
甘い香りで人気のくちなし(クチナシ)の葉がベタベタしたり、白い綿のようなものが付いていたりしませんか?それは害虫が発生しているサインかもしれません。
放置すると株が弱り、花が咲かなくなったり、最悪の場合枯れてしまったりすることもあります。
この記事を読めば、くちなしに発生する代表的な害虫の種類と、葉の症状から原因を特定する方法が分かります。
さらに、手で取る物理的な駆除から、牛乳や木酢液を使った安全な対策、オルトランなどの薬剤を使った確実な駆除方法、そして二度と害虫を寄せ付けないための剪定や肥料管理といった予防策まで、具体的な手順を網羅的に解説します。
くちなしの害虫対策で最も重要なのは、被害が広がる前の「早期発見」と「原因に合わせた適切な対処」です。
大切なクチナシを害虫から守り、毎年美しい花を楽しむために、この記事で紹介する方法を今すぐ実践してみましょう。
くちなしの花のSOSサイン?まずは症状をチェック
甘く芳しい香りで私たちを魅了するくちなしの花。しかし、その美しい姿と香りは、残念ながら害虫にとっても非常に魅力的です。
気づいたときには手遅れ、なんてことになる前に、くちなしが発する小さなSOSサインを見逃さないことが何よりも大切です。
これからご紹介する症状に当てはまるものがないか、ご自宅のくちなしをじっくりと観察してみてください。
早期発見・早期対処が、くちなしを元気に保つための最大の秘訣です。
葉がベタベタして黒いすすが付いている
くちなしの葉を触ってみて、まるで蜜のようにベタベタしていませんか?さらに、そのベタつきの上に黒いすすのような粉が付着している場合、それは「すす病」のサインです。
すす病は、病原菌が直接植物を攻撃するのではなく、特定の害虫の排泄物である「甘露(かんろ)」を栄養源にしてカビ(糸状菌)が繁殖した状態を指します。
この症状を引き起こす主な害虫は、アブラムシやカイガラムシです。
これらの害虫はくちなしの樹液を吸って栄養とし、余分な糖分を甘露として排出します。
この甘い排泄物を求めてアリが集まってくることも多いため、葉のベタつきと同時にアリの行列を見かけたら、害虫がいる可能性が非常に高いでしょう。
黒いすすが葉の表面を覆ってしまうと、光合成が妨げられ、くちなしの生育が著しく悪化します。
見た目が悪いだけでなく、株全体が衰弱して花が咲かなくなったり、最悪の場合は枯れてしまったりする原因にもなるため、早急な対策が必要です。
葉や枝に白い綿や貝殻のようなものが付着
枝や葉の付け根、葉の裏などに、白い綿のような塊や、茶色い貝殻のようなものが付着していたら、それは「カイガラムシ」の仕業です。
カイガラムシには非常に多くの種類が存在し、見た目も様々です。
ふわふわとした白い綿のように見えるのは「イセリアカイガラムシ」や「ワタフキカイガラムシ」の仲間。
一方、硬い殻に覆われていて、まるでフジツボや小さな貝殻のように見えるのは「ツノロウムシ」や「カタカイガラムシ」などです。
これらは一見すると虫には見えないため、病気やゴミと勘違いして見過ごされがちですが、れっきとした害虫です。
植物にしっかりと固着し、吸汁して株を弱らせます。
さらに、前述のすす病の原因となる甘露を排出する種類も多く、被害が複合的に発生することも少なくありません。
成虫になると硬い殻やロウ物質で体を守るため、薬剤が効きにくくなるという厄介な性質を持っています。
そのため、数が少ないうちに見つけて駆除することが非常に重要になります。
葉が食べられて穴だらけになっている
大切に育てていたくちなしの葉が、いつの間にか虫に食べられてレースのように穴だらけになっていたら、それはチョウやガの幼虫、いわゆるイモムシ・ケムシの食害である可能性が高いです。
特にくちなしを好んで食べる害虫として有名なのが、「オオスカシバ」の幼虫です。この幼虫は鮮やかな緑色をしており、葉と同化して見つけにくいのが特徴です。
しかし、食欲は非常に旺盛で、数匹いるだけであっという間に葉を食べ尽くし、株を丸坊主にしてしまうこともあります。
オオスカシバの幼虫がいるサインとして、株元や葉の上に黒くて大きなフンが落ちていることが挙げられます。
フンを見つけたら、その真上や周辺の葉の裏を注意深く探してみてください。
尻尾に小さなツノがあるのが特徴です。他にも、夜間に活動するヨトウムシなども葉を食害します。
葉がなくなると光合成ができなくなり、株が深刻なダメージを受けるため、見つけ次第すぐに駆除する必要があります。
新芽や蕾に小さな虫が群がっている
春先から秋にかけて、くちなしの柔らかい新芽や、これから咲こうとする蕾の周りに、緑色や黒色の小さな虫がびっしりと群がっていたら、それは「アブラムシ」です。
体長2〜4mmほどの非常に小さな虫ですが、驚異的な繁殖力を持っており、気づいたときには大群になっていることも珍しくありません。
アブラムシは植物の最も柔らかく栄養豊富な部分を好み、口針を突き刺して樹液を吸います。
吸汁されると、新芽や蕾の生育が阻害されて奇形になったり、花がうまく咲かなくなったりします。
さらに、アブラムシの被害はそれだけではありません。
排泄する甘露がすす病を誘発するほか、様々な植物ウイルス病を媒介する危険性も持っています。
ウイルス病に感染すると治療法はなく、株を処分するしかなくなる場合もあるため、アブラムシは発見次第、徹底的に駆除することが重要です。
【症状別】くちなしの害虫の種類と見分け方
大切に育てているくちなしの花に異変を見つけたら、それは害虫からのSOSサインかもしれません。
葉がベタベタしたり、穴が開いていたり、症状はさまざまです。
ここでは、くちなしに発生しやすい代表的な害虫の種類と、その被害症状から見分けるためのポイントを詳しく解説します。
害虫を正しく特定することが、効果的な駆除への第一歩です。
オオスカシバの幼虫 透明な羽の蛾の幼虫
くちなしの葉が、まるで虫に食べられたようにギザギザになっていたり、大きな穴が開いていたりしたら、それはオオスカシバの幼虫の仕業である可能性が高いです。
この幼虫は食欲が非常に旺盛で、数日で葉を食べ尽くし、株を丸坊主にしてしまうこともあります。
葉の上や株元に黒くて丸いフンが落ちていたら、近くに幼虫が潜んでいるサインです。
幼虫は鮮やかな緑色をしたイモムシで、体長は最大で7cmほどに成長します。
お尻に一本のツノ(尾角)があるのが大きな特徴です。
日中は葉の裏や茎に隠れていることが多く、体の色も葉と似ているため見つけにくいですが、フンを手がかりに注意深く探してみましょう。
成虫は透明な羽を持つスズメガの一種で、昼間にホバリングしながら花の蜜を吸う姿が見られます。
成虫自体は害を与えませんが、産卵のために飛来している可能性があるため、見かけたら注意が必要です。
カイガラムシ類 ツノロウムシやイセリアカイガラムシ
枝や葉の付け根に、白や茶色の貝殻、あるいは白い綿のような塊が付着していたら、カイガラムシが発生しています。
カイガラムシは植物の汁を吸って生育を阻害するだけでなく、「甘露(かんろ)」と呼ばれるベタベタした排泄物を出すのが特徴です。
この甘露を栄養源として「すす病」というカビが繁殖し、葉や枝が黒いすすで覆われたようになってしまいます。
すす病は光合成を妨げ、くちなしの樹勢をさらに弱らせる原因となります。
くちなしによく見られるのは、茶色く硬い殻を持つ「ツノロウムシ」や、白い綿に覆われたような「イセリアカイガラムシ」です。
成虫になるとロウ物質や殻で体を覆うため、薬剤が効きにくくなります。
一度固着するとほとんど動かないため、一見すると虫には見えないかもしれませんが、放置するとどんどん増殖していく厄介な害虫です。
アブラムシ 小さな虫がびっしり
春から秋にかけて、くちなしの新芽や蕾、若く柔らかい葉の裏に、緑色や黒色の小さな虫がびっしりと群がっていたら、それはアブラムシです。
体長は1〜4mm程度と非常に小さいですが、集団で植物の汁を吸うため、被害は甚大です。
吸汁された新芽や葉は縮れたり変形したりし、生育が著しく悪くなります。
蕾に発生すると、花がうまく咲かずに終わってしまうこともあります。
アブラムシもカイガラムシと同様に甘露を排泄するため、すす病を誘発します。
また、くちなしの株周りにアリが多く見られる場合も注意が必要です。
アリはアブラムシが出す甘露を好むため、アブラムシを天敵から守る共生関係にあります。
アリの行列は、アブラムシ発生のサインと捉えることができます。
さらに、アブラムシは植物のウイルス病を媒介することもあるため、早期の発見と対処が重要です。
ハダニ 葉の色がかすれたように悪くなる
葉全体の色が薄くなり、まるで絵の具をかすらせたように白っぽくなっていたら、ハダニの発生を疑いましょう。
ハダニは体長0.5mm程度と非常に小さく肉眼での確認は困難ですが、葉の裏に寄生して葉緑素を吸い取ります。
被害が進むと、葉に無数の白い小斑点が現れ、やがて葉全体が黄色や茶色に変色して枯れ落ちてしまいます。
大量に発生すると、葉の裏にクモの巣のような細かい網を張ることもあります。
ハダニは高温で乾燥した環境を好み、特に梅雨明けから夏にかけての時期に繁殖が活発になります。
葉の裏を指でそっと撫でてみて、ザラザラした感触があればハダニがいる可能性が高いです。
より確実に確認するには、葉の下に白い紙を置き、枝を軽く揺すってみてください。
紙の上に赤や黒の小さな点が落ちてきて、それが動けばハダニです。
葉水(葉に霧吹きで水をかけること)が苦手なため、乾燥する季節は特に注意して観察しましょう。
今すぐできる くちなしの害虫駆除方法
くちなしの葉や枝に害虫を見つけたら、被害が広がる前にすぐに対処することが重要です。
害虫の数や種類、そしてご家庭の状況に合わせて、最適な駆除方法を選びましょう。
ここでは、薬剤を使わない手軽な方法から、薬剤を使った確実な方法まで、具体的な手順を詳しく解説します。
薬剤を使わない安全な駆除方法
小さなお子様やペットがいるご家庭、あるいは無農薬でくちなしを育てたい方におすすめなのが、薬剤に頼らない駆除方法です。
発生初期であればこれらの方法で十分に対応可能です。
手間はかかりますが、植物にも環境にも優しく、安心して試すことができます。
手や歯ブラシで取り除く物理的駆除
目に見える害虫は、手作業で取り除くのが最も手軽で確実な方法です。
特に、カイガラムシやオオスカシバの幼虫に効果的です。
カイガラムシは硬い殻やロウ物質で体を覆っているため、薬剤が効きにくいことがあります。
使い古しの歯ブラシや竹串、ヘラなどを使って、葉や枝を傷つけないように優しくこすり落としましょう。
こすり落とした後は、濡らした布やティッシュで拭き取ると、残った卵や幼虫も駆除できます。
オオスカシバの幼虫はサイズが大きく見つけやすいため、割り箸やピンセットでつまんで捕殺するのが簡単です。
アブラムシが少数発生している場合は、粘着テープを貼り付けて取り除いたり、指で潰したりすることもできます。
牛乳や木酢液スプレーを使った駆除
ご家庭にあるものを利用して、手作りの駆除スプレーを作る方法もあります。
特にアブラムシやハダニに有効です。
牛乳スプレーは、牛乳と水を1:1の割合で混ぜたものをスプレーボトルに入れて使用します。
アブラムシやハダニに直接吹きかけると、乾燥する過程でできる牛乳の膜が害虫の気門を塞ぎ、窒息させる効果が期待できます。
散布は晴れた日の午前中に行い、スプレーが完全に乾いたら、必ず水で洗い流してください。
放置すると牛乳が腐敗し、悪臭やカビの原因になるため注意が必要です。
木酢液は、害虫を直接殺す力は弱いものの、その独特の匂いで害虫を寄せ付けにくくする忌避効果があります。また、植物の成長を助ける効果も期待できます。
製品の表示に従って200〜500倍に水で薄め、葉の裏表や株全体に定期的に散布することで、害虫の予防につながります。
薬剤を使った確実な駆除方法
害虫が大量に発生してしまった場合や、手作業での駆除が追いつかない場合は、園芸用の殺虫剤を使用するのが最も効果的です。
薬剤を使用する際は、必ず製品ラベルの指示をよく読み、用法・用量を守って正しく使いましょう。
くちなしに使える殺虫剤の選び方
園芸店やホームセンターでは様々な殺虫剤が販売されていますが、くちなしに使う場合は「適用植物」と「対象害虫」を必ず確認しましょう。
パッケージに「くちなし」や「花き類・観葉植物」と記載があり、駆除したい害虫(アブラムシ、カイガラムシ、ハダニなど)に効果があるものを選びます。
剤形には、すぐに使えるスプレータイプ、水で薄めて使う乳剤や水和剤、株元にまく粒剤などがあります。初心者の方には、手軽に使えるスプレータイプがおすすめです。
「ベニカXネクストスプレー」のような殺虫・殺菌成分を両方含む製品は、病気の予防も同時にできるため便利です。
オルトランなど浸透移行性剤の効果
カイガラムシやアブラムシのように、植物の汁を吸う害虫(吸汁性害虫)には、「浸透移行性剤」が非常に効果的です。
このタイプの薬剤は、根から成分が吸収されて植物全体に行き渡り、植物を食べたり汁を吸ったりした害虫を内側から駆除します。
代表的な製品に「オルトラン粒剤」があります。
使い方は簡単で、規定量を株元にまくだけです。
効果が約1ヶ月持続し、スプレーが届きにくい葉の裏や枝の込み合った場所にいる害虫にも効果を発揮します。
害虫の発生を予防する効果もあるため、春先の害虫が活動を始める前にまいておくと、シーズンを通して被害を抑えることができます。
くちなしの害虫を二度と寄せ付けないための予防策
一度くちなしの害虫駆除をしても、環境が変わらなければ再び発生してしまう可能性があります。
大切なのは、害虫が寄り付きにくい環境を日頃から作っておくこと。
ここでは、薬剤に頼る前に実践したい、効果的な3つの予防策をご紹介します。
害虫の発生原因に根本からアプローチすることで、健康で美しいくちなしの花を長く楽しみましょう。
剪定で風通しを良くして害虫を予防する
害虫予防の基本は「剪定」です。枝や葉が密集して風通しが悪くなると、湿気がこもりやすくなります。
このようなジメジメした環境は、カイガラムシやハダニ、すす病の原因となるカビなどが繁殖する絶好の場所となってしまいます。
定期的な剪定で株全体の風通しと日当たりを改善し、害虫が住みにくい環境を維持しましょう。
くちなしの剪定に最適な時期は、主に花が咲き終わった後の7月〜8月頃です。
この時期に剪定を行うことで、翌年の花芽を切り落としてしまう心配が少なくなります。具体的には、以下の枝を中心に切り落としましょう。
- 内側に向かって伸びている「内向き枝」
- 他の枝と交差している「交差枝」
- 勢いよく真上に伸びる「徒長枝(とちょうし)」
- 枯れてしまった「枯れ枝」
- 株元から生えてくる細い「ひこばえ」
これらの不要な枝を整理するだけでも、株の中心部まで光と風が届くようになります。
これにより、くちなしの株自体が健康になり、病害虫への抵抗力も高まるという好循環が生まれます。
肥料の与え方を見直す
美しい花を咲かせるために与える肥料ですが、与え方を間違えると逆に害虫を呼び寄せる原因になります。
特に注意したいのが「窒素(チッソ)」成分の与えすぎです。
窒素は葉や茎を成長させる「葉肥(はごえ)」とも呼ばれ、多すぎると葉が不必要に大きく、柔らかく茂りすぎてしまいます。
こうした柔らかい葉は、アブラムシなどの吸汁性害虫にとって格好のごちそうとなるのです。
くちなしの肥料は、花が咲き終わった後のお礼として与える「お礼肥」と、冬の休眠期に与える「寒肥(かんごえ)」が基本です。
肥料を選ぶ際は、窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)がバランス良く配合されたものを選びましょう。
特に、花や実のつきを良くするリン酸、根の成長を助けるカリウムがしっかり含まれているものがおすすめです。
油かすなどの有機質肥料や、効果がゆっくり長く続く緩効性化成肥料を、製品に記載された規定量を守って与えるようにしてください。
「たくさんあげれば元気になる」というわけではないことを覚えておきましょう。
早期発見のための日々の観察ポイント
どんなに予防策を講じても、害虫の発生を100%防ぐことは困難です。
そこで重要になるのが、害虫を大繁殖させないための「早期発見・早期対応」です。
毎日少しの時間でもくちなしの状態をチェックする習慣をつけましょう。
観察の際は、水やりのついでに以下のポイントを重点的に見てみてください。
- 葉の裏:アブラムシやハダニ、カイガラムシの幼虫など、多くの害虫が隠れています。葉を一枚めくってチェックする癖をつけましょう。
- 新芽や若い蕾:柔らかくて栄養が豊富なため、アブラムシが群がりやすい場所です。
- 枝の分岐点や幹:成虫になったカイガラムシが付着しやすいポイントです。白い綿や貝殻のようなものがないか確認しましょう。
- 葉の表面:キラキラと光るもの(アブラムシやカイガラムシの排泄物)や、黒いすすのような汚れ(すす病)がないかチェックします。葉の色がかすれたように白っぽくなっている場合はハダニの発生が疑われます。
これらのサインを初期段階で見つけることができれば、被害が広がる前に手で取り除くなど、簡単な対処で済みます。
日々の小さな観察が、大切なくちなしを害虫の被害から守る最も効果的な方法と言えるでしょう。
まとめ
甘い香りが魅力のくちなしの花を、毎年美しく咲かせるためには害虫対策が欠かせません。
この記事では、くちなしに発生しやすい害虫の見分け方から、具体的な駆除方法、そして最も重要な予防策までを解説しました。
まず大切なのは、葉のベタつきや変色、白い綿のような付着物といった「SOSサイン」を見逃さないことです。
オオスカシバの幼虫やカイガラムシ、アブラムシなどの害虫を発見したら、初期段階であれば歯ブラシでこすり落としたり、牛乳スプレーを試したりするのが安全です。
被害が広がってしまった場合は、くちなしに適用のある殺虫剤や、株全体に効果が及ぶオルトラン粒剤などの浸透移行性剤を使用するのが確実な方法です。
なぜなら、薬剤が根から吸収されて植物全体に行き渡るため、直接スプレーがかかりにくい場所に隠れた害虫にも効果が期待できるからです。
しかし、何よりも重要なのは害虫を寄せ付けない「予防」にあります。
剪定で風通しを良くすることは、湿気を好むカイガラムシやアブラムシの発生を防ぐ上で非常に効果的です。
また、窒素分が多い肥料の与えすぎは葉が軟弱に茂り、害虫を呼び寄せる原因となるため、適切な施肥管理を心がけましょう。
日々の観察を習慣にし、早期発見・早期対処を行うことが、結果的にくちなしへのダメージを最小限に抑える最善の策と言えます。
今回ご紹介した駆除と予防のポイントを実践して、厄介な害虫から大切なくちなしを守り、毎年美しい花と香りを存分に楽しんでください。

