコーム)」は、高濃度の薬剤によって溶けたり剥がれたりしやすい部分です。
星状毛は、強い日差しや乾燥から葉を守る役割も担っているため、これが失われると株が弱る原因にもなります。
薬剤を使用する際は、必ず製品ラベルに記載された希釈倍率と使用方法を厳守しましょう。
適用外の薬剤を安易に使う
家庭にある殺虫剤や、他の植物で効果があった薬剤を、ビカクシダにも使えるだろうと安易に判断して使用するのは避けましょう。
園芸用の薬剤には、それぞれ「適用作物」「適用病害虫」が定められています。
パッケージに「観葉植物」と記載があっても、すべての観葉植物に安全とは限りません。
シダ植物、特にビカクシダは薬剤に敏感な種類があり、薬害が出やすい植物として知られています。
例えば、薬剤の成分を溶かすための有機溶剤を含む「乳剤」タイプの殺虫剤は、ビカクシダの星状毛を溶かしてしまったり、葉にシミを作ったりするリスクが比較的高いとされています。
また、草花には使えてもシダ類には適用がない薬剤も少なくありません。
どの薬剤を選べばよいか分からない場合は、まずビカクシダへの使用が明記されている製品や、シダ類への使用実績が多い製品を選ぶのが安全です。
初めて使う薬剤の場合は、いきなり株全体に散布せず、目立たない葉の一部で試して数日間様子を見る「パッチテスト」を行うことを強くおすすめします。
【状況別】ビカクシダの虫を駆除する正しい手順
ビカクシダに虫を発見したとき、焦って自己流で対処すると、かえって株を傷つけてしまうことがあります。
ここでは、薬剤を使いたくない場合と、薬剤で確実に駆除したい場合、それぞれの状況に合わせた正しい手順を詳しく解説します。
ご自身の栽培環境や被害の状況に合わせて、最適な方法を選びましょう。
薬剤を使いたくない場合の駆除方法
小さなお子様やペットがいるご家庭や、できるだけ自然な方法で育てたいという方におすすめの駆除方法です。
即効性のある殺虫効果は期待できませんが、発生初期であれば十分に対応可能です。
根気強く続けることが成功の鍵となります。
歯ブラシや綿棒で物理的に取り除く
カイガラムシのように、葉に固着してあまり動かない害虫に有効な方法です。
目に見える虫を直接取り除くため、最も手軽で即効性があります。
まず、使い古しの歯ブラシや綿棒、ピンセット、アルコールを含ませたティッシュなどを用意します。
カイガラムシは硬い殻で覆われているため、歯ブラシで優しくこすり落としましょう。
このとき、ビカクシダのデリケートな貯水葉や胞子葉を傷つけないよう、力を入れすぎないのがポイントです。
特に、白い星状毛(トリコーム)が剥がれないように注意してください。
新芽や成長点付近、葉の付け根など、虫が隠れやすい場所は念入りにチェックします。
取り除いた虫はティッシュで確実に捕殺し、最後にアルコールを含ませたティッシュで拭き取ると再発防止に繋がります。
木酢液やニームオイルを活用する
植物由来の成分で、害虫の発生を抑制する方法です。
殺虫効果よりも、虫が嫌がる環境を作る「忌避効果」を目的として使用します。
木酢液は、木炭を作る際に出る水蒸気を冷却して作られた液体で、独特の燻製のような香りが特徴です。
この香りを害虫が嫌うため、予防として効果が期待できます。
使用する際は、製品に記載された希釈倍率(一般的に500〜1000倍)を守り、スプレーボトルで葉の表裏や株全体に散布します。
土壌改良効果も期待できますが、殺虫作用はほとんどないため、すでに大量発生している場合には向きません。
一方、ニームオイルは「ニーム」というインド原産の樹木の種子から抽出されるオイルです。害虫の食欲を減退させたり、脱皮や産卵を阻害したりする効果があります。
即効性はありませんが、定期的に使用することで害虫の繁殖サイクルを断ち、徐々に数を減らしていくことができます。
使用する際は、水と油が分離しないように、展着剤の代わりとして食器用洗剤を1〜2滴混ぜ、よく振ってから散布します。
葉の裏側までしっかりと薬剤がかかるように、丁寧にスプレーしましょう。
薬剤を使って確実に虫を駆除する方法
害虫が大量に発生してしまった場合や、物理的な駆除では追いつかない場合は、園芸用の殺虫剤を使用するのが最も確実です。
ビカクシダに適用のある薬剤を選び、用法・用量を守って正しく使いましょう。
初心者でも使いやすいスプレータイプの薬剤
購入後すぐに使え、見つけた害虫に直接噴射できる手軽さが魅力です。
園芸初心者の方でも簡単に扱うことができます。
「ベニカXネクストスプレー」や「カダンプラスDX」といった家庭園芸用の総合殺虫剤は、カイガラムシ、ハダニ、アブラムシなど幅広い害虫に効果があります。
使用する際は、必ず屋外やベランダなど風通しの良い場所にビカクシダを移動させてください。
株から20〜30cmほど離し、葉の表裏、貯水葉の内側、成長点付近など、虫が潜んでいそうな場所にもムラなく薬剤がしたたる程度にたっぷりと散布します。
散布後は、薬剤が乾くまで直射日光の当たらない明るい日陰で管理しましょう。
根から吸収させる浸透移行性剤(オルトランなど)の使い方
薬剤の成分を根から吸収させ、株全体に行き渡らせることで、葉の裏や新芽の内部など、スプレーがかかりにくい場所に隠れた害虫も駆除できるのが特徴です。
効果が長期間持続するため、治療と予防を同時に行えます。
代表的な薬剤として「オルトラン粒剤」があります。
板付けのビカクシダの場合は、株元の水苔の上に規定量をパラパラと撒きます。
粒がこぼれ落ちるのが心配な場合は、不織布のお茶パックなどに粒剤を入れて、水苔の中に埋め込むと管理がしやすくなります。
鉢植えの場合は、株元の用土の上に撒くだけです。
散布後は通常通り水やりをすると、有効成分が溶け出して根から吸収されます。
効果が現れるまでには1〜2週間ほど時間がかかりますが、一度散布すれば1ヶ月程度効果が持続します。
ただし、特有の匂いがあるため、室内での使用が気になる方はベランダなどで管理することをおすすめします。
>>プロが選ぶ害虫別のオススメ撃退(駆除)グッズ!置くだけ・スプレー徹底比較
失敗しない薬剤の選び方と正しい使い方
ビカクシダの害虫対策において、薬剤は非常に効果的な手段です。
しかし、その選び方や使い方を間違えると、大切なビカクシダを傷つけてしまったり、十分な効果が得られなかったりする可能性があります。
ここでは、ビカクシダに使える薬剤の種類から、散布のタイミング、室内で安全に使うための注意点まで、失敗しないための正しい知識を詳しく解説します。
ビカクシダに使える薬剤の種類と特徴
ビカクシダに使用できる園芸用の殺虫剤は、大きく分けて「接触剤」と「浸透移行性剤」の2種類があります。
それぞれの特徴を理解し、害虫の種類や発生状況に応じて使い分けることが重要です。
接触剤(スプレータイプなど)
接触剤は、薬剤が直接かかった害虫を駆除するタイプの殺虫剤です。ス
プレータイプが主流で、発見した害虫にピンポイントで散布できるため、即効性が高いのが特徴です。
カイガラムシやハダニなど、目に見える害虫の応急処置に適しています。
ただし、薬剤がかからなかった害虫や、葉の裏や貯水葉の隙間に隠れている害虫には効果がありません。
また、多くの薬剤は卵には効果がないため、時間を置いて再度散布する必要があります。
ビカクシダに使う場合は、薬害が出にくい観葉植物用の製品を選びましょう。
「ベニカXネクストスプレー」のように、幅広い害虫に効果があり、病気の予防もできるタイプが初心者にも使いやすくおすすめです。
浸透移行性剤(粒剤・液剤)
浸透移行性剤は、根から薬剤を吸収させ、成分を株全体に行き渡らせることで、植物を吸汁した害虫を内側から駆除するタイプの薬剤です。
効果が現れるまでに数日〜1週間ほどかかりますが、効果の持続期間が1〜2ヶ月と長く、予防効果が高いのが最大のメリットです。
株元に撒く粒剤タイプが一般的で、新芽を食害するアザミウマや、物陰に隠れて見つけにくいカイガラムシの対策に非常に有効です。
代表的な製品には「オルトラン粒剤」や「ベニカXガード粒剤」などがあります。
薬剤が直接葉にかからないため、デリケートな貯水葉や胞子葉を傷めるリスクが低いのも利点です。
ただし、使用量を間違えると根を傷める原因になるため、必ず規定量を守りましょう。
薬剤散布の適切なタイミングと頻度
薬剤の効果を最大限に引き出すためには、散布するタイミングと頻度が鍵となります。
以下のポイントを押さえておきましょう。
散布に最適な時間帯と天候
薬剤散布は、日中の気温が高い時間帯を避け、比較的涼しい早朝か夕方に行うのが基本です。
強い日差しのもとで散布すると、薬液がすぐに蒸発して効果が薄れるだけでなく、葉に残った薬剤がレンズの役割をして葉焼け(薬害)を引き起こす原因になります。
また、風の強い日は薬剤が飛散してしまい、狙った場所にかけられなかったり、周囲に影響を与えたりするため避けましょう。
雨の日も薬剤が流されてしまうため効果がありません。
風のない曇りの日が、薬剤散布のベストなタイミングです。
駆除と予防で異なる散布頻度
害虫を駆除する目的でスプレー剤を使用する場合、多くの薬剤は卵には効きません。
そのため、害虫のライフサイクルを考慮し、孵化するタイミングを狙って1週間に1回程度のペースで、2〜3回繰り返し散布するのが効果的です。
これにより、新たに出てきた幼虫もしっかりと駆除できます。
一方、浸透移行性の粒剤で予防する場合は、製品のパッケージに記載された持続期間(通常1〜2ヶ月)を目安に、定期的に株元に撒きましょう。
害虫が活動を始める春先から対策を始めると、シーズン中の発生を効果的に抑えることができます。
室内で安全に薬剤を使用するための注意点
室内でビカクシダを育てている場合、薬剤の使用には特に注意が必要です。
自分自身や家族、ペットの健康を守り、家具などを汚さないために、以下の点を必ず守ってください。
換気の徹底と保護具の着用
薬剤を散布する際は、必ず窓やドアを開けて風通しを良くし、十分に換気を行いましょう。薬剤の粒子を吸い込まないように、マスクとゴム手袋は必須です。目に薬剤が入るのを防ぐため、保護メガネの着用も推奨します。
散布場所の工夫と養生
可能であれば、植物をベランダや浴室など、薬剤が飛散しても問題なく、後片付けがしやすい場所に移動させてから散布するのが最も安全です。移動が難しい場合は、薬剤がかからないように、周囲の床や壁、家具などを新聞紙やビニールシートで覆ってしっかりと養生してください。
ペットや小さなお子様への配慮
薬剤散布中はもちろん、散布後に薬液が乾くまでは、ペットや小さなお子様がその部屋に入らないように注意してください。特に浸透移行性の粒剤は、ペットなどが誤って口にしてしまう危険性があります。土の上に撒いた後は、上から軽く土を被せておくか、お子様やペットの手の届かない場所で管理することを徹底しましょう。
ビカクシダの虫を再発させないための予防策
一度ビカクシダに発生した害虫を駆除するのは、時間も手間もかかる大変な作業です。
薬剤を使っても、卵が残っていれば再び発生することもあります。
だからこそ、害虫を「駆除する」こと以上に「発生させない」ための予防策が何よりも重要になります。
日々の少しの心がけで、大切なビカクシダを害虫の脅威から守りましょう。
ここでは、誰でも今日から実践できる効果的な予防策を3つご紹介します。
風通しを確保して虫が住みにくい環境を作る
多くの害虫、特にカイガラムシやハダニ、コナジラミなどは、湿度が高く空気がよどんだ環境を好んで発生・繁殖します。
ビカクシダの自生地である熱帯雨林の樹上は、湿度が高い一方で常に風が抜ける場所です。
この「風通し」を室内で再現することが、害虫予防の第一歩となります。
室内で管理している場合は、サーキュレーターや扇風機を使い、部屋の空気を優しく循環させてあげましょう。
首振り機能を使えば、植物に直接強い風が当たり続けるのを防げます。
また、定期的に窓を開けて換気することも非常に効果的です。
ただし、エアコンの風が直接当たる場所は、極度の乾燥を招き、かえってハダニの発生原因になることがあるため避けてください。
さらに、枯れた下葉や古くなって茶色く密集した貯水葉は、そのままにしておくと内部が蒸れて害虫の絶好の隠れ家になります。
美観を損なうだけでなく、病害虫のリスクを高めるため、見つけ次第こまめに取り除くようにしましょう。
風通しを良くすることは、害虫予防だけでなく、根腐れやカビの発生を防ぎ、ビカクシダを健康に育てるための基本です。
定期的な葉水でハダニの発生を防ぐ
特に乾燥を好むハダニの予防に絶大な効果を発揮するのが「葉水(はみず)」です。
葉水とは、霧吹きなどを使って葉に直接水を吹きかける作業のことで、葉の表面の湿度を高めることでハダニが住みにくい環境を作ります。
また、葉の表面についたホコリや、ごく初期の害虫を物理的に洗い流す効果も期待できます。
葉水は、霧が細かく広がるタイプのスプレーを使うのがおすすめです。
ビカクシダの美しい葉、特に害虫が潜みやすい胞子葉の裏側にも、まんべんなく水がかかるように意識して吹きかけましょう。
頻度は、空気が乾燥しやすい冬場の暖房が効いた室内では毎日、湿度が高い夏場でも2〜3日に1回程度行うのが目安です。
葉の状態を観察しながら、ご自身の環境に合わせて調整してください。
ただし、葉水を行う際には注意点もあります。
貯水葉の隙間や株の中心にある成長点に水が溜まったままになると、そこから株が腐ってしまう原因になりかねません。
葉水をした後は、株を軽く傾けて余分な水を落とすか、ティッシュペーパーなどで優しく拭き取ってあげると安心です。
この一手間が、病気のリスクを減らし、健康な状態を維持する秘訣です。
購入時に害虫がいないか確認する習慣を
どんなに室内環境に気をつけていても、新しく迎えた植物に害虫が付着していれば、そこから一気に被害が拡大してしまいます。
害虫の侵入経路として最も多いのが、この「購入時の持ち込み」です。
園芸店やイベント、オンラインショップなどで新しいビカクシダを迎える際は、必ず株の状態を隅々までチェックする習慣をつけましょう。
チェックすべきポイントは以下の通りです。
- 葉の裏側:白い綿のようなカイガラムシや、小さな点にしか見えないハダニがいないか。
- 新芽(成長点):アザミウマによる萎縮や奇形、黒い糞(フン)がないか。
- 貯水葉の裏や重なり合った部分:カイガラムシが隠れていないか。
- 葉の表面:葉の色が抜けたようなカスリ状の斑点(ハダニの食害痕)や、ベタベタした排泄物(カイガラムシなど)がないか。
もし可能であれば、購入後はすぐに既存の植物のコレクションに加えず、1〜2週間ほど別の場所で管理し、害虫や病気の兆候が現れないか様子を見る「隔離期間」を設けるのが理想的です。
このひと手間をかけることで、万が一害虫が潜んでいた場合でも、被害を最小限に食い止めることができます。
「持ち込まない、広げない」は、植物を育てる上での鉄則です。
まとめ
大切なビカクシダを害虫から守るためには、虫の種類を正しく見分け、状況に応じた適切な方法で対処することが何よりも重要です。
カイガラムシやハダニなどの害虫は、早期に発見できれば歯ブラシでこすり落としたり、ニームオイルを活用したりと、株への負担が少ない方法で駆除できます。
一方で、害虫が大量に発生してしまった場合は、薬剤を使った方が確実です。
その際は、ビカクシダに適用可能かを確認し、ベニカXネクストスプレーのような園芸用のスプレー剤や、根から成分を吸収させるオルトラン粒剤などを、必ず規定の用法・用量を守って使用してください。
自己判断で薬剤を濃くしたり、強い水流で洗い流したりする行為は、ビカクシダを弱らせる原因となるため絶対に避けましょう。
そして、最も大切なのは虫を発生させないための予防です。
風通しの良い場所に置き、定期的に葉水を与えることで、害虫が住み着きにくい環境を維持できます。
日頃の観察と適切なケアを心がけ、ビカクシダの美しい姿を長く楽しんでいきましょう。








