
大切に育てているヒイラギに、白い綿のような虫やベタベタした汚れ、網目状に食べられた葉を見つけてお困りではありませんか?
その不調の原因は、カイガラムシやアブラムシといった害虫かもしれません。
放置するとヒイラギが弱り、最悪の場合枯れてしまうこともあります。
この記事では、ヒイラギに発生しやすい害虫の種類と見分け方から、ご家庭で誰でも簡単に実践できる効果的な駆除方法5選、さらには害虫を寄せ付けないための予防策までを網羅的に解説します。
ヒイラギの害虫駆除における最も重要な結論は、「害虫の早期発見と、その種類や発生状況に合わせた適切な方法を選ぶこと」です。
この記事を読めば、薬剤を使わない安全な方法から市販の殺虫剤を使った対策まで、あなたの状況に最適な対処法が分かり、大切なヒイラギを害虫から守れるようになります。
目次
ヒイラギに発生しやすい害虫の種類と被害のサイン
丈夫で育てやすいイメージのあるヒイラギですが、実はいくつかの害虫の被害に遭いやすい樹木です。
害虫の発生に気づかずに放置してしまうと、ヒイラギの美しい景観が損なわれるだけでなく、生育不良に陥り、最悪の場合は枯れてしまうこともあります。
害虫被害を最小限に抑えるためには、発生しやすい害虫の種類とその特徴、そして被害の初期サインを知っておくことが何よりも重要です。
ここでは、ヒイラギに特に注意したい代表的な害虫について、その見分け方と被害の症状を詳しく解説します。
白い貝殻や綿のような虫 カイガラムシ
ヒイラギの枝や幹、葉の裏などに、白い貝殻や綿のような塊が付着していたら、それはカイガラムシの仕業です。
カイガラムシは非常に種類が多く、ヒイラギにはヤノネカイガラムシやルビーロウムシなどが発生します。
成虫になるとロウ物質や殻で体を覆い、植物に固着して動かなくなるため、一見すると虫には見えないかもしれません。
カイガラムシは植物の樹液を吸って加害するため、大量に発生するとヒイラギの生育が著しく悪くなり、樹勢が衰えてしまいます。
また、カイガラムシの排泄物は糖分を含んでおり、これが原因で葉や枝が黒いすすで覆われたようになる「すす病」を併発することがあります。
すす病は光合成を妨げるため、さらなる生育不良を招きます。
葉がベタベタしていたり、黒いすすが付いていたりしたら、カイガラムシの発生を疑いましょう。
>>放置は危険!カイガラムシの駆除業者、費用を安く抑えるコツと探し方
新芽や若い葉に群がる アブラムシ
春になりヒイラギの新芽が伸び始める頃、その先端に緑色や黒色の小さな虫がびっしりと群がっていることがあります。
これはアブラムシです。体長は2〜4mm程度と小さいですが、繁殖力が非常に旺盛で、あっという間に増殖します。
特に柔らかい新芽や若い葉の裏に集団で寄生し、樹液を吸います。
アブラムシの被害に遭った新芽や葉は、栄養を奪われて縮れたり、変形したりして正常に育ちません。
また、カイガラムシと同様に甘い排泄物を出すため、それを目当てにアリが集まってきたり、すす病を誘発したりする原因にもなります。
アブラムシはウイルス病を媒介することもあるため、見つけ次第、早期に駆除することが大切です。
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葉を網目状に食害する ヘリグロテントウノミハムシ
ヒイラギの葉が、葉脈だけを残してレースのように透けた状態になっていたら、それはヘリグロテントウノミハムシによる食害のサインです。
名前の通りテントウムシに似た姿をしていますが、植物の葉を食べる害虫です。
成虫・幼虫ともにヒイラギの葉を好み、特に葉の表面を削り取るように食べるため、特徴的な網目状の食害痕が残ります。
被害は春から秋にかけて見られ、特に発生数が多いと、ヒイラギ全体の葉が茶色く変色し、見た目が著しく損なわれます。
食害された葉は光合成ができなくなり、やがて枯れて落葉してしまうため、樹勢の低下にも繋がります。
美しい生垣を維持するためにも、注意が必要な害虫の一つです。
その他注意したい害虫 ハダニやコナジラミ
上記の害虫以外にも、ヒイラギには注意すべき害虫がいます。
その代表がハダニとコナジラミです。
ハダニは0.5mm程度と非常に小さく、肉眼での確認が難しい害虫です。
主に葉の裏に寄生して樹液を吸います。
被害が進むと、葉に針で刺したような白い小斑点が無数に現れ、やがて葉全体が白っぽくカスリ状になります。
さらに被害が拡大すると、葉が枯れて落ちてしまいます。
高温乾燥を好むため、特に梅雨明けから夏場にかけての発生に注意が必要です。
葉の裏に細かいクモの巣のようなものが見られたら、ハダニが発生している可能性があります。
コナジラミは、その名の通り白い小さな虫で、成虫は羽を持っており、植物を揺らすと一斉に飛び立つのが特徴です。
主に葉の裏に寄生し、吸汁することで植物を弱らせます。また、排泄物が原因ですす病を誘発することもあります。
繁殖力が強く、薬剤への抵抗性を持ちやすい厄介な害虫です。
自宅でできるヒイラギの害虫駆除 簡単&効果的な方法5選
ヒイラギに害虫を見つけても、すぐに対処すれば被害を最小限に食い止められます。
ここでは、ご家庭で手軽に実践できるものから、本格的な薬剤を使用する方法まで、状況に合わせて選べる5つの駆除方法を具体的に解説します。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身のヒイラギの状態に最適な方法を選びましょう。
方法1 歯ブラシやテープで物理的に駆除する
発生した害虫の数がまだ少ない初期段階であれば、道具を使って直接取り除く物理的駆除が最も手軽で安全です。
特に、カイガラムシやアブラムシに有効な方法です。
カイガラムシは成虫になると硬い殻で覆われ、薬剤が効きにくいことがあります。
しかし、固着しているため、使い古しの歯ブラシや竹串などで優しくこすり落とすことで駆除できます。
このとき、ヒイラギの幹や葉を傷つけないように力加減に注意してください。
こすり落としたカイガラムシは地面に放置せず、確実に処分しましょう。
新芽や若い葉に密集するアブラムシには、粘着テープが役立ちます。
ガムテープや養生テープの粘着面を害虫がいる場所に軽く押し当てて剥がすだけで、まとめて捕殺できます。
葉を傷めないよう、粘着力が強すぎないテープを選ぶのがポイントです。
この方法は薬剤を使わないため、お子様やペットがいるご家庭でも安心して行えるのが最大のメリットです。
ただし、大量発生してしまった場合や、葉の裏など見えにくい場所にいる害虫を完全に取り除くのは難しいため、あくまで初期対応と捉え、他の方法と組み合わせるのがおすすめです。
方法2 薬剤を使わない牛乳や木酢液での駆除
化学合成された農薬を使いたくない方には、食品や自然由来のものを利用した駆除方法があります。
アブラムシやハダニなど、体の柔らかい小さな害虫に効果が期待できます。
代表的なのが牛乳スプレーです。牛乳を水で薄めずにスプレーボトルに入れ、害虫に直接吹きかけます。
牛乳が乾燥する過程で膜を作り、害虫の気門(呼吸するための穴)を塞いで窒息させます。
ただし、散布後にそのまま放置すると牛乳が腐敗し、悪臭やカビの原因となるため、効果が出た後(半日程度)に必ず水でしっかりと洗い流してください。
木酢液(もくさくえき)も有効な選択肢です。
木炭を作る際に出る煙を冷却して液体にしたもので、独特の燻製のような香りがします。
この香りを害虫が嫌うため、忌避効果が期待できます。
製品の指示に従い、200倍から500倍程度に水で希釈して散布します。
殺虫効果そのものは弱いですが、定期的に散布することで害虫が寄り付きにくい環境を作ることができます。
また、土壌の有用な微生物を増やす効果も期待できます。
方法3 大量発生に効果的 市販の殺虫剤で駆除
害虫が広範囲に大量発生してしまい、物理的駆除や自然派の方法では追いつかない場合は、市販の殺虫剤(農薬)の使用が最も効果的です。
殺虫剤には大きく分けて「接触タイプ」と「浸透移行性タイプ」があります。
「接触タイプ」は、薬剤が直接かかった害虫を駆除するスプレー剤が主流です。
即効性が高く、目の前の害虫をすぐに退治したい場合に適しています。
葉の裏や枝の込み入った部分にもしっかり薬液がかかるように散布するのがポイントです。
「浸透移行性タイプ」は、薬剤が根や葉から吸収されて植物全体に行き渡り、その植物の汁を吸った害虫を内部から駆除します。
効果が1ヶ月ほど持続するため、予防効果も高く、直接薬剤がかかりにくい場所に隠れている害虫にも有効です。
株元に撒く粒剤タイプとスプレータイプがあります。
カイガラムシやアブラムシ、ヘリグロテントウノミハムシなど、多くの害虫に効果を発揮します。
殺虫剤を使用する際は、必ず製品ラベルの指示をよく読み、「ヒイラギ」に適用があるか、対象害虫が含まれているかを確認してください。
また、散布時にはマスクや手袋、保護メガネを着用し、風のない天気の良い日を選んで、周囲に薬剤が飛散しないよう注意しましょう。
方法4 冬の間に卵を駆除するマシン油乳剤
春先の害虫の大量発生を未然に防ぐために、冬の間の対策が非常に重要です。
カイガラムシやハダニの多くは、卵や幼虫の姿で枝や幹の隙間で越冬します。
この越冬中の害虫を駆除するために使われるのが「マシン油乳剤」です。
マシン油乳剤は、ヒイラギが葉を落とし活動を停止している休眠期(12月〜2月頃)に使用します。
規定の倍率に水で希釈したものを、枝の分岐点や幹の粗皮の間など、害虫が隠れていそうな場所まで含めて、樹全体にまんべんなく散布します。薬剤が油の膜で卵や幼虫を覆い、呼吸できなくさせて窒息死させます。
これにより、春に孵化して活動を始める害虫の数を激減させることができます。
注意点として、必ず植物の休眠期に使用してください。
暖かくなり新芽が動き出す時期に散布すると、新芽が枯れるなどの薬害を引き起こす可能性があります。
使用時期が限定されますが、翌シーズンの害虫被害を大幅に軽減できる根本的な対策として非常に有効です。
方法5 被害が拡大した枝葉の剪定による駆除
害虫の被害が特定の枝や葉に集中し、葉が変色したり枯れたりしている場合は、その部分を剪定して取り除くのも効果的な駆除方法です。
これにより、害虫の密集地帯を物理的に除去し、さらなる拡散を防ぎます。
アブラムシがびっしりついた新芽、カイガラムシに覆われた枝、ヘリグロテントウノミハムシの食害でレース状になった葉などを、清潔な剪定ばさみで思い切って切り落としましょう。
この方法は、薬剤を使わずに害虫の密度を一気に下げられるというメリットがあります。
最も重要なのは、切り取った枝葉の処理です。
そのまま庭に放置すると、そこから害虫が移動して再び被害が広がってしまいます。
切り取った枝葉は速やかにビニール袋などに入れて口を固く縛り、自治体のルールに従って燃えるゴミとして処分してください。
また、剪定によって風通しが良くなることで、残った部分の病害虫予防にも繋がります。
ただし、剪定しすぎると樹形が崩れたり、株が弱ったりすることもあるため、全体のバランスを見ながら行いましょう。
ヒイラギの害虫駆除を行うのに最適な時期
ヒイラギの害虫駆除を成功させる鍵は、「いつ行うか」というタイミングの見極めにあります。
害虫の種類や使用する駆除方法によって、最も効果を発揮する時期は異なります。
闇雲に対策を行うのではなく、害虫の生態や薬剤の特性に合わせた最適な時期を知ることで、最小限の労力で最大限の効果を得ることが可能です。
ここでは、害虫の活動サイクルや駆除方法別に、最も効果的なタイミングを詳しく解説します。
害虫の種類別に見る活動時期と駆除タイミング
ヒイラギに発生する主な害虫は、それぞれ活動する時期が異なります。
種類ごとの活動ピークを把握し、的を絞って対策を行いましょう。
カイガラムシ:幼虫が発生する5月〜7月が狙い目
成虫になると硬い殻やロウ物質で体を覆ってしまうカイガラムシは、薬剤が効きにくく非常に厄介です。
駆除の最大のチャンスは、殻を持たない無防備な幼虫が孵化して動き回る5月下旬から7月頃です。
この時期に、カイガラムシに効果のある殺虫剤を散布することで、効率的に数を減らすことができます。
成虫になってしまった場合は、冬の間に後述するマシン油乳剤で駆除するか、歯ブラシなどで物理的にこすり落とすのが有効です。
アブラムシ:春と秋の発生ピークに合わせて対策
アブラムシは、気温が15℃〜25℃程度の過ごしやすい気候で爆発的に繁殖します。
ヒイラギでは、新芽が伸び始める春(4月〜6月)と、暑さが和らぐ秋(9月〜10月)の2回、発生のピークを迎えます。
特に春は、柔らかい新芽や若葉にびっしりと群がるため、株の生育を著しく阻害します。
繁殖力が非常に高いため、数匹見つけたらすぐに駆除を開始することが重要です。
発生初期であれば、牛乳スプレーやテープでの除去も効果的です。
ヘリグロテントウノミハムシ:成虫と幼虫の活動時期を把握する
ヒイラギの葉を網目状に食害するヘリグロテントウノミハムシは、成虫と幼虫の両方が葉に被害を与えます。
成虫は4月頃から現れ始め、産卵します。孵化した幼虫が葉の内部に潜り込んで食害するのが5月〜7月頃です。
薬剤散布を行うなら、この幼虫の時期が最も効果的です。
また、成虫は株元などで越冬するため、冬の間に株周りを清掃することも翌春の発生を抑えるのに繋がります。
駆除方法別に見た最適な実行時期
駆除に用いる方法によっても、適した季節や時間帯があります。
方法ごとのベストタイミングを理解しておきましょう。
薬剤散布:効果を最大化するタイミング
市販の殺虫剤を散布する場合、基本的には害虫の活動が活発になる春から秋にかけて行います。
特に、カイガラムシやヘリグロテントウノミハムシのように、幼虫期が薬剤に対する抵抗力が弱い害虫は、その時期を狙って散布するのがセオリーです。
散布する時間帯は、日中の高温時を避け、比較的涼しい早朝か夕方が適しています。
気温が高いと薬剤が蒸発しやすく効果が薄れたり、薬害が出やすくなったりするためです。
また、風が強い日や雨の降る前後は、薬剤が飛散したり流されたりしてしまうため避けましょう。
マシン油乳剤:冬の休眠期に行う越冬対策
マシン油乳剤は、カイガラムシの成虫や卵、ハダニの卵などを油膜で覆い、窒息させて駆除する薬剤です。
植物への負担が大きいため、ヒイラギが休眠期に入る12月〜2月頃に使用するのが一般的です。
この時期に散布することで、春先の害虫の発生源を根本から断つことができ、年間の害虫被害を大幅に軽減できます。
ただし、新芽が出始める3月以降に使用すると薬害を起こす危険があるため、必ず使用時期を守ってください。
物理的駆除と剪定:通年可能だが発生初期が効果的
歯ブラシやテープを使って害虫を取り除く物理的な駆除は、害虫を見つけ次第、季節を問わずいつでも行えます。
最も重要なのは、大発生する前の「発生初期」にこまめにチェックして取り除くことです。
また、害虫が密集している枝や、被害がひどい葉を切り取る剪定も有効な手段です。
これも通年可能ですが、ヒイラギの樹形を整える強剪定は、花が終わった後や生育が緩やかになる時期に行うのが株への負担が少なく済みます。
害虫の発生を防ぐための予防策
ヒイラギの害虫駆除で最も重要かつ効果的なのは、実は害虫が発生してから対処することではなく、そもそも害虫を寄せ付けない健康な環境を維持することです。
病害虫は、弱った株や管理が行き届いていない場所に発生しやすくなります。
日々の少しの心がけで、ヒイラギを病害虫から守り、美しい姿を長く楽しむことができます。
ここでは、誰でも簡単に実践できる2つの基本的な予防策、「剪定」と「適切な水やり・施肥」について詳しく解説します。
剪定で風通しと日当たりを良くする
ヒイラギの害虫予防において、剪定は非常に重要な作業です。
枝葉が密集して風通しが悪くなると、湿気がこもりやすくなります。
このような環境は、カイガラムシやハダニ、コナジラミといった湿気を好む害虫にとって絶好の住処となってしまいます。
また、株の内部まで日光が届かないと、葉や枝が軟弱に育ち、アブラムシなどの被害を受けやすくなる原因にもなります。
予防のための剪定は、ヒイラギの生育期である6月~7月、もしくは活動が緩やかになる10月~11月頃に行うのが最適です。
剪定の基本は、全体の風通しを良くする「透かし剪定」です。
具体的には、以下の枝を中心に切り落としていきましょう。
- 内側に向かって伸びている「内向き枝」
- 他の枝と交差している「交差枝」
- 勢いよく真上に伸びる「徒長枝(とちょうし)」
- 枯れている枝や弱々しい枝
これらの不要な枝を付け根から切り取ることで、株の内部まで日光と風が通り抜けるようになります。
これにより、害虫が隠れる場所をなくし、湿気が溜まるのを防ぐことができます。
さらに、株全体が健全に育つことで、害虫に対する抵抗力そのものが向上します。
定期的な剪定は、害虫の早期発見にも繋がるため、ヒイラギの健康管理には欠かせない作業です。
適切な水やりと肥料で健康な株を育てる
人間がバランスの取れた食事で健康を維持するように、植物も適切な水分と栄養によって健全に育ちます。
健康なヒイラギは、病害虫に対する自然な抵抗力が高まります。
逆に、水のやりすぎや不足、不適切な施肥は株を弱らせ、害虫を呼び寄せる大きな原因となります。
水やりは、ヒイラギが植えられている環境によって調整します。
地植えの場合は、根が深く張れば基本的に降雨だけで十分です。
ただし、真夏に雨が降らず土がカラカラに乾燥しているときは、朝か夕方の涼しい時間帯に株元へたっぷりと水を与えてください。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたことを確認してから、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えるのが基本です。
受け皿に溜まった水は根腐れの原因になるため、必ず捨てるようにしましょう。
特に過湿は根を傷め、株を衰弱させる最大の要因ですので注意が必要です。
肥料は、ヒイラギの生育を助ける上で重要ですが、与えすぎは禁物です。
特に、窒素(N)成分が多い肥料を与えすぎると、葉ばかりが茂り、組織が軟弱になります。このような状態は、アブラムシなどの吸汁性害虫にとって格好のターゲットとなってしまいます。
肥料を与える時期は、主に冬の間の2月頃に与える「寒肥(かんごえ)」と、花が終わった後の5月~6月頃に与える「お礼肥(おれいごえ)」が一般的です。
ゆっくりと効果が持続する「緩効性化成肥料」や、油かすなどの有機質肥料を、製品に記載された規定量を守って与えるようにしましょう。
日々の観察を通じてヒイラギの状態を把握し、その状態に合わせた適切な管理を心がけることが、最強の害虫予防策となります。
自分での駆除が困難な場合は専門業者への相談も検討
これまでご紹介した方法で、ある程度の害虫駆除はご自身で行うことが可能です。
しかし、害虫の被害が深刻な場合や、作業に危険が伴う場合は、無理をせず専門の業者に相談することをおすすめします。
プロに任せることで、安全性と確実性が格段に向上し、大切なヒイラギを健康な状態に戻すための最善策となることがあります。
専門業者に依頼するメリット
害虫駆除の専門業者に依頼することには、自分で作業を行う場合とは比較にならないほどのメリットがあります。
単に害虫を駆除するだけでなく、庭木に関する総合的なサポートが期待できます。
確実で迅速な駆除と再発防止
専門業者は、ヒイラギに発生した害虫の種類を正確に特定し、その生態や活動時期に合わせた最も効果的な薬剤を選定します。
市販されていないプロ用の強力な薬剤や専用機材を使用するため、成虫だけでなく、自分では見つけにくい卵や幼虫まで徹底的に駆除することが可能です。
これにより、一時的な駆除に終わらず、翌年以降の再発リスクを大幅に低減させることができます。
高所や広範囲の作業も安全に対応
ヒイラギが生垣や高木に成長している場合、脚立を使った高所での作業は転落などの重大な事故につながる危険性があります。
専門業者は高所作業車や長いノズルが付いた噴霧器など、安全に作業を行うための装備を備えています。
また、薬剤を散布する際は、近隣住宅や通行人、ペット、他の植物への影響を最小限に抑えるための養生や配慮を徹底してくれるため、安心して任せることができます。
原因特定と根本的な解決策の提案
害虫が大量発生する背景には、日当たりや風通しの悪さ、土壌の状態、不適切な剪定など、ヒイラギの生育環境そのものに問題があるケースが少なくありません。
プロの庭師や造園業者は、害虫駆除の専門家であると同時に、樹木の健康を管理する専門家でもあります。
害虫を駆除するだけでなく、発生原因を突き止め、再発を防ぐための剪定方法や土壌改良、年間の管理計画といった根本的な解決策を提案してくれます。
「樹木医」や「農薬管理指導士」といった資格を持つスタッフが在籍する業者であれば、より専門的な知見に基づいたアドバイスが期待できるでしょう。
専門業者への依頼を検討すべきケース
以下のような状況に当てはまる場合は、ご自身での対応が難しくなっているサインです。被害がさらに拡大する前に、早めに専門業者へ相談することを強く推奨します。
- 害虫が大量発生し、葉や枝がびっしりと覆われて手に負えない状態
- 被害がヒイラギの木全体に広がり、葉が落ちたり枯れたりしている枝が目立つ
- 隣接する他の庭木にも害虫の被害が広がってしまっている
- 市販の殺虫剤を何度か散布しても、すぐに害虫が再発してしまう
- ヒイラギが高木(3m以上など)で、脚立を使っても上まで手が届かず、作業に危険を感じる
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まとめ
ヒイラギの美しい姿を長く楽しむために知っておきたい、害虫の駆除と予防策について解説しました。
ヒイラギには、カイガラムシやアブラムシ、ヘリグロテントウノミハムシなど、特定の害虫が発生しやすい傾向があります。
これらの害虫は、早期発見と迅速な対処が被害を最小限に抑える鍵となります。
害虫の数が少ない初期段階であれば、歯ブラシでこすり落としたり、牛乳スプレーを散布したりする方法で対処可能です。
大量発生してしまった場合は、状況に応じて適切な殺虫剤を使用することが効果的です。
しかし、最も重要かつ効果的な対策は、害虫を寄せ付けない環境を作ること、つまり「予防」にあります。
定期的な剪定で風通しと日当たりを確保し、適切な水やりと施肥でヒイラギ自体の抵抗力を高めることが、最良の害虫駆除策と言えるでしょう。
まずはご自宅のヒイラギをよく観察し、この記事で紹介した方法を試してみてください。
ご自身での駆除が難しい場合や、被害が深刻な場合は、無理をせず専門の造園業者や害虫駆除業者へ相談することも賢明な選択です。








